What Me Worry? カーモデル製作記

気の向くままに、のんびりと

デビルマン(映画:2004)

2017年10月14日 19時20分05秒 | 映画
ちょっと前にツイッターでネタとして上がっていた映画です。思わず手を出してしまいました。

確かにレベルは低いですが、アニメ版しか知らなかった私は前半は「こんなもんか?」と肩すかしを食らった感じ。全く面白くはないけれど、腹立つほどではないかな?

登場人物は何故か有名どころがドンドン出てきます。メインキャストがしょぼいのにどこに金使ってる?しかもほとんどが使い捨て。

まあ主役の演技が棒なのはネタですか。
「はっぴーばーすでー、でびるまん」で最初からズッコケました。

で、後半に突入する頃はツイッターでmonさんとやりとりして遊びながらの鑑賞。
それが一番正しい楽しみ方でしょうね(笑)

後半はそこそこダークな部分が出てきます。デビルマンですからね。でもそれがしっくりこない。「何で?」って感じ。

あまりにも訳がわからないので、コミックス全5巻をあとから一気読みしてみました。

これが・・・・・・「すごく良い!」んですね。ビックリ。永井豪ってすごいんだな。とあらためて認識。
(子供の頃は単なるスケベだと思ってたからね・・・)

その原作の良いところを全部省略して、監督の勝手な解釈(間違えた格好良さ)を入れちゃって、昭和特有の悪ふざけの部分だけ残しちゃった。そんな感じです。

永井豪の作品の女の子はセリフがちょっと古臭いけど、可愛いんだよね。そこが全然出ていない。エロも無し。
デビルマンで重要な悪魔と人間との葛藤の描写もほとんど無し。だから残酷なシーンが単なる悪趣味な見せびらかしで終わってる。恐ろしさがお笑いになっちゃう。
登場人物に魅力がないから対比が全然出来てないんだよね。

いっそのことR15とかR18で思いっきりやれば良かったのに。どうせ子供達は見ないでしょ?

マンガ・アニメの実写化って、上から目線というか、馬鹿にしてる感じが多い。「子供(みたいな大人)向けに優しく(手を抜けばいい)」みたいな。
実際は全くの逆で、最初から映像化されていてディープなファンがいるものを現実側に持ってくるのだから、必ず劣化すると考えなくちゃ。ハードルはかなり高い。

バードマンでもやっていたけれど、映画監督ってその辺を勘違いしてる人が多いんだろうな。他のジャンルを馬鹿にすることで自分を保つみたいな。演劇関係も同じね。

デビルマンと同じ年に「CASSHERN」と「キューティーハニー」が公開されたってのも面白い。全部観てるけど、キューティーハニーはそれなりに面白かった。監督の差だよね。


こういうのをレビューすると「宇宙戦艦ヤマト」を思い出しちゃう(笑)
最近は最初から炎上狙いの実写化も多いしな。

マンガ版のファンが激怒したっていうのは納得です。

これから見る人は絶対にマンガ版を先に観てください。
中途半端にシーンが流用されてるから、ハラハラドキドキを奪われます。漫画を読むときにもお笑いになっちゃう。台無しです。

その上で、全くの別物として、思い切り笑い倒す覚悟を持って映画版を見ましょう。
そうでなければ、見る価値は全くありません。


監督 那須博之

(ジャンル:映画) 2017年:(53)