【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「10月1日召集」の閣議決定を自公のみで強行のかまえトリプル党首選は公明党は石井啓一新代表

2024年09月18日 22時00分43秒 | 第214回国会
[写真]当ニュースサイトの主催・筆者の宮崎信行を警戒する石井啓一・公明党新代表、きょねん2023年5月、埼玉県内で撮影。

 トリプル党首選は、まず、公明党・石井啓一新代表が決まりました。山口那津男現代表は、岡田克也さんとクラスメートなので言いにくいのですが、第49回衆院選で「安定の自公政権か、混乱の立憲共産党政権の選択です」のデマで、地方の老人が「立憲共産党」という一法人ができたと認識しました。私は選挙後にそれを知り唖然としました。「日本人」という集合名詞の評価が変わり今日にいたります。池田大作というインチキな神様を信じて人間同士の同調圧力でほだされた創価学会員以外の情報弱者も信じたというのです。私は日本の民主主義はもう再生しないと賭けます。私は真言宗智山派の古刹開基の子孫ですが、山口那津男は地獄に落ちます。

 自民・立憲の国対委員長が会談し、「第214回臨時国会は令和6年2024年10月1日(火)に召集する」と岸田内閣が閣議決定を強行することが伝えられました。立憲新代表が決まった連休明けの24日の衆参議院運営委員会理事会で議論する見通し。立憲は(1)新首相の代表質問、衆参予算委員会、政治倫理審査会(2)統一教会と安倍晋三元総裁(2022年7月射殺済み)の関係(3)最高裁判決の旧優生保護法被害者救済法も1500万円改正、公職選挙法のポスター品位規定の2つの議員立法の成立ーーの3項目を要求することになりました。初任給大幅上げ・壮年据え置きの人事院勧告の実施法案の話は出なかったようです。

 自民党新総裁が10月1日に解散して、10月27日に開票する日程を描くかどうかは、まだ3人ほど当選の可能性がありますので、未定です。

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サングラスSPさん初見参 今夏から運用改定 西日が強烈な札幌で

2024年09月16日 20時25分00秒 | 政省令
警察庁は今夏から、アメリカなどにならい、日本のSP(警備部警護課警護官)がサングラスを着用してよいことにし、全警察本部に通知しました。

 気温22度ながら、強烈な西からの日差しがさした今日の碁盤の目のような都市計画がなされた札幌市で、当ニュースサイトとして初めて目視しました。

 警護対象要人のうしろに警視庁のSPがつれそい、その先導役の2人のSPの1人が幅が細いサングラスをかけました。この人が道警所属か警視庁所属かは不明。国内外でプレッシャーは高まりますが、私が見る限り、かわりに人間の盾になってやると意気込む男女成人が大多数です。が、ひとりだけ悪意の人間がいれば終わりですから、運用の改善はかかせません。

劣勢枝野、天王山・北海道で巻き返しも「候補者は4人だろ」と年配男性党員にスタッフ叱られる

2024年09月16日 19時46分00秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
 立憲民主党代表選は中盤となり、天王山の北海道決戦。枝野幸男さんは、党員討論会の開催前に一人だけ、道選出の神谷、石川両議員をしたがえ全員にあいさつ。これに先立つ大通公園の街頭演説会では、道警などが囲った聴衆ゾーン入り口で、枝野陣営秘書団団員がチラシ配り。年配男性党員が「枝野さん以外のチラシは?4人出ているのになんで他の人はないの?」とたしなめられました。リアル選挙界隈では、「金も出さずに偉そう」と言われる年配男性ですが、千人に一人の栄えある立憲党員のやんわりとしたたしなめには一日の長がありました。

 立憲民主党代表選は中盤戦となり、同党最大の牙城「北海道」の札幌大通公園で街頭演説会・党員討論会を行う天王山を迎えました。

 立憲民主党代表選は、泉健太代表、枝野幸男前代表、野田佳彦元首相、1期の吉田はるみ衆議院議員が立候補しています。

 枝野候補は大通公園で「この3年間少し時間ができたので仲間とともに北海道各地を歩かせてもらった」「国鉄民営化で北海道のくらしはよくなりましたか。今の政治状況は誰がつくったんですか」と語りました。枝野さんは巷間のイメージと違い記者嫌い会見嫌い側近僅かなので3年間の空白からの出馬が唐突だと思われているかもしれません。

