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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

落日の東芝⑤ 再稼働で“増収”狙う

2017-03-27 14:13:52 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
落日の東芝⑤ 再稼働で“増収”狙う

東芝の経営を危機的状況に陥れたウェスチングハウス(WH)の2006年の買収。当時「画期的」な出来事であったと評価した官僚がいました。経済産業省の柳瀬唯夫・現経済産業政策局長は、資源エネルギー庁原子力政策課長だった時代に次のように発言しています。
「東芝がWHを買収したというのは画期的でした。若い人たちには原子力産業は内向きで、すごくローカルな感じがしていたのが、本当に根を張りつつ、海外にも発信し、発展できるという可能性を示した」(『ENERGY for the FUTURE』07年1月号)
柳瀬氏は「原発ルネサンス」の流れを受けて、政府が原発推進を進めるべきである、として積極的に推進していました。
業界誌『原子力eye』(05年8月号「原子力産業政策“三すくみ”の隆路〈あいろ〉を絶つ」)で次のように語っています。



改憲を終えて足早に立ち去る東芝の綱川智社長=3月14日、東京・東芝本社

海外で勝負を
「日本の原子力政策の最も重要な課題は、2030年以降も原子力発電を3~4割以上維持するためには、それまでに原子力の技術と人材の厚みをいかに維持発展させるかという点にあります。そういう意味からも、海外マーケットで勝負できるように日本の原子力産業が切磋琢磨(せっさたくま)する必要がありますし、このようなビジネスチャンスには積極的に挑戦していくべきだと考えます」
原発は、ひとたび重大事故を起こし、放射能が外部に流出する事態になると、人類にはそれを制御する手段はありません。空間的にも、時間的にも、社会的にも、被害は広がり続けるという「異質の危険」があります。東京電力福島第1原発の事故は、原発の危険性をまざまざと示しています。
しかし安倍晋三政権は、原発を,「重要なベースロード電源」(「エネルギー基本計画」)とし、30年度の発電電力量のうち20~22%を原発で賄う(「長期エネルギー需給見通し」)ために原発の再稼働に突き進んでいます。原発輸出は、アベノミクス(安倍政権の経済政策)の柱の一つです。
菅義偉官房長官は14日の記者会見で「東芝に対する支援策について、政府としては検討しているという事実はありません」と言い切りました。
一方、世耕弘成経済産業相は2月14日の記者会見で、「国内における原子力事業、特に廃炉・汚染水対策にも関係している企業でありますので、今後の対応については、しっかりと注視してまいりたい」と語っています。

水面下の検討
原発事業に絡んだ巨額損失によって会社の存亡すら脅かされている東芝は、この事態に至っても原発事業から離脱しようとはしていません。それどころか東芝は、19年度に向けて、再稼働ビジネスをテコに国内の原子力の売上高を500億円増やし、2000億円にするとしています。
一方、損失の穴埋めのために切り売りする半導体事業に対して榊原定征(さかきばら・さだゆき)経団連会長は、「半導体事業というのは、まさに国の基幹事業、最重要技術の一つ。海外に流出することを懸念する」と語っています。水面下では、日本政策投資銀行や産業革新機構の出資や融資が検討されています。
経済ジャーナリストは、「政府による東芝支援策が検討されているのは、軍事と原発の両方をやっているからではないか」と吐き捨てるように語ります。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月23日付掲載


今になっても原発事業から撤退できない東芝。「毒食わば皿まで」とはこのことか、と呆れてしまう。
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落日の東芝④ 悲劇の始まりは買収

2017-03-26 13:22:02 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
落日の東芝④ 悲劇の始まりは買収

2月14日の決算会見は、予定より2時間半遅れで始まりました。第3四半期報告書の決算発表もできませんでした。この日の会見で米原子力子会社のウェスチングハウス(WH)が買収した会社の減損額が膨れ上がり、原子力事業の減損額が7125億円に達したことを東芝は発表しました。

