【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

人事官に篠塚さん ×マスコミ指定席回避→実は○日経指定席に

2009年04月02日 10時00分00秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

 民主党が政府自民党に嵌められたのか?はたまた霞が関がマスコミに嵌められたのか?

 きょう(4月2日)付で天皇陛下の認証式に臨む人事院人事官の篠塚英子(しのつか・えいこ)さん。小沢治文(こざわ・はるふみ)さんの後任となります。

 小沢治文さんは日経新聞の常務取締役から人事官になりました。日本経済新聞社にとっては青天の霹靂だったようで、その後、数日ごとに玉突き人事が発令され、ずいぶんとドタバタしていたことを覚えています。

 そして、小沢さんに続く人事官に産経新聞社の論説委員長をつとめた千野境子特別記者を充てる人事が参院で不同意になりました。そこで、政府は「篠塚英子・日本司法支援センター(法テラス)理事」を提示し、同意されました。

 これをマスコミは「マスコミ指定席回避」と報じました。

 ところが、3月31日付の日経夕刊を読んで驚いたのですが、この篠塚さん、1965年3月に武蔵大学経済学部経営学科を卒業後、4月に社団法人日本経済研究センターに入社しています。そして、1987年にお茶の水女子大学生活経済学部教授に転じるまでの22年間勤務しています。

 この社団法人日本経済研究センターとは日経新聞中興の祖である圓城寺次郎が創設した法人ですから、日経新聞社の関連団体です。会長は新井淳一といって日経の前副社長で、特別顧問には竹中平蔵元郵政改革担当相がついています。日経茅場町別館というビルに5フロアー位入居していて、日経センターの会員には、日経新聞社、日経新聞出版社、テレビ東京に加えてテレビ大阪まで入っています。

 日経センター普通会員名簿(PDF)です。
http://www.jcer.or.jp/center/pdf/kaiin0902.pdf

 ですから、マスコミ指定席を回避したようで、実は日経指定席になってしまった。

 しかも、この団体の最大の趣旨は旧経済企画庁、日本銀行の天下りを受けいれて関係を密にし、紙面や講演会に登場してもらうことです。

 天下り団体出身者が「日銀政策委員会審議委員」「法テラス理事」という隠れ蓑を経て人事官になるという最悪の人事となってしまった格好です。

 政府が民主党に提出した篠塚さんの履歴書(A4判1枚)を入手しましたが、「昭和40年4月社団法人日本経済研究センター入社」とハッキリ書いてあります。これに「日経関連団体である~~」と付け加える必要はありませんから、政府はちゃんと情報公開したことになりそうです。

 民主党も霞が関もだまされたのなら、まさにマスコミの天下ですね。

 ちなみに日経センターのHPには篠塚英子さんが「客員研究委員」として現在も名前が載っています。
http://www.jcer.or.jp/center/staff/36.html

 日経新聞は民主党に関する記事がかなり増えています。社説はときどき厳しいけれども、おそらく西田睦美論説委員が書いていると思いますが、彼なりに自制が利いている面もあります。日経は皇居隣の国有地(旧合同庁舎跡地)を安く買い取った上で、小泉内閣の都市再生本部により容積率緩和を受けた再開発ビルに4月1日から転居を開始しています。この再開発事業は日経、日本経団連、JA全農の3者が共同で取り組んでいます。自民党に頭が上がらない日経経営陣の中で、西田さんはサラリーマンの限界はあるけれども、ジャーナリストとしての矜持を示していると思います。

 とはいえ、納得できないこの人事。霞が関は気付いていたのか、霞が関もだまされたのか、真相を知りたいところです。

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NIKKEI NET(日経ネット):人事院人事官に篠塚氏3月31日付夕刊

人事院人事官に篠塚氏
 政府は31日の閣議で、退官する小沢治文人事院人事官の後任に、日本司法支援センター(法テラス)理事の篠塚英子氏を充てることを決めた。4月2日付で任命する。(12:37)



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