桒田三秀税理士

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税務調査官の目 その31

2010-11-14 11:21:38 | 税と会計
 ある会社が土地、建物を購入した。売買契約書の上では土地4475万円、建物525万円となっている。建物は鉄工所に使われていた建物で築40年、ボロボロだ。いちおう固定資産税の評価額を参考に建物の価額を決定した。

 購入した会社は当初、倉庫として使う予定だったが、あまりに状態が悪いので、解体して資材置き場と社員の駐車場に使うことにした。こういったケースで購入直後に取り壊すとか、あるいは購入後間もなく(おおむね1年以内)取り壊して更地にして使用したり、新たに建物を建てた場合は、土地建物の合計金額5000万円が土地とみなされる。これをアドバイスして、1年間は当初の予定通り倉庫として使ってもらった。

 直後に税務調査が入って調査官から「1年間は建物を使っているが、それは偽装ではないか」との指摘を受けたが「購入時に1年たったら解体するつもりだったとしても現に建物を使用しているので否認はできないはずだ」と反論し、事なきを得た。

 上記ケースでは、業者の仲介手数料1575000円のうち建物部分165375円と500万円(建物の税抜額)の合計5165375円を建物として償却し、解体時に残存価額を除却損として計上する。解体業者に支払った費用も当然損金となる。

 購入時に即解体していたら、建物の価額、仲介手数料、解体費用すべてが土地の取得原価に加算され、損金部分が皆無となり税務署の思う壺になる。


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