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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

税逃れ④ 新時代 幕開くか

2016-07-27 13:24:39 | 予算・税金・消費税・社会保障など
税逃れ④ 新時代 幕開くか

多国籍企業のグループ内取引を通じた所得の海外移転に対し、適正な課税を実現するためには、地球規模で行う取引の全体像を把握する必要があります。経済協力開発機構(OECD)が取り組む「税源浸食と利益移転(BEPS)」対策には、親会社が作成する国別報告書を税務当局間で自動的に交換する仕組みがあります。
国別報告書には、総収入・所得・税額・資本金などの財務情報、従業員数、有形資産額、主要事業などが記載されます。「今回のBEPSの中でも非常に画期的なものと言われている」(税制調査会・国際課税ディスカッショングループでの財務省主税局国際租税総合調整官の発言〈2015年10月23日〉)ものです。

情報公開せず
サンタマンOECD租税センター局長は、6月30日の京都会合で「われわれは、国際課税の協力の新たな時代の幕を開けた」と語り、BEPS対策の取り組みの意義を強調してみせました。
ところが、国別報告書は、税務当局間では自動的に情報が交換されるものの、一般公表されないことになっています。
各国の経済界だけでなく、アメリカなどOECD加盟国も国別報告書の公表には否定的だからです。これでは、多国籍企業の税逃れに対して、市民社会による監視の目が届きません。
日本では、そもそも経団連が、国別報告書について「形式的な数値情報によって誤ったリスク評価がなされ、多国籍企業の進出先において新たな二重課税のリスクが生じることが強く懸念される」(14年2月19日)として、BEPS対策の草案段階から否定的でした。
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏ら300人を超す経済学者が各国の首脳あてに発表した5月9日の書簡は、「タックスヘイブンの秘密主義に切り込み、タックスヘイブンを含む各国が国別の報告書を公開すること等について新たな国際的合意が必要だ」として、国別報告書の公開を求めました。



「パナマ文書」に関する伊勢志摩サミット首脳宣言の内容に低い点数を与えるNGOの代表=5月27日、三重県志摩市

欧州での動き
欧州では、情報開示に向けた動きがあります。
欧州委員会は、欧州連合(EU)域内において法人税逃れは年間500億~700億ユーロの税収損失を発生させていると推定しています。これに対応するため、欧州委員会は4月12日、全世界での年間売上高が7億5000万ユーロを超える多国籍企業に対し、どこで利益を上げ、EUのどこで納税しているかに関する主要な情報を国別に公開することを義務付けることを提案しました。
この提案に対しても経団連は、国別報告事項は「企業の機密情報を含む」ものであり、一般公開を可能な限り回避するとした国際合意に反するとの提言を発表しています。
タックスヘイブン問題に取り組む日本のNGO(非政府組織)のグローバル連帯税フォーラムは5月10日、グローバル企業情報の公開を求め、麻生太郎財務相への要請書を発表しました。
「多国籍企業の国別報告制度を通じて収集した情報を公開すること。これらの制度にはタックスヘイブンを含むあらゆる国・地域を例外なく参加させること」
世界的規模で格差が危機的な状況にまで広がっています。これは決して自然に生まれたものではありません。規制緩和、民営化、そしてタックスヘイブンによる金融の機密性と税逃れによって、一握りの多国籍企業のための経済がつくられてきたためです。国際NGOのオックスファムは、「壊れた経済モデルを拒否するときです」と提起しています。
公正で民主的な経済を目指すたたかい抜きには、「新たな時代の幕」は上がりません。
(おわり)(金子豊弘、杉本恒如が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月23日付掲載


日本経団連が「国別報告書」の公開を拒んでいるのは問題です。
困ったものです。

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税逃れ③ 主役 多国籍企業

2016-07-26 14:37:57 | 予算・税金・消費税・社会保障など
税逃れ③ 主役 多国籍企業

課税逃れ対策を話し合う経済協力開発機構(OECD)の租税委員会が日本で開かれました。本部のあるパリ以外の地で開かれたのは初めてのことでした。OECD租税委員会は、租税分野における国際的なルール策定や各国が共通に抱える問題への対応策の検討を行うOECDの委員会の一つです。租税委員会の本会合が開かれるのは年2回です。

抜け穴埋める
6月30日と7月1日の2日間にわたった会合は、初日の午前中に本会合が行われ、引き続き第1回の拡大会合が行われました。拡大会合の正式名称は「BEPS(税源浸食および利益移転)包摂的枠組み会合」です。この会合には、さまざまな発展段階にある幅広い国々が対等の立場で参加。
多国籍企業が利益を隠し、人為的に低・無課税地域へと移転させることを可能にする国際ルールの抜け穴を埋めることを目的としたものです。BEPS対策への参加国・地域は京都会合開催の時点で82力国。今後、100力国・地域を超える見込みです。
麻生太郎財務相は、会場となった京都市内のホテルで、記者団に、こう強調しました。
「これは、企業と税金をとる立場とのたたかいだ。途上国も先進国と同様、税金を払うべき企業なり個人から税金をとることができていないという問題に直面している」
各国税務当局の闘争の相手は、多国籍企業であり超富裕層である、というのです。
本会合では、課税逃れ対策に協力的でない国や地域を特定するための基準づくりで合意しました。
その基準とは、①税の透明性と情報交換に関する国際組織の「グローバル・フォーラム」が実施する情報交換評価を満たしているかどうか②税務当局間での金融口座情報の自動的交換を、遅くとも2018年までに実施することを約束しているかどうか③租税に関する行政支援を相互に行うための多国間条約に署名しているか―です。



OECD租税委員会後に記者会見する麻生太郎財務相=6月30日、京都市内のホテル

G20で公表へ
この三つの条件のうち二つ以上を満たさなければ、「非協力的」国・地域に該当します。さらに①の「グローバル・フォーラム」の評価で「不順守」とされた場合だけでも「非協力的」に該当することになります。この基準は、23~24日に中国の成都で開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議に提案され、2017年7月に開かれる20力国・地域首脳会議(G20サミット)で、いわゆる「ブラックリスト」が公表される予定です。
多国籍企業が利益を隠すタックスヘイブンといえば、中南米などの小国を思い浮かべがちです。ところが金融大国のアメリカは②の金融口座情報の自動的交換には参加していません。もし、OECD租税委員会が3基準すべてを満たさなければ「ブラックリスト」に載せると合意していたなら、アメリカが「ブラックリスト」の対象国になっていたのです。
確かに税逃れの主役は、巨額の利益をタックスヘイブンに秘匿する多国籍企業や超富裕層です。しかし、各国の為政者たちが、多国籍企業・超富裕層のための政治を行い、行政に圧力をかければ、税逃れを許さない国際的取り組みが骨抜きにされてしまうのです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月22日付掲載


タックスヘイブンの地域は南米の小国ですが、そこで暗躍する主役は多国籍企業や世界的な大富豪です。
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税逃れ② 貧困対策に逆行

2016-07-24 11:09:46 | 予算・税金・消費税・社会保障など
税逃れ② 貧困対策に逆行

タックスヘイブン(租税回避地)に隠された世界の富は2010年末時点で21兆~32兆ドル(1ドル=100円とすると2100兆~3200兆円)と推計されています(国際NGO「税公正ネットワーク」調べ)。
経済協力開発機構(OECD)は、多国籍企業による税逃れだけで毎年1000億~2400億ドルの税収が失われていると推計しています。さらに、世界全体の法人税収の4~10%に上ると試算しています。
途上国では、法人税収に大きく頼っている状況を考慮に入れると、タックスヘイブンの存在は、世界の貧困と格差解決の巨大な障害となっているのです。

ゆがむルール
世界銀行のキム総裁は、「極貧の撲滅に世界が努力しているときに、課税逃れは非常に打撃になる」と批判しています。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も「国際的な税金のルールが富裕層のためにゆがめられている」としています。
国連貿易開発会議(UNCTAD)は、途上国の税収の損失は毎年1000億ドルに上ると推定しています。
国家の税収が失われると、必要な財政支出が不可能になるのは、各国に共通した課題です。
医療などの社会保障対策ができなくなれば、貧困解決に重大な障害となるでしよう。教育の充実は、格差是正にとっても重要な対策ですが、税収不足によって適切な対策がとられなくなってしまうでしょう。上下水道などの社会基盤の整備に深刻な影響を与えます。さらには、自然災害からの復旧、復興にも支障が出ます。治安対策や各種の経済政策も滞ってしまいます。



OECD租税委員会の会合に参加する各国代表ら=6月30日、京都市内

国民には重税
一方、国家は税収を確保するために、タックスヘイブンを利用した税逃れなどができない国民に対して重税を押し付けることを選択することになります。貧困と格差をますます悪化させることになるのです。
国際協力団体であるオックスファムは1月、世界の資産保有額の上位62人の総資産は、下位50%(36億人)の人々の総資産に匹敵する、という衝撃の報告書を発表しました。一方で、15年には、世界人口の貧しい半分の総資産額は、10年と比較して1兆ドル減少しました。
オックスファムは次のように指摘します。
「裕福な個人や大企業が租税回避のために活用するタックスヘイブンの問題に対処しなければなりません」「各国政府は、税収入の減少により、貧困と格差の問題に対処するための重要な財源を失っています」
たとえば、アフリカでは、金融資産の30%がタックスヘイブンに置かれていると推測され、このことによって毎年140億ドルの税収が失われているとしています。毎年140億ドルの予算があれば、母子保健の充実などを通して年間400万人の子どもの命を救うばかりか、アフリカのすべての子どもたちが学校に通うために必要な教員を雇用できる、といいます。
オックスファムは、世界の指導者たちに「タックスヘイブンの時代」を終わらせるための地球規模の取り組みを呼び掛けています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月21日付掲載


途上国で、安い労働力を使って生産して儲けておいて、その資産をタックスヘイブンに隠す。ダブルで儲けるって許せません。
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税逃れ① 「合法」こそ問題

2016-07-23 16:01:48 | 予算・税金・消費税・社会保障など
税逃れ① 「合法」こそ問題

多国籍企業と超富裕層が払うべき税金を払わず、当局の規制や監視を逃れるための舞台。人々はそれをタックスヘイブン(租税回避地)と呼びます。南ドイツ新聞と「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が発表したいわゆる「パナマ文書」は、タックスヘイブンを利用した税逃れの実態を暴き世界に衝撃を与えました。
「パナマ文書」は、中米パナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出しました。12人の現旧首脳を含む50力国あまりの公職者がタックスヘイブンにかかわっていたことがわかっています。アイスランドでは首相の税逃れが発覚し、辞任に追い込まれました。
5月10日には、タックスヘイブンを利用している世界の大企業や富裕層の実名が明らかになりました。日本では伊藤忠商事、丸紅やソフトバンクを含め400以上の個人・企業の名が挙がりました。
伊藤忠商事と丸紅は、英領バージン諸島に台湾企業が設立した「レナウンド・インターナショナル」という会社への出資を認めています。
しかし「ビジネスのためで、租税回避が目的ではない」(伊藤忠)、「目的はお金もうけ。法制に準拠して納税している」(丸紅)としています。



「パナマ又蕾」について報じたICIJのホームページ

規制逃れにも
台湾企業が設立した会社について丸紅は次のように説明します。
「銅製品の中国事業と聞いている。バージン諸島に会社をつくった理由を台湾企業に聞くことはできないので推測だが、中国で製造するためにバージン諸島に投資子会社をつくったのではないか。中国では会社をたたむのが難しい、労働者に配慮しなければならないなど制約が厳しいので、そういうやり方をすることはよくある」
事業の実体は中国にあるのに、地域経済や労働者を守る中国の規制が及ばないよう、バージン諸島につくったペーパーカンパニーから中国に投資する形をとったと考えられます。事実であれば、規制のゆるいタックスヘイブンを利用した典型的な規制逃れです。
ソフトバンクグループは「中国企業がバージン諸島につくった会社にグループ企業が出資し、株の35%を持っていたが撤退した。租税回避のためではない」。警備大手セコムは「日本の税務当局に必要な情報を開示し、合法的に処理されていると聞いている」としています。

