目が細かい800番の紙やすりを丁寧にかけ、
とろとろの蜜ロウをまんべんなく、すり込む。
わたしが老婆になった頃には、時を刻んだ
飴色のアンティーク家具になっていることだろう。
なのに、椅子はいまだに折りたたみ。
お金がないこともあるけれど、強がりをいえば、
気に入った椅子がなかなかみつからないのだ。
いや。正確にいうと、お気に入りはあるのだけれど、
夫婦で好みがことごとく合わなかった。
1年近くかかって、ようやく好みが一致する椅子に巡りあえた。
ジュルのベンチもガタがきて、キコキコ音がするようになってきた。
椅子が届くころまでに、ダンナに修理してもらおう。
どんなに黒ずんでも、ボロになっても、捨てないつもり。
ジュルの爪とぎ跡がついたこのベンチとも、
きっと一生のつきあいになることだろう。
ジュルのベンチ・・・priceless
お金じゃ買えない価値がある(笑)
思い出は買い替えできないからね。