【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「総理の夢はあきらめていないけど(その夢は)尾張名古屋の火葬場の煙になってもいい」河村たかしさん

2009年04月27日 11時41分51秒 | その他
[写真]名古屋市の河村たかし新市長

 名古屋市長に当選した河村たかしさん。月に1回レギュラー出演していた文化放送のラジオ番組「邦丸ワイドごぜんさま」に午前11時から5分間電話で出演しました。

 同番組は関東ローカルで、名古屋では放送されていないにもかかわらず、律儀にお礼出演です。

 文化放送アナウンサーの野村邦丸さんにかすれた声を指摘された電話口の河村さんはちょっと恥ずかしそう。「予想通りの圧勝ですね?」との声には「それだけ閉塞感が強いということですわ」。

 「この番組のおかげで、関東回ってもよお、励まされまして、どこでも“河村さん”、“河村さん”と言ってもらえるようになった」と謝辞を述べる新市長(あす就任)に対して、邦丸さんは「募集していなかったのに、番組にはメール、ファクスが殺到しています」として一枚読み上げました。

 「河村センセイやりましたね。党内の嫌われ者が、総理を目指した男が一歩を踏み出しました。尾張名古屋の長です。大変だと思いますが、10%減税期待します」と読み上げると、電話口の新市長は「よう知っておられますね、よう知っておられますよね、この10%減税・・・」。名古屋市外で「市民税(住民税)10%減税」が知られていることに驚いたようす。

 新市長は「減税からスタートすると、改革せにゃならなくなる」と持論を述べ、市議会対策については「本来は市議会が最初に言い出さなきゃいけないことだ」と自信を見せました。

 「市長の給与800万円ってホントウですか?」との質問に「800万だがね、一番度胸がいったんだぎゃね。パブリック・サーバント(公僕)だから当然、いい政治をやれば個人献金があるのは当然」としました。

 「実家から通うんですか?」との質問には「ウチがありますから、(名古屋市交通局の)基幹バスもあるし。ただ、夜遅く帰るとウチのかみさんが怒りますので、(市役所近くに)安アパートないかと頼んどるところですがね」と笑わせた上で、

 「邦丸さんの灯を守ってやっておるがね」。実は河村さん、この番組で議員は特権階級、議員宿舎もいらないと主張していたため、新・赤坂議員宿舎に入居すべきでないという番組内世論が盛り上がり、議員宿舎を出て、文京・千駄木の安いアパートに越したのです。新市長は「邦丸さんのおかげだがや」と言っていましたので、この1件が政治家・河村たかしを大きくしてくれたんだと220万都市の首長就任を前日に控えて、かみしめているのでしょう。

 わずか5分間の電話出演。

 邦丸さんが「このあと予定もあるみたいなんで・・・ずっと河村さんのラジオを聞いてくれた(関東の)みなさんに何かメッセージはありますか?」

 新市長は「減税をまず名古屋でやるで、これをよ。やらんと(国会で)わあわあ言っとったってどうにもならんぜね、これ。それからまたね、減税が成功すりゃあよ、またお声がかかるかも分からんで

 とっさに邦丸さん、「ナニ!、総理の道、まだあきらめていないんだ!?」

 新市長は「あきらめておらんわ、そりゃさあ。あきらめておらんけど(その夢は)尾張名古屋の火葬場の煙になってもええですけど」。

 東京の河村ファン全員を代表した邦丸さんの「いろいろ大変でしょうけど、お体気をつけてくださいね」との声で、慌ただしい電話出演が終わりました。

 当選翌朝に東京の放送局にお礼出演する律儀さ。河村さんも立派だし、それを忘れなかった河村選対の方もすばらしいと思います。河村さん、市長になっても、ときどき東京のこと、思い出してくださいね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