正しかったか
2006年のWH買収は正しかったのか―。綱川智(つなかわ・さとし)社長は、記者団からの問いに「数字を見ると、正しいとは言いにくい」と述べました。東芝の悲劇の始まりです。
巨額の損失が発生した原因は、WHが米国で手掛ける4基の原子力発電所建設事業です。
WHは08年の4月、5月と連続的にボーグル発電所(ジョージア州)とVCサマー発電所(サウスカロライナ州)それぞれ2基、計4基の原発を受注しました。当初は、16年にも完成の予定でした。
米国では、1979年のスリーマイル島事故以来、新規の原発建設は凍結されていました。ボーグル発電所は、事故後初めてのプロジェクトでした。ある経済ジャーナリストは、「30年ぶりの工事であり、サプライチェーン(部品供給網)も含めて、ノウハウがなくなっていたのではないか」と指摘します。
とはいえ「原発ルネサンス」にわいていた当時の米国では、30基以上の原子力発電所の新規建設計画があったのです。東芝はこの機を逃すまいと「積極的な受注活動を展開していきまと意気込んでいました。



東芝の半導体工場=三重県四日市市

遅延余儀なく
しかし11年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の大事故で事態は暗転します。
米国では、航空機追突対策による設計変更や追加の安全対策が求められるようになりました。建設現場には、米国原子力規制委員会が事務所を構え、工事が進むたびに「これは何のための工事なのか」と作業員に質問。そのたびに工事が止まってしまう事態も発生したといいます。建設コストが拡大、工事は遅延が余儀なくされました。
工事遅延にともなう追加費用をだれが負担するのかをめぐり、WHと建設工事を手掛けるエンジニアリング大手CB&Iおよび同社子会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)との間で訴訟合戦が起きます。S&Wは原子力の建設と統合的なサービスを行う会社です。
WHは、プラント建設に集中できない状況を解消するために、15年10月にCB&IからS&Wを買収しました。この買収によって「世界における原子力事業でのリーダの地位をさらに強固なものにしていきます」。WHの親会社である東芝の発表文は、こんな文章で結ばれていました。
この買収の目的は「工事の効率を上げる」というものでした。しかし、この買収が東芝に致命的な結果をもたらします。この時の買収額はゼロ円でした。しかも、この買収契約によってCB&I社が負うべき費用をWH側が引き受けることとなったのです。
S&W買収に至る東芝経営陣の判断が問題になります。2月14日の会見では、「ダマされたのか」との質問が飛びました。
「私ども、お話しできる立場にない」と答える東芝の執行役常務の言葉には力がありませんでした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月22日付掲載


アメリカでの原発建設は、スリーマイル島事故以来30年も行われていない。
ノウハウの蓄積がない。東芝はそこも目算が外れていた。

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落日の東芝③ 現実見ぬ「64基受注」

2017-03-25 10:22:49 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
落日の東芝③ 現実見ぬ「64基受注」

東芝は2006年10月17日のウェスチングハウス(WH)買収説明会で、「BWR(沸騰水型軽水炉)・PWR(加圧水型軽水炉)両炉型を推進する世界のリーディングカンパニー」になると打ち出します。
買収の狙いについて、東芝の執行役専務だった庭野征夫(にわの・まさお)氏は、こう指摘しています。
「今回のウェスチングハウスの株式取得は、この高い事業ポテンシャルを世界市場に展開できる絶好の機会である」「海外を中心とした事業の拡大に取り組み、さらに強固な収益体質を確立していく決意である」(『エネルギーレビユー』06年7月号)。
このとき、原発推進という国策を錦の御旗にしていた東芝経営陣は、10年後の事態を夢にも思わなかったのでしょう。






事業環境激変
東芝は、WH買収をテコにしてグローバルな原発受注に積極的に動きだしました。
08年5月には、「2015年までに33基の受注を見込む」とした経営方針を打ち出しました。WHは、米国で原発建設プロジェクトの受注に成功。中国での原発新設計画などを受け、翌09年8月には、「2015年までに全世界で39基の受注を見込む」として目標を引き上げました。このときは、15年度の原子力事業の「売上高1兆円」をぶち上げました。
11年3月11日に発生した東日本大震災によって、東京電力福島第1原子力発電所で大事故が発生したことで、原発をめぐる事業環境が激変しました。安全規制が強化され、建設コストが拡大、工事は遅延が余儀なくされました。
このとき、WHが米国で手掛けていた原発4基の建設の追加費用をだれが負担するのかをめぐり、建設会社との間で訴訟合戦が起きます。WHは、工事の損失が表面化することを恐れ、15年10月に建設会社を買収しました。
ところが翌月、日本で開催した説明会で、東芝は、原発事業で損失が発生する可能性があることを隠す一方、今後15年間で64基の受注を目指すという計画を発表したのです。
東芝は、「原発事業の収益性は高い」「原発事業の未来は明るい」といわんばかりでした。会計評論家の細野祐二氏は、「国策に基づいた誇大宣伝だった」と指摘します。

米国からくぎ
東芝は3月14日、記者会見を開き16年4~12月期決算を再延期することを明らかにしました。上場企業による2度の延期は極めて異例です。この会見で、経営危機の根源であるWHの非連結化を目指す方針を表明しました。WHの米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の申請に関し、綱川智(つなかわ・さとし)社長は、「選択肢」に入っていることも明らかにしました。しかし、「決まったものはない」とも述べました。再建をめぐり紆余(うよ)曲折が避けられない状況が続きます。
16日、ワシントンを訪問していた世耕弘成経済産業相は、会談したロス商務長官とペリー・エネルギー長官の両長官から「米国で原発を建設しているWHの親会社である東芝の財政的安定性は、米国にとって非常に重要だ」とくぎを刺されました。
トランプ米政権からの圧力の下、東芝再建へ公的資金の投入すらもささやかれ始めました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月21日付掲載


福島第1原発の事故が起こる前さえ、大ぶろしきを広げた原発建設計画。
しかも、事故後も基本的に見直すことをしなかった異常さ。
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落日の東芝② 米政界を巻き込んで

2017-03-24 10:31:29 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
落日の東芝② 米政界を巻き込んで

2月14日に東芝が発表した原発事業にからんだ損失は約7000億円に達していました。経営の屋台骨を揺るがす深刻な事態です。巨額損失の発生源は、米原子力子会社のウェスチングハウス(WH)が米国で手掛けている4基の原発建設です


写真は記者会見で頭を下げる東芝の綱川智社長=3月14日、東京・東芝本社

WH高値買い
始まりは、2006年10月、東芝が総額約6000億円(当初の東芝株式保有比率77%)をかけたWHの買収でした。買収金額は、三菱重工業など同業他社と競り合った結果、「相場とみられていた倍の金額に膨れ上がった」(経済ジャーナリスト)もので、典型的な「高値買い」でした。
当時、原子力業界は地球温暖化対策という口実や、石油価格の高騰などを受け「原発ルネサンス(復権)」と呼ばれる原発建設ラッシュにわいていました。
東芝が技術を有する原発は、沸騰水型軽水炉(BWR)でした。しかし、世界の主流は、WHが技術を持つ加圧水型軽水炉(PWR)だったのです。
BWR・PWR両炉型を推進することで世界の主導的企業を目指す―。これがWH買収の狙いでした。
WHは、世界初の原子力潜水艦ノーチラス号の原子炉をつくった会社です。国家の安全保障に関わるWHを買収するには、米政府関係者の承諾が不可欠でした。買収への懸念を取り除くために東芝がとった作戦は、大物政治家に政府や議会に働きかけてもらうことでした。
そこでベーカー元上院議員をロビイストに雇いました。ベーカー氏は、01年から05年まで駐日大使も務めた人物。ベーカー氏は次のように証言します。
「買収にあたっては、国防総省やホワイトハウスなどの了解が必要でした。私は東芝に雇われこの買収には安全保障上の問題はないと、政府が判断する道筋を整えました。結果として、問題ないとみなされ、買収が可能になった」(NHKスペシャル「“アメリカ”買収グローバル化への苦闘」2008年10月26日放送)

ビシッと黙る
買収価格がなぜ、2倍にもつり上がっていったのか、その正確な理由はいまだに不明です。「東芝自身が価格を引き上げたのではないか」(経済ジャーナリスト)との見方もあります。背景に東芝経営陣が「国内に頼っていては原発事業はじり貧になる」と考えていたことは確かです。
東芝の社長、会長を歴任した西室泰三氏は、「米ウエスチングを買ったとき、僕は会長を退いていたけど、一生懸命手伝った」と雑誌のインタビューに答えています。
「あるとき、日本大使も務めたハワード・ベイカーさんが来日した。大使時代から、いろいろ付き合いがあった人。『実はこういうことで、ウエスチングハウスを買いたい』と切り出したんだ。『申し訳ないけど、アメリカの国内のロビーイングが大変なんだ。有能な人を紹介してくれないか』と続けると、ベイカーさんが、『それじゃあ、俺がやってやる』とね」
西室氏は、ベーカー氏のロビー活動によって「アメリカの政治家がビシッと黙っちゃった」(『東洋経済』16年9月17日号)といいます。
WH買収によるグローバル戦略は、米政界も巻き込んだ大がかりなものだったのです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月18日付掲載


ネットオークションでも、加熱して価格を引き上げてしまって後で後悔するってことがありますが…。
WHの買収でも原子力業界で主導権を握りたい一心で引き上げすぎてしまった。それが失敗のもと。

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落日の東芝① 売却される稼ぎ頭

2017-03-22 11:42:44 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
落日の東芝① 売却される稼ぎ頭

経営危機に陥っている東芝の混迷は深まるばかりです。14日に発表する予定だった2016年4~12月期決算は、2月に続き、またもや延期されました。東芝は粉飾決算が発覚した15年3月期にも決算を2度延期した経緯があります。決算の再延期を繰り返す東芝の信頼は地に落ちました。
(金子豊弘、斎藤和紀)

東京都港区にそびえる東芝本社ビルの39階。2月に決算の延期を発表した会場と同じ場所で、東芝の綱川智(つなかわ・さとし)社長は、深々と頭を下げました。
綱川氏は、米原子力子会社のウェスチングハウス(WH)の過半の株式を売却し、米国の原子力事業から撤退する方針を表明しました。巨額損失発生が大間題となっているWHの債務を確定させる米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の申請についても、検討していることを明らかにしました。
東芝は、原子力事業で出た巨額債務を半導体事業の売却で解消することを目指しています。
会見で綱川氏は、「企業価値の見積もりや国の安全、社員の今後の活躍の場を総合的に考え、(売却を)判断したい」と、半導体事業の売却を改めて表明しました。



東芝の四日市工場=三重県四日市市

「黒字なのに」
半導体事業の売却益は、1兆円以上ともいわれています。
三重県四日市市にある東芝の半導体工場では、夜7時を過ぎると12時間の勤務を終えた従業員たちが家路を急ぎます。
「黒字出しとるのに、売られるなんて」。四日市工場に20年近く勤める男性従業員(38)は、悔しさでいっぱいです。
四日市の半導体工場の従業員は約5800人にのぼります。半導体事業は、営業利益の約8割を占めたこともある稼ぎ頭です。ところが東芝は、半導体事業を分社化し、売却益で原発損失の穴を埋めようとしています。
「自分のところとは関係ない原発部門のせいで、自分らが売られてしまうのは、腹が立つ。これからの生活、どうなるのか」。不安が広がる男性従業員。「心が折れたらもうダメ。大丈夫、大丈夫」といってくれる妻の言葉が励みです。
東芝は半導体事業の売却先に対して、雇用条件の維持を要望していくと説明しています。しかし、従業員の中には、「給料が維持されるのか」「別の会社に行こうか」という人もいます。原発事業の破たんが働く人たちの暮らしを脅かしています。

雇用に対策を
半導体事業の売却で、従業員の大量解雇が懸念されるなか、日本共産党の国会議員が対策を求めています。
日本共産党の畑野君枝議員は、2月23日の衆院予算委員会分科会で、東芝のリストラ問題と雇用対策を要求。畑野氏は、東芝が2015年決算で赤字に転落したときに、1万人規模のリストラが行われたことを取り上げました。その上で、WHで約7000億円の巨額損失が見込まれ、川崎市では東芝によるリストラや地域経済への影響が心配されていると指摘。雇用対策本部を設置し、対応するよう求めました。
原発を震源地とする東芝の巨額損失が、地域経済にも大きな影響を与えようとしています。(つづく)(5回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月16日付掲載


巨大な損失を補うために、稼ぎ頭を売却をせざるを得ない…
経営陣の責任が問われます。

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東日本大震災・原発事故6年 被災地から⑥ 福島原発訴訟 覚悟の提訴 勝利必ず

2017-03-21 13:55:07 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
東日本大震災・原発事故6年 被災地から⑥ 福島原発訴訟 覚悟の提訴 勝利必ず

各地で結審
東京電力福島第1原発事故での国と東京電力の責任を問う福島原発訴訟は、17日の群馬訴訟判決(前橋地裁)を皮切りに、千葉訴訟(千葉地裁・9月22日判決)、生業(なりわい)訴訟(福島地裁・3月21日結審)、京都訴訟(京都地裁・9月29日結審)、避難者訴訟(福島地裁いわき支部・10月11日結審)と最初のヤマ場を迎えます。
2月19日、東京都内で「裁判勝利!福島切り捨てを許さない」決起集会が開かれました。2016年2月に結成された原発被害者訴訟原告団全国連絡会の主催。連絡会に加盟した原告は当初、約9000人でしたが、この1年間で約3000人増え、21原告団、約1万2100人となりました。
同連絡会事務局長の佐藤三男さんは「提訴には覚悟がいる。それを乗り越えて原告に加わったことは被害を深刻に受け止めていることのあらわれです」と指摘。被災者の現状について「福島県から避難した子どもへのいじめが社会問題となっていますが、おとなの被災者へのいじめもある。自主避難している人たちは福島から来ていることを明らかにすることができず、ひっそりと暮らしている。住まい、生業、人生を奪われ、裁判に訴えざるを得なかった被災者の気持ちを分かってほしい」と裁判への理解を訴えます。
原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員の伊東達也さんは「福島原発事故は日本史上最大にして最悪の公害」と強調。理由として、▽多数の人がふるさとを奪われ、震災関連死・自殺・孤独死が続出するなど過酷な避難生活に追い込まれている▽福島県を超えて広範囲に被害が広がっている▽被害額が膨大▽復旧・復興に途方もない期間がかかるーことを挙げます。
伊東さんは「勝訴できれば原発をなくす日本をつくる力となる。原発再稼働差し止め訴訟や運転差し止め訴訟は3・11後は4勝6敗。以前は2勝36敗だったものが変化が表れている。真の復興と希望を見いだすための重要なたたかいだ」と話します。



裁判所まで行進する避難者訴訟原告団・弁護団=2月22日

「諦めない」
生業訴訟原告団長の中島孝さんは「相馬市で行っている原発ゼロを訴える金曜行動は200回を超え、『諦めない日本人』の姿を見せた。私たちのたたかいが4千人を超える原告団になったのは福島県民が負った被害実態に見合った賠償になっていないことへの怒り。二度と原発事故は繰り返してほしくないという願いが本当に強いからだ」と言います。
政府は、福島県民と国民の声を無視して原発再稼働を進めています。
中島団長は言います。
「法廷の外には『政府の暴走を止めないと大変だ』と思った国民の意思が広くあります。全国20を超える原告団すべてで勝訴させる。加害者の責任をはっきりさせるまで私たちはたたかいぬきます」
(おわり)(柴田善太、菅野尚夫、高橋拓丸、田代正則、福島県・野崎勇雄が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月16日付掲載


