504)抗酸化剤の2面性(その1):抗酸化剤の過剰摂取は寿命を短縮する

図:(上)細胞へのストレスの刺激強度が強いと細胞にダメージを与える。しかし、軽度なストレス刺激は細胞のストレス抵抗性やダメージに対する修復能を高める。これをホルミシス効果と言う。(下)カロリー制限や適度な運動、2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)、メトホルミン、レスベラトロールはミトコンドリアでの呼吸活性を上昇させ、活性酸素種の発生を増やす。その結果、細胞は転写因子のFox03aやPGC-1α . . . 本文を読む
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503)カロリー制限と抗老化とmTORC1

図: mTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)は成長ホルモンやインスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)など様々な成長因子や過剰な栄養によって活性化され、細胞の増殖や体の成長を促進する役割を担っている。成長が終了したあともmTORC1の働きが過剰に続くと、細胞や組織の老化が促進される。成長は「プログラムされた正常機能」であるが、老化は「成長の延長(過剰機能)」であり、成長終 . . . 本文を読む
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502)ナイアシン(ビタミンB3)とHDLコレステロールと寿命とがん

図:ビタミンB3のナイアシン(ニコチン酸とニコチン酸アミド)や高脂血症治療薬のニコチン酸誘導体(ニセリトロール、コレキサミン)は脂肪細胞やマクロファージなどに発現しているGタンパク質共役型受容体のGPR109Aのアゴニスト(作動薬)として作用し、高比重リポたんぱく(HDL)の血中濃度を上昇させ、抗炎症作用やアディポネクチン産生亢進などの作用を発揮する。その結果、動脈硬化の進行を抑えて心血管疾患の発 . . . 本文を読む
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501)医療大麻を考える(その13):大麻は脳細胞を保護する

図:大麻に含まれるカンナビノイド(特にΔ9テトラヒドロカンナビノール)が作用する受容体(CB1)は、図に示すような脳の様々な領域に存在し、それらの領域は多彩な精神活動や脳機能制御に関わっている。したがって、大麻を過剰に摂取すれば精神機能や運動機能に障害を引き起こす。しかし、適度な量を使用すれば、有用な薬効となりうる。 501)医療大麻を考える(その13):大麻は脳細胞を保護する 【アメリカ合衆 . . . 本文を読む
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500) DHA/EPAはAMPKを活性化してmTORC1を阻害する

図:インスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)などの増殖刺激はPI3K/Akt/mTORC1経路を活性化して老化と発がんを促進する作用がある。AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)はα, β, γの3つのサブユニットからなるヘテロ三量体で、ATPが減少してAMP/ATP比が上昇すると、γサブユニットに結合していたATPがAMPに置換する。これによってAMPKの構造変化が起こると、LKB . . . 本文を読む
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499)アンジオテンシンII阻害剤の抗がん作用と寿命延長作用

図:肝臓で作られるアンジオテンシノーゲン(AGT)が、腎臓から分泌されるされるレニンで分解されて10個のアミノ酸からなるアンジオテンシン-I(AngI)が産生され、さらにアンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)によってアンジオテンシン-II(AngII)が産生される。AngIIは2種類の7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体を介して作用を発揮す . . . 本文を読む
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498)がんと老化とNLRP3インフラマソーム

図:(1)細胞のダメージに伴って漏出したATPや、コレステロール結晶、尿酸結晶、グルコース、βアミロイドなどのダメージ関連分子パターン(damage-associated molecular patterns: DAMPs)は、トル様受容体を介してNF-κBを活性化する。(2)活性化したNF-κBはNLRP3たんぱく質やIL-1βとIL-18の前駆体(pro-IL-1βとpro-IL-18)の遺伝 . . . 本文を読む
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497)医療大麻を考える(その12):冤罪はマスコミによって作られる

図:(1)神経回路が形成される過程では、まず一旦広範にシナプスが作られる。(2)その後、不要な回路(配線)が消去されて限局した神経回路に収束して、正常な神経回路が完成する。この不要な神経回路の刈り取り(消去)に、カンナビノイド受容体のCB1受容体と内因性カンナビノイドが重要な働きを担っている。(3)CB1受容体や内因性カンナビノイドの減少や欠損などによってCB1機能が低下すると、不要な神経回路が残 . . . 本文を読む
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496)医療大麻を考える(その11):大麻を20年間吸っても健康障害が起こらない

