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[写真は川内博史さん=6月11日の衆院国交委で公取に談合を告発した瞬間]
民主党衆議院議員、川内博史(かわうち・ひろし)さん。
自民党王国・鹿児島1区で立候補。4回連続で比例復活当選のため、“ミスター・ゾンビ”と呼ばれる46歳。
169通常国会では、民主党ガソリン値下げ隊長として活躍。
「ゾンビだ」「幼稚だ」と散々言われながら、川内さんは平成20年7月15日、日本を大きく動かしました。
国土交通省が発注する公用車の運転・管理の外部委託(アウトソーシング)で談合があった疑いで、公正取引委員会は15日、業者数社の本社など全国三十数カ所を立ち入り検査しました。
立ち入り検査を受けたのは、日本道路興運、日本総合サービス、北協連絡車管理の3社など。この3社は全体の9割を、95%以上という高落札率で国交省から受注していました。お金のでどころは政府の一般会計・特別会計の税金です。
「3社」が「9割」を「95%」で受注していたということは、ほぼ間違いなく談合でしょう。
同時に3社には50人以上の国交省OBが天下りしており、「HAT-KZ(ハットカズ)」のK=官製談合の可能性もあり、今後の捜査に注目したいです。
実は6月11日の衆院国土交通委で、川内博史さんがこの問題を取り上げ、「不当な取引制限に当たるのではないか」として、「この事実を公正取引委員会に申告したい」とその場で公取に質問。
公取は「ただいま御指摘なさった件につきましては、公正取引委員会として申告としてお受けいたします」と答弁しました。
これは独禁法第45条の「報告」にあたり、ここから「委員会の活動の開始」となり、「事件について必要な調査」をしたのが、きょうの立ち入り検査だと思います。
この条文を読んでみると、国交省への命令など「適当な措置」をとる場合は「速やかにその旨を当該報告をした者に通知しなければならない」と定めています。
ですから、公取の処分内容の決定は川内さんに連絡が入るということでしょう。こりゃ社会部記者は当分、川内さんに張り付かないといけないね。
そんなわけで、川内さん&民主党の若い仲間たちは169国会で、ガソリンは値下げするわ、国交省のタクシー券は廃止するわ、公用車の談合を暴くわとまさに八面六臂(はちめんろっぴ)の大活躍だったことが分かります。
さながら民主党政権の予告編フィルムのようですね。
「僕らが日本を変えるんだ!」という気迫が本当に日本を動かした2008年通常国会。本編封切りまで(遅くとも)あと1年2ヶ月です。
【追記 2008-7-16 22:30】
この問題は2005年に河村たかしさんが指摘していたそうです。河村質問を受けて、若干の改善があったものの、談合(?)は続いていたようです。読売夕刊で知りましたので、補足しておきます。【追記終わり】
衆院国土交通委員会 2008年6月11日
169 - 衆 - 国土交通委員会 - 24号
政府参考人(抜粋)
国土交通省大臣官房長 宿利正史君
公正取引委員会事務総局審査局長 山田務君
○川内委員 さらに、もう一つ聞かせていただきます。公用車の運転業務委託について質問させていただきます。(略)
七十二の国道事務所が五年間で三百六十回入札を、契約をしているわけでございますが、この中で、各事務所の五年間の契約のうち、契約会社がかわった事務所は幾つありますか。三百六十回の入札の中で前年と契約会社がかわった入札は何回ありましたでしょうか。
○宿利政府参考人(国交省官房長) (略)十六年から十九年度までの四年間について確認をいたしますと、委託業者が前年度とかわった事務所は一事務所であります。
○川内委員 七十二の事務所の中で契約先の会社がかわったのは一事務所。
さらに、入札は三百六十回行われているわけでございますけれども、契約会社がかわった入札は三百六十回の入札のうち何回ありますか。
○宿利政府参考人 前年度とかわったという意味では、かわった瞬間でありますから、一回ということであります。
○川内委員 三百六十回の入札のうち一回しか契約先の会社がかわっていない。(略)
さらに伺いますが、この一覧表の平均落札率を年度ごとに教えていただきたいと思います。
○宿利政府参考人 この七十二事務所の各年度の平均落札率ですが、開示されているものの平均ということになりますけれども、平成十五年度が九九・四%、平成十六年度が九八・八%、平成十七年度が九八・三%、平成十八年度が九七・三%、平成十九年度が九七・〇%であります。
○川内委員 ほとんど一〇〇%に近い九〇%台の後半です。
もう一つ、入札の期日でございますけれども、(略)いつ入札が行われたかということをお答えいただきたいと思います。
○宿利政府参考人 (略)九州地方整備局の佐賀国道事務所と九州技術事務所が平成十八年三月三十一日ということであります。
○川内委員 大臣、これはどういうことかというと、ほとんど年度末に入札を行って、新しい業務は、契約は四月一日からスタートするんですね(略)
○冬柴国交相 いろいろと御指摘をいただいたところでありますし、最近、新聞紙上で、このような契約の中で談合を疑わせるような記事が出ました。しかも具体的な名前が挙げられました。私は、直ちにそれについて調査をいたしまして、公正取引委員会にも報告をいたしました。(略)
○川内委員 (略)この国土交通省の全国の国道事務所などの車両管理業務委託契約について、日本道路興運株式会社や日本総合サービスなどによる入札は、談合、すなわち独占禁止法で禁止されている不当な取引制限であると私は思料いたします。なぜかなら、平均落札率が異常に高い、さらには入札の期日も年度末に集中をしている、そして同じ会社が独占的に受注を続けている、これらの三点の事実によって、不当な取引制限に当たるのではないかということを思料するわけでございます。
独占禁止法第四十五条に基づいて、この事実を公正取引委員会に申告したいというふうに思いますが、公正取引委員会として受理していただけますでしょうか。
○山田政府参考人(公正取引委員会事務総局審査局長) ただいま御指摘なさった件につきましては、公正取引委員会として申告としてお受けいたします。
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