きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報2024 Ⅰ ② 国内景気 困窮する生活、潤う大企業

2024-04-04 07:14:51 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報2024 Ⅰ ② 国内景気 困窮する生活、潤う大企業
【ポイント】
①2023年の日本のGDPが世界4位に転落。弱すぎる個人消費が最大要因
②賃金の伸び悩みがつづくなか、止まらぬ物価高騰が家計消費を冷え込ませる
③春闘で大幅賃上げいうが物価高騰に届かず。大企業内部留保は過去最大更新

物価高騰が国民生活を直撃し、困窮が広がっています。日本経済の停滞が鮮明になる一方、大企業と富裕層だけが繁栄を謳歌(おうか)しています。

4位への転落
日本の国内総生産(GDP)の実額が2023年、ドル換算の名目値でドイツに抜かれ世界4位に転落しました。10年に中国に抜かれて3位になって以来の転落です。
最近の円安傾向でドル建てだと少額に換算されることに加え、日本経済が長期にわたって停滞し、国民生活が疲弊した結果です。とりわけGDPの半分以上を占める個人消費の弱さが経済成長の足を止めています。総務省「家計調査」によると、23年の消費支出は前年に比べ2・6%の減少でした。
23年10~12月期のGDPの改定値は速報値を上方修正し、プラス成長に転じました。企業の設備投資などが想定を上回ったためです。しかし、個人消費は下方修正され、0・3%の減少。衣料品や食品などの不振が要因となりました。



店頭で品定めする買い物客=東京都内

国内経済の主な出来事(1~3月)
1/1能登半島でM7.6の地震が発生
1/152023年の企業倒産件数が8年ぶり高水準
1/2023年の全国消費者物価が前年比3.1%上昇。41年ぶりの伸び
2/623年の実質消費支出が前年比2.6%減少
2/623年の実質賃金が2年連続で減少。下げ幅2.5%は9年ぶり
2/1523年の国内総生産(GDP)が世界4位に転落
3/4大企業内部留保が過去最大の530.5兆円に
3/4東京市場で日経平均株価が初の4万円超
3/71月の実質賃金22カ月連続減
3/1123年10~12月期GDP上方修正しプラス成長に。個人消費は下方修正
3/12企業物価36カ月連続で上昇
3/19経済秘密保護法案が衆院本会議で審議入り
3/19日銀がマイナス金利を解除


伸びない賃金
厚生労働省「毎月勤労統計」によると、名目賃金は25カ月連続で前年同月を上回りました。しかし、1月の伸び率が2%にとどまったように極めて弱々しい状況です。
一方で物価高騰はとどまるところを知りません。民間信用調査会社の帝国データバンクが食品主要195社を対象に行った調査によると、23年に値上げされた食品は3万2396品目で値上げ率は平均15%でした。24年も6月までに5911品目の値上げ(予定)が決まっており、値上げ率は同19%です。
23年の総務省「全国消費者物価指数」は前年に比べ3・1%上昇し、41年ぶりの高い伸びとなりました。原材料価格の高騰に加え、サービス価格の上昇も目立ちます。

内部留保最大
賃金伸び悩みと物価高騰で、実質賃金は22カ月連続の前年同月割れです。賃上げが切望される中、春闘では大手企業を中心に満額回答が相次ぎました。ただ、労働者全体に賃上げを行き渡らせるためにはさらなる奮闘が必要です。
とりわけ大企業の責任が問われます。日産は下請け業者への支払いを減額していたとして公正取引委員会から勧告を受けました。また、公正取引委員会はダイハツや京セラなど10社について、コスト上昇分を取引価格に価格転嫁していないと名指しで指摘しています。
お年寄りの生活を支える公的年金も実質減額され、国民生活はますます苦しくなっています。その一方で大企業の内部留保は530兆円を超え、過去最大を更新しました。格差拡大を是正する取り組みが求められます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年3月27日付掲載


日本の国内総生産(GDP)の実額が2023年、ドル換算の名目値でドイツに抜かれ世界4位に転落。10年に中国に抜かれて3位になって以来の転落。
厚生労働省「毎月勤労統計」によると、名目賃金は25カ月連続で前年同月を上回りました。しかし、1月の伸び率が2%にとどまったように極めて弱々しい状況。
一方で物価高騰はとどまるところを知りません。
賃上げに関しては、大企業の責任が問われます。日産は下請け業者への支払いを減額していたとして公正取引委員会から勧告。また、公正取引委員会はダイハツや京セラなど10社について、コスト上昇分を取引価格に価格転嫁していないと名指しで指摘。

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