(このエントリーの初投稿日時は2015年6月5日午前9時過ぎで、それから、4日付にバックデートする予定)
【平成27年2015年6月4日(木)衆議院憲法審査会】
憲法学者3名と参考人質疑。
長谷部恭男・早大教授(自民党・公明党・次世代の党推薦)、小林節・慶大名誉教授(民主党推薦)、笹田栄司早大教授(維新の党推薦)が意見を述べました。
民主党の中川正春さんの「安全保障関連2法案(189閣法72号189閣法73号)について、率直に、ここでお話を聞きたいんですけれども、先生方は、憲法違反だと思われますか。それとも、その中に入っていると思われますか。先生方が裁判官となるんだったら、どのように判断されますか。全員。三人とも」との質問に対して、
3参考人は次のように答えました。
長谷部さんは「集団的自衛権の行使が許されるというのは憲法違反。法的な安全性を揺るがす。閣議決定の文脈自体に大いに欠陥がある。個別的自衛権のみ許されるという論理で、なぜ集団的自衛権が許されるという論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか。どこまで武力行使が許されるかも不明確で立憲主義にもとる」。
小林さんは「海外で軍事活動する法的資格は与えられていない。仲間の国を助けるため、海外に戦争にいくのは集団的自衛権で、憲法9条違反。閣議決定で、政府が積み上げてきたものが、論理的に吹っ飛んだ。国会が多数決で法律をつくれば、国会による憲法軽視。これも立憲主義に反する」。
笹田さんは「自民党政権と内閣法制局がつくってきたガラス細工で、ぎりぎり保っていた。今の安保法制の定義は、踏み越えてしまっている。閣議決定は、一読して分からないどころか、読めば読むほど、どうなるんだろうと思った。落とし込む作業をされているが、やはり分からない。我々の結論はやむを得ない」
と語り、推薦政党に限らず、「違憲だ」とそろいました。
続いて、「自衛隊の活動範囲を拡大すれば、戦闘行為と一体化しないのか」との問いに、
長谷部さんは「戦闘地域と非戦闘地域の区別をなくしてしまうと、指揮官の判断に委ねられる。武力行使の一体化が生じるおそれが極めて高い」。
小林さんは「一体化そのもの。兵站なしには戦争できない。露骨な戦争参加法案だ」。
笹田さんは「後方支援で兵站を担うことについて、大きな疑問を感じている。小林先生の説明に、私もそう思う」。
このように、3氏とも、「現に戦闘行為が行われていない現場以外での後方支援は武力行使と一体化している」との認識を示しました。
ちなみに、時々、イメージギャップを持っている人がいますが、「日本国憲法を研究する学者」というのは、日本の大学しかいないですね。米ハーバード大学、コロンビア大学にしろ、欧州、韓国、中国の大学にも、日本文学を研究する学者はいても、日本国憲法を研究する学者というのはいません。
以上
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