○フジテレビ ドラマ『鹿男あをによし』第2回
http://wwwz.fujitv.co.jp/awoniyoshi/index.html
原作本(万城目学著、幻冬舎)を書店で見たときは、奈良を舞台にするなんて、いまどき流行りそうもない小説だな、と思った。玉木宏主演でドラマ化されると聞いても、特に興味はなかった。だから第1回も見なかったのだが、エンディングが無駄にカッコいいとか、仏像好きには奈良の風景が嬉しいとか、しゃべる鹿がそれらしいとか、ネットでの評判を読んで、昨日は騙されたつもりでチャンネルを合わせた。
面白い…。玉木宏演じる女子高教師、小川先生が、勾玉のペンダントを上司に見せて「母が鹿島神宮で買ったものです」(だったかな?)と語るシーンでは、思わず声に出して(ドラマのせりふと一緒に)「鹿島神宮?」と問い返してしまった。実は、奈良・春日大社の鹿は、神護景雲元年(767)、常陸国(茨城県)の鹿島神宮から、はるばる連れてこられたものという伝承がある。現在、鹿島神宮の境内には、再び奈良から移された鹿たちが細々と飼育されている。私は、鹿舎の説明板で、この伝承を知った。鉄道もトラックもない時代に、遊牧民みたいに鹿の一群を追い立てながら平城京まで上ったのだろうか。そんなマニアックな伏線に、つい反応してしまったのである。
と同時に、オープニング(?)で、ゆらめく光明の中に、ぼんやり見え隠れしていたのが鯰絵だったことを思い出した。私は、仏画か仏像でも出るかと期待して、目を凝らしていたのだが、なんだよ~奈良の話なのに江戸物ばっかりじゃないか~とガッカリしていたのだ。鹿島神宮→要石→鯰絵とつながると合点がいき、ドラマの中で多発地震が描かれている理由も解けた。最後に大鯰らしきものがちらりと映ったときは苦笑した。あれは蛇足だよ。
今後の展開では、奈良の守護神である鹿に対して、京都のキツネ、大阪のネズミがキーワードになるらしい。京都は伏見稲荷があるからとして、大阪はなぜネズミ? ドラマを見ている間は分からなかったが、あとで、孝徳天皇紀に「鼠向フ難波ニ遷都ノ之兆也云々」という記事があったことを思い出した。典拠はこれかな?違うかな? ちなみに伏見稲荷のキツネは、東寺を拠点とした荼吉尼天(だきにてん)信仰とも係わりがあるはずで、このへんも触れてくれたら嬉しい、など勝手な妄想がふくらむ。
玉木宏は、今のところ、ひたすら困惑する姿がうまい。特殊効果を加味した鹿の演技が最高! 鹿の声の人(山寺宏一)もいい。公式サイトの第1回あらすじを見ると、夏目漱石「坊ちゃん」へのリスペクトを思わせるシーンもあった様子。こういうところも好きだ。大好きな奈良の風景とミステリアスな展開に釣られて、来週も見てしまいそうだ。
http://wwwz.fujitv.co.jp/awoniyoshi/index.html
原作本(万城目学著、幻冬舎)を書店で見たときは、奈良を舞台にするなんて、いまどき流行りそうもない小説だな、と思った。玉木宏主演でドラマ化されると聞いても、特に興味はなかった。だから第1回も見なかったのだが、エンディングが無駄にカッコいいとか、仏像好きには奈良の風景が嬉しいとか、しゃべる鹿がそれらしいとか、ネットでの評判を読んで、昨日は騙されたつもりでチャンネルを合わせた。
面白い…。玉木宏演じる女子高教師、小川先生が、勾玉のペンダントを上司に見せて「母が鹿島神宮で買ったものです」(だったかな?)と語るシーンでは、思わず声に出して(ドラマのせりふと一緒に)「鹿島神宮?」と問い返してしまった。実は、奈良・春日大社の鹿は、神護景雲元年(767)、常陸国(茨城県)の鹿島神宮から、はるばる連れてこられたものという伝承がある。現在、鹿島神宮の境内には、再び奈良から移された鹿たちが細々と飼育されている。私は、鹿舎の説明板で、この伝承を知った。鉄道もトラックもない時代に、遊牧民みたいに鹿の一群を追い立てながら平城京まで上ったのだろうか。そんなマニアックな伏線に、つい反応してしまったのである。
と同時に、オープニング(?)で、ゆらめく光明の中に、ぼんやり見え隠れしていたのが鯰絵だったことを思い出した。私は、仏画か仏像でも出るかと期待して、目を凝らしていたのだが、なんだよ~奈良の話なのに江戸物ばっかりじゃないか~とガッカリしていたのだ。鹿島神宮→要石→鯰絵とつながると合点がいき、ドラマの中で多発地震が描かれている理由も解けた。最後に大鯰らしきものがちらりと映ったときは苦笑した。あれは蛇足だよ。
今後の展開では、奈良の守護神である鹿に対して、京都のキツネ、大阪のネズミがキーワードになるらしい。京都は伏見稲荷があるからとして、大阪はなぜネズミ? ドラマを見ている間は分からなかったが、あとで、孝徳天皇紀に「鼠向フ難波ニ遷都ノ之兆也云々」という記事があったことを思い出した。典拠はこれかな?違うかな? ちなみに伏見稲荷のキツネは、東寺を拠点とした荼吉尼天(だきにてん)信仰とも係わりがあるはずで、このへんも触れてくれたら嬉しい、など勝手な妄想がふくらむ。
玉木宏は、今のところ、ひたすら困惑する姿がうまい。特殊効果を加味した鹿の演技が最高! 鹿の声の人(山寺宏一)もいい。公式サイトの第1回あらすじを見ると、夏目漱石「坊ちゃん」へのリスペクトを思わせるシーンもあった様子。こういうところも好きだ。大好きな奈良の風景とミステリアスな展開に釣られて、来週も見てしまいそうだ。