呉市かまがり天体観測館

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重力波がノーベル賞

2017-10-05 14:20:46 | 天文ニュース

先日、2017年のノーベル物理学賞が発表され、重力波の研究を推進してきた
3名の研究者に賞が与えられました。

重力波の直接検出に成功したのは2015年9月なので、研究成果が出てから
わずか2年後の受賞ということになります。これほど短期間でノーベル賞が
授与されるのは近年の物理学賞では珍しい気がします。

それほど、重力波の検出は凄かったということです。

重力波とは空間の波(歪み)が光速で周囲に伝播するものです。
重さのあるものは周りの空間を歪めており、それが動くと空間の歪みの
波紋が周囲へと伝播していきます。

約100年前に、一般相対性理論で存在が予測されていたのですが、長い間
検出することができませんでした。理由は、重力波が弱いからです。

より重たいものが、より速い速度で動けば、より大きな重力波が発生します。
なので、巨大なブラックホール同士の衝突が起きれば、人類が現在所有する
装置で観測できるほどの大きな重力波が発生する可能性がありました。。

そしてついに、2016年2月、世界で有数の検出感度を持つアメリカの2ヶ所の
レーザー干渉計型重力波観測所(LIGO)によって世界で初めて重力波が検出
されたと発表がありました(観測されたのは2015年9月14日)。

それから、2017年10月5日現在までに、4例の重力波検出が報告されています。
特に4例目はLIGOだけでなく、他の装置(VIRGO)でも同時に観測に成功した
ため、重力波源の位置をこれまでの約10倍も正確に特定することができました。

今後は日本のKAGRAなども参加し、さらに重力波を詳細に観測することができる
体制になっていくと思います。いよいよ、重力波天文学の分野が本格的に宇宙の
謎の解明に乗り出していける時代の幕開けです。



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