MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

しつこすぎる咳

2020-03-26 16:07:34 | 健康・病気

3月のメディカル・ミステリーです。

 

3月21日付 Washington Post 電子版

 

This woman’s wracking cough baffled a small army of specialists

女性のひどい咳にかなりの数の専門医が首をかしげた

By Sandra G. Boodman,

 2017年11月に Lisle Hannah(ライル・ハンナ)さんが呼吸器科医の Christopher Wyckoff(クリストファー・ワイコフ)氏を受診するまでに、彼女は Washington 地区のかなりの数の専門医を受診していた:2人のアレルギー専門医、胃腸科専門医、2人の内科医、そして3人の別の呼吸器科専門医である。

 医師らは、彼女の上部消化管を調べ、肺を精査し、喘息を調べるために気道を確認していた。Hannahさんは何回も血液検査を受け、多くの薬を内服し、肺や副鼻腔のCTやX線検査を受けていた。

 しかし詳細な精密検査にもかかわらず、彼女のひどい咳の原因は解明できていなかった。

 現在54歳になるこの連邦職員は、2年以上もの間、それを聞く人から不安そうな視線や同情の表情を集めるひどい咳と戦っていた。

 「『それは一体何?』私の友達は繰り返し尋ねていました。それは絶えず続いていたのです」そう彼女は思い起こす。

 

「『それは一体何?』私の友達は繰り返し尋ねていました。それは絶えず続いていたのです」Lisle Hannahさんは自身の不可解な咳についてそう話す。

 

 北バージニアに住むこの女性は、長い間、不安を抱くというよりも苛立っていた。「心配はしていませんでした」と Hannahさんは言う。彼女は最終的には診てもらっている医師の誰かが解明してくれるだろうと思い込んでいた。

 Wyckoff氏は明らかに違う反応だった。医学的に最もよく見られる症状である慢性咳嗽の患者を診ることには慣れていたが、Hannahさんのケースに当惑した専門医の数と多様さに彼は驚いたのである。

 「私が初めて彼女に会ったとき、彼女を見てこう思いました。『おやまあ、一体何が起こっているんだ?』と」

 Wyckoff氏がその疑問に答えるまで4ヶ月を要したのである。

 「それはまさに冒険でした」そう彼は思い起こす。

 

Might be reflux 逆流かもしれない

 

