[写真]日本銀行、東京都中央区日本橋本石町、2016年、筆者・宮崎信行撮影。
木内登英、佐藤健裕、両日本銀行審議委員が、5年間の任期を終えることになりました。木内さん、佐藤さんの在任期間は、平成24年2012年7月24日から、平成29年2017年7月23日(日)までで、きょう、最後の金融政策決定会合を終えました。
これにより民主党政権下で同意された金融政策決定会合メンバーは全員、日銀を去りました。最後の決定会合で、黒田東彦総裁が提案に反対したのは、木内さん、佐藤さんの2名だけ。特に、「年80兆円ペースの維持」に反対したのは、木内審議委員ただ一人でした。
木内さんは、2013年4月の異次元の「年50兆円」金融緩和スタートに賛成したものの、2014年11月の衆議院解散後の会合では、「年80兆円ペースへの拡大」には、反対。その後、毎回のように、「年45兆円ペースへの修正」の木内案を提案。1対8で、否決され続けました。黒田東彦総裁が提案する「年80兆円ペースの維持」や「日銀当座預金のマイナス年0・1%金利」には反対し続けました。
最後の会合でも一人異論を出し、反対多数で否決されました。
義を貫き通しました。
[画像]きょうの議事要旨の一部、日銀ホームページから。
きのうきょう開かれた、最後の会合でも、「年45兆円ペースへの修正」を提案し、否決。ただ、日銀執行部は、この会合で、「2年で2倍で2%」すなわち「2013年から2015年までにマネタリーベースを2倍にして、物価(CPI)を2%にする」との目標を「2019年度にずれこませること」を決めざるを得ませんでした。
野田佳彦内閣は、平成24年2012年の第180回通常国会で、他の人物の同意案を出しましたが、民主党賛成、自民党・公明党反対で否決されました。その後、「木内・佐藤案」は、民自公賛成、み共反対で、同意されました。
木内さんと同じ日に就任した、佐藤健裕・審議委員も、きょうの会合で、反対票を投じました。
これ以降は、すべて安倍内閣で、同意された、総裁・副総裁・審議委員となります。9名すべてがリフレ派となったことで、暴走機関車は、行き着くところまで行くしかないといったところです。正直、どうにもならないでしょう。
木内さんは52歳ということで、私と同じ早稲田大学政治経済学部の卒業生です。よく「早稲田の政経」と言われ知名度も抜群ですが、残念ながら、公職で義を貫く人はあまりいません。しいていえば、今行われている横浜市長選で「横浜のドンがカジノに反対」と話題になっている、藤木幸夫・横浜港運協会会長らでしょうか。木内さんの今後の去就は分かりませんが、日銀の重々しい雰囲気の建物の中で、毎回反論を唱え続けた人物ということで、さらなる活躍の場があればいいし、そういう日本であってほしいと考えます。
このエントリー記事の本文は以上です。
最新の画像[もっと見る]
- 第214回臨時国会は来週1日(火)召集、当日夜解散もあるか、立憲は小川淳也幹事長が登場 22時間前
- トリプル党首選、立憲は野田佳彦代表、あす昼までに人事 2日前
- 泉健太実行委員長がサークル感覚で企画した「史上唯一の1泊2日の合宿形式の民主党大会」のクライマックス「ave(エイブ)さんの福の歌」を脳内BGMとしてヘビーローテーション化して最後の訴え 3日前
- 泉健太実行委員長がサークル感覚で企画した「史上唯一の1泊2日の合宿形式の民主党大会」のクライマックス「ave(エイブ)さんの福の歌」を脳内BGMとしてヘビーローテーション化して最後の訴え 3日前
- 節操なき自民党、世襲・小泉進次郎総裁候補、野田聖子元郵政・総務大臣と「全特」郵便局長会に支援を要請 5日前
- 「10月1日召集」の閣議決定を自公のみで強行のかまえトリプル党首選は公明党は石井啓一新代表 7日前
- サングラスSPさん初見参 今夏から運用改定 西日が強烈な札幌で 1週間前
- サングラスSPさん初見参 今夏から運用改定 西日が強烈な札幌で 1週間前
- 劣勢枝野、天王山・北海道で巻き返しも「候補者は4人だろ」と年配男性党員にスタッフ叱られる 1週間前
- 劣勢枝野、天王山・北海道で巻き返しも「候補者は4人だろ」と年配男性党員にスタッフ叱られる 1週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます