509) 代謝をターゲットにしたがん治療(その4):抗酸化システムを阻害するオーラノフィンとジスルフィラム

図:スルフヒドリル基(-SH)が酸化されたタンパク質は凝集し(1)、ユビキチン化されてプロテアソームで分解される(2)。チオレドキシン(Trx)は酸化したタンパク質を還元作用によって元に戻す(3)。酸化されたチオレドキシン(Trx)はチオレドキシン還元酵素によってNADPHを使って還元型に戻される(4)。オーラノフィンはチオレドキシン還元酵素を阻害する(5)。ジスルフィラムの代謝物質(ジエチルジチ . . . 本文を読む
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508)代謝をターゲットにしたがん治療(その3):ミトコンドリアを増やすとがん細胞は自滅する?

図:がん細胞の代謝の特徴であるワールブルグ効果(解糖系の亢進と酸化的リン酸化の抑制)を正常化し、がん細胞の酸化ストレスを高める方法として、がん細胞の解糖系やペントース・リン酸回路を阻害するケトン食と2-デオキシグルコース(2-DG)、ミトコンドリアでの代謝を促進するジクロロ酢酸、呼吸鎖を阻害して活性酸素の産生を高めるメトホルミンやレスベラトロール、細胞質でフリーラジカルを産生するアルテスネイトや半 . . . 本文を読む
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507) 代謝をターゲットにしたがん治療(その2):メトホルミンとレスベラトロール

図:メトホルミン、レスベラトロール、牛蒡子、半枝蓮はミトコンドリアの呼吸鎖を阻害して活性酸素の産生を高め、ATP産生を低下させる。この作用は正常細胞に対しては、適度な活性酸素の産生がミトホルミシスの作用によってストレス抵抗性を高め、AMP/ATP比の上昇はAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)やサーチュインを活性化して、抗加齢(加齢関連疾患の抑制)や寿命延長効果を発揮する。一方、がん細胞に . . . 本文を読む
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506)代謝をターゲットにしたがん治療(その1):ミトコンドリアを活性化するとがん細胞の増殖・転移が抑制される

図:(上)非増殖細胞(正常細胞)では、グルコースは解糖系でピルビン酸に変換されたあと、ほとんどのピルビン酸はミトコンドリアに入り、TCA回路と酸化的リン酸化(OXPHOS)でATP産生に使われる(1)。酸化的リン酸化の過程で活性酸素が発生する(2)。細胞には活性酸素を消去する抗酸化システムが備わっている(3)。ATPが過剰に産生されると、フィードバック機序で解糖系の活性を抑制する(4)。 (下)が . . . 本文を読む
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505)抗酸化剤の2面性(その2):抗酸化剤はがん細胞の増殖・転移を促進する

図:がん細胞は酸化ストレスが高い状態にある。酸化ストレスはがん細胞に負担になるので、がん細胞の増殖や浸潤・転移に対して抑制的に働いている。したがって、抗酸化剤を摂取すると、がん細胞の酸化ストレスを軽減して、増殖や転移を促進することになる。 505)抗酸化剤の2面性(その2):抗酸化剤はがん細胞の増殖・転移を促進する 【βカロテンががんの発生を促進する】私は20年くらい前に国立がんセン . . . 本文を読む
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504)抗酸化剤の2面性(その1):抗酸化剤の過剰摂取は寿命を短縮する

図:(上)細胞へのストレスの刺激強度が強いと細胞にダメージを与える。しかし、軽度なストレス刺激は細胞のストレス抵抗性やダメージに対する修復能を高める。これをホルミシス効果と言う。(下)カロリー制限や適度な運動、2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)、メトホルミン、レスベラトロールはミトコンドリアでの呼吸活性を上昇させ、活性酸素種の発生を増やす。その結果、細胞は転写因子のFox03aやPGC-1& . . . 本文を読む
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503)カロリー制限と抗老化とmTORC1

図: mTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)は成長ホルモンやインスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)など様々な成長因子や過剰な栄養によって活性化され、細胞の増殖や体の成長を促進する役割を担っている。成長が終了したあともmTORC1の働きが過剰に続くと、細胞や組織の老化が促進される。成長は「プログラムされた正常機能」であるが、老化は「成長の延長(過剰機能)」であり、成長終 . . . 本文を読む
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502)ナイアシン(ビタミンB3)とHDLコレステロールと寿命とがん

