MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

自宅でもノー!

2011-12-20 18:58:47 | 社会・経済

愛煙家の居場所は狭められるばかり…
いよいよアメリカでは、
(奥さんによる禁止令ではなく)
自分の家の中でも吸えなくなってしまうとは…
公営住宅における全面禁煙への動きが高まっているようだ。

12月17日付 New York Times 電子版

Increasingly, Smoking Indoors Is Forbidden at Public Housing 進められつつある公営住宅屋内での禁煙

Smokingindoorsforbidden
喫煙は屋外でするようにとの要請に従っているメイン州ポートランドの高層公共住宅 Franklin Towers の住民。1月1日には、メイン州は、すべての公共住宅機関が喫煙を禁ずる最初の州となる予定である。

By KATHARINE Q. SEELYE
メイン州 Auburn: 先日、Glenys Cushman さんは、政府から援助を受けているアパートの外のこの場所でせっかちにタバコを吸っていた。規則では、屋内、あるいは玄関から25フィート(7.6メートル)以内では禁煙となっており、彼女は外に出なければならないことは嫌だったが、それを受け入れるようになっていた。

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Nikki McLean さんがメイン州 Portland にある公共住宅内の自宅から出て、外にある喫煙エリアにたどり着くまで10分を要する。

 「隣の住人は酸素吸入をしています」と、53才になる Cushman さんは言う。彼女自身、身体に障害がある。「そして私はタバコを止めることができません。努力はしました。タバコを吸わなければひどく神経が高ぶってしまいます。それで私はここに出てくるのです」
 2004年、Aubum Housing Authority(公共住宅機関)は、公共住宅での喫煙を禁じるメイン州で初めての機関となり、国内でも最初の機関の一つとなった。来年1月1日には、メイン州は同州の公共住宅機関のすべてが禁煙となり、約12,000人の住人に適用されることになる。
 いくつかの都市が、バーやレストランから公園、ビーチ、あるいは乗り物に至るまで、より公共的な場所での喫煙を制限する方向へと積極的に動く時、同様の施策が国内全域で採用される頻度が増加している。9月になれば、ボストンは約25,000人の住人に住居を提供する市の公共住宅の中での喫煙を禁ずる最も大きな都市となる予定である。デトロイト、サン・アントニオ、およびオレゴン州のポートランドなどではすでに同様の規制が実施されている。
 この禁止令はその大部分が副流煙によって非喫煙者にもたらされる危険性に対する反応である。加えて、地所管理者は、禁煙アパートは、特にそこにカーペットが敷いてあるような場合、清掃に金がかからず、火事の危険も減るという。
 要求される人の立場によって、たとえば、多くの当局者や非喫煙者が主張するように、公共住宅内での喫煙を禁止することは、より健康な生活を推進する効率的な手段となり、一方では住民が論じるように、個人の自由の侵害ともなる。しかしそのような禁止令も数年を経過すると、後者のような反対意見はなんら法的な牽引力を得られなくなってきた。喫煙者が護られる集団と受け取られることはないし、また、人権集団や法的扶助協会もそのような議論をほとんど擁護するつもりはないと主張する。
 「個人レベルでは、自分の家の中でしたいことをやりたいと考える人々に共感を覚えるでしょう」貧困ライン以下の人たちに無料の法的扶助を行っている Pine Tree Legal Assistance のメイン州 Lewiston 事務所のスタッフ弁護士 Matt Dyer 氏は言う。「しかし、法的には禁止令はオッケーなのです。大家が提起することが可能な法的な論争点は多く存在するのです」
 住民に対してタバコをやめることではなく、戸外で吸うことを要求しているのだと住宅供給当局者は指摘する。そして彼らはしばしば喫煙者のためにシェルターを用意している。彼らはさらに禁煙プログラムを提案するが、それに参加する人はほとんどいないと言う。
 多くの喫煙者は禁止令に違反するが、捕まるのは避けたいと思っている。
 メイン州ポートランドの高層公共住宅 Franklin Towers に住む Kevin Croker 氏 55 才は、自分のアパート内で喫煙しているとして隣人に告発され憤慨した。「彼らは私に二度としないように言いました」と彼は言う。「しかし、監視カメラもなく襲われるのが怖かったので、私は、特に夜間には外に出たくなかったのです」
 当局は、特に多くの人たちが高齢であったり障害者であったりするので、禁止令が住民にとって負担となる可能性があることを認めている。エレベーターが16階までゆっくりと上がってゆく Franklin Towers で、Portland Housing Authority の事務局長 Mark Adelson 氏は、喫煙者が外に出て戻ってくるまでに、もう一本タバコを吸うために外に出て行く必要があるなどと冗談半分に言う。
 しかし、受動喫煙は、『避けることのできない公共的政策問題』である。連邦住宅・都市開発省(Department of Housing and Urban Development, HUD)をはじめとする様々な公共住宅機関当局は、タバコを吸う権利を主張する喫煙者からよりも、タバコを吸う隣人についての非喫煙者からの苦情を遥かに多く聞かされるのだと言う。
 かつてはタバコを吸っていた Franklin Towers に住む Susan Morin さん 59 才はこの禁止令を評価していると言う。「タバコであなたは死ぬ事になるでしょう」と彼女は言う。
 ミシガン州の Smoke-Free Environments Law Projects の責任者 Jim Bergman 氏によると、2005年には、わずかに32の公共住宅機関が喫煙禁止令を施行していただけだったという。今年の末までに全体の約9%にあたる285機関が禁止令を制定し、数十万人の住民に適用されることになると彼は言う。
 連邦の住宅担当局は、様々な都市がそれぞれの禁止令をどのように実施してきたかについて来年情報を収集する計画であり、より多くの公共住宅機関に自前の禁止令を制定することの働きかけとなることを期待して、成功事例のレポートを発表する予定になっているという。
 ロサンゼルスでは、同市の公共住宅機関が見直しを行っているところであり、禁止令を検討する可能性があることをスポークスマンが述べている。ニューヨーク市では、同市公共住宅機関のスポークスマンは禁止令に向けての “姿勢” は持ち合わせていないと言うが、Michael R. Bloomberg 市長は、これまで、公共の場での喫煙を禁止し、トランス脂肪などその他の健康に関連する有害物に対する規制などの最も積極的な主唱者の一人だった。同市の保健部門のスポークスマンは、当局は “他の市政機関の経験の見直しを行っているところである” と述べた。
 公共住宅機関における喫煙禁止令の急速な導入は連邦当局によって鼓舞されてきた。当局は2009年7月に通達を発表しているのだが、それには、公共住宅機関に対して喫煙禁止令の制定を “強く推奨するものである” と記載されていた。