 泉候補は「北海道のみなさん、こんにちは。ふるさとに帰ってまいりました。石狩の実家から自転車で10数キロかけて開成に通っていました。私の政治の師は横路孝弘さん。私の支持政党は社会党。どうして社会党が自民党に勝てないんだと思っていました」と話しました。現地に行かないとわからないことは多く、泉さんの母校は札幌市内では「開成」たがら首相と同じだったわけです。

 枝野さん、泉さんの拍手の量は双璧でした。

 吉田はるみ候補は、「代表選に出馬するうえで党員、議員、とくに江田憲司さんの支え合いで、今ここに立たせていただいている」「消費税食料品ゼロを目指す」としました。ここが一番拍手が多かったです。また吉田さんだけが「みんなに最高の教育を残しましょう」と教育にふれ、そこそこの拍手をえました。

 ある新聞では6割近い支持があるともされる野田候補は、「札幌の皆様こんにちは。ところで日本は島国ですよね。いくつ島があるか知っていますか」と切り出し国境離島防衛の話をしました。あっけにとられた聴衆に「ささやかな拍手、でもうれしいです」と空気を取り繕いました。一部報道とは印象が違いました。

 北海道をせいするものは、立憲をせいする、との私の見立ては自信をますばかり。が、もはやある一人に集中はしていません。

 道の地方議員数は都連より多いです。3年前の代表選でも「党員かつネット投票」では逢坂さん(道8区)が1位となりました。泉体制で党員は1割しか増えておらず、「北海道及び自治労」の党員は1000人、「北海道または自治労・日教組」の党員は1万人と推測され、北海道が最大のカギとなります。

 今回異変があり、自治労の組織内2人のうち1人(全国比例=福岡県公務員)が現職の泉さんの推薦人となりました。が、博多やSNSで存在が見られず、サンクチュアリの「推薦人貸し出し」とみられます。が、自治労が割れたことから、党員票で微妙な影響があるかもしれません。そして、北海道が地元の岸議員も札幌で見かけませんでしたが、SNSでは枝野推しを全面に出しています。【追記 翌日14:30】岸さんは聴衆側にいたことがSNS投稿から判明しました。【追記終】

 枝野さんや逢坂誠二代表代行は、7年前の「北海道民進党構想」以来、自治労の世話になっており、アタマが上がらない状態。当時、私が友人の自治労福井県本部専従の市職員に「自治労が動員したそうです」と連絡すると「あ、やっぱりそうでしたか。テレビで見てうちの組織ではないかと思ったんです。いや、私だって市民が立ち上がったという方がいいと思ってるんですよ」と語りました。今週、枝野候補は単独で「大宮・大作戦」と、唯一「大作戦」のタイトルが入った集会を催し、道連の女性議員2人が応援弁士としてかけつける予定で、動員数が注目されます。

 野田候補が優勢の見方もありますが、小沢グループで千葉県出身の青木愛さんしか参議院議員の推薦人がいません。

 泉さんの陣営では右派の徳永エリさんが、広島で急遽開かれた森本真治さん(県区=情報労連準組織内)の泉集会に応援弁士で参加。徳永さんは候補者付きとして、岡山、東京に同行しつつ、仙台はスキップして、きょうの準備で北海道に帰りました。村田きょう子さん(全国比例・基幹労連)も基幹労連北海道大会に参加しました。連合北海道の役員名簿を見ると、「日鉄室蘭」の組合長・電力総連・UAゼンセンぐらいしか民間系が見当たらず、党員票の掘り起こしにつながるかもしれません。

 選管は、吉川、羽田、宮口、馬場4氏が登場。泉陣営の村井元議員、野田陣営の川田議員の姿も。道選出の逢坂、徳永、山岡、神谷、石川、勝部、荒井、大築各議員も姿を見せました。市内の道下、松木両議員はいなかったように、私には見えました。石川さんは各候補に拍手し、徳永さんは聴衆にも手を振っていました。

