【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

財投2法が成立JR東海1・5兆円鉄道機構法と改正JOGMEC法、参議院自民党「熟慮の府」と長時間議論を宣言[きょうの国会]

2016年11月11日 12時56分49秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【参議院本会議 平成28年2016年11月11日(金)】

 「改正JOGMEC独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法」が投票総数237、賛成215、反対22の賛成多数で可決し、成立しました。公布日に施行。審議中の議案番号は、192閣法8号でした。

 「改正独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法」が投票総数239、賛成217、反対22の賛成多数で可決し、成立しました。公布日に施行。審議中の議案番号は192閣法2号でした。

 ともに、財投機関債などの発行で調達したマネーを、JR東海、海外石油資源開発会社などに融資や、投資することができる法律。鉄道機構法は政府は第2次補正予算と同時に成立させてほしいと希望しましたが、1カ月遅れとなりました。補正の1・5兆円を、JR東海に融資し、政府は30年後から40年後にかけて返済を受けます。

 これに先立ち、趣旨説明と代表質問がありました。総理出席ですから、これは登壇議案の中でも、国対用語で重要広範議案の指定がされていたんでしょう。

 「TPP条約の承認を求めるの件」(190条約8号)と「TPP国内実施法案」(190閣法47号)。

 参議院自民党の福岡資麿さんは「我々参議院は再考の府だ」と語り、長時間審議を宣言しました。27年ぶりの自民党衆参単独過半数で、その影響力の低下が確実な参議院自民党。27年前との違いは、大臣・副大臣・政務官として政府に入って皇居や外国に行って勲章ももらえることと、福岡さんのように元衆議院議員が多いということでしょう。一言で言うと、衆参の違いが少なく、首相(自民党総裁・衆議院議員)と参議院自民党会長の意見の相違は少なくなると考えられます。長時間審議で、会期末で「総理の希望で1本通すが、参・野党に配慮して1本は廃案」とする宣言なのか、それとも27年前と違いインターネット審議中継の中でアピールする考えなのか。注目の3週間が、さあいよいよ始まります。

 答弁は安倍首相、石原TPP相、山本農相、松野文科相があたりました。

 共産党でずっとやってる、紙智子さんは「(米次期大統領のトランプさんの)保護主義か、自由貿易かの対立ではない。多国籍企業から国民を守る戦いだ」と語り、他党からも拍手を得たようです。これは自由貿易論者の私としても、大いに賛同したいところです。紙さん頑張ってください!

 安倍首相は「TPP委員会は、全参加国の同意が必要なので、日本と違う意見になることはない。そもそも、現行の自由貿易協定にも書き込まれている」としました。

 日本維新の会の儀間光男さんは「農協は本当に小規模農業者の味方なのか。農業資材販売などでも手数料を上乗せしているのではないか」と国内改革の必要性を説きながら、「TPP第24章中小企業」について、特別委で掘り下げていきたい意向を示しました。

【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 平成28年2016年11月11日(金)】

 45名の特別委ですから、第一委員会室で開催。「TPP協定の条約承認を求めるの件」(190条約8号)と「TPP国内実施法案」(190閣法47号)の趣旨説明があり、質疑は来週にゆずりました。

【衆議院 平成28年2016年11月11日(金)】

 一般法案を審議している委員会の準定例日があるものの、本会議や委員会はありませんでした。会期内に「はまらない」議案が複数予想される展開となってきました。


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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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