それも、足元と決まっている。
わたしの脚枕をまくらにして、股のVゾーンにうまいことスッポリとおさまる。
脚にもたれかかって、そりゃラクだろうけど、こちらはろくに寝返りも打てない。
こちらが寝返りを打つたびに、面倒くさそうに姿勢をなおし、
わざわざ背中をむけて、最後に呆れ気味のため息をもらす。
「ここはわたしのベッドだ!」
といいたくなるのだが、ジュルにとってはジュルのベッドなんだろう。
夜、ベッドで先に寝ているのはジュルだから。
ネコの世界では、たとえボスネコでも、先にくつろいでいるネコがいたら
その場所を奪ったりしないのだそうだ。早い者勝ちなのだ。
だから、ジュルからしてみれば、ジュルのベッドということになる。
そういえば、わが家で一番はやく寝ているダンナのベッドには、
ジュルは遊びには上がっても、寝ることはしない。
寝るとしても、枕の横にちいさくまるまって、
ダンナの邪魔にならないように寝る。
けしてわたしのベッドの上のように、のべぇ~っとはしない。
あの ため息はやっぱり、
「ここはわたしのベッドなのに!」
といいたいんだ、きっと。