負担は国民に
タックスヘイブンを利用する企業側は「合法的な投資だ」と口をそろえます。しかし、本来払うべき税金が支払われないため、所得を海外に移すことなどできない国民は負担を強いられることになります。
「税逃れは世界的に大きな問題だということを改めて思い起こさせた」。オバマ米大統領は4月5日、「パナマ文書」の発表を受けこう強調しました。オバマ大統領は、さらにこう続けました。
「多くが合法的だ。しかし、それがまさに問題なのだ」
普通の人々が従わなければならない法的責任を、富裕層は法律家や会計士を利用して逃れていることをオバマ大統領は問題視しました。
(つづく)(4回連載の予定です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月20日付掲載


「タックスヘイブン」影響で、本来払うべき税金が支払われないため、所得を海外に移すことなどできない国民は負担を強いられることになります。
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米大統領選 争点をさぐる⑤ 「対テロ戦争」 どうおわらせるのか

2016-07-21 22:33:18 | 国際政治
米大統領選 争点をさぐる⑤ 「対テロ戦争」 どうおわらせるのか

2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけに、共和党のブッシュ前政権はアフガニスタンやイラクで「対テロ戦争」を推し進めました。
09年に誕生したオバマ現政権も、イラク、アフガンの二つの戦争の「終結」を公約しましたが、米軍はいまだに両国で戦闘に明け暮れています。
オバマ政権は11年12月、米軍をイラクから「完全撤退」させました。しかし米軍の行った破壊と宗派分断統治による不安定化は、過激組織ISの台頭を招きました。

撤退計画を変更
オバマ政権は14年に米軍を再投入。IS打倒のため現在はイラクと隣国シリアも空爆し、イラク政府軍などを支援する米兵の増派を続けています。アフガンも、当初は今年末までに駐留米兵を撤退させるはずでしたが、テロが収まらないことから撤退計画を変更し、来年も米兵約8400人を駐留させます。
一連の戦争をどう終わらせるのか―。オバマ政権が明確な戦略を示せず、ISなど過激勢力による米国内テロの不安が高まる中、大統領選でも鋭く問われています。
民主党のヒラリー・クリントン前国務長官は、イラク・シリアでの空爆と反IS武装勢力の支援の強化、オバマ政権と同様にシリア内戦の終結とイラクの宗派的分断の解決を目指す外交、ISの思想や資金、戦闘員の国際網の根絶に同盟国と取り組むことを主張しています。

排外主義的政策
共和党のドナルド・トランプ氏は、イラク戦争には反対していたと主張。オバマ政権の戦略は一貫性がなく、「中東を今までにないくらい混乱させている」と批判しています。
同氏は、「戦争と破壊が目的ではない」と述べるも武力行使を排除しないことを示し、イスラム教の急進主義や過激主義の拡散の阻止を強調。イスラム教徒の米入国禁止といった排外主義的な政策も唱えています。
クリントン氏は、トランプ氏を大統領にすれば逆効果で「ISを増長させることになる」と論じています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月20日付掲載


ブッシュからオバマになり、「チェンジ」で確かに露骨な侵略性は無くなったが…
ISに対してイラク・シリアで空爆を開始。また泥沼に…
残念ながら、クリントンもトランプも明確な回答を持っていません。
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米大統領選 争点をさぐる④ 対外関係 同盟国に負担求める

2016-07-20 16:15:25 | 国際政治
米大統領選 争点をさぐる④ 対外関係 同盟国に負担求める

「米国は自国の問題に取り組み、他国の問題はできる限り他国に任せるべきだ」と考える米国民は57%―。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが5月に発表した世論調査結果です。世界の諸問題の解決で米国は「やりすぎだ」と答えたのは41%。「適度」「少ない」を上回りました。
同調査は「米世論は米国が世界で果たす役割についてかなりの懸念と不安の目で見ている」と指摘。こうした世論の傾向は、大統領選での主要候補の外交・安全保障についての言及の仕方にも影響を与えています。

