きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

多国籍企業と人権② 労働者・市民が前面に

2017-05-26 11:23:09 | 国際政治
多国籍企業と人権② 労働者・市民が前面に

今回の条約づくりは、国連による多国籍企業規制の3度目の挑戦となります。過去2回は、失敗に終わりました。
国連が多国籍企業の規制に取り組み始めたのは、1970年代です。「多国籍企業行動規範」(拘束力のない自発的文書)づくりを開始しました。しかし、発展途上国の多くをはじめ米国政府や日本政府などが「規制しすぎる」と反対し、この動きは、90年代に中断に追いこまれました。具体的作業をおこなっていた国連「多国籍企業センター」も廃止されました。

中断を乗り越え
2度目の挑戦は、国連人権委員会による取り組みです。「人権に関する多国籍企業およびその他の企業の責任についての規範」づくりをはじめます。企業を拘束する準条約的な文書として検討がはじまり、2003年に規範案が提案されました。
ところが、この文書案は、支持する人権擁護団体と、反対する経済団体との間で熱い議論をよびおこしました。経済団体は、「国家の責務である人権擁護を企業に転嫁するものだ」と激しく反対しました。取り組みは再び中断に追いこまれました。
2度の失敗をふまえて、拘束力のないガイドラインとして、前回で紹介した国連「グローバル・コンパクト」や「国連人権枠組み」、「国連人権指導原則」が次々と採択されていったのでした。
しかし、その後、国連担当者やNGOの間で、拘束力がないという点が弱点になっているという認識が広がるなか、条約づくりがスタートしました。3度目の挑戦の始まりです。
今回の政府間作業部会の設置と第1回会合と第2回会合の開催は、多国籍企業を規制しようとする国連にとっての3度目の挑戦となります。過去の取り組みは、発展途上国が反対するもとで失敗に終わりました。しかし、今回の挑戦は、これまで多国籍企業の規制に反対してきた発展途上国の多くが賛成しています。自国の低賃金が国際競争力の源泉と考えてきた発展途上国がその考え方を転換させたからです。
また、これまで国連の討議にあまりかかわってこなかったNGOが論戦の流れをつくるというまったく新しい状況のもとで始まりました。いま労働者・市民が新しい国際経済秩序をつくる運動の中心的プレーヤーとして国際社会におどりでています。



賃上げと安全な労働環境を求めてデモ行進する労働者=5月1日、バングラデシュ・ダッカ(ロイター)

企業人の存在も
同時に、多国籍企業内で「企業の社会的責任」(CSR)活動を推進するまじめな企業人の存在と活動も注目に値します。これらの企業人は、人権と環境などの倫理性を追求しながら、企業の違法行為や不正をただそうと努力し、国連の人権擁護のとりくみにも参画しています。ビジネス分野における人権擁護の活動は、かつてない広がりをみせようとしています。
国際社会は今日、発達した資本主義国だけでは国際経済を律することができなくなるような時代をむかえています。このような世界の構造変化に対応した新しい民主的な国際経済秩序が、切実に求められます。国際経済における民主的ルールを確立し、多国籍企業化した企業に国際的な民主的規制を行うことが、諸国民のたたかいの緊急の課題として日程にのぼる新しい時代を迎えています。人権に対する企業責任の強化を求める今日の運動は、まさにこうしたたたかいとなっています。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月25日


多国籍企業に規制をかける、国際的なルールづくりが、労働者もはいってつくられつつある。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

多国籍企業と人権① 条約づくりへ国連動く

2017-05-25 15:26:33 | 国際政治
多国籍企業と人権① 条約づくりへ国連動く

国際社会は今日、企業行動が人権に及ぼす悪影響をますます懸念するようになっています。「企業は社会の一員である」との見地に立って、ビジネス分野における人権尊重の取り組みを強めています。舞台の中心は国連です。
(日本共産党国民運動委員会 筒井晴彦)

国連は2000年代に入ってから、企業に人権尊重を求める国際文書を相次いで採択しています。先駆けとなったのが国連「グローバル・コンパクト」(07年)です。4分野(人権、労働、環境、腐敗防止)において10の原則を定めています。人権にかかわっては、①企業は国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重する②企業はその事業が人権侵害に加担しないよう確保する―と明記しています。



三菱自動車の生産ラインで作業する労働者=4月25日、インドネシア西ジャワ州(ロイター)

