547) がん検診の不都合な真実(その3):がん検診ががん患者を作り出している

図:1万人の女性が1年に1回のマンモグラフィー検診を10年間受けた場合、乳がんによる死亡が防げる人数は40歳で1〜16人、50歳で3〜32人、60歳で5〜49人と推定されている(①)。しかし、10年間の間に1回以上の偽陽性の判定(乳がんでないのに乳がんの疑いの診断)を半数以上の人が受け(②)、1000人前後は乳がんではない(偽陽性)のに針生検(バイオプシー)を受ける(③)。がんという診断が確定する . . . 本文を読む
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546) がん検診の不都合な真実(その2):スクリーニングは増殖の遅いがんしか見つけられない

図:スクリーニングで発見可能な段階(●)から臨床症状が出て外来で見つかる段階(×)までの期間を「前臨床段階」と定義すると、この前臨床段階の期間は、増殖速度の速いがんでは短く、増殖速度の遅いがんでは長い。スクリーニングで検出可能となった時期が同じ2例づつのペア(増殖の速いがんと遅いがんの1:1のペア)が6組あったとして、がん検診によって前臨床段階で見つかる(オレンジの線)のは、増殖の速い . . . 本文を読む
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545) がん検診の不都合な真実(その1):がん検診は人命を救っていない

図:ミネソタ大腸がん対策試験(Minnesota Colon Cancer Control Study)の結果は、便潜血スクリーニングによる大腸がん検診は大腸がんによる死亡を約3分の2に減らしたが、全死因死亡者数は減らさなかった。 545) がん検診の不都合な真実(その1):がん検診は人命を救っていない 【寿命が延びなければ「がん検診」の意味はない】がん検診が有効かどうかは、その検診で対象にな . . . 本文を読む
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544)FoxO3aを活性化するがん治療

図:①転写因子のFoxO3aが活性化されるとがん細胞の増殖は抑制され、細胞死が促進される。②AktとIκBキナーゼはFoxO3aをリン酸化して核外へ移行させることによってFoxO3aの転写活性を阻害する。③IκBキナーゼは転写因子のNF-κBを活性化し、がん細胞の増殖を促進し、細胞死に抵抗性になる。④オーラノフィンとサリドマイドはIκBキナーゼの活性 . . . 本文を読む
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543)がん幹細胞とアルデヒド脱水素酵素

図(上)がん幹細胞は自己複製してがん幹細胞を維持すると同時に、成熟がん細胞を供給してがん組織を構成している。抗がん剤治療に対して、成熟がん細胞が死滅しやすいが、がん幹細胞は様々な機序で抵抗性を示す。がん幹細胞が生き残れば、がんは再燃・再発する。(下)抗がん剤治療を繰り返すと、抗がん剤に抵抗性のがん幹細胞が生き残り、がん幹細胞が増えることによって、さらに抗がん剤抵抗性が増強し、腫瘍は増大する。がん幹 . . . 本文を読む
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542)グリオブラストーマ(膠芽腫)の補完・代替医療:医薬品の再開発と保険適用外使用

図:①グリオブラストーマ(膠芽腫)は手術・放射線・抗がん剤治療が標準治療として行われているが、予後は極めて悪い。グリオブラストーマの増殖や細胞死に関連する様々なメカニズムが代替医療のターゲットになっている。②解糖系の亢進と酸化的リン酸化の抑制というワールブルグ効果に対して、ケトン食、2-デオキシグルコース(2-DG)、ジクロロ酢酸の効果が期待できる。③哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1(mT . . . 本文を読む
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541)乳酸脱水素酵素A(LDHA)と鶏血藤と五倍子とジクロフェナク

図:①がん細胞の多くは酸素を使わない解糖系での糖代謝が亢進している(左の細胞)。②この場合、グルコーストランスポーター(GLUT)から取り込まれたグルコースは解糖系でピルビン酸に変換され、乳酸脱水素酵素A(LDH-A)によってピルビン酸は乳酸に変換される。③乳酸はプロトン(H+)と一緒にモノカルボン酸トランスポーター4(MCT4)によって細胞外に排出される。④がん組織の中にはミトコンドリアで酸素呼 . . . 本文を読む
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540)がん細胞内を酸性化すると増殖が抑制され細胞死が誘導される