図:ビタミンB3のナイアシン(ニコチン酸とニコチン酸アミド)や高脂血症治療薬のニコチン酸誘導体(ニセリトロール、コレキサミン)は脂肪細胞やマクロファージなどに発現しているGタンパク質共役型受容体のGPR109Aのアゴニスト(作動薬)として作用し、高比重リポたんぱく(HDL)の血中濃度を上昇させ、抗炎症作用やアディポネクチン産生亢進などの作用を発揮する。その結果、動脈硬化の進行を抑えて心血管疾患の発 . . . 本文を読む
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501)医療大麻を考える(その13):大麻は脳細胞を保護する

図:大麻に含まれるカンナビノイド(特にΔ9テトラヒドロカンナビノール)が作用する受容体(CB1)は、図に示すような脳の様々な領域に存在し、それらの領域は多彩な精神活動や脳機能制御に関わっている。したがって、大麻を過剰に摂取すれば精神機能や運動機能に障害を引き起こす。しかし、適度な量を使用すれば、有用な薬効となりうる。 501)医療大麻を考える(その13):大麻は脳細胞を保護する 【 . . . 本文を読む
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500) DHA/EPAはAMPKを活性化してmTORC1を阻害する

図:インスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)などの増殖刺激はPI3K/Akt/mTORC1経路を活性化して老化と発がんを促進する作用がある。AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)はα, β, γの3つのサブユニットからなるヘテロ三量体で、ATPが減少してAMP/ATP比が上昇すると、γサブユニットに結合していたATPがAMPに置換する。こ . . . 本文を読む
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499)アンジオテンシンII阻害剤の抗がん作用と寿命延長作用

図:肝臓で作られるアンジオテンシノーゲン(AGT)が、腎臓から分泌されるされるレニンで分解されて10個のアミノ酸からなるアンジオテンシン-I(AngI)が産生され、さらにアンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)によってアンジオテンシン-II(AngII)が産生される。AngIIは2種類の7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体を介して作用を発揮す . . . 本文を読む
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498)がんと老化とNLRP3インフラマソーム

図:(1)細胞のダメージに伴って漏出したATPや、コレステロール結晶、尿酸結晶、グルコース、βアミロイドなどのダメージ関連分子パターン(damage-associated molecular patterns: DAMPs)は、トル様受容体を介してNF-κBを活性化する。(2)活性化したNF-κBはNLRP3たんぱく質やIL-1βとIL-18の前駆体(p . . . 本文を読む
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497)医療大麻を考える(その12):冤罪はマスコミによって作られる

図:(1)神経回路が形成される過程では、まず一旦広範にシナプスが作られる。(2)その後、不要な回路(配線)が消去されて限局した神経回路に収束して、正常な神経回路が完成する。この不要な神経回路の刈り取り(消去)に、カンナビノイド受容体のCB1受容体と内因性カンナビノイドが重要な働きを担っている。(3)CB1受容体や内因性カンナビノイドの減少や欠損などによってCB1機能が低下すると、不要な神経回路が残 . . . 本文を読む
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496)医療大麻を考える(その11):大麻を20年間吸っても健康障害が起こらない

図:大麻合法化に関する米国におけるギャラップ調査。1969年の最初の調査では、米国成人の12%が大麻を合法化すべきと回答した。大麻合法化賛成は2000年以降は30%を超え、2009年に40%を超え、2013年と2015年の調査では58%であった。 496)医療大麻を考える(その11):大麻を20年間吸っても健康障害が起こらない 【米国では26の州とワシントンD.C.で医療大麻が合法化されている . . . 本文を読む
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495)ケトン体治療(その5):アセチル-L-カルニチンのヒストンアセチル化作用

図:グルコースや脂肪酸が分解されて産生されるアセチルCoAは、ミトコンドリアのTCA回路でさらに代謝される。一部はL-カルニチンと結合してアセチル-L-カルニチンになり、ヒストンやその他のたんぱく質をアセチル化する際に使用される。ケトン体のβヒドロキシ酪酸はヒストン脱アセチル化酵素を阻害してヒストンのアセチル化を亢進する。ジクロロ酢酸はピルビン酸からアセチルCoAの変換を促進する。アセチ . . . 本文を読む
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