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メイン州 Auburn の公共住宅の住民である Glenys Cushman さんは、吸うために外に出るのはいやだが、禁止令を受け入れるようになったと言う。

 連邦当局は毎年国内で受動喫煙が 50,000人の非喫煙者の死をもたらしているという報告を引用した。さらに2,006年には、喫煙は18,000件を上回るアパートの火事の原因となっており、それによって消防士を除く700人の死亡を招き、ほぼ500万ドルにおよぶ物的被害をもたらしているという。
 当局は2010年9月には二つめとなる通達を発表し、その推奨を他のタイプの住宅機関まで拡大した。それには低所得家族に住宅取得のための割引証書を提供する Section 8 などが含まれる。そして昨年、医学誌 New England Journal of Medicine は公的資金を受けているすべての集合住宅における全面的な喫煙禁止令を要求した。
 しかし、住宅・都市開発省が近い将来、全国にわたって禁止令を求めるとは思われない。同機関の公共住宅プログラム責任者 Shauna Sorrells 氏は、たとえタバコを吸ったのが家族の一人だけであっても、権限によって家族全員を立ち退かせることが可能であったと言う。彼女によれば、ほとんどの公共住宅機関は長期の待機リストを持っており、厳しい経済状況ではなおさら、立ち退きはホームレス状態を増加させることになるだろうと言う。メイン州の経験から、喫煙の違反という理由だけでの立ち退きはまれであることが示唆される。
 「住人が退去に応じたケースは一握りしかありません」と、Portland Housing Authority と他の大家の代理人を務める弁護士の David Chamberlain 氏は言う。「しかし、裁判にまで持ち込んだ例はありません。というのも、それらは何らかの形で解決しているからです」
 Auburn Housing authority の事務局長を長年務めている Rick Whiting 氏は、この禁止令が実施されるようになって7年の間にここには文化的な変化が見られるようになったと言う。
 Whiting 氏によると、当初は、既に公共集合住宅にいた喫煙者にとって公平性に対する懸念があり、彼らは新たな禁止令の適応を除外されていたという。しかしそのうち、懸念は非喫煙者にとっての公平性の方にシフトし、喫煙者に対する免除が取り消され、あるものにはその習慣をやめさせ、またあるものには立ち退かせようとさせるという風になっていったという。
 それでもまだ公平性についての問題は残されている。というのも、貧困ラインより下の人たちは、それより上の人たちより多く喫煙する傾向にあるからである。研究では、一般人口の20%が喫煙者であるのに対して、公共住宅の人たちでは平均的に30%が喫煙者であることが研究で示されている。
 「これは貧困者に対する差別です」メイン州 Portland の公共住宅に住む喫煙者 Nikki McLean さん、66 才は言う。McLean さんには糖尿病、関節炎、膝関節症、さらには他の慢性疾患があり、先日も狭い自宅内で車椅子に座っていた。彼女が外に出て、歩行器に移動し、傾斜路を降りて芝地を横切るのに10分かかる。そうやって彼女は出入り口から25フィートのところに立ちようやくタバコを吸えるのである。
 「彼らがこう言うのを聞きます、『喫煙者たち自身のためにそれを行っているのです』と。私たちがちょっとした大間抜けで、タバコを口にくわえるときにしていることを自分でわかってないかのように」そう McLean さんは言う。
 彼女はタバコを止める努力をしたが、止めることのできない常習になっていたと言う。そして、彼女の人生における他の挑戦を考えるとタバコを止めることは優先事項ではなかったのである。とはいえ、彼女はまもなく膝の手術を受けることになっており、病院に長くいることで禁断症状をくぐり抜け、これを機会に完全に止めることができることに期待していると彼女は言う。

いやはや、こと、喫煙のこととなるともう
個人の自由などという主張は
全く通用しなくなったようである。
こうなったら日本でも、
屋内では喫煙一切禁止、ということにしたら
どうだろう。

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