 候補者討論会で逢坂道連代表は自らの支持は明かさずに「候補者のみなさまお疲れ様です。東京と違って、涼しい北海道で、思いの丈を述べてほしい」と挨拶すると、地方議員・党員・サポーターがどよめきました。現地に行っても、このどよめきは紐解けませんでした。
 強行軍で疲れたので、討論の冒頭だけで中座し家路につきました。帰京し母に聞いたら、記者会見を日テレニュース24を生中継したらしいですが、疲れた表情だったと思いますので、見送ってよかったでしょう。今回の代表選は西は博多から、北は札幌まで4候補を追いかけましたが、誰が当選するか全く分からないですし、法人運営に大きな違いはないと思います。

 道警の警護警備はよかったと思います。茶髪の長いポニーテイルの本部つめ女性警察官らが目立ちましたが、現場の人数が多いからそう感じただけかもしれません。最後は要人警護でなく、雑踏警備に重心が移り、道警が党本部職員に「左側に流してください」と候補者と交流する党員らと逆サイドに誘導して欲しいと依頼するくらいには盛り上がっていました。




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「10月1日が軸と聞いている」と公明国対、第214回臨時国会は令和6年2024年10月1日(火)召集か

2024年09月13日 16時40分26秒 | 第214回国会
[写真]佐藤茂樹・公明党国会対策委員長(右)、ことし1月12日(金)、宮崎信行撮影。

 公明党の佐藤茂樹・国対委員長はきのうの中央幹事会で代表らに「自民党総裁選後の次の臨時国会は、10月1日を軸に調整されているのではないか」と報告しました。

 第214回臨時国会が令和6年2024年10月1日(火)に召集されれば、99日ぶりの国会となります。きょねんの4か月に次ぐ超大型の夏休みで「黄金の3年間」が終わりを遂げ、政局は流動化します。

 同日朝、第2次岸田第2次改造内閣は辞表を取りまとめて総辞職。岸田さんは67歳の若さで第101代首相を退きます。同日午後の衆参両院本会議で新首相が指名され、天皇が任命します。

 その後も、当面あわただしい日程となりそうです。

 さて、話が変わりますが、誰が第102代首相、第50回衆院選後の第103代首相になっても、官邸は視界不良です。

 というのも、積水ハウスと日本生命の2法人が建設していた「赤坂グリーンクロス」が竣工しました。「赤坂2丁目再開発」。通りがいいのは、「旧・日商岩井本社ビル」です。


[写真]2021年9月の首相官邸、宮崎信行撮影。

まだ、3年前の2021年9月の官邸前と違い、官邸上空の「旧・日商岩井ビル」は存在感があります。

[写真]首相官邸上空で存在感を放つ「赤坂グリーンクロス」、右は「山王パークタワー」先月2024年8月23日、宮崎信行撮影。

[写真]竣工したばかりの「赤坂グリーンクロス」、右は「山王パークタワー」、先月2024年8月23日、宮崎信行撮影。

[写真]「赤坂グリーンクロス」の集合玄関から見た首相官邸の裏側、某年某月某日、某人撮影。

 建物がきれいで、日本の製造業の建設産業の水準の高さに目を見張らされます。

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野田佳彦さんが「財務省不信」を吐露する異例の事態に「独立財政機関」で成長率見通し「旧経企庁」念頭か、枝野幸男候補、泉健太候補、吉田はるみ候補が博多に揃う

2024年09月09日 03時21分00秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]党員を対象にした討論会の最後の枝野幸男、野田佳彦、吉田はるみ、泉健太各候補、「オリエンタルホテル福岡博多ステーション」で、きのう2024年9月8日、宮崎信行撮影。

 野田佳彦さんが財務省に不信感を示しました。初めてかもしれません。

 野田、枝野幸男、泉健太、吉田はるみ4氏が立った立憲民主党代表選2日目は、福岡・博多で街頭演説・候補者討論会・記者会見が開かれ、取材しました。

 今回の10会場で「西端」になります。立憲民主党代表に対して「宮崎の質問をはぐらかすと、日本の西端どころか、大陸の西端ジブラルタル海峡まで追いかけてくる」とのイメージをうえつけるのがねらい。東京から行った記者は全メディア含めて私一人だったようです。

