【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【かんぽの宿】松野頼久さんの猛攻に小泉元首相「売れ!」と本音をもらす

2009年04月09日 10時14分05秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

 自民党の元首相、小泉純一郎。定額給付金法案で欠席を呼びかけたものの、元首相秘書官だった議員が同調しただけで、表舞台を去りました。その彼が昨日(8日)、「かんぽの宿を早く売れ」という趣旨の発言をしたそうです。

【衆院総務委員会 2009-4-7】

 民主党は後半国会も「郵政民営化」「かんぽの宿」で猛攻撃をしています。まるっきり報道されていませんが。おととい(4月7日)の衆院総務委員会では民主党副幹事長の松野頼久さん(熊本1区)が国税庁を呼んですさまじい集中砲火を日本郵政に浴びせました。

 松野質問は2009年4月7日の衆院総務委員会。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib2.php?u_day=20090407

 このビデオの23分50秒過ぎ、国税庁を政府参考人に従えました。

 国税庁調査査察部長の岡本榮一さん〈昭和54年大蔵省採用〉というとてもとても偉い人が出席。この部長は「マルサの女」の全国ボスです。

 松野さんは「かんぽの宿の売却」について、法人税の受贈益課税、これは個人で言えば「贈与税」に当たりますが、これに該当しないのかという課題を設定します。かんぽの宿の70件・109億円という超大安売りに関しては、国会での国民新党の指摘をきっかけに、ストップさせました。仮に行われていたら「固定資産評価額の8割というあまりに極端な金額(109億円)では、受贈益課税の対象になるのではないか」と松野さんは質問しました。

 
[写真]岡本・国税庁調査査察部長

 国税庁調査査察部長は、自民党の鳩山総務相、西川善文・日本郵政社長らを横目にしながら、「一般論としては、(買い手である)法人が時価より安い価格で不動産を取得した場合、時価と購入価格の差額は寄付金に算定され、法人税の課税対象になる」としました。

 売り手(日本郵政)についても「その時価と譲渡価額の差は、寄付金に該当し、(そのなかで)損金算入限度額を超える部分の金額は、損金の対象にならず、法人税の課税の対象になる」。

 これは大きな答弁を引き出しました。

 松野さんは「仮にオリックスに売却していたら、(日本郵政経営陣は)背任になるくらいの重大な案件だ」と踏み込みました。

 さらに、三井住友銀行からゆうちょ銀行の外国債売買マネージャーに転職した社員がいまだに住友の社員寮に居る問題については、「住友の社宅に住み続けている場合は、住友からの贈与になるのではないか?」と指摘。

 松野さんは「こんなんじゃ、土地、不動産に対して税金払う人がいなくなっちゃいますよ」とモラルハザード(倫理観の欠如)を指摘しました。

 ところで、NHKニュースで「民主党の松野議員が国会議員の所得公開で、15億4653万円でトップになりました」と報じられたのが冒頭の写真。松野さん、このお金のほとんどを親から子への永遠の贈与税である「相続税」として国に納めました。これは「その日」の翌日から10ヶ月以内に納税しなければいけないという、哀しみに浸っている暇もない税金です。マジメに税金を納めたら「松野さんはお金持ちだねえ」と言われて、その上「国」が100%株式を持つ日本郵政が1000円で土地を売るようなインチキ商法に手を染めている。松野さんは「こんな不条理なことがあっていいのか!」との義憤からかんぽの宿を追及しています。いわば3回生にして、「第二の新人・松野頼久」という段階にいるのです。

 松野鶴平参院議長→松野頼三元防衛庁長官→細川護煕首相(姻戚関係はない)→松野頼久さんと系譜がつながっていることだけで、松野さんを「軟弱」というイメージでみる人がいますが、違います。

 この松野さんの猛攻撃にたじろいだ小泉さん、おもわず「かんぽの宿は売れ」と本音をもらしてしまったのではないでしょうか。慶応ボーイは優しいだけじゃないようですよ、小泉さん。

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かんぽの宿、売却必要=「役所がやる事業か」-小泉氏(時事通信) - goo ニュース

 自民党の小泉純一郎元首相は8日午後、京都市で講演し、日本郵政の保養・宿泊施設「かんぽの宿」譲渡問題について、「売却(の価格)が高過ぎるとか安過ぎるという問題ではない。これは役所がやらないといけない事業か、しっかり国民は見極めないといけない」と述べ、郵政民営化を後退させないためにも施設売却を当初方針通りに進めるべきだとの考えを強調した。 



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