おはようございます。
さあいよいよ、今週から第181臨時国会のスタートです。
あの暑い夏の総選挙から3年2ヶ月。第45期衆議院、民主党第1次与党期においては、最後の秋の臨時国会になります。
天高く馬肥ゆる秋。
今月の内閣改造では、安住淳幹事長代行、鉢呂吉雄選挙対策委員長、中川正春財務委員長の「岡田3人衆」が、党の存亡をかけた「80日間世界一周」に飛び立ちました。
もし、民主党政権がダメになったらどうするか。それはまだ野党時代、あの暑い夏の総選挙のさいちゅうに、岡田さんが語っています。
政権交代ある政治を根付かせる。二大政党がともにお互いをチェックし、権力、しがらみ、情報を交代させることによって国民の手に政治を取り戻す。あの日(1993年6月18日、宮澤解散)から始まった試みです。
その試みは、いったん潰えました。言うまでもありません。1997年12月28日、小沢一郎氏による新進党解党の暴挙によってです。そして、2009年8月25日、民主党本部8階の役員室で再び暴挙が起きました。それは、岡田克也幹事長が作成した、第45回衆院選勝利から第22回参院選までの300日間の日程表である「岡田300日プラン」をあろうことか、与党権力の私物化をねらっていた小沢一郎氏が回収し、代表・鳩山由紀夫が黙認した事件です。まさに一度裏切る人間は二度裏切る。
これにより、鳩山代表が首相官邸に引っ越した後に、民主党本部の留守番は、国民が選んだ岡田幹事長ではなく、悪の枢軸・小沢一郎氏となりました。民主党政権への信頼は失墜しました。ナント300日の間に、内閣支持率が80%から20%に真っ逆さまに落ちました。憲政史上最大の右下がり。第22回参院選で我が党は比例代表では得票数・議席数とも断然トップとなりましたが、選挙区では得票率1位ながら、議席数は自民党に大きく負けました。自公は改選過半数に迫りました。
それでも、政権交代ある政治のメリットは、この3年2ヶ月間、どぶさらいの汚泥に目を背けながらも、多くの日本国民が理解するようになりました。政権交代ある政治は、体感では風向きの関係で回り回っているように感じますが、前に進みました。
野党一筋15年。自民党同期当選の福田康夫さん、細田博之さん、同じ経世会の佐田玄一郎さんらに大きく遅れて初入閣した岡田さんですが、外相、副総理と当選7回生の59歳にしては大きすぎる官職を歴任しました。そして、閣議・閣僚懇談会の議事録作成と30年後の公開、製薬・医療機器の規制緩和と薬事法と新医療機器法の分割・改正、そして、JAの金融・葬祭事業などの廃止も含めた見直し、農地の宅地転用の規制強化、農業委員会の制度見直しなど、「平成の農地改革・農民解放」という大きなテーマにかかわっています。とても勇気のある政治家だと考えます。
[写真]当選7回生、59歳の副総理、2012年3月23日、首相官邸ホームページ内副総理の記者会見から。
民主党政権は事業仕分けで歳出を削り、「控除から手当てへ」の税制改正で租税特別措置を削りました。これにより、次の選挙では特定業界からの支持を受けづらくなり、今までの与党の強み(しめつけ)を使えなくなりました。それは必定であり、民主党がしなければならなかったことです。
安住淳幹事長代行は2012年10月19日(金)の定例記者会見で「幹事長と、私と、選対委員長の3人で、それぞれの選挙区を抜き打ち的に歩きます」と述べました。そして「任期を考えると、もともとの民主党の支持団体と地元の議員の間で、どのようになっているかの確認したい」としています。逆風の選挙こそ、足腰の強さが求められ、そして、頼りになるのは雨天の友です。衆議院小選挙区の特質を理解しないで、もともとの支持団体ではないJA農協と交わったり、野党時代は招待状をくれなかった各種行事であいさつして地元周りと称するような議員は落選すればいい。裏切り者です。
議員仕分けが必要になってきます。鉢呂選対委員長は、新しい公募から能力ある新人を擁立しようとしています。元自由党副党首、中井洽議員(三重1区)も自ら今期限りの引退を表明しました。
岡田さんは23日の記者会見で野田総理の発言を巡る受け止め方について、「それを勝手に一部のメディアは3条件というふうに伝えているということです。もちろん議員の中にもそういうふうに受け取って、発言している方はいらっしゃるわけですが、それは間違いであるということを伝えている、私は申し上げているわけです」と述べ、最近顕著なメディアが誤解し、議員が誤解し、メディアが報じるという誤解の拡大再生産に警鐘を鳴らしています。伝言ゲームがきちんとできるかどうかは、選挙や政治活動の基本であり、新聞をスマートフォンで読んで、そのまま信じるような一部議員には消えてもらわないと、次の有事でも脚を引っ張りかねません。
