【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎「集団的自衛権反対」を明言「野党第1党として国民の不安や懸念、危険性の指摘受け止める」民主代表

2014年08月05日 18時10分10秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 民主党の海江田万里代表は2014年8月5日(火)の第618回常任幹事会冒頭あいさつと、その後の定例記者会見で、「現時点で集団的自衛権に反対する」と明言しました。

 これまで、「集団的自衛権の限定容認には反対する」「7月1日の閣議決定による憲法解釈の変更には反対し、閣議決定撤回を求める」との表現をしていましたが、ここにきて、立ち位置をハッキリさせました。

 海江田さんは記者会見で「集団的自衛権の行使を容認するという7月1日の政府の閣議決定には多くの国民が決定的に説明不足だと感じ、過半を超える国民が反対の声をあげている。安倍政権に対する国民の不安や懸念、危険性の指摘を受け止めるのが野党第1党としての使命と考え、これまでの民主党の議論を整理し本日発言した」と語りました。

 これには、根っからの親米保守、右寄り(Right)の筆者も賛同します。私はもし仮にアメリカ人に生まれ変わるとしたら、西海岸の共和党員がいい、と思うほどの親米保守です。ちなみに、安倍首相が5月15日と7月1日の記者会見で使った「子を抱く日本人母が載る米艦を保護する日本海上自衛隊」ですが、これは、筆者が1997年改定日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を読む限り、ありうる事例だと考えます。ただ、その解釈は内閣法制局だけでなく、アメリカの在日軍司令部、国防総省、国務省の見解も必要だし、そもそも担当者によっても変わりうる。17年間、朝鮮半島から日本人が退避するということがなかったのは、危機管理上幸いであり、これはありうる事例だと考えます。ただ、それでも、釜山から対馬沖までの警護をするために、わざわざ集団的自衛権行使を容認する閣議決定などする必要はありません。蟻の一穴になります。

 だいたい15事例からして、選び方が恣意的です。資本主義を守るための集団的自衛権行使だったベトナム戦争、大量破壊兵器からの集団的自衛権だったイラク戦争に、日本自衛隊の自衛官が赴き、血を流すこととは比較にならないほど小さい。

 アメリカのリバランス政策と対(つい)になる安倍自民党の積極平和主義のもと、アメリカの財政難を補うために集団的自衛権行使を決定することは我が国益を損ねます。もちろん、中国の脅威の拡大にともなう抑止力の維持、拡大のために、我が国がより大きな役割をしなければならないのは言うまでもありません。しかし、集団的自衛権などやるべきでありません。

 ちなみに、1997年改定ガイドラインに橋本首相がニューヨークで署名したのは、臨時国会召集の前週でした。このときは9月でした。ことしは、まさか、閉会中に署名するところまで秋の臨時国会を遅らせるとは思えませんが、ガイドラインを先行させていいですが、あくまでも、現場の軍人や自衛官が持ち寄る事例に限り、議論すべきと考えます。

 とはいえ、自民党と公明党はしっかりと来年の国会に法案をだし、時間をかけて国会審議をしていけばいいでしょう。

 ◇

 報道によると、ロナルド・レーガン共和党政権の8年間にわたり一貫して大統領報道官として支え続けたジェームズ・ブレイディさんが2014年8月4日亡くなったそうです。73歳。政権発足直後のレーガン大統領暗殺未遂事件で頭に極めて重傷を負いました。この事件を起こした男は、ロバート・デニーロ主演でジョディー・フォスターが助演した「タクシー・ドライバー」という映画に触発されて蛮行に及んだため、デビュー直後のフォスターさんがイメージ上の関係でしばらく芸能界から遠ざかるということになりましたが、レーガン大統領のすばらしい朗らかさのなかで、政権支持率が向上して長期政権となり、東西冷戦に終止符を打ちました。また、フォスターさんも表舞台に復帰。最高の名脇役のジェームズ・ブレイディさんも男子の本懐。つくづく、我が同盟国、アメリカは偉大だ、日米同盟と、韓国、オーストラリアが協力すれば、太平洋は永遠にその名の通り、平和の海(The Pacific Ocean)であり続けると再認識しました。

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