ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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【金融機能強化法案】農林中金めぐり一転して対決姿勢に

2008年10月24日 09時42分54秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

[写真は民主党金融対策チーム座長の大塚耕平(右)さん、事務局長の大久保勉さん]

 政府・自民党はきょうの閣議で、「金融機能強化法案」を決定し、衆院に提出。来週、趣旨説明をし、審議に入ります。

 15日付日経は次のように伝えています。

(引用はじめ)

 (政府は)10月中の成立を目指す方針だ。民主党は14日の幹部協議で政府案の内容が決まった段階で対応を協議する方針を確認したが、審議の引き延ばしなどはしない見通しだ。

(引用おわり)

 ところが、政府案に農林中金が入ったことで、状況が変わりました。

 「農林中央金庫(農林中金)」は農協グループ・JAバンクの資産運用などをしている民間組織です(以前は特殊法人でした)。3月31日に失効した「金融機能強化法」では国の資本参加の対象外でした。

 農林中金は農民(農業者)から集めたお金を、高リスクの金融商品に投資していました。これがサブプライム・ショックで損をしたようです。このため、農協の全面支援を受ける自民党が政府(金融庁)が作っていた法案に入れさせたもようです。

 農林中金の理事長は農水事務次官の天下りですが、報酬などは非開示。農水省経営局金融調整課長はあまり、農林中金のことに詳しくない様子です。

 民主党はスピーディーな審議をする心づもりのようですが、衆院財務金融委員会で、石破農相ら農水省関係者がきちんと答弁できなければ、審議は遅れてしまいます。しかし、農水省はこの法案の審議に参加するとは予想していなかったのではないでしょうか。来週の衆院は農水省の答弁が混乱する可能性が高いと推測します。

 農林中金の証券投資に関する資料をみましたが、かなり危機感を覚えました。現時点では詳細は省きますが、注目してください。

 当ブログでは、金融に関するエントリーはあまりアクセス数をいただけないことが多いですが、金融機能強化法案については引き続き、コンパクトに分かりやすく追いかけていこうと思います。

 なお、新聞は「公的資金の注入」という表現をしますが、当ブログは「国の資本参加」という表現をしようと考えています。「公的資金の注入」だとお金を“あげる”というイメージですが、実際には、国が優先出資証券を買い取ったりすることで国→金融機関にお金を“流す”というイメージだとの考えからです。

【追記 2008-10-24 22:30】
 初エントリーに「きょう午後の衆院本会議で緊急に趣旨説明、審議入りする」と書きましたが、28日の衆院本会議で首相が出席して趣旨説明と質疑で審議入り、29日の衆院財務金融委員会で質疑することになりました。きょうの本会議は3分間で終わり、驚きました。理由は、ただひたすら私の勘違いによるもので、おわびして訂正します。【追記おわり】


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