東日本大震災で、この国は大きな歴史の転換期を迎えました。岡田幹事長は震災の時に、1期生にこう言いました。「こういうときこそ人は見られている」。その後の日本政治はご存知の通り、第177通常国会の6月1日に小沢一郎氏にそそのかされる格好で、自公が菅内閣不信任案を提出し、否決されました。それから1年経って、またしても小沢一郎氏が暗躍し、社会保障と税の一体改革法案の衆院採決を迎えましたが、可決に成功しました。そして、8月29日(水)には自公を批判する野田内閣問責決議が参院で可決しました。これも政党助成法の関係で早期解散は困る小沢氏の差し金で、3度騙された谷垣禎一さんは自民党総裁を追われました。ケミストリーの合う、宏池会・谷垣総裁の失脚は残念でしたが、3度も小沢に騙されるようでは、リアル首相として外交は任せられません。私は思いました。「こういうときこそ人は見られている」と。
小沢一郎を倒さなければなりません。小沢グループ新党「国民の生活が第一」を根絶やしにしなければなりません。小沢一郎を亡き者にして、それで二大政党の定着は終わりではありません。80年前の二大政党制が失敗したと我が物顔で言う人間がいますが、まったくの勉強不足です。80年前の失敗はすべてテロリズムです。例えば立憲政友会に限定しても、初代党首の伊藤博文、3代党首の原敬、4代党首の高橋是清、6代党首の犬養毅が暗殺されています。2代党首の西園寺公望は元老として暗躍し、5代党首の田中義一は首相在任中に板垣征士郎・石原完爾による満州侵略を防げなかったので、いわば暗殺されるまでもなかったのです。大正デモクラシーの二大政党が官僚(陸軍省)に権力を奪われたのはテロリズムが最大の要因であり、政争にその責を負うのは本質を捉える能力のない歴史家にすぎません。人間の一生は重い荷物を背負って、遠い道を行くようなものです。岡田さんは政権交代ある政治の前に立ちはだかった「衆参ねじれ」に対して、「例え狭い道(ナローパス)でも前に進む」「走りながら考える」として、辞任3条件と3党合意にもとづき、平成23年度特例公債法を成立させました。そして、毎年総理が特例公債法という人質の交換条件として辞任する連鎖を経つために、第180通常国会では会期末を9月8日に設定して、「特例公債法案が成立しないと11月に財源が枯渇する」という論法を打ち出し、総理を救いました(「淳が総理を神隠し」)。第181臨時国会では、3代目参議院の天皇・自民党の脇雅史・参院国対委員長が所信表明を本会議の議題にしないことにしました。でもそれもいいのではないでしょうか。小泉純一郎首相(清和会自民党総裁)も「(施政方針)演説を衆参で2回でやるのは無駄なので改善してほしい」と国対に告げ、参議院の反発を招きました。
新しい時代の幕開けです。
新生党羽田内閣が倒されたとき、次の総選挙で与党になれると思っていました。甘かった。牛丼一筋80年ならぬ野党一筋15年。しかし、その間、一瞬たりとも、与党になったらどうするという観点を持ち続けた。それが岡田さんです。ですから、2009年5月の民主党代表選で岡田さんが当選していれば、2011年3月11日以降の日本の姿は変わっていたかもしれません。ひょっとしたら、原子力発電所が爆発することはなかったかもしれません。まあ、それは詮無いことなので、やめておきましょう。
2007年8月のブログ開設からしばらくは、羽田孜再登板をあきらめて、新生党最年少の岡田首相をめざしていることは、ずっとこのブログでは隠してきました。それが思いの外、2009年5月という早いタイミングで岡田さんが代表選に出馬。当ブログは説明不足のまま、岡田首相に向けてダッシュすることになり、政治ブログランキング2位だったのが、「応援クリックが激減する」という何とも陰湿なイジメにあい、ランキングを退会しました。8月政権交代。もともとリスクヘッジからブログを止めるとしていましたが、鳩山代表が岡田幹事長を更迭し、新進党解党者・小沢一郎氏を幹事長にするという暴挙をみて、ブログを再開。足がすくんで物が言えぬようになった政治家と支持者、私はこの時誰が足がすくんで物が言えなくなったか、一生忘れないと思いますが、それを横目に、2010年6月に小沢を引きずり降ろすことに成功。野党内野党(民主党副代表)を密かに応援してから、2年10ヶ月でついに与党内与党へと。そこから歴史の流れが速くなり、さらに「3・11」でジェットコースター状態になり、ついには、2年4ヶ月間、与党内与党のもっとも官邸に近いブログとなりました。書けないことも増えました。その割に、書いておかないと気が済まないことが増えて、文章量は圧倒的に多くなりました。与党というのは何もかも驚くことばかりでした。たとえナローパスでも、第45期衆議院を最後の最後まで走り抜けなければなりません。
まっすぐに、ひたむきに。そこから逃げるのではなく、この国が好きだからこそ、ロングロングウェイ。例えナローパスでもロングロングウェイ。次の次のそのまた次の選択のために、二大政党政治の完成に向けて、第181回臨時国会も全力で駆け抜けていく所存です。
岡田かつやの可能性への挑戦は、まだスタートラインに着いたばかりです。
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