519)がん細胞の物質合成(同化)を促進するピルビン酸キナーゼM2

図:ホスホエノールピルビン酸からピルビン酸への変換を行うピルビン酸キナーゼは解糖系の律速酵素で、正常では4量体として存在する。がん細胞では腫瘍特異的な2量体のM2というアイソフォーム(PK-M2)が多く発現している。2量体のピルビン酸キナーゼ-M2はホスホエノールピルビン酸からピルビン酸の変換ができない。解糖系の途中におけるグルコースの代謝産物は、核酸や脂肪酸やアミノ酸の材料になる。細胞分裂によっ . . . 本文を読む
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518) がん細胞の代謝をターゲットにする(Nature Videoから)

図:がん細胞は飢えている。がん細胞の急激な増殖を支えるために、がん細胞の代謝は変化している。さらに、がん細胞は正常細胞とは異なる方法で糖質(グルコース)を利用している。この代謝の特徴をターゲットにしてがん細胞を攻撃すると、がん細胞は死滅する。学術雑誌Natureの姉妹誌のNature Reviews Drug Discoveryによって作成された『Targeting Cancer Cell Met . . . 本文を読む
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517)ワールブルグ効果を是正するとがん細胞は自滅する

図: がん細胞は解糖系が亢進して乳酸の産生が増えている(1)。乳酸は肝臓や腎臓やがん間質細胞で糖新生によってグルコースに変換され再利用される(2)。2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)はがん細胞の解糖系を阻害し(3)、ジクロロ酢酸ナトリウム(DCA)はピルビン酸脱水素酵素を活性化してピルビン酸からアセチルCoAへの変換を促進する(4)。メトホルミンは糖新生を阻害する(5)。メトホルミンは呼吸鎖 . . . 本文を読む
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516)酸化ストレスと小胞体ストレスを高めれば、がん細胞は自滅する

図:2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)はグルコース(ブドウ糖)の2位のOHがHに変わっているグルコース類縁物質で、グルコースと同様にグルコーストランスポーター(GLUT1)によって細胞内に取り込まれる(1)。ヘキソキナーゼで2-DG-6リン酸(2-DG-6-PO4)になるが、それから先の解糖系酵素では代謝できないので細胞内に蓄積する(2)。蓄積した2-DG-6リン酸はヘキソキナーゼをフィード . . . 本文を読む
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515)チオレドキシン相互作用タンパク質を活性化するがん治療

図:チオレドキシン還元酵素は酸化型のチオレドキシンを還元型に変換する(1)。還元型チオレドキシンは酸化ストレスを軽減する(2)。酸化ストレスの軽減はがん細胞の増殖や転移を促進する(3)。オーラノフィンはチオレドキシン還元酵素を阻害することによってがん細胞の抗酸化力を低下させる(4)。チオレドキシン相互作用タンパク質はチオレドキシンに結合してチオレドキシンの活性を阻害する内因性タンパク質である(5) . . . 本文を読む
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514)肥満と腸内細菌叢と中鎖脂肪酸

図:中鎖脂肪酸中性脂肪(MCTオイル)やココナッツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸)はケトン体を産生し、ケトン体のβヒドロキシ酪酸は様々な機序でダイエット(減量)効果を発揮する。さらに、中鎖脂肪酸は腸内細菌叢に作用してダイエット効果を発揮する機序も報告されている。 514)肥満と腸内細菌叢と中鎖脂肪酸 【内臓脂肪を減らすヨーグルト】「内臓脂肪を減らす . . . 本文を読む
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513)放射線誘発がんとカロリー制限とレスベラトロール

図:放射線はDNAを傷害して変異を起こす(1)。放射線治療や放射線を使った検査によって放射線を被曝すると、がんが誘発される(2)。カロリー制限は放射線誘発がんの発生を抑制することが報告されている。カロリー制限はエネルギー産生を低下させ、その結果NAD+/NADH比(4)とAMP/ATP比(5)を高め、サーチュインとAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化する。サーチュインはLKB1を活性 . . . 本文を読む
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512)植物ポリフェノールは酸化剤として抗がん作用を発揮する

図:お茶の健康作用は、エピガロカテキンなどのポリフェノールによると考えられている(1)。ポリフェノールは抗酸化作用(活性酸素の消去)によってがん予防や抗老化の作用を発揮すると一般に考えられている(2)。しかし、ポリフェノールが酸化剤として作用して細胞に酸化ストレスを与え(3)、適度な酸化ストレスは細胞の抗酸化システムを亢進するというホルミシス効果によって抗酸化力を高め、健康作用を発揮している可能性 . . . 本文を読む
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511)代謝をターゲットにしたがん治療(その6):乳酸産生を減らすがん治療