 灼熱の博多駅頭で、泉候補は「クーラーを買えない人もいる」、吉田候補は「期数にとらわれず出馬できる自由と多様性の政党だ」、野田候補は「裏金で600万円を引き出しにいれていた自民党議員がいた」、枝野候補は、「郵政民営化の小泉さんから、人間中心の経済に変える」などと演説しました。なお、小泉進次郎さんは郵政に関する公約は出していません。街頭演説は枝野さんが合いの手が多い印象でした。但し、河野デジタル相が主張した「金銭解決などの解雇規制の緩和」を枝野さんが舌鋒鋭く批判しましたが、聴衆の反応はあまりありませんでした。


[写真]聴衆の写真をよく見ると、日よけとはいえ博多駅博多口2階、3階にとどまって聞く聴衆がいた、同。

 写真を見返して気づきましたが、博多駅の2階、3階から見ていた人もいたようで、これはここ10年間にあまりなかった光景です。要警護対象者の泉代表が車で会場を去った、およそ10秒後から、ビーチのような炎天下で警護・警備にあたった福岡県警警察官たちが集合記念撮影を始めました。あそこは「小倉の署長になるから、50代で初めての単身赴任だ」という感じではないでしょうか。福岡は働きやすい県警のようだ、日本にはいろいろな県警があるなとの感想を持ちました。


[写真]演説する野田候補と、演説後に地元の稲富修二議員の引き回しで挨拶する野田候補、宮崎信行撮影。


[写真]演説する枝野候補と演説後に自ら握手を求める枝野候補、宮崎信行撮影。


[写真]演説する泉候補と、演説後に聴衆からオウムの紹介を受ける泉候補、宮崎信行撮影。


[写真]演説する吉田候補と、演説後に、応援弁士として期待していると思われる九州・沖縄ブロックの党員から名刺を渡される吉田候補、宮崎信行撮影。


[写真]福岡県連を代表して挨拶する稲富修二議員。

 きょう一日を通じて、見た国会議員は、野田陣営の手塚仁雄さんと稲富福岡県連代表、枝野陣営の渡辺創さん、おそらく吉田陣営の川田龍平さん、泉陣営の村井宗明元議員、県連の城井崇さん、堤かなめさん、選管の吉川さおり委員長と馬場雄基委員。

 ホテルに移っての候補者討論会ではまず、吉川さおり選管委員長が「沖縄県連からも開催の要望があった」とし、福岡会場のみになったことを詫びました。同日は宜野湾市長選がありましたから那覇市でも開催は難しかったと思います。また「ミズ・パーフェクト」の印象も強い吉川さんですが、「野田候補、えだの候補」を「野田候補、江田候補」と言い間違え会場が少しどよめきました。


[写真]選管の吉川さおり委員長(右)と馬場雄基委員(左)

 タイトルは「20年後を見据えた国家ビジョン」。一部報道の消費税は、きょうは少なかった印象です。泉さんは「取り巻きを同じ人で囲まない、同じ意見の人で囲まない、同じメンバーで囲まない」と2期目の意欲を示し、「政界再編はない、20年後も立憲民主党はあり、政権を担っている」と声を張り上げましたが、この文脈の拍手はまばらでした。

 吉田さんは党員中心ながらも「私の名前と顔を初めて知った人も多いだろう」とし「20年後は正社員の比率を上げる」と強調しました。

 野田さんはテーマから離れ、九州ブロックだとして「水俣病被害者救済加速の法案を提出した」と消化しました。
門しました。

 枝野さんは「子育て、介護を支え合う仕組み」を提唱しました。

 この後、野田さんから枝野さんに対する質問で、「独立財政機関の創設を問いました」ので記者会見と合わせてこの記事の下で詳しく書きます。

 泉さんが1期生・吉田さんに外交を問うと吉田さんは「アッパーハンドを撮れるか、経済規模、食糧自給率、エネルギー自給率を上げなければならない」としました。吉田候補の提出資料では、バーミンガム大学院でMBA、投資・証券会社でシンガポール、ロンドンで働いた経歴があります。

