【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

ついに米中巻き込みに成功 COP16カンクン合意 25%削減へ 福山・岡田法案の方向性が世界に認められる

2010年12月17日 11時18分19秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]福山哲郎さんと岡田克也さん。

 ことしの12月31日は金曜日ですので、それまでに小沢に新党を作られたら、来年の4月20日の政党助成金支給日前に小沢の金庫が空っぽのうちに解散しないといけなくなるかもしれないので、政倫審は年明けかつ通常国会前というタイミングになるでしょう。年明けと同時に、公明党さん、社民党、国民新党、自民党、日本共産党が総攻撃に出てくださることを期待しています。

 さて。

 COP16がメキシコのカンクンで開かれました。

 カンクンというのは、すてきなリゾートだそうで、1990年代後半には、日本人の新婚旅行ブームになったところです。

 私は1996年の冬、今は読売記者をしている大学の同級生と2人で、ワシントンD.C.でホワイトハウス、ニューヨークで証券取引所を見物したその脚で、格安周遊券(4都市で10万円)を使って、メキシコ合衆国に行きました。首都・メキシコシティーの、スペイン語の街の旅行代理店で、フォルクスワーゲン製のタクシーで、メキシコ国立博物館に行ったことがあります。そこで、日本人夫婦と出くわして、「カンクンに新婚旅行に行った帰りで、乗り継ぎでメキシコシティーに来たんですよ」とのことでした。奥さんは、ソバージュがかかった日やけした、歌手の小野リサさんに似た感じの方で、同じ日本人でもいろいろな人生があるな、と感じました。その後、日本語の看板を掲げた旅行代理店に立ち寄り、応接スペースにあった産経新聞の1面トップの横見出し「さようなら司馬遼太郎さん」に絶句。その一方、毎日新聞1面トップの「羽生善治さん史上初の7冠王」という記事にも、日本の明るい未来を感じました。ともに1996年2月上旬のニュースです。

 カンクンで開かれた国連気候変動枠組み条約、あるいは地球温暖化防止条約という読みかえも可能なようですが、COP16で、「カンクン合意」が採択されました。さあいよいよ、画期的なことに、
アメリカ、中国らも、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標のチームに参加することとなりました。

 すなわち、私たちは米中の巻き込みに成功しました。

 京都議定書が単純延長となると、日本がこのゲームで、“自爆”することになりかねず、公明党の斉藤鉄夫元環境大臣も懸念していました。

 日本代表の松本龍・環境大臣が「日本は京都議定書の単純延長は認められない」と初日からハードルを上げ、EUからは「やりにくい」とたしなめられたようですが、結果としては松本さんの強気が、米中およびインドを巻き込んだ、「カンクン合意」というペーパーを採択できました。

 松本龍さんの地元は福岡1区、博多です。歴史の授業ではなぜかやりませんが、博多の港というのは、二度目の蒙古襲来で、火を付けられ、焼け落ちました。わが国で、中国の王朝・政府(あるいは中原=ちゅうげんというのでしょうか)に火力で攻撃され破壊された街は福岡・博多だけです。なんで教室で教えないのでしょうかね、ひょっとして中国が共産・社会主義で、共産・社会主義者がが歴史教師として教壇に立ったり、大学教授として教科書を執筆しているのではあるまいか。

 話がそれましたが、その強気の松龍も、「昨年の衆院選のマニフェストを読んだときには野心的すぎるかな」と大臣就任会見で語った、「2020年までに90年比25%削減」の福山哲郎さんと岡田克也さんの2008年通常国会に提出した「地球温暖化対策基本法案」の方向性が現時点では、おおむね正しい方向性だったということが明らかになったといえるでしょう。福山さんはスリランカ、岡田さんはアメリカ東海岸(ハーバード)で修行した経験があります。