図: がん細胞は解糖系が亢進して乳酸の産生が増えている(1)。乳酸によるアシドーシス(酸性血症)を防ぐため、肝臓で乳酸をグルコースに変換する。これをコリ回路という(2)。メトホルミンは糖新生を阻害するので、乳酸アシドーシスの副作用を起こしやすい(3)。ケトン食はグルコースの利用を阻害し、脂肪酸とケトン体はミトコンドリアの酸素呼吸(酸化的リン酸化)を亢進する(4)。2-デオキシ-D-グルコース(2- . . . 本文を読む
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510)代謝をターゲットにしたがん治療(その5):ケトン食はがん細胞の酸化ストレスを高める

図:上図で赤の矢印と文字は活性化あるいは増えていることを示している。 (左図)がん細胞ではミトコンドリアの呼吸鎖の異常などによって酸素を使ってATPを産生すると活性酸素の産生量が増える状況にある。そこでがん細胞ではミトコンドリアでのATP産生(酸化的リン酸化)を抑制して酸化ストレスの増大を防いでいる。そのため、酸素を使わない解糖系が亢進していて乳酸の産生が増えている。また、ペントース・リン酸経路が . . . 本文を読む
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509) 代謝をターゲットにしたがん治療(その4):抗酸化システムを阻害するオーラノフィンとジスルフィラム

図:スルフヒドリル基(-SH)が酸化されたタンパク質は凝集し(1)、ユビキチン化されてプロテアソームで分解される(2)。チオレドキシン(Trx)は酸化したタンパク質を還元作用によって元に戻す(3)。酸化されたチオレドキシン(Trx)はチオレドキシン還元酵素によってNADPHを使って還元型に戻される(4)。オーラノフィンはチオレドキシン還元酵素を阻害する(5)。ジスルフィラムの代謝物質(ジエチルジチ . . . 本文を読む
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508)代謝をターゲットにしたがん治療(その3):ミトコンドリアを増やすとがん細胞は自滅する?

図:がん細胞の代謝の特徴であるワールブルグ効果(解糖系の亢進と酸化的リン酸化の抑制)を正常化し、がん細胞の酸化ストレスを高める方法として、がん細胞の解糖系やペントース・リン酸回路を阻害するケトン食と2-デオキシグルコース(2-DG)、ミトコンドリアでの代謝を促進するジクロロ酢酸、呼吸鎖を阻害して活性酸素の産生を高めるメトホルミンやレスベラトロール、細胞質でフリーラジカルを産生するアルテスネイトや半 . . . 本文を読む
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507) 代謝をターゲットにしたがん治療(その2):メトホルミンとレスベラトロール

図:メトホルミン、レスベラトロール、牛蒡子、半枝蓮はミトコンドリアの呼吸鎖を阻害して活性酸素の産生を高め、ATP産生を低下させる。この作用は正常細胞に対しては、適度な活性酸素の産生がミトホルミシスの作用によってストレス抵抗性を高め、AMP/ATP比の上昇はAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)やサーチュインを活性化して、抗加齢(加齢関連疾患の抑制)や寿命延長効果を発揮する。一方、がん細胞に . . . 本文を読む
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506)代謝をターゲットにしたがん治療(その1):ミトコンドリアを活性化するとがん細胞の増殖・転移が抑制される

図:(上)非増殖細胞(正常細胞)では、グルコースは解糖系でピルビン酸に変換されたあと、ほとんどのピルビン酸はミトコンドリアに入り、TCA回路と酸化的リン酸化(OXPHOS)でATP産生に使われる(1)。酸化的リン酸化の過程で活性酸素が発生する(2)。細胞には活性酸素を消去する抗酸化システムが備わっている(3)。ATPが過剰に産生されると、フィードバック機序で解糖系の活性を抑制する(4)。 (下)が . . . 本文を読む
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505)抗酸化剤の2面性(その2):抗酸化剤はがん細胞の増殖・転移を促進する

図:がん細胞は酸化ストレスが高い状態にある。酸化ストレスはがん細胞に負担になるので、がん細胞の増殖や浸潤・転移に対して抑制的に働いている。したがって、抗酸化剤を摂取すると、がん細胞の酸化ストレスを軽減して、増殖や転移を促進することになる。 505)抗酸化剤の2面性(その2):抗酸化剤はがん細胞の増殖・転移を促進する 【βカロテンががんの発生を促進する】私は20年くらい前に国立がんセン . . . 本文を読む
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