日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

復活力を探る(1) 5938 LIXILグループ リフォーム戦略に誤算

2015年03月11日 | 14.金属製品
〔15.3.11.日経新聞:投資情報面〕
  
LIXILは主要製品のトイレで巻き返しを狙う(東京都港区のショールーム)

 2015年3月期は上場企業全体で最高益の更新が見込まれる中、苦戦を余儀なくされている企業がある。誤算の要因を分析し、来期以降の復活の可能性を探る。第1回は今期に3年ぶりの最終減益を見込むLIXILグループ。

減益に下方修正
 「ここまで国内消費が戻らないとは予想外だった」。2月2日、LIXILの藤森義明社長は今期業績予想を下方修正した理由を説明した。最大の誤算は、前期比8%増を見込んでいたリフォーム向け売上高が横ばいにとどまることだった。

 今期の純利益は245億~310億円と前期比31~45%減る見通しだ。期初時点では9%増の490億円を見込んでいたが、14年10月14日に400億~490億円(11%減~9%増)と幅のある予想に修正した。ライバルのTOTOは消費増税の影響を考慮し、49%減の223億円という期初予想を据え置いている。

 LIXILが期初に増益予想を掲げたのは、リフォーム市場での成長を計画していたためだ。同社の国内建材・住設機器の売上高に占めるリフォーム向け比率は3割程度と、TOTOの約6割に比べ低い。リフォーム市場への営業人員シフトなどを進めれば収益は伸びると判断したが、ライバルの壁に阻まれた。

 衛生陶器、浴室などTOTOが強みを持つ水回り製品の分野で戦えるように、LIXILはM&A(合併・買収)を進めてきた。衛生陶器の国内シェアはTOTOが約6割に対し、LIXILが約4割と市場を二分している。浴室は両社とも3割前後で拮抗している。

 だが高シェアにもかかわらず、LIXILの売上高営業利益率は今期予想で3%台と、TOTOの6%台を下回る。リフォーム向け製品の利益率は10%前後と、購買力の強い住宅メーカーを相手にする新築向け製品の約2倍の高水準だ。リフォーム向けの売上構成の違いが、両社の収益格差につながっている。

来期は増益転換
 消費増税前の駆け込み需要の反動もあり、国内の新設住宅着工戸数は14年度に約87万戸と1割強減少する。20年度以降は60万戸台に減るとの予測もあり、新築向け依存度の高いLIXILにとって厳しい状況が続く。

 16年3月期は増益転換が見込まれる。持ち分法適用会社だった独水栓金具大手グローエを連結子会社にすることで営業利益が200億~300億円押し上げられるほか、国際会計基準への移行でのれん償却約100億円がなくなるためだ。

 こうした会計上の効果を除くと「来期の国内営業利益は横ばい」(マッコーリーキャピタル証券のウィリアム・モンゴメリー氏)との予想もある。業績の本格回復のためには、リフォーム向け事業の強化に向けた地道な取り組みが必要となっている。 (戸田敬久) 

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