図:大麻合法化に関する米国におけるギャラップ調査。1969年の最初の調査では、米国成人の12%が大麻を合法化すべきと回答した。大麻合法化賛成は2000年以降は30%を超え、2009年に40%を超え、2013年と2015年の調査では58%であった。 496)医療大麻を考える(その11):大麻を20年間吸っても健康障害が起こらない 【米国では26の州とワシントンD.C.で医療大麻が合法化されている . . . 本文を読む
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495)ケトン体治療(その5):アセチル-L-カルニチンのヒストンアセチル化作用

図:グルコースや脂肪酸が分解されて産生されるアセチルCoAは、ミトコンドリアのTCA回路でさらに代謝される。一部はL-カルニチンと結合してアセチル-L-カルニチンになり、ヒストンやその他のたんぱく質をアセチル化する際に使用される。ケトン体のβヒドロキシ酪酸はヒストン脱アセチル化酵素を阻害してヒストンのアセチル化を亢進する。ジクロロ酢酸はピルビン酸からアセチルCoAの変換を促進する。アセチル-L-カ . . . 本文を読む
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494)ケトン体治療(その4):ケトン症と多幸感とシナプス可塑性

図:βヒドロキシ酪酸とγヒドロキシ酪酸は水酸基の位置が異なる異性体の関係にある。γヒドロキシ酪酸はGABA(γアミノ酪酸)受容体に作用して鎮静、抗不安、多幸感を引き起こす。βヒドロキシ酪酸もGABA受容体に弱く作用し軽度の鎮静・抗不安・多幸感の作用を示す。さらにβヒドロキシ酪酸はヒストン脱アセチル化酵素阻害作用があり、ヒストンのアセチル化による遺伝子発現誘導の作用によって、脳組織において脳由来神経 . . . 本文を読む
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493)ケトン体治療(その3):MCTオイルとケトンサプリメント

図:私の6月2日のβヒドロキシ酪酸の血中濃度の推移。日頃からケトン食を実践しているので、βヒドロキシ酪酸の血中濃度は起床時に1.1mMであった。6時前に低糖質の食事(ゆで卵2個と豆腐100g)の後、6:30にMCTオイル30g、8:00にケトンサプリメントのKetoCaNaを20g(βヒドロキシ酪酸は約12g)、11:00にMCTオイル30g、12:30にKetoCaNaを20g摂取。ケトン体産生 . . . 本文を読む
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492)ケトン体治療(その2):脂肪酸と血液脳関門

図:血液中のグルコース(ブドウ糖)は血管内皮細胞とアストロサイトのグルコーストランスポーター1(GLUT1)を通って血液脳関門を通過してアストロサイトに取り込まれ(1)、解糖系で乳酸まで分解され(2)、その乳酸はモノカルボン酸トランスポーターを通って神経細胞に渡され、神経細胞でピルビン酸に変換され神経細胞のミトコンドリアで代謝されてエネルギー(ATP)産生に使われる(3)。血液中では脂肪酸はアルブ . . . 本文を読む
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491)ケトン体治療(その1):生理的ケトーシス

図:肥満者に40日間の絶食を行った場合のβ-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、グルコース(ブドウ糖)、遊離脂肪酸の血中濃度の推移を示す。絶食で起こる生理的ケトン症(ケトーシス)ではケトン体(β-ヒドロキシ酪酸+アセト酢酸)の血中濃度は6~8mM(mmol/L)程度を上限にしてそれ以上は増えないので酸性血症(アシドーシス)にはならない。(出典:N Eng J Med. 282: 668-675, 1970 . . . 本文を読む
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490)メトホルミンとβヒドロキシ酪酸はミトコンドリアでのグルコースとグルタミンの利用を抑制する

図:(左図)がん細胞にとってグルコースとグルタミンは二大栄養素である。細胞分裂して数を増やすために、たんぱく質、核酸、脂質などの生体内マクロ分子の合成とエネルギー(ATP)産生のために、グルコースとグルタミンの取込みと利用が亢進している。(右図)グルコースとグルタミンの両方の利用を阻止できれば、がん細胞の増殖を抑え、細胞死を誘導できる。グルコースとグルタミンの利用と阻害する方法として、メトホルミン . . . 本文を読む
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