 会場からは、福岡の筑紫野市議の女性からひとり親世帯への支援の政策が問われました。鹿児島の男性からは、消費税が質問され、各候補とも給付つき税額控除を中心とした主張を続けました。泉さんが「長崎県連の人いますか」と問うとおよそ4人以上が手を上げ、山田さんの小選挙区の補選のお礼を述べました。


[写真]記者会見のようす。

[写真]立憲代表に対して「宮崎はどこにでもくる」とのイメージを焼き付ける独自のたたかいにいどむ宮崎信行。

 共同記者会見は4候補に質問してほしいとのことで、読売・福岡・男性から「次期衆院選での九州の位置づけ」が問われ、吉田さんは「もっと学びたい」という答えにとどまりました。

 さて、野田さんのおそらく初めての財務省不信です。ニュースです。

 質疑。宮崎「野田候補だけにお伺いすればいい話なんですが、独立財政機関ですか、そちらの方の設立を提言されました。これどういったものなのか。今例えば総理大臣の下に財政制度等審議会がありますけれどもそういったものとは違うのか。また歳入の方ですと、法人税なんかは、(当初)予算のときに比べて(歳入歩合が)10兆円ぐらい下振れしてくる年もあります。ちょうどリーマン・ショックのときもそれ(9兆円下振れ)で鳩山内閣の野田財務副大臣としてはその流れを受けましたからだいぶつらい方もされたんじゃないかと思います。その点に関して何か財務省の税収の見積もりに関して、不信感とか、ちょっと信用できないなというようなことを感じることは当時あったのか、最近もあったのかいかがでしょうか」。

●野田さん、実質・名目などの成長率見積もりで内閣府・財務省に不信

 野田候補はこう語りました。「政権交代したときの財政運営はものすごく大変でした。これは、その前の政権(麻生太郎内閣)の税収見通しが全然違ってて、リーマン・ショックって蚊に刺された程度だと言っていたんですよね。刺されたところじゃなかったと。そういう後での政権でしたから、えらい苦労しましたけども。独立財政機関の意味はどちらかというと経済の成長とか、例えば米国で3パターン成長率を設定して、それによって税収がたくさん入ってくるという見通しのもとで財政健全化計画ですけど。(日本は)甘すぎるんですよ。これ内閣府です。その見通しが甘すぎるから、それに基づく予算の査定も多額であるということである」とし内閣府とそれを基にする財務省を批判しました。

 そのうえで野田さんは「プライマリーバランス(PB)の黒字化ということはもう小泉政権の頃から言っていて、ずっと延長、延長で、そして2025年度はどうなのかというのが問われてますね。これずっと外れっぱなしだと、いつ日本の国債の信認がなくなってですね、格付けまで下げられる可能性が私はあると思います。一挙に財政破綻というよりも、格付けで下がると要は企業の資金調達だと問題が出てくる。などなどの弊害を考えると、きちっとした見通しを持って財政健全化していかなきゃいけない。これOECDのほぼ3分の2以上が独立財政機関です。政府とかけ離れたところで、参議院に置こうという話があるのか、あるいは(内閣法)8条委員会みたいの作るアイディアがあります」としました。なお私が気付いたのは、「国債の信認、格付け、金利」のくだりで、枝野、泉両候補が下を向いて相槌をいっさいしない表情。

●野田さん、間違いなく過去最大の財務省批判

 野田さんは続けて「アイディアいろいろありますけどいずれにしてもこれは財務省は反対します。内閣府(に置くこと)は絶対反対なんですよ。これ見通しの問題も含めて、自分たちがある種、予算編成の中心だという気持ちがあるんでしょうけども、現実的な数字に基づいた議論をしなければいけないと思いますので、私は独立財政機関は必要だということで主張しています」と語りました。

 時間があわただしかったので、「その不信を抱いたきっかけ」がいつだったかは答えがなく、私が「経済企画庁みたいな感じですか」と問うと、野田さんは「昔はそうですよね」と語り、プロパーの事務次官を出していた官庁エコノミスト軍団の経企庁(橋本行革で廃止)のイメージだとしました。

 消費税に関する内外の質疑が相次いでいることから、残りの選挙戦でも最大の論戦になりそうです。

 以上です。