子供と本を読んでいたら、興味深い話があった。
味に関するもので、学生にある食品を食べて評価させる話。
その味について記述させると専門家による評価とかけ離れた評価になってしまう。
しかし味とは関係のないことを記述させると専門家の評価と近いものになる。
それで味に関する思考は、直感に基づく判断を邪魔して見当違いの情報を産みだすだけだという結論だった。
鍼も似ていると思った。
東洋医学の陰陽とか五行等はシンボルを用いることで直感的な判断を濁らせないように思考を抑制していると思う。
施術者は鍼を受ける人から様々なことを読み取りながら施術を行う。
しかし施術を行う中であまり分析的に考えると逆にうまくいかないことが多い。
学びはじめの頃や学校教育に慣れていると、どうしても考えたくなる。
何か考えて正解を探す癖がついていたり、不安からいろいろ考えてしまったりする。
それは実際に感じ取ったことに蓋をしてしまうことになる。
しかしシンボルを用いることである程度の通り道(感じたこととのつながり)ができる。
それを教える師や書物への尊敬の気持ちがあれば更に通り道は広くなるし、続けていくとつながりが深くなっていく。
しかし他者への説明の際は言語化しにくくなるし、シンプルにならざるを得ない。
逆に「五行説など非科学的だからもっと科学的に」とか「五行説はいいがもっと細かく複雑に分類しなければ」などと考えはじめると体系化できて他者への説明は論理的にしやすくなるだろう。
頭で納得させやすいからセミナー(有料)などには向くだろう。
でも、実際(感覚)とはかけ離れていくのかも知れない。