「米国第一主義」
共和党のドナルド・トランプ氏は、4月下旬の外交方針演説で「米国第一主義」を繰り返し、「私の政権では、米市民の要求が外国人の要求の後回しにされているとは、決して感じないだろう」と述べました。
トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)の欧州加盟国の費用負担が不十分だと主張。「防衛費用を支払わなければ、米国はその国に自衛の覚悟をさせなければならない」と語りました。米メディアに対して、在日米軍駐留経費の全額負担ないしは負担の大幅増を日本に求め、応じなければ在日米軍を撤退させる可能性もあると述べています。
トランプ氏は外交方針演説で、米軍の態勢は維持すると述べ、「他に考えがなければ軍事力投入はためらわない」「米国が最も強いときに世界は最も平和で繁栄する」とも述べています。
民主党のヒラリー・クリントン前国務長官も6月上旬に安全保障戦略について演説。米国の国際社会での「指導力」の確保や安全のため、「第1に、われわれは本国でより強くなる必要がある」と、社会基盤や教育などへの財政支出、所得格差の改善、差別・偏見の除去が重要だと語りました。

高圧姿勢を批判
クリントン氏はトランプ氏の同盟国への高圧的な姿勢を批判し、外交と軍事の両面で同盟国と協力していく立場を強調。「同盟国は、米軍が他地域の事態に迅速に対応するための待機場所を提供する」と語りました。
米シンクタンク「政策研究所」(IPS)のフィリス・ベニス研究員は同研究所運営のウェブサイトで、クリントン氏のトランプ氏への反論は、「かなりもろいものだ」と指摘。クリントン氏の安保戦略にも米国が再び海外の戦争に本格的に突入する危険性があると述べています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月18日付掲載


防衛費にしたって、アメリカはまさにご都合主義ですね。口を出すな、金を出せってことですか…
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米大統領選 争点をさぐる③ TPPに懸念と警戒 不満持つ中間層取り込む

2016-07-19 21:08:24 | 国際政治
米大統領選 争点をさぐる③ TPPに懸念と警戒 不満持つ中間層取り込む

日米など12力国が署名した環太平洋連携協定(TPP)。オバマ米政権は早期の議会承認を求めますが、大統領選の有力候補は全員、反対姿勢を国民にアピールしています。
共和党の指名獲得を確実にした不動産王のトランプ氏は6月下旬、「TPPは米国の製造業に致命的打撃になる。私が大統領になったら米国は離脱する」と言明しました。それまでの反対姿勢をさらに強めた形です。
民主党のクリントン前国務長官も「TPPにノーと言うことで米国の雇用と労働者を守りたい」と強調。同党の指名候補獲得を争ったサンダース上院議員は「多国籍企業が労働や環境のルールをつくる合意だ」と一貫して批判し、撤回を求めています。
有力候補がTPP反対を訴える背景には、米国、カナダ、メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)の経験があります。米国の経済政策研究所(EPI)によると、発効から20年を迎えた2014年までに、安価な労働力を求める多国籍企業の海外移転などによって米国では製造業で500万以上の雇用が失われました。



ホワイトハウス前でTPP反対の声を上げる米市民=2月3日、ワシントン(洞口昇幸撮影)

“最悪の協定だ”
NAFTAには、進出先政府の政策変更で多国籍企業が不利益を被ったと判断した場合、その政府を訴えることができる条項があります。今年6月にはカナダ企業が、米政府によるパイプライン建設計画の取り消しをめぐって米政府を提訴しました。TPPにも同様の条項があり、国民に懸念と警戒を広げています。
「NAFTAは史上最悪の協定だ。TPPで同じことは続けられない」。トランプ氏は多国籍企業の海外移転などの影響を受ける中西部や北東部の州を中心にこう訴えて歩き、失業や低賃金に不満を持つ中間層を取り込もうとしています。
ラストベルト地域(斜陽化した鉄鋼業地域)と呼ばれるこれらの州での民主党予備選では、TPP反対を鮮明に打ち出すサンダース氏がクリントン氏に勝利したり善戦したりしました。

支持基盤からも
こうした状況に揺さぶられているのが、オバマ政権の閣僚としてTPPを推進してきたクリントン氏です。民主党の支持基盤とされる労働組合や環境団体はTPPに反対するよう求めています。一方でトランプ氏からは「クリントン氏はTPPを推進した」と批判されています。クリントン氏は昨年秋に反対姿勢に転換しました。今年6月下旬にも「再交渉し拒否すべきだ」と改めて述べざるをえませんでした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月17日付掲載


