【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

菅選対の事務総長に鉢呂吉雄さん 入閣へ

2010年08月27日 07時00分00秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[画像]鉢呂吉雄さん(民主党ホームページ)

 民主党代表選(9月1日告示、14日開票)にのぞむ総理大臣の菅直人さんは、菅陣営の選対本部長に、前参院議長の江田五月さん、選対本部長代理に元国家公安委員長で党副代表の石井一さん、事務総長に鉢呂吉雄さんを内定しました。

 鉢呂さんは当選7回の62歳。菅さんが再選すれば、内閣改造後の入閣候補第1号となるのが、政党政治のルールです。

 鉢呂さんは1990年の第39回衆院選で無所属で初当選しました。当選後に社会党に入党。同期当選組では、官房長官の仙谷由人さん、広島市長の秋葉忠利さん(2010年マグサイサイ賞受賞)、厚労副大臣の細川律夫さん、菅グループ(国のかたち研究会)会長の土肥隆一さん、参院に回った岡崎トミ子さんら「ニューウェーブ」が今も活躍しています。自民党からは外相の岡田克也さん、経産副大臣の増子輝彦さんらが初当選しており、「岡田・仙谷世代」として同期の結びつきが強いことで知られます。

 鉢呂さんは、民主党幹事長代理、選対委員長、ネクスト外相などを歴任しました。また、2004年には岡田代表から国会対策委員長に抜擢されています。

 昨年5月の代表選では、民主党北海道連代表でしたが、「北海道から初の総理を」めざした鳩山由紀夫候補ではなく、岡田克也候補の推薦人に名を連ねました。また、鳩山候補を推した小沢一郎前代表が赤松広隆選対委員長から「横路グループ(新政局懇談会)をまとめた」との報告を受けながら、実際には、鉢呂さん、細川さんらが岡田さんの支持に回ったことで、小沢氏が激怒した、との報道もあります。

 この代表選では、小選挙区に強い衆院議員ほど岡田候補を支持する傾向があり、実際に、その3ヶ月後の第45回衆院選で鉢呂さんは65・5%(14・9万票)の得票率で当選しました。

 しかし、この代表選が影響したのか、政権交代後、鉢呂さんは無役となってしまい、私はとても気になっていました。10ヶ月が経ち、同じく岡田候補の推薦人に名を連ね菅内閣で外務副大臣になった藤村修さんの後釜として衆院厚労委員長に就任。第174臨時国会では、ねじれ国会の第一号法案となった「RFO存続法案」を委員長起草で民国・自公社共の各党の賛成で成立させました。

 北海道知事選に出馬した後、北海道4区(小樽市など)に国替えしましたが、連続して当選しています。「衆議院全300小選挙区データブック 2009年夏版」では、「鉢呂は、現実的バランス感覚に優れ、“どぶ板選挙”を得意としており、民主党随一の選挙上手と言われている」と紹介されています。編著者は、菅源太郎さんと東恭弘さんで、菅源太郎さんは菅総理の長男です。

 鉢呂さんは北海道大学農学部卒業後、畑作、酪農に従事。その後、今金町農協の職員として働きました。衆院農林水産委員長を務め、北海道の農業政策に極めて強い影響力を持っているとされます。

 座右の銘は「誠実」。

 今回の選挙は、勝つだけでなく、その後の党のあり方をどのするか問われる選挙です。私は完膚無き圧勝こそが、党分裂を避ける唯一の方法だと思いますが、鉢呂選対本部長はどのような手綱さばきを見せるのでしょうか。

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2010-08-03 23:59:59



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