図:①炭酸脱水酵素IX(CAIX)は細胞膜に存在し、細胞外の二酸化炭素と水から重炭酸イオン(HCO3-)と水素イオン(H+)に変換する。②細胞外の重炭酸イオンは共輸送体によって細胞内に取り込まれる。③細胞質内の炭酸脱水酵素II(CAII)はミトコンドリアから産生される二酸化炭素を重炭酸イオンと水素イオンに変換する。④V型ATPアーゼ(vacuolar ATPase:液胞型ATPアーゼ)やモノカルボ . . . 本文を読む
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539)超高齢者はがんで死なない(その4):ゾウやクジラはがんが少ない

図:細胞の遺伝子の変異率が同じであれば、体の大きい個体ほど細胞数が多いので、個体当たりの発がん率は高くなると考えられる。しかし、ゾウやクジラは人間やネズミよりもがんの発生率は低い。このパラドックスは英国のリチャード・ピトー(Sir Richard Peto)が約40年前に指摘したので、「ピトーのパラドックス」と呼ばれている。 539)超高齢者はがんで死なない(その4):ゾウやクジラはがんが少ない . . . 本文を読む
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538)超高齢者はがんで死なない(その3):90歳代以降はがん発生率が低下する

図:がんの発生率は80歳代をピークにして90歳代以降は急速に減少する。90歳以上で発がん率が減少する理由として2つのメカニズムが考えられる。①老化やがんに対する抵抗力の高い人や、老化やがんが起こりにくい遺伝的体質をもった人が100歳を超えるような超高齢まで生存できるため、超高齢者ではがんが少ない。②80〜90歳以上になると発がん促進要因(炎症応答、成長因子、ホルモンなど)が減少するために、超高齢者 . . . 本文を読む
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537)超高齢者はがんで死なない(その2):がんになるのは運が悪いのか

図:基本的に全てのがんは環境と遺伝と不運な偶然(DNA複製時のエラー)によって引き起こされる。「組織幹細胞の遺伝子変異の蓄積」によってがん細胞が発生する。この遺伝子変異の発生において、内因性(DNA複製時のエラー)と外因性(喫煙や放射線などの発がん物質による遺伝子変異や親から受け継いだ遺伝的要因)の発がん因子のうちどちらの寄与が大きいかという点が議論されている。前者の内因性(DNA複製時のエラー) . . . 本文を読む
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536)超高齢者はがんにならない(その1):抗老化とがん予防の共通のメカニズム

図:寿命(生まれてから死ぬまでの時間)には限界がある。人間の最大寿命(生理的寿命、限界寿命)は120歳前後と言われている。公衆衛生や栄養状態の改善や、医療の進歩によって若年での死亡を減らせば平均寿命を延ばすことができる。しかし、この場合は最大寿命を延ばすことはできない(A)。老化速度を遅延できれば、平均寿命と最大寿命の両方を延長できる(B)。老化抑制と発がん抑制の共通のメカニズムを理解すると、がん . . . 本文を読む
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535)ビタミンD3とレチノイドとラパマイシンとメトホルミンの相乗効果

図:①インスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)などの増殖刺激はPI3K/Akt/mTORC1シグナル伝達系を活性化する。②活性化したmTORC1はたんぱく質や脂肪酸の合成を亢進し、がん細胞の増殖や浸潤や転移を促進し、抗がん剤抵抗性を亢進し、オートファジーを抑制する。③ラパマイシンはmTORC1の活性を直接阻害する。④ビタミンD3はビタミンD受容体を介する遺伝子転写活性によってDDIT4( . . . 本文を読む
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534)ラパマイシンとグレープフルーツとがんの酸化療法

図:栄養摂取やインスリン、成長ホルモン、インスリン様成長因子-1(IGF-1)、サイトカインなどの増殖刺激が細胞に作用すると(①)、PI3Kが活性化され、その下流に位置するAktの活性化、mTORC1の活性化と増殖シグナルが伝達される(②)。mTORC1は栄養素の取込みやエネルギー産生、細胞分裂・増殖、細胞生存、抗がん剤抵抗性、血管新生を亢進し、オートファジー(自食作用)を抑制するので、mTORC . . . 本文を読む
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533)「ω3系多価不飽和脂肪酸が前立腺がんを促進する」という研究報告の問題点

図:魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やドコサペンタエン酸(DPA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などのω3系多価不飽和脂肪酸が前立腺がんの発症を促進するという研究が報告されている。西洋食では脂肪酸のω6:ω3の比が10〜20と極めて多い。ω6系多価不飽和脂肪酸の摂取量が極めて多い条件でω3系多価不飽和脂肪酸の摂取量を議論し . . . 本文を読む
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