原発被害の訴訟は、勇気もいるし、根気強い心構えも必要になる。
全国的な支援が求められます。
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東日本大震災・原発事故6年 被災地から⑤ 避難指示解除 賠償続け生活再建を

2017-03-20 10:22:26 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
東日本大震災・原発事故6年 被災地から⑤ 避難指示解除 賠償続け生活再建を

福島では今なお8万人近い県民が避難を強いられ、東京電力福島第1原発事故が収束しないのに、政府が一方的な避難指示解除とあわせて、賠償や自主避難者への住宅無料提供の支援などを打ち切ろうとしています。生活と生業(なりわい)を再建し、被害がある限り賠償を継続させることがますます重要になっています。


震災で壊れて再建工事中のJR常磐線富岡駅=1月23日、福島県富岡町

時期尚早だ
政府は、31日で飯舘村、川俣町山木屋、浪江町、4月1日で富岡町の帰還困難区域を除く避難指示を解除する予定です。しかし、いずれの住民説明会(懇談会)でも解除は「時期尚早だ」という声が上がりました。
昨年6月には葛尾村と川内村、7月に南相馬市小高区が避難解除されました。川内村では希望を抱いて帰還したものの次第に絶望に変わった30歳代の夫婦が、南相馬市小高区では丹精込めた自分の田に積まれた除染廃棄物に絶望した90歳代の農家男性が、それぞれ自殺しました。昨年末までの関連自殺者は87人。福島県での最新の災害関連死者数は直接死を3割以上も上回る2131人。避難者の孤独死も相次いでいます。
悲劇を繰り返させないためにも被災者に寄り添った、ていねいな支援が求められます。日本共産党県議団は県議会で生活支援相談員の果たす役割が大きいと述べ、配置数を大幅に引き上げ、増員するよう県に求めました。
また長期避難のため健康を害する人が増加しており、医療や介護の保険料、利用料減免の継続も重要です。県民が元の生活を取り戻すには、除染の徹底が必要です。
一方、県民の生活と生業の再建、地域経済の再生に賠償は欠かせません。県も県民も「被害がある限り賠償の継続を」とオール福島の要求を求めてきました。ところが、国と東電は賠償打ち切りを加速させています。
今春、帰還困難区域を除く避難指示を解除すると、来年3月末で精神的賠償が打ち切られます。帰還困難区域の住民はすでに6月以後分が故郷喪失慰謝料として賠償済みとされ、すべての避難区域の精神的賠償が終了することになります。

新たな苦悩
一昨年9月の避難指示解除とともに楢葉町に戻った早川篤雄さん=住職=は言います。
「避難指示が解除されたら精神的被害がなくなるかと言えば、そんなことはありません。コミュニティーも含めて元の生活に戻ったわけではなく、精神的負担はますます増えるばかり。むしろ新たな苦悩の始まりです。帰ってきたものの展望がなく、生きる意欲までなくなる。そういう現実が突きつけられています。解除で終わりにさせてはならない」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月15日付掲載


本来なら、避難指示解除は喜ばしい事なんだけど…
帰ってみたものの、除染廃棄物がうず高く積みあがっているし、生活基盤は復旧していない。
生きていく希望が見いだせないのも現実。

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非核「神戸方式」42周年の記念集会に参加

2017-03-19 13:06:07 | 平和・憲法問題について
非核「神戸方式」42周年の記念集会に参加

毎年、非核「神戸方式」が決議された3月18日に開かれている集会。今年は土曜日のためお昼の午後1時半開会。350人の参加がありました。
開会あいさつ
開会あいさつ posted by (C)きんちゃん
神戸港湾共闘の谷口利之議長が、基調報告的な詳しい開会あいさつ。

