日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

JT、3度目の大型買収交渉 米レイノルズの一部事業 たばこ世界一へ意欲

2015年09月26日 | 企業:M&A・合併・事業承継
(日経9/26:企業総合面)
 日本たばこ産業(JT)が米たばこ大手レイノルズ・アメリカンの一部事業の買収協議に入ったことが明らかになった。買収額は約50億ドル(約6千億円)規模に達する可能性がある。過去2度にわたる1兆~2兆円規模の大型M&A(合併・買収)により、海外事業を拡大してきたJT。三たび大型買収をまとめられるかに注目が集まる。

  
「ナチュラル・アメリカン・スピリット」は日本の消費者にも知られている

 「2015年は投資の年にする」――。小泉光臣社長らJT幹部はこう口にしてきた。レイノルズ社の有力ブランド「ナチュラル・アメリカン・スピリット」の一部などの取得を検討しているとみられる。協議がまとまらないことや、対象が変わる可能性も残っているもようだ。

 JTは最近、たばこ事業に集中する姿勢を鮮明にしている。国内で飲料事業からは撤退し、自動販売機事業は約1500億円で売却した。

 だが、たばこ事業も順風満帆ではない。14年のJTのたばこ販売本数は、日本国内が1124億本と前年比3.6%減だった。ロシアでのたばこへの規制強化などの影響で、海外も3980億本と同4.7%のマイナスとなった。利益の3分の2を稼ぐ、頼みの海外事業を中心に成長への投資が求められている。

 これまでもJTは海外での巨額買収の実績がある。1999年にRJRナビスコの米国外での事業を約9400億円で買収。07年には英ガラハーを約2兆2500億円で買収した。

 今年4月に米国の電子たばこ会社の買収を発表するなど、ガラハー以降も積極的なM&Aに出ている。ただ、比較的小粒な案件が多かった。

 海外事業は直近では苦戦しているが将来的な成長期待は大きい。小泉社長は「新興国では経済発展にあわせて需要も増えるため、拡大余地がある」とみている。12年に社長になってから初めて買収額が数千億円単位の大勝負に乗り出すようだ。

 財務的にも年間3千億円規模の潤沢なフリーキャッシュフロー(純現金収支)があり、使い道に注目が集まってきた。15年12月期は自販機事業の売却益もあり、フリーキャッシュフローは4千億円強に膨らむ見通しだ。7月には円建て普通社債3本の発行により合計1150億円を調達。短期借入金の返済に充て、財務体質を強化した。

 米レイノルズ側の思惑も絡む。今年、同業の米ロリラードを総額274億ドルで買収した。買収による寡占が反競争的行為に当たらないよう一部資産の売却も進めている。

 JTはM&Aをテコに世界4位のたばこメーカーへと成長した。小泉社長は「たばこで世界一を目指す」と公言しており、専売制が残る中国を除いた世界市場でライバルを抜いてトップを狙う意思は強い。


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