企業責任を明記
国連はその後、人権原則順守の取り組みを具体化するために、国連「保護、尊重および救済・ビジネスと人権のための枠組み」(08年)と、国連「ビジネスと人権にかんする指導原則」(11年)を採択しました。二つの文書の柱は次の三つです。①国家は人権侵害を救済する義務がある、②企業は人権を尊重する責任がある、③企業活動によって人権侵害を受けた人の救済措置を拡大する。
国連の取り組みは、他の国際機関に大きな影響を与えています。国際労働機関(ILO)が「多国籍企業および社会政策に関する原則の三者宣言」を改定し、経済協力開発機構(OECD)が「多国籍企業行動指針」を改定しました。いずれも、人権に対する企業の責任を強める方向での改定でした。
国連を含めた国際機関の諸文書は、企業による自発的な人権順守を奨励・促進するものであり、企業を法的に拘束するものではありません。しかし、世界の労働組合とNGO(非政府組織)団体は、これら諸文書を積極的に活用しています。とりわけ労働組合は、人権尊重を求めて、主としてヨーロッパの多国籍企業との間で、次々と「国際枠組み協約」(労働協約)と「欧州枠組み協約」(同)を締結しています。

政府間部会開き
国連の文書づくりに中心的役割を果たしてきたジョン・ラギー国連事務総長特別代表(当時)はその後、拘束力のない自発的な文書では多国籍企業の横暴を規制しきれないと判断し、法的拘束力をもった条約づくりに着手することになります。
そのための第1回政府間作業部会が15年7月に開催されました。多国籍企業本社が集中する「先進国」の多くが条約つくりに反対するなか、条約賛成の論陣をはったのは、85力国を超える発展途上国であり、600を超えるNGO団体(労働組合を含む)でした。NGO団体は「人権原則は国際法とりわけ商業ルールの上位に位置する」と主張し、論戦において積極的役割を果たしました。
ジョン・ラギー氏は「ビジネスと人権にかんする議論を前進させる中心は市民社会である。国家間で分断が生じているとき、NGO団体のリーダーシップが求められる」と話しています。
翌16年10月には、第2回政府間作業部会が開催され、第1回会合に欠席した欧州連合(EU)主要国政府と日本政府が参加しました。米国政府は引き続き欠席です。今年、第3回政府間作業部会が開催されます。
(つづく)(2回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月24日付掲載


多国籍企業に人権を守らせるためには、やはり法的拘束力のある制度が必要。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

沖縄復帰45年 自衛隊配備に揺れる宮古・石垣 戦場の島にさせない

2017-05-24 14:45:22 | 平和・憲法問題について
沖縄復帰45年 自衛隊配備に揺れる宮古・石垣 戦場の島にさせない

本土復帰45年を迎えた沖縄は、もう一つの「基地問題」で揺れています。沖縄本島から数百キロ離れた南西諸島への自衛隊基地建設計画です。旧日本軍の配備が多大な犠牲を招いた沖縄戦の教訓を胸に、住民たちは「戦場の島にはさせない」と訴えます。重大な岐路を迎える宮古島と石垣島を訪ねました。(吉本博美)

2015年5月、防衛省は宮古島に陸上自衛隊の警備・地対空・地対艦ミサイル部隊を約800人配備すると表明しました。尖閣諸島など「島しよ防衛」を口実に、中国を念頭に置いた「南西諸島シフト」の一環です。
「時間がゆっくり流れていて、静かでいいところでしょ。この平和な島に基地と軍隊がやってくる。軍事衝突が起こる前に、日常の景色が変わってしまうことが何よりも怖い」。関東から宮古島に移住し、伝統工芸の仕事に就くAさん。危機感を強め、市民団体「南西諸島ピースネット」の一員として自衛隊配備問題を発信しています。



宮古島の陸自配備予定地(左奥)と空自基地(右)


米海兵隊と自衛隊の「日米共同方面隊指揮所演習」の様子=2016年11月30日

昨年11月30日、在日米海兵隊が公開した「日米共同方面隊指揮所演習」での“戦闘予行”の写真が大きな波紋を呼びました。米兵と自衛隊員に囲まれた指揮官。南西諸島を示した地図を踏みつけながら、宮古島の各所に印を付けて伊良部島を棒で指しています。
「オール沖縄」の伊波洋一参院議員は、中国の軍事的台頭に対抗する米国の「エアシーバトル戦略」が背景にあると分析しています。
「アメリカは中国を軍、事的に潜在的脅威と位置づけており、中国海軍の太平洋への進出を防ぐために、南西諸島に陸自ミサイル部隊を配置することが目的です。日米は頻繁に『離島奪還訓練』を繰り返していますが、住民保護のためじゃない。島全体で住民を巻き込んだゲリラ戦を想定しています」
「止めよう自衛隊配備宮古郡民の会」事務局長の上里清美さん(62)は涙をこぼしながら話しました。「国のあり方が変わるときは水面下から、辺境からです。沖縄の基地問題は辺野古と高江だけではないことを多くの人に知ってほしい。私たちは、いつまで犠牲にならないといけないんですか」



沖縄戦の歴史「軍隊は住民を守らない」
宮古=自衛隊配備「命の水」に危機
宮古島の自衛隊配備候補地は赤字経営のゴルフ場「千代田カントリークラブ」。近隣には最新鋭の巨大レーダーと通信傍受施設を備えた航空自衛隊の宮古分屯基地があります。

二つの基地挟まれ
周辺地区の上野野原の住民は、二つの自衛隊基地に挟まれて生活することになりかねません。すでに空自の大型ヘリの騒音や振動被害が出ており、「陸自基地もできたら出ていくしかない」との声があがっています。
近隣2地区(千代田、上野野原)は反対決議をあげています。当時、上野野原の区長だった塩川鉄矢さん。「当初は、隊庁舎を建てるぐらいだと聞いていました。しかし、区長会で那覇の自衛隊基地を訪れた際には宮古の新基地にヘリポートなども造るといわれて、だまされたと思いました。もう防衛省は信用できない」

環境評価を行わず
土壌・水質汚染の懸念もあります。宮古島はサンゴが浄化した地下水が唯一の水源です。地下水ダムは島の全体でつながっており、住民の「命の水」が汚される危険があります。しかし、防衛省は環境アセスメントすら行っていません。
宮古島市役所前では毎週水曜日午後5時から世代や立場を超えてスタンディング行動が行われています。参加者の一人、医師の岸本邦弘さん(55)は訴えます。「基地ができればここは軍事目標になる。壊れた環境は二度と戻らない。命を守る医者として自衛隊配備計画に反対します」



石垣=友好・共存考える国境の島
石垣の配備予定候補地は、中心部の平得大俣(ひらえおおまた)にある於茂登(おもと)岳のふもとです。防衛省は宮古島市に加え、石垣市に約600人の陸上自衛隊部隊を配備する計画を提示しました。現在、石垣には自衛隊・米軍を含め軍事基地は一切ありません。
宮古・石垣に配備予定のミサイルは、車両に搭載できる12式地対艦誘導弾と03式中距離地対空誘導弾。発射と移動をくりかえす戦術をとるため、住民が巻き添えになる危険があります。「有事」の際の避難計画は策定されていません。
戦争体験者の八重洋一郎さん(75)は、「小さな島で戦争が起これば住民は取り残されるしかない。軍隊は住民を守らないことは沖縄戦で証明された。なぜ歴史から学ばないのか」と怒りで声を震わせます。



石垣島の陸自配備予定地の於茂登岳



住民意思関係なし
「防衛省側はこれまでほとんど住民説明会を開いていません。防衛省からは『地域の民意は関係ない』とはっきり言われました」
近隣の開南、嵩田(たけだ)、於茂登、川原の4地区は反対決議を上げています。川原公民館長の具志堅正さん(55)は憤ります。4月14日の朝8時、具志堅さんは沖縄防衛局から用地調査に入るとの電話を受けました。「突然でした。時間帯を聞くと、まだ決まっていないと。でももうその時点で調査は終わってたんです。住民をどこまでばかにしているのか」
パイナップル農家の上原政一さん(67)。「基地配備は農業を阻害します。推進派の現職市長は『自衛隊がくれば地元に恩恵がくる』というが、第1次産業を振興すれば環境も雇用も平和も守られる。こういうことを考えるのが政治じゃないのか」



石垣島への陸自自衛隊配備に反対する上原秀政さん

移民とともに振興
中国・台湾との「国境の島」とも呼ばれる石垣島。配備推進派は、中国脅威論と尖閣諸島問題をもちだして、自衛隊基地の必要性を訴えています。一方、漁業組合の役員は「中国との衝突はほとんどありません。石垣から尖閣までは船で7時間はかかる。日中両国の警察が毎日監視する中で、普通は誰も行きませんよ」と証言します。
石垣は沖縄本島と台湾、中国本土からの移民の島。皆が共存したおかげで振興したー。地元民が共通して語る島の歴史です。
「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の共同代表で、医師の上原秀政さん(63)は、「保守の人間ですが、この問題は党派を超えて取り組まなければ止められない」と強調しました。
隣国とどう付き合うか。
「石垣は豊かな自然環境をもつ生物多様性の島です。アジアからフィールドワークで来る学者や研究機関もあります。例えば、各国とそうした学術交流を増やす。武力ではなく外交。平和友好の共存を考えていきたい」

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月23日付掲載


沖縄戦の歴史「軍隊は住民を守らない」
国境の島だから、防衛の前線基地にするって発想は古い。対話と友好の島へ。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

兵庫県政を考えるつどい@生田診療所

2017-05-20 19:07:30 | 県知事選(2017年)
兵庫県政を考えるつどい@生田診療所

兵庫県政を考えるつどい
兵庫県政を考えるつどい posted by (C)きんちゃん
子どもからおとしよりまで
安心して暮らせる兵庫へ

5月20日午後2時から、生田診療所でつどいが開かれました。

兵庫県政を考えるつどい 呼び込み
兵庫県政を考えるつどい 呼び込み posted by (C)きんちゃん
生田診療所の看護師長が呼び込みを行っています。

津川さん講演待ち
津川さん講演待ち posted by (C)きんちゃん
兵庫県知事予定候補の津川ともひささんがスタンバイ。

津川さん講演
津川さん講演 posted by (C)きんちゃん
講演が始まりました。

兵庫県政を考えるつどい 津川さん講演

7月2日投票の兵庫県知事選挙。生田診療所での集会で、予定候補者の津川ともひささんが、県民に寄り添った県政をつくろうと訴えました。

兵庫県政を考えるつどい参加者
兵庫県政を考えるつどい参加者 posted by (C)きんちゃん

津川さん 握手
津川さん 握手 posted by (C)きんちゃん
多忙な津川さん。次の会場に向かいます。

武村医師 医療介護改悪反対
武村医師 医療介護改悪反対 posted by (C)きんちゃん
その後、武村義人医師・生田診療所所長が、安倍政権の医療や介護の改悪の実態を告発。
ともに、より良い医療や介護に変えようと訴えました。


大前まさひろ市議 市政訴え
大前まさひろ市議 市政訴え posted by (C)きんちゃん
最後に、大前まさひろ神戸市議が、市民不在の三宮の巨大開発を告発。
阪急花隈駅のバリアフリー化など、市民に寄り添った市政に転換をと訴えました。


大前まさひろ市議 市政訴え


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

労働講座 きほんのき⑦ 変形労働時間制 勤務延長も残業代不要

2017-05-20 10:15:25 | 働く権利・賃金・雇用問題について
労働講座 きほんのき⑦ 変形労働時間制 勤務延長も残業代不要

巨額の残業代支払いに追い込まれた宅急便のヤマト運輸。原因となったのが「変形労働時間制」の悪用です。
労働基準法で労働時間は週40時間、1日8時間を超えてはならないと定められています。しかし、業務の繁閑などに応じて所定労働時間を短くしたり長くしたりできるのが、変形労働時間制です。(同32条の2~5)「労働時間の短縮」(1988年旧労働省通達)を目的に導入されたもので1カ月単位、1年単位、1週間単位の3タイプがあります。この期間内で労働時間が平均して週40時間に収まれば、8時間を超えて働く日や40時間を超えて働く週を設定することが許され、残業代は出ません。ヤマト運輸が導入していたのは1カ月単位の変形労働時間制です。




使用者メリット
使用者にとっては労働時間を自由に設定でき、残業代を払う必要もないなど大きなメリットです。労働者にとっては、忙しい時期の労働時間が長くなったり、今まで払われていた残業代も出なくなります。労働者の生活や健康に支障が出る場合もあり、導入する場合はしっかりチェックすることが必要です。
出退勤時間を自分の都合にあわせて決められる「フレックスタイム」を含めて変形労働時間制を導入している企業は約半数。1000人以上の企業では6割を超えます。
変形制の導入は厳しい要件があり、変形勤務の内容を事前に特定する必要があります。変形労働の最初の日(起算日)を定め、8時間を超える日、40時間を超える週を特定します。全部の勤務日の始・終業時刻も特定し、就業規則に明記する必要があります。
1年単位の場合は長期になるため、1日10時間・1週52時間を限度とするなど規制があります。

勝手な変更ダメ
特定されたあとに、企業が勝手に変更することはできません。判例でも就業規則に単に「業務上必要がある場合は変更する」との規定は無効とされます。
ヤマト運輸の場合、頻繁な勤務変更で前日にならないと自分の勤務がわからないとか、平均して週40時間の限度をはるかに超える200時間以上の労働時間が割り当てられていました。これは明白な違法行為です。
ヤマト運輸の元労働者が訴えていた労働審判で、会社側が変形労働時間制をあてはめて70万円台の未払い額を提示しましたが、労働者側が変形労働時間制は要件を満たしていないと主張し、実際の残業代は300万円を超えるという訴えが認められました。
このように変形労働時間制と称しても、要件を満たしていない場合は、残業代の支払い対象になります。
この制度を導入するには、労使協定(労使委員会などの決議)が必要で、労働基準監督署への届け出が必要です。しかし、1カ月単位の場合だけは、労使協定または就業規則でもいいとしています。
変形労働時間制は1カ月単位が基本形であり、それが就業規則だけで導入できるというのは問題です。
職場で1カ月単位の導入が多い日本医労連は、就業規則で導入を認める規定を削除し、1年単位や1週間単位と同じように労使協定を要件とするよう求めています。
(随時掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月19日付掲載


労働者にとっては、たまったもんじゃありません。1日の生活リズム、1週間の生活リズムが会社の都合でめちゃくちゃにされてしまう。
ヤマト運輸の場合は、朝9時~夜9時までの配達時間を1人の労働者に割り当てていたのでしょうね。それで残業代がでないって許せない。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

東芝半導体売却 四日市の苦悩② 地域に不安・危機感

2017-05-19 11:12:00 | 経済・産業・中小企業対策など
東芝半導体売却 四日市の苦悩② 地域に不安・危機感

東芝をはじめ大企業の工場を誘致し、発展してきた三重県四日市市。その街並みは時代の荒波とともに移り変わってきました。
大型ショッピングセンターの台頭によりシャッター街となっていた駅前商店街は、東芝の四日市工場の稼働にあわせて、仕事終わりの従業員らが集う、飲み屋街へと姿を変えました。昼間はシャッターが閉まり閑散としています。しかし、午後7時を過ぎたころには、飲み屋に立ち寄るスーツ姿の人たちでにぎわいます。
東芝は米原発事業での損失を穴埋めするため四日市工場を含む半導体事業を売却することにしました。街の光景は、これからどのように変わっていくのでしょうか。
近鉄四日市駅に近い諏訪西商店街で祖父の代から仏具店を営む水谷武生さん(68)は、「私が若い頃の商店街は、昼間真っすぐ歩けないぐらいにぎわっていました」と懐かしむように話します。
商店街には多くの呉服店や喫茶店が立ち並び、周辺の街からも、買い物客が集まっていました。住民同士が顔を合わせて談笑する憩いの場でもありました。「商店街は変わってしまいましたが、飲み屋まで撤退されては困ります。東芝の工場切り売りには危機感を感じます」



仕事終わりの会社員らでにぎわう四日市一番街商店街=4月7日、三重県四日市市

常連客も減少
半導体事業の売却先の選考が行われています。海外企業含めた企業の名前が挙がりますが、売却先選びの状況は、従業員や周辺地域に知らされることはありません。地域では不安の声が広がっています。
「時代の流れなんでしょうね」。四日市市内の商店街で日本料理店を営んでいる男性は、自分に言い聞かせるようにつぶやきました。
東芝に勤める常連客が来店する頻度は減り、キャンセルも増えました。東芝の半導体事業の切り売りについて、「商店街はとても衝撃を受けました。心配です」とうつむきながら語っていました。
東芝をはじめ工場への出張者が多い四日市市ではビジネスホテルが林立しています。

客の6割東芝
近鉄四日市駅近くにあるホテルの従業員は、「今のところ東芝関係での変化は感じません。東芝は雇用と設備投資は継続すると表明しているので、大きな懸念はないです」といいます。同ホテルはビジネス関係者と海外旅行客を主な客層としています。
「今後、ビジネス関係が落ち込むことがあれば、海外旅行者層の獲得に力を入れようと考えています」
「懸念はない」というものの、将来を楽観はしていません。
巨額な設備投資を必要とする半導体事業は、工場建屋の新築や建て替えを頻繁に行います。そのため建屋の建設労働者や機器を搬入するメーカー関係者が多く出入りします。
四日市市内にあるタクシー会社の男性従業員は、「お客さんの6割は東芝関係者です。朝7時から9時、夕方5時から7時がピーク。会社の車をすべて出すぐらいです」と話します。
「売却先がどこになるのか注意深く見守っています。個人的にはやはり不安です」(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月13日付掲載


東芝半導体事業の売却先。当の労働者が一番心配するところですが、地元の商店街も振り回されています。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

東芝半導体売却 四日市の苦悩① 工場誘致の揚げ句に

2017-05-18 14:27:43 | 経済・産業・中小企業対策など
東芝半導体売却 四日市の苦悩① 工場誘致の揚げ句に

東芝の半導体工場がある三重県四日市市の街並みは、企業とともに変ぼうを遂げてきました。東芝は、米国での原子力事業の損失を穴埋めするため、半導体事業の切り売りを進めています。地域経済への影響が懸念されています。(斎藤和紀)

「大企業を呼び込めば、地域が潤う」
この神話にしがみついた三重県と四日市市は、雇用創出や地域産業の振興を目的に、多額の補助金を東芝に交付しています。
三重県は事業所などの新設・増設などに約24億2000万円、四日市市は事業所などの新設・増設、研究機能の強化に約28億5000万円を東芝に交付。総額は約52億7000万円に達しました。

雇用増えたか
しかし、誘致の目的である雇用創出の効果があったかは不透明です。地元の三重県や四日市市での従業員採用数は、東芝が公表しないために県や市は把握できないといいます。四日市市は「(東芝による地元での雇用数の)統計はとっていない。今後詳しく調査する予定はない」としています。
東芝の四日市工場に隣接する広大な従業員用駐車場には、三重県外のナンバーをつけた自動車がずらりと並びます。岩手、大分、沖縄など全国各地のナンバーがあります。
四日市工場の従業員数は、2017年4月1日時点で6200人と発表しています。しかし、非正規雇用の従業員が多いとみられます。メンテナンス業務を請け負って工場内で働いていた男性労働者は「部門ごとにいくつかの派遣会社が入っていた」と証言します。ところが、県・市は四日市工場での非正規雇用者数を把握していません。
東芝の四日市工場が操業開始したのは1993年のことでした。
「東芝の誘致は、市が全面的に支援して進められました」。日本共産党の萩原量吉元三重県議は語ります。
「市の土地開発公社は東芝誘致のために野山を削り、東京ドーム9個分の土地を造成しました。強引に買収し、低い値段で提供しました。工場周辺の道路整備には約17億円投入するなど東芝のための基盤整備にも力を入れました」
東芝を引き留めるために奔走する市の姿もあります。
東芝は2008年に新たな建屋を建設するため地権者と用地買収の交渉をしました。しかし地権者が建設予定地以外の土地も買収することを条件としたため頓挫。東芝は岩手県北上市への生産拠点の移転を検討しました。移転に危機感を募らせた市は「新棟建設によって雇用約1200人、税収約220億円の経済効果が見込まれる」と宣伝。1・8ヘクタールの土地を約2・5億円で市が東芝に代わって買収し、移転を踏みとどまらせました。東芝にとって不要な建設予定地以外の土地は市が所有しましたが、用途がないため放置されました。



東芝メモリの四日市工場=三重県四日市市

悲劇的な結果
半導体工場の売却をめぐり、松下智治四日市工場長は、雇用は維持すると県や市に説明しています。しかし雇用維持の保証があるのか問われると、松下氏は「(守られるという)担保はない」と答えたと報じられています(中日新聞、4月7日付)。売却先によっては大規模な解雇が懸念されます。
「屈用創出」と「地域経済の振興」のために県・市は巨額な税金を東芝に投じてきました。しかし、その結果は半導体事業の切り売りという悲劇的なものでした。
(つづく)(2回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月12日付掲載


兵庫県でも、大企業の誘致に補助金を出して、勝手に撤退されてひどい目にあっています。
東芝の場合は、企業の経営方針でなく、身売り先の術中に依存してしまう。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

韓国大統領選 変革求めた国民③ 平和外交へ思いたくす

2017-05-16 19:53:28 | 国際政治
韓国大統領選 変革求めた国民③ 平和外交へ思いたくす

韓国は今年、民主化30年を迎えました。26年間続いた軍事独裁政権を倒し、国民が大統領を直接選ぶ民主体制を勝ち取ったのは1987年のこと。同年12月に行われた大統領選挙では90%近い国民が投票しました。

若者から支持
今回は、不正義をただしたいというエネルギーが集まった「ろうそく集会」で勝ち取った大統領選挙でした。そして20代、30代に圧倒的な支持を得た文在寅(ムン・ジェイン)大統領が誕生します。
恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)准教授(45)は「若者が、投票を通じて政治や社会を変革できるという経験をした。韓国の民主主義のさらなる発展につながる大きな出来事」と強調します。
若い世代が文氏を支持した理由の一つは、就職難や非正規雇用など経済問題でした。李氏は併せて「安保問題でも支持を得ていた」と見ています。
「男性は兵役に就く。そのなかで何があっても戦争は起きてはいけないと考えています。北朝鮮の核問題で朝鮮半島の危機が高まっているからこそ、米中を説得し、北朝鮮とも対話するという文氏を選択した」と分析しました。
1950年に勃発した朝鮮戦争は、53年に米中主導で休戦協定が結ばれ、南北の分断が固定化しました。
ソウル大学日本研究所の南基正(ナム・ギジョン)副教授(53)は、「東アジアが安定することで、日韓の歴史問題も南北の問題も解決できる」と語ります。



「共に民主党」の幹部らと当選を喜ぶ文氏(中央)=5月9日、ソウル

北問題を重視
南氏は、文氏が就任演説で「朝鮮半島の平和定着のためになら、すべてのことをやる」と語ったことに「全く同感だ」と応じます。
「韓国は、戦争の準備もしながら対話もする。休戦状態で生きる韓国にとっては仕方がないことで、だからこそ国民は平和政策が重要だと考えています」
文大統領は公約に、北朝鮮が核開発を断念すれば休戦協定に代わる「朝鮮半島平和協定」を締結することを盛り込みました。10日に発表した人事でも、北朝鮮問題に精通する人物が要職についています。
南氏は、安倍晋三首相が考える安全保障は否定しないとする一方、「防衛を考えるのと同じくらいの努力で、平和をどうつくっていくのかを考えなければいけない」と力説。「日本が、北朝鮮との交渉を積極的に行ったり、『慰安婦』問題の真の解決にむけた努力をすることで東アジアの平和構築に寄与することになる」と述べました。
文氏は11日、さっそく米中日と電話会談を行いました。日本には、「(『慰安婦』問題で強制性などを認めた)河野談話と(植民地支配と侵略を認めた)村山談話の内容と精神を継承し、尊重する姿勢が大事だ」と述べました。こうした外交を後押しするのは平和を求める国民の声です。
(おわり)(ソウル=栗原千鶴 写真も)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月13日付掲載


韓国が民主化されて30年になるんですね。隔世の感です。
軍事独裁政権下、朴槿恵(パク・クネ)元大統領のお父さん、朴正煕(パク・チョンヒ)(1963年12月17日~1979年10月26日)、全斗煥(チョン・ドゥファン)(1980年9月1日~1988年2月24日)が悪名高き大統領として記憶に残っています。
民主化後に生まれた若者たち。彼らがまた韓国を変革しています。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

韓国大統領選 変革求めた国民② 迷走の保守 根強い支持も

2017-05-15 11:11:11 | 国際政治
韓国大統領選 変革求めた国民② 迷走の保守 根強い支持も

国民の運動が決定的な力となった前大統領弾劾で実施された大統領選挙。若い層が押した中道左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏の当選について、慶北大学法学専門大学院の金昌禄(キム・チャンロク)教授(55)は、「若い世代が政治を動かし、新たな歴史の一ページを開く選挙だった」と評価しました。
一方、大邸市とその周辺の慶尚北道と慶尚南道で保守・自由韓国党(旧セヌリ党)の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補の得票が文氏を上回ったことについて、「この地域の根深い保守意識を見た」とも語ります。



街頭演説する自由韓国党の洪候補=5月6日、ソウル近郊・安山

序盤は1桁台
旧セヌリ党は朴橦恵(バク・クネ)前大統領の弾劾の賛否をめぐり分裂しました。弾劾に賛成し、自由韓国党から離党した議員は「正しい政党」を結成。大邸出身の劉承旼(ユ・スンミン)氏を擁立しました。
選挙戦の序盤、洪、劉の両氏の支持率は1桁台でした。洪氏は文氏を北朝鮮に従う「従北」勢力と決め付け、「文候補が大統領になれば親北政権が誕生する」と危機感をあおりました。
自由韓国党は「保守の団結」を呼び掛け候補一本化を模索しますが、劉氏は拒否。これに反発した「正しい政党」議員10人が投票1週間前に離党する事態となりました。
迷走が続いた保守派。金教授は、保守の地盤が崩れていることを実感しています。大邸市では保守系の得票率が50%を割り、出口調査では全国的に50代以下は、文氏が洪氏を上回りました。

解体危機回避
「テレビ討論や街頭演説などで相手を論理もなしに『従北』と決め付け、ののしる洪氏に対して、若い世代は違和感を持った。もう保守の古い政治手法は通じなくなった」
洪氏が得た785万2849票(得票率24・03%)は固い支持層の票です。恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)准教授(45)は「1桁台だった支持率を考えると、洪氏の24%という数字は、党を解体の危機から救い、次の政治活動ができる最低限の得票だった」と語ります。
一方、得票率6・76%にとどまった劉氏に対しては、「韓国に中道保守がいることを示す役割は果たしたが、信頼を得るまでには至らなかった」と分析します。
「今回の選挙は市民の勝利とは言えるが、保守派の力がなくなったわけではなく、支持基盤を固めたとも言えます。文政権が政治改革を進めるためには、今後も市民の力が大切だろう」と語りました。(つづく)(ソウル=栗原千鶴 写真も)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月12日付掲載


相手を論理もなしに「従北」と決め付ける保守の候補に、若者は違和感。もう保守の古い政治手法は通じなくなった。
日本でもかつてのような反共宣伝は通用しなくなっている。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

韓国大統領選 変革求めた国民① ろうそくの力で勝ち取った

2017-05-14 10:59:09 | 国際政治
韓国大統領選 変革求めた国民① ろうそくの力で勝ち取った

韓国の首都ソウル中心部の光化門広場は、朴橦恵(パククネ)前大統領の罷免を求めて、ろうそくを手にした市民が昨年10月から20週連続で土曜日に集会を開いた場所です。そこに大統領選挙投票日の5月9日深夜、再び多くの市民が駆け付けました。
「国民の切実な願いを決して忘れない。渾身の力を尽くして、新しい韓国をつくる」―大統領選で当選確実となった文在寅(ムンジェイン)氏がこう宣言すると、大きな歓声と拍手がそれに応えました。



文氏の当選を喜ぶ人たち=5月9日、ソウル

「将来が不安」
文氏に会いたいと広場に駆け付けたキム・ウナさん(34)は、罷免までの過程で朴氏をめぐる政財界の癒着や知人に対する特別待遇などが明らかになり「衝撃を受けた」といいます。
「不正義をただし、誰もが幸福を感じられる新しい韓国をつくってほしい。私たちの大統領ですから必ず守っていきます」
求職中の男性(30)は、経済政策に期待を込めて文氏に投票しました。20歳で徴兵のため軍隊生活を送り、その後、大学院を経て食品会社に就職を希望しましたがかないませんでした。「年齢を考えると将来が不安。質のいい雇用が必要だ」と語ります。
ケーブルテレビ局JTBCが選挙後に発表した調査によると、有権者が重視した政策の1位が「貧困の解消」で、2位に「青年の雇用を増進」、3位が北朝鮮や「慰安婦」問題など「安保や歴史問題」でした。韓国では2016年、青年(15~29歳)の失業率が9・8%でした。非正規雇用も増えており、結婚や出産を望めないという若い人たちも多い。
また高齢者層でも格差が広がり、自ら命を絶つ人も少なくないのが現状です。経済協力開発機構(OECD)によると、低所得で生活が厳しい人の割合を表す「相対的貧困率」は、韓国の場合、高齢者が約半数を占めています。
イ・サンフンさん(47)は、ソウル中心部で見かけるホームレスが高齢化し、また増加していることに心を痛めています。「韓国は年金制度も不十分で、自分自身も将来が不安。雇用、経済、福祉と総合的な改革を、新大統領には期待します」と語りました。

「世論の勝利」
首都圏の大学の法学部教授(51)は「広場の人びとの世論が反映した選挙結果だった」と分析します。
「ろうそくの力で弾劾に追い込み、新しい政治、政権交代を勝ち取った。市民が、民主主義を議論のレベルではなく経験として実感したことは、今後の韓国の歴史にとっても大きな意味がある」と語りました。
政権交代を実現し、文大統領を誕生させたのは、変革を求める韓国国民の強い意志でした。(つづく)(ソウル=栗原千鶴 写真も)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年5月11日付掲載


政財界の癒着で大統領選になったわけだから、保守も革新もそれには応えないといけない。さらに「貧困の解消」「青年の雇用」に応えたのが、「共に民主党」の文在寅氏だった。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加