TPPを推進してきたアメリカの大統領選で、TPP反対が主流になるって不思議なこと。
それだけに、TPPは新自由主義の極みだということでしょうね。
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米大統領選の争点をさぐる② ウォール街をどう規制 政治献金や課税逃れに怒り

2016-07-18 13:28:59 | 国際政治
米大統領選の争点をさぐる② ウォール街をどう規制 政治献金や課税逃れに怒り

2008年の世界経済危機の際、米ウォール街(金融業界)は巨額の税金による支援を受け、いち早く回復しました。しかし一般労働者の生活は8年たった今も低迷。国民の厳しい視線を背に受け、論戦ではウォール街をどう規制するかが議論されています。
「ウォール街は短期的な株価と収益に取りつかれている。彼らに公平な負担を求めよう」。民主党のクリントン前国務長官は、オバマ政権下で成立した金融機関への監視を強める法律の強化や富裕層増税を訴えます。
夫が元大統領で、上院議員も経験したクリントン氏は「民主党内でこれほどウォール街と長く、深い関係を持つ人は少ない」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)と評されます。それでも同氏がウォール街批判に力を入れる背景には、ウォール街による政治献金や課税逃れなどに国民の怒りが渦巻いていることがあります。



ウォール街の政治献金や高額報酬に抗議してデモ行進する人たち=4月17日、ワシントン(島田峰隆撮影)

国民生活に打撃
調査会社エディソン・リサーチが6月に行った世論調査で、「ウォール街は国民生活に打撃を与えている」という人は58%に上り、「国民生活を支えている」という人は32%でした。
民主党候補の指名獲得をクリントン氏と争ったサンダース上院議員は、ウォール街からの献金を拒否。銀行と証券の兼業を禁じたグラス・ステイーガル法の復活など、クリントン氏より踏み込んだウォール街規制を提案しています。
サンダース氏は投機を規制する金融取引税を導入すれば、金融安定化につながり、公立大学の学費無償化や国民皆保険の財源にもなると強調。国民皆保険を求める労組「全国看護師組合」の幹部は「世界経済危機の時には金融機関の失態を国民の税金で埋め合わせた。国民が貧困に苦しむ時にウォール街が相当の負担をするのは当然だ」、と語ります。

公正取り戻そう
民主党の政策綱領の草案は「経済的公正を取り戻すためにウォール街の強欲、無謀さとたたかう」とし、金融取引税へ支持を表明しました。この文言が入ったことについて米シンクタンク「政策研究所」(IPS)のサラ・アンダーソン氏は、サンダース氏の運動をはじめ「国民の困難なたたかいの成果だ」と評価します。
共和党で指名獲得を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏は、資金をウォール街に頼っていないと宣伝し、支持を集めています。一方で、オバマ政権の金融規制改革法の廃止を求めるなど、矛盾した姿勢を示しています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月16日付掲載


金融資本の横暴。アメリカですら、世論に押されて大統領候補が規制を唱える様になっている。
実際にできるかどうかは別にして、経済民主主義が働いています。

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米大統領選 争点をさぐる① 経済格差・貧困 有権者の不満にどう応える

2016-07-17 21:57:56 | 国際政治
米大統領選 争点をさぐる① 経済格差・貧困 有権者の不満にどう応える

11月の米大統領選挙に向けて、共和党は今月18日から、民主党は25日からそれぞれ全国大会を開き、正副大統領候補を指名し、政策綱領を決めます。いよいよ本選を迎える大統領選挙の争点を探ります。

「僕は1%の富裕層じゃない。中間層もしくは低賃金の労働者。アルバイトを二つ掛け持ちしないと、家賃など最低限の生活費も支払えない」―。4月の東部メリーランド州、民主党で指名獲得を争うバーニー・サンダース上院議員の集会に参加した男性(27)は語りました。