被爆者の会 あいさつ
被爆者の会 あいさつ posted by (C)きんちゃん
続いて、被爆者の会から来賓あいさつ。

基調報告
基調報告 posted by (C)きんちゃん
そして、兵庫県原水協の梶本修史事務局長が基調報告。
圧力に屈せず42年間、非核「神戸方式」を守り続けてきた市民の力を強調。兵庫県が管理する姫路港に3度も米艦船が入港していることや、神戸市が「憲法」の文言が入った集会をいっさい後援しないことを批判し、「非核証明書」を求める方式を維持させる重要性を示しました。

【梶本さんの基調報告】←クリックして再生

緒方靖夫 記念講演
緒方靖夫 記念講演 posted by (C)きんちゃん
日本原水協常任理事で共産党副委員長の緒方靖夫さんが記念講演しました。
非核「神戸方式」がアメリカの核政策の真芯をついた方式であり、ニュージーランドの非核政策に影響したことを紹介。「神戸方式」とともに市民と議会の共同の意義を強調しました。国際社会の変化と核兵器禁止条約を交渉するための国連会議やヒバクシャ国際署名など、核兵器廃絶に向けた展望と課題を語りました。
緒方さんが、参加者から出された国連会議の見通しや、会議への日本共産党代表団の参加、中国、北朝鮮などの国際関係の質問に答えました。


【緒方さんの講演】←クリックして再生
【緒方さんの質疑応答】←クリックして再生

2017年非核神戸港アピール
2017年非核神戸港アピール posted by (C)きんちゃん
集会アピールを採択。

津川さんの決意
津川さんの決意 posted by (C)きんちゃん
最後に、県原水協代表理事・憲法県政の会代表幹事の津川さんが県知事選に向けての決意表明しました。


集会では非核「神戸方式」をテーマにした「波よひろがれ」をみんなで歌いました。
非核「神戸方式」 波よひろがれ 42周年の集会で


また、沖縄の闘いに連帯して、尼崎在住の方が三線の演奏をしました。
琉球古典音楽 三線演奏 沖縄基地闘争に連帯して

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東日本大震災・原発事故6年 被災地から④ 生業 売り上げ回復厳しく

2017-03-18 10:18:30 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
東日本大震災・原発事故6年 被災地から④ 生業 売り上げ回復厳しく

震災被災者の生活再建、被災地の復旧・復興の要となる、地域の生業(なりわい)再建。しかし、震災から6年がたっても、依然厳しい状況が続いています。

倒産企業も
津波により特に大きな被害を受けた東北沿岸部では、水産加工業が主要産業のひとつです。水産庁が復興状況を調査するために青森、岩手、宮城、福島、茨城5県の水産加工業者に行ったアンケート調査(2016年11月から17年1月まで)では、売り上げが震災前の8割以上に回復した業者は47%にとどまっています。
宮城県石巻市の食品加工会社「ヤマトミ」の千葉雅俊社長は「販路や風評被害など原因は複合的ですが、業績回復には時間がかかります。グループ補助金(国・県が復旧費の75%を補助する制度)の残りの自己負担分の返済が始まっていることもあり、回復まで体力がもたない中小企業も多い。倒産も起きており、これからさらに大きくなる危機です」と述べます。
震災による地域人口減で起きている人手の不足も深刻です。宮城県塩釜市の「塩釜水産食品」の岩崎進作社長は「うちの工場は14年に再建できたけど、特に若い人たちが再建前に仕事のある土地に移ってしまった。機材はあっても人が足りなくては稼働率も上げられない」と話します。
円安政策による輸入価格の高騰や漁獲量の低下で、原材、料費も上がっています。岩崎氏は「サケなど輸入価格が数年前より2、3割値上がって加工屋には大変痛い。価格に転嫁もできず苦しい」といいます。
小売りや飲食など商業系店舗の再建も進んでいません。



直筆の色紙や客との写真で囲まれた仮設店舗で営業を続ける渡辺氏=3月3日、宮城県南三陸町

この場所で
宮城県の調査(16年10月)で、仮設を退去した店舗のうち約3割が営業を続けていないことが判明。仮設で営業している302店のうち9割近くが再建を希望するものの、111店が「再建方法は未定」と回答しています。
宮城県南三陸町で、町から借りた土地で仮設の食堂を営む渡辺清吾氏は「津波で自宅はなくなったし、大きな病気も経験したけど、店でお客さんと話したり楽器を演奏したり楽しくやってます」といいます。しかし土地の貸与期限は17年度末までで、その後も継続できるかは不明です。
渡辺氏は「今まだ62歳だけど、80歳までは店をやりたいね。やめたら生きがいがなくなる。思い出もあるし、できればこの場所で続けたい」と話しました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月14日付掲載


再建したいけど資金的なものが厳しい。人材の確保の問題も。
営業が再開していないから、人が戻らない。人が戻らないから、営業再開が難しい。
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東日本大震災・原発事故6年 被災地から③ 雇用 希望職種につけない

2017-03-17 13:58:34 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
東日本大震災・原発事故6年 被災地から③ 雇用 希望職種につけない

被災地の雇用は、いまどうなっているのか。宮城県石巻市、東松島市、牡鹿郡を所管するハローワーク石巻では2012年1月には有効求人倍率0・70倍と仕事不足でしたが、今年1月には2・10倍となり人手不足の状況です。
しかし、1月に仕事を紹介した件数は1244件となったものの、実際に就職できた件数は302件と、希望の仕事になかなかつけないのが現実です。



ハローワークで求人情報をみる人たち=3月7日、宮城県石巻市

年齢が壁に
雪がちらつく同ハローワーク前で声を聞いてみました。
経理の職業訓練を受けることにした女性(43)は「もっと若くないと、事務で採用してもらえない」と話します。
54歳の女性は、介護の仕事が体力的に続かないため、事務の仕事を希望。「求人はあるが、年齢ではじかれ、採用に至らない」
求職者の3割近くが事務職を希望するため不足しています。
人手不足といわれる建設関係でも、61歳の男性は「会社から、賃金を下げるといわれて、新しい仕事を探している」と言います。37歳の男性は「重機を動かしていたが、製造の仕事をしたい」と職業訓練を受けることにしました。
1月の製造業は、前年同月より求人増ですが、増えたのは非正規雇用の求人であるため、正社員求人の割合が47・4%から34・5%に減っています。
25歳の女性は、「製造業で、パートから始めても、正社員になれるところがないかと探しています」。仙台市内の大学を卒業し、石巻に戻った27歳の男性は、「製造業希望だが、賃金面で厳しい。水産加工は沿岸まで通勤するのが大変なので、なかなか合わない」と語ります。
ハローワークには、手続きに来る中小業者の姿もありました。海産物の小売りをしている男性(66)は、「震災のときに、従業員を解雇せざるを得なかったが、やっと再建できて、会社に戻ってきてもらった」と笑顔で話します。「まだ、業績は震災前の7割程度だが頑張りたい」

事業所閉鎖
一方で宮城県内では、大企業のソニーが多賀城市で従業員の大幅賃下げを伴う子会社転籍、石巻市に隣接する登米市の事業所閉鎖などを発表しています。復興の中心になるはずの東北大学では、非常勤職員3200人以上が来年から雇い止めになる制度がつくられています。
宮城県労連やソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)、東北大学職員組合など労働組合は被災地の雇用と地域経済を守るよう訴えています。日本共産党宮城県議団も県に対して中小企業を支援し、大企業に雇用を守らせるよう求めています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年3月13日付掲載


雇用はあっても、求職者のニーズに合わないってことがあるんですね。
賃金面でも中小企業を応援していかないと、本当の復興はできない。

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