京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ぼんやり眺め過ごすうち

2018年05月12日 | 日々の暮らしの中で
明日またひと雨来る予報で、四つ五つと咲き始めた芍薬を持って外出した。雨滴を含んでうなだれてしまう前に、ついでもあった絵を描く知人に届けた。
お礼だと、きっと絵手紙が舞い込むだろう。綺麗に咲いて、それを眺めているのもいいけれど、気持ちが行ったり来たり、ちょっとした宝物を分かち合う気分もまた素敵な付き合いになる。


知人宅をおいとましてから、川の流れをぼんやりと眺めたくてやってきた。不思議と落ち着き、気持ちを一つところに向かわせてもらえるようで、時どき、そうしてぼんやりと過ごす。ここらで書こうかな、もう書けるな、書こう…って感じで、原稿用紙に向かえる体勢に気が入っていく。いつものことながら、前段が長いのが難儀なこと。


川岸にある柿の花ももうあと一週間あれば咲くことだろう。その頃には書き終えているだろうし、また見に来ようと思った。葉陰にいっぱい蕾をつけて、下向きに花開く。そして、「柿の花こぼれて久し石の上」と虚子の句にもあるように、雄花はボタボタと落ちてしまう。それまた忘れず見にいかなくては。


コメント (4)
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