 よく、岡田の考えは分からないと言われますけどねえ~~(^_^)v

 福山・岡田法案改め、内閣提出「地球温暖化対策基本法案」を2011年、第177通常国会で成立させましょう。

 世界はまだまだ日本に期待しています。科学・技術とイノベーション。日本はしっかりと人と施設と機器と法律と予算を備えなければなりません。私をはじめ数学が苦手な人間も応援したいし、環境技術や、あるいはバイオ産業、あるいはスポーツ科学なんかも強いですが、その周辺では、例えば清掃員、警備員、事務員の仕事だって、成長分野です。興味をもってこういった分野の情報に触れてほしいと思います。アニメ、マンガ、ゲームなどコンテンツ産業は天井にぶつかっているように、私には感じられますが、環境・バイオ・スポーツ科学はたっぷり稼げますよ。日本はまだまだ大丈夫だよ~~ん(^_^)v

[福山哲郎さんのメールマガジンより引用はじめ]

テツロー日記 2010年12月11日 第403号
「COP16合意文書採択されました」

メキシコ(カンクン)で開かれていたCOP16は、現地時間の未明(日本時間18時頃)に文書が採択されました。

今回の合意は、日本の原則的な立場を守りながらも、米中を含め包括的な国際枠組みに向けた重要なものとなりました。
各国の代表団が本当に厳しい交渉をされた結果だと思います。来年、再来年につながる会議となり、とても喜び、ホッとしています。

昨年のCOP15では、コペンハーゲンで、寝ずの交渉に携わりましたが、今年は東京からとなりました。
現地の代表団・スタッフの皆様の尽力に敬意を表します。

[福山哲郎さんのメールマガジンより引用おわり]

 asahi.com(朝日新聞社):ポスト京都へ新体制 米中に対策迫る決議 COP16 - 国際
 【カンクン(メキシコ)=須藤大輔】2013年以降の地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は11日未明(日本時間同日夜)、新たな対策の骨格を「カンクン合意」として採択し、閉幕した。京都議定書を離脱した米国や、温室効果ガスの削減義務を負っていない中国、インドなどの新興国にも、一定の削減を初めて求める。主要排出国が参加する新しい国際体制が動き出す。

 議長国のメキシコが最終日の10日夕に示した決議案を、各国が受け入れた。先進国は削減目標を掲げ、率先して対策に取り組む。途上国には経済発展で排出量が増える余地を認めながら、抑制に向けた計画づくりを促す。削減の取り組みを国際的に検証する制度の設置や、途上国支援の基金創設なども盛り込んだ。

 対立が目立った昨年末のCOP15から一転、各国は妥協を重ねて合意にこぎつけた。

 COP15で主要国首脳がまとめた「コペンハーゲン合意」は、一部途上国が「文案作成の過程が不透明だ」と反発、採択できずに終わっている。今回、議長国メキシコは神経をとがらせ、徹底的な正攻法で会議をとり仕切った。「秘密文書もなければ秘密会議もない」。エスピノサ外相はこう繰り返し、合意文書の作成を進めた。

 各国の思惑も妥協に結びついた。

 新国際体制づくりで最大のネックは、2大排出国の米国と中国の対立だった。削減の検証制度創設を主張する米国に、中国は「主権を侵す」と反発。仲介に奔走したのがインドだった。この問題で主導権を握ろうと独自の検証制度を提案し、中国を説得。会議終盤、中国は制度の受け入れを表明した。関係者は「中国は前回のコペンハーゲンで、かたくなな態度をとって批判を受けた。今回は批判を避けたかったのだろう」とみる。

 各国の大臣も「妥協なしに成功はない。妥協なしに、我々の生存はない」(ノルウェーのソルハイム環境・国際開発相)と調整を重ね、合意への機運を高めた。採択の後、メキシコのカルデロン大統領は「私たちは希望を取り戻した」と宣言した。

 一方、新たな枠組みを新議定書など法的拘束力がある形にするかは、今回の合意に明示されず、議論は来年末に南アフリカ共和国で開かれるCOP17に持ち越された。日本が強く反対した京都議定書の延長も、結論を来年へ先送りした。

 洪水など異常気象が相次ぐバングラデシュの代表はクギを刺した。「これで終わりではない。私たちの生き残りをかけた交渉はこれからも続く」



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