【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

2013年1月28日(月)召集へ 第183回「経済」国会 民主党はそれまであせらないことが大事

2013年01月04日 22時26分36秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]衆議院本会議場のレプリカ(憲政記念館の一般展示室から)筆者撮影。

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 政府・自民党は、第183回通常国会を2013年1月28日(月)に召集する方針です。この場合は、当初会期末は6月26日(水)となり、第23回参院選は7月4日(木)公示、7月21日(日)投票となる見込みです。延長は1回まで。

 加藤勝信・内閣官房副長官(自民党衆院議員)が与党・自民党国会対策委員会に伝えたと報じられています。

 国会法第2条は「常会(通常国会)は毎年1月中に召集するのを常例とする」、第10条は「常会の会期は150日間とする」と定めています。国会法第1条は「国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する」とあり、召集詔書は、憲法7条の天皇の国事行為の第2項「国会を召集すること」にもとづき、内閣の助言と承認にもとづき天皇陛下が発する国事行為です。なので、政府・自民党に一方的に決定権があります。

 2013年は3年に1回の参院選がお尻にある通常国会。会期の大幅延長ができないうえ、国会審議が選挙結果に直結する、与党にとって厳しい第183回国会です。21世紀に限っても、与党は2004年、2007年、2010年の参院選で3連敗しています。2001年、本予算(案)審議中に不人気の内閣が退陣予告をし、予算成立後の4月に自民党新総裁が誕生。「自民党をぶっ壊す」という訳の分からない公約をかかげてなだれ込んだ第19回参院選しか与党勝利はありません。

 第1次安倍内閣が一度だけ臨んだ通常国会(第166回国会)も、6年前ですから、大幅延長ができない通常国会でした。消えた年金記録への世論の反発をかわす目的もあり、12日間延長。改選予定だった自民党の大仁田厚・参院議員が「会期の延長に反対して議員を引退する」という混乱のほか、第21回参院選の投票日が7月22日から29日になったことで、地方税増税による給料天引き増加の2度目(7月25日)をまたいでしまい、第1次安倍内閣は惨敗しました。このトラウマは第2次安倍内閣の主要メンバーは共有しているはずで、1月末ギリギリに召集し、衆参ねじれに対応して、優越規定のハードルが低い、補正予算、暫定予算、本予算(当初予算)の3つの予算を確実に成立させることで、参院選に一気呵成になだれ込みたい構え。ただし、7月に景気が回復し、さらに、雇用、給与が回復している保証はまったくありません。

 また報道によると、召集直後は、安倍晋三首相の所信表明演説と麻生太郎財務相の財政演説にとどめ、本予算(案)提出後に、政府4演説(安倍首相の施政方針演説、岸田文雄外相の外交演説、麻生財務相の財政演説、甘利明経済財政政策担当相の経済演説)を行う、ていねいな国会運営をするという構想があるようです。この場合は、民主党らは2回にわたって両院本会議の各党代表質問(NHK入り)ができることになります。その間にも両院の第一委員(会)室での予算委員会の基本的質疑、集中審議などで、大型連休前後まで毎週のようにNHK入り国会中継に登場する見通しになります。

 年度内に本予算が成立しない国会日程は、野党・民主党としては初体験。立党以来の「健全野党路線」のイメージと現実とのギャップにとまどう可能性もあります。立党以来両院のフロントベンチ(与党第1党ないし野党第1党)に座り続ける民主党にとって国会対応の新機軸を打ち出す柔軟性が海江田万里代表に求められます。

 予算中心の「経済国会」「景気国会」となりますが、第181臨時国会の「近いうち解散」の条件として、民主党は2012年11月16日(金)の解散直前に、自民党、公明党と「衆議院の定数削減で(第183回)通常国会の会期末までに結論を得る」との3党国対委員長合意をしており、一般法案の審議がまったくないわけではありません。

 一方、二大政党は通例通常国会召集直前の1月に開いてきた定期党大会を3月ごろに延期しました。野党・民主党にとっては、通常国会召集までは出番はありません。あせらないことです。

 詳しい日程は「今後の政治日程 by 下町の太陽」でもお知らせしていますので、参照してください。

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