朝から天気がいいんだか悪いんだか良くわからない空模様。
ここ数日ずっとこんな調子だから、山々の緑がやたらときれいなのである。
となると当然モネの庭、それも水の庭へ行かねばならぬと、
ヒゲさんに確かめたいことがあったのをいいことに、山をあがる。
クロード・モネが描いたモネの庭は、年月が経つにつれ、
その対象が庭そのものから、池へ水面へと絞りこまれていっている。
池の水面を見つめていると、なんとはなしにモネの気持ちがわかるような気がしてくる、
と言ってしまえば不遜に過ぎるだろうか。
それにしても今日はカメラおやじが多い。
そしてそのオヤジたちには、概して自己中心的な人が多いような気がする。
ビューポイントの独り占め、というやつである。
しかし、こちらもオヤジだ。遠慮はしない。狭い空間に身体をすべりこませ、水面を撮る。
そんな攻防を何回か繰り返していると、一転にわかにかき曇り、雨が降ってきた。
ああ、なんという幸運。
水面に映える青空と、雨にけむる水の庭を同じ日に見れるとは。
ゲスな私にはこれをして、「もうけ、もうけ」という言葉しか浮かんでこなかったのだが、
青空と雨空と水の庭に、「ありがとうね」なのであるな。