現在、太陽系の天体の中で表面に海を持っているのは2つです。
1つは水の海を持つ地球。
もう1つはメタンやエタンの海を持つ土星の衛星タイタンです。
かつては火星の表面にも海が存在したと考えられていますが、
現在は見当たりません。
そして、準惑星の1つであるケレスにも過去に海が存在した痕跡
が発見されました。
水を探査機「ドーン」の観測データからケレスのそれぞれの場所
での重力の強さを測定したところ、周りよりも重力の弱い部分が
いくつもありました。これは、その部分を構成している素材が
軽いことを示し、モデル化をするなどした結果、氷、塩、岩石
で出来ていることが分かりました。その中には水分子が気体分子
を閉じ込めた水和包接化合物が含まれていると考えられ、ケレス
には表面に海が存在した時代があったことが示唆されました。
しかも、地下にはまだ液体が残っている可能性もあります。
ケレスの画像(左)とケレスの重力場の画像(右)。予想よりも
重力の強い部分が赤、弱い部分が青。
(画像:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)
海と言うのは思ったよりも簡単に出来てしまうものなのかも
しれません。ただ、長い間、海を維持するのはとても難しい
のでしょう。