上位1%に集中
大統領選挙をめぐる論戦では、経済格差をどう是正し、経済政策で既存の政治に不満を感じる有権者にどのように応えるかが鋭く間われています。
米「経済政策研究所」(EPI)によると、2009~13年に米国内で拡大した所得の85・1%が富裕層上位1%に集中、全所得の20%を占めました。
米最大の労組全国組織、労働総同盟産別会議(AFL・CIO)によると、米大企業424社の最高経営責任者が15年に受け取った報酬額の平均は、一般労働者の平均年収3万6875ドル(約385万円)の335倍です。
こうした現状に対し、指名獲得が確実な民主党のヒラリー・クリントン前国務長官と、共和党のドナルド・トランプ氏は6月下旬にそれぞれ、経済を主題とした演説を行いました。
「富裕層上位だけでなく、確実に全ての人に経済を機能させる必要がある」と述べたクリントン氏は、「あまりに多くの連邦議員が『トリクルダウン(富裕層の富が潤えばその恩恵が下位にも滴る)』経済という失敗した経済学にとらわれている」と強調しました。



「より豊かになるためのより良い賃金を」などと書かれた横断幕を手に集会に参加する米市民=4月14日、フィラデルフィア(洞口昇幸撮影)

格差是正を公約
格差是正のため、社会生活基盤や自然エネルギー分野への財政支出による給与の良い雇用の創出、学費などを抱える勤労世帯への減税、米政府規定の最低賃金を時給7・25ドルから12ドルに引き上げることなどを公約してきました。
民主党では、サンダース氏が格差是正を最大の公約に掲げ、最低賃金時給15ドルへの引き上げを要求。その訴えに共感が広がり、最賃時給15ドルを求める運動の拡大や地方自治体での実現もあり、民主党の政策綱領の草案には最賃時給15ドルが盛り込まれました。クリントン氏も容認する姿勢を示しています。
「全ての人のために再び、米国を偉大にする」と訴えるトランプ氏は演説で、「経済の国際化が、政治家に献金する財界の支配層をとても豊かにした。私もその一員だった」と、自戒とも受け取れる発言もしました。鉄鋼業での良質な雇用の創出、中低所得層の一部の減税・税免除、課税の簡素化を公約に掲げます。

この連載はワシントン支局の島田峰隆、洞口昇幸が担当します。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月15日付掲載


「トリクルダウン」経済理論の発祥の地であるアメリカでさえ、大統領選でその理論は誤っていたと発せられている。
最右翼のトランプ氏でさえ、自戒の発言をしている…

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今日、明日の頑張りが勝負を決める 最後までの奮闘で未来ひらこう

2016-07-09 09:37:20 | 参議院選挙(2016年)
今日、明日の頑張りが勝負を決める
最後までの奮闘で未来ひらこう

2016年7月9日幹部会委員長 志位和夫
 書記局長 小池 晃

 独裁と戦争への逆流か、立憲・民主・平和の新しい政治か、日本の命運がかかった参議院選挙が、いよいよ明日投票日を迎えます。“戦争への道を許さない”“憲法9条を守りぬく”―全国の同志のみなさんの気迫と決意、党員人生をかけた頑張りに、私たちも毎日胸を熱くしながら各地を駆け巡っています。これまでの全党の努力、市民・国民のみなさんとの奮闘を、野党共闘の勝利、日本共産党の躍進へと必ず実らせようではありませんか。
 比例も選挙区も1票を争う大激戦・大接戦です。有権者の4割強はまだ投票先を決めていません。真剣に模索する有権者にどれだけ声をかけられるか。投票箱のブタが閉まるまでの奮闘が結果を大きく左右します。とりわけ比例代表選挙で「850万票、15%以上」の目標をやりとげ、「ベスト9」全員を押し上げられるかどうかは、「全国は一つ」で党の訴えを広げきる最後までの活動にかかっています。
 声の宣伝、得票目標に見合う対話・支持拡大、ビラを1枚残らずまききるなど、今日一日、選挙勝利へやるべきことをすべてやりぬきましょう。明日の投票日は、投票率を上げる意気込みで棄権防止活動にとりくみ、ギリギリまで奮闘しましょう。あと2日間、全党の底力、瞬発力を発揮して、歴史的政治戦をたたかいぬきましょう。“力あわせ、未来ひらく”新しい政治へ、私たちもみなさんと心を一つにして頑張りぬきます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月9日付掲載


いよいよ、日本の命運のかかった参議院選挙も投票日を含めて2日間の闘い。
比例850万票9議席獲得を必ず。頑張り抜こう。
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