日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

4063 信越化学、台湾に新工場 半導体関連材料、生産能力3割増 130億円投資

2015年04月09日 | 7.化学
〔15.4.9.日経新聞:企業1面〕
 
半導体回路づくりに欠かせない材料を増産する

 信越化学工業は半導体製造に使う感光性樹脂を作る工場を台湾に設ける。約130億円を投じ、早ければ2016年夏にも稼働を始める。半導体はデジタル家電や自動車など幅広い分野の需要が伸びており、生産能力を約3割引き上げて、ライバルを引き離す。第2の生産拠点を海外に置くことで、災害時などのリスクを分散する狙いもある。

 増産するのは、半導体製造に使う感光性樹脂の「フォトレジスト」。半導体の主要な材料になるシリコンウエハーの表面に塗りつけ、レーザー光で集積回路を焼き付ける工程で使う。

 同社は台中市付近にある彰浜の工業団地内の土地を取得。月内に台湾の経済部(経済省)に建設許可を申請し、認可が出次第、工場の建設を始める。フォトレジストには複数の種類があるが、具体的な生産品目はこれから決める。材料は日本から輸入するほか、一部を現地で調達する予定。生産したフォトレジストは半導体メーカーに供給する。

 世界の半導体市場は米国やアジアを中心に拡大を続けている。業界団体である世界半導体市場統計(WSTS)によると、15~16年には年3%台の成長が見込まれるという。信越化学は半導体製造に使うフォトレジストの需要が今後数年間に年率10%程度増えるとみており、新たな設備投資に踏み切った。

 製造業では東日本大震災後に生産拠点を分散し、災害時に調達や生産が途切れないようにリスクを抑える動きが広がっている。

 信越化学は従来の直江津工場(新潟県上越市)に加え、台湾で生産することでリスクを分散する。需要家の近くに生産拠点を置くことで、生産・開発の強化につなげる狙いもあるとみられる。

 信越化学は1997年から直江津工場でフォトレジストの商業生産を開始。同社が長年蓄積してきた合成技術などを生かし、市場シェアを伸ばしてきた。現在の世界シェアは3割程度とみられ、東京応化工業やJSRとトップ争いをしている。東京応化は台湾や韓国など、JSRは欧米にそれぞれ海外の生産拠点を持っている。信越は台湾の新工場の稼働をテコに他社を引き離したい考えだ。



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