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始まった再構築協議会 どうする赤字ローカル線(中) 減便が利用者減に拍車

2024-04-12 07:11:58 | 公共交通・安全について
始まった再構築協議会 どうする赤字ローカル線(中) 減便が利用者減に拍車
再構築協議会の対象区間である、中国山間地を東西に走る芸備線の東端。午前5時16分に岡山県の新見駅を出発した快速・備後落合行きの単車ディーゼルカーは、乗客が2人だけでした。2人とも明らかに他県から訪れた人と見られ、地元の利用者はゼロでした。
この始発列車の次は、同7時3分ですが25キロ先の東城止まり。備後落合行きは午後0時58分と約7時間後です。東城-備後落合間は1日に往復3本しかない、日本でも有数の列車便数の少ない路線です。
備中神代→東城→、と走った快速列車は結局、終点、備後落合まで乗客2人を乗せただけ。「ほぼ空気をのせて走った」状態でした。



備後落合駅に停車する芸備線車両

貴重な通学の足
備後落合からの普通三次行きは、途中駅から10人、20人と乗客が増えていきました。9割以上が広島県庄原市や三次市の高校に通う生徒で、芸備線は高校生にとって貴重な通学の足となっていることが分かりました。
JR西日本によると、今回の協議会対象区間(備中神代-備後庄原)の輸送密度(1日1キロあたり平均利用者)は48人。うち、①備中神代―東城間は同81人②東城-備後落合間は11人③備後落合-備後庄原間は62人です。同区間の利用者はそれぞれ1990年から①63%②38%③47%減少しました。これが、事業者であるJR西日本が“鉄道だけでない公共交通全体をリ・デザイン”との唱え文句で廃線を進める理由となっています。
庄原市の生活福祉部地域交通課の下森一克課長は、乗客減について「人口減、マイカーの浸透も理由としてあげられますが、一方で列車の便数が減ってきていることもあります」と指摘します。減便がさらなる利用者減につながる「負のスパイラル」に陥っているのも現実。加えて、芸備線全線(広島-備中神代=新見)の運行は、広島-三次、三次-備後落合、備後落合―新見と完全に三分割され直通はありません。三次駅は乗り換える列車のホームが違うため、利用者は階段の上り下りを強いられ、高齢者や身体の不自由な人にとってはつらい実態があります。

利便性向上訴え
26日の再構築協議会で自治体代表は「ダイヤの減便、直通列車の廃止など利用したい人にとってしづらい状況になっている」(大原直樹・庄原市副市長)―など現状を訴え、芸備線の利便性向上を主張しました。
今後、再構築協議と並行して、地域にとってどの交通体系がいいのか調査する実証事業が予定されています。広島県は、「芸備線の可能性を最大限、追求することが必要」(協議会で玉井優子副知事)との立場です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年4月7日付掲載


備後落合からの普通三次行きは、途中駅から10人、20人と乗客が増えていきました。9割以上が広島県庄原市や三次市の高校に通う生徒で、芸備線は高校生にとって貴重な通学の足となっていることが分かりました。
庄原市の生活福祉部地域交通課の下森一克課長は、減便がさらなる利用者減につながる「負のスパイラル」に陥っているのも現実。
加えて、芸備線全線(広島-備中神代=新見)の運行は、広島-三次、三次-備後落合、備後落合―新見と完全に三分割され直通はありません。
減便や廃線や第三セクターではなく、利便性の向上が求められています。

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