日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

新興国通貨の下落尻目に 韓国ウォン、上昇基調 経常黒字背景

2014年12月18日 | 為替全般
〔14.12.18.日経新聞:マーケット総合2面〕



 韓国ウォンが上昇基調で推移している。資源国を中心とした新興国通貨が急落する中でも、買われている。巨額の経常黒字を背景に、円やスイスフランなどと同様の逃避先通貨として見られ始めたとの見方も出ている。

 17日の外国為替市場では、1ドル=1090ウォン前後で取引されている。16日には一時1080ウォン前後まで上昇し、約5週間ぶりの高値を付けた。11月末と比べても、ウォンは対ドルで約2%上昇している。原油価格の急落で安値を更新したルーブルや、下げ基調のブラジルレアルやメキシコペソなどと対照的だ。

 金融市場では「ウォンが逃避先通貨の一つとしてみられている可能性がある」(三井住友信託銀行の瀬良礼子氏)との見方が広がっている。経常赤字国は資金を他国に依存していることになるため、経済不安が起これば資金が海外へ逃避して通貨安に陥りやすい。経常黒字国の場合はそうしたリスクが少ない。

 韓国銀行(中央銀行)によれば、10月の経常収支は約90億ドル(約1兆530億円)の黒字となり、黒字幅は前月の約74億ドル(約8650億円)から拡大した。2013年の経常黒字額は過去最高の798億ドル(約9兆3千億円)に達し、09年に比べ約2倍に膨らんだ。14年もほぼ同水準の見通しだ。

 投資対象として円よりもウォンの方が魅力的な点でもウォン上昇の理由となっている。足元では円高・ドル安だが日銀による追加の金融緩和による長期的な円安・ドル高基調は変わらず、日本の金利は低い水準のまま。「金利の高いウォンに資金が流れている」(国内銀行)という。

 国内総生産(GDP)の4割超を輸出が占める韓国にとって、ウォン高は景気を冷え込ませる要因になる。韓銀は今月、政策金利を年2%で据え置くことを決めた。10月の利下げの効果を見極める意図があったもようだが、ウォン高による経済への悪影響との板挟みにもなりそうだ。

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