【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

谷垣さん原発利権で大もうけ 自民党総裁、元科学技術庁長官

2011年04月23日 13時45分40秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 見損ないました。

 自民党総裁の谷垣禎一さんが、京都5区を含んだ近畿地方2府4県を独占的に事業地域とし、「東京電力と並ぶ業界の雄。原子力発電で先駆」(会社四季報)的な企業である「関西電力」の大株主だったことが明らかになりました。保有株の時価総額は、およそ1000万円と高額で、年利2%ほどの配当も受け取っていた可能性があります。谷垣氏は原発を担当する「科学技術庁長官」を、初めて入閣した橋本内閣の1997年9月11日から1998年7月30日まで務めており、職務権限を持った「族議員」でありながら、地元の関連企業の株式を大量に所有していることは違法ではなくても、「民信無くば立たず」という谷垣総裁が有権者に繰り返している政治の要諦を自ら逸脱する行為であり、「復旧予算」である第1次補正予算(案)の審議はいいとしても、今後の日本のグランドデザインを描くうえで、責任野党・政権準備党として、発言力を失いかねない事態です。

 谷垣さんが、第45回衆院選後の平成21年(2009年)12月7日付で衆院に提出した「資産報告書」によると、谷垣さんは関西電力株式会社の株式を4370株保有しています。ちなみに、『会社四季報の2011年第1集』(東京経済新報社)によると、同社は「東京電力と並ぶ業界の雄。原子力発電で先駆」と紹介されています。そして、2009年の株価はきわめて安定した推移で、時価は1株=2200円とみるのが妥当でしょう。そうすると、谷垣さんの関西電力株はナント「961万円」の価値があり、とても庶民には手が届かない高嶺の花です。また、同社の配当は1株60円ですから、「年間26万2200円」が寝てても自動的に入ってくることになります。定期預金の金利に換算する「年利2・0%」ということになります。

 また、関西電力株は、単元株が100株となっていますが、谷垣氏の所有株数は「4370」と端株(はかぶ)であることから、株式分割を受けるなど、長期間にわたって、株主だった可能性があります。関西電力株は、上場来高値が5740円(1989年)ですから、そのときは、2・5倍の時価だった可能性があります。

 wikipediaによると、関西電力は2004年8月に福井で、美浜発電所3号機で配管破損事故を起こしています。2次冷却系のタービン発電機の配管破損により高温かつ高圧力の水蒸気が多量に吹き出し、逃げ遅れた5人が熱傷で死亡しました。このときは、当時の社長が、作業員の父親(?)から「人殺し」と言われるシーンがテレビニュースで報じられました。wikipediaは、「他の原子力関連事故に比べると危険性は殆ど無い事故であった」として、その理由として、「事故を公表せずに隠蔽していた事でマスコミが必要以上に騒ぎ立てた為に重大事故と誤解を受けがち」とヒジョーに無責任な書き方となっています。このwikipediaだれが書いたんでしょうか。

 谷垣氏は、関西電力社長だった秋山喜久氏と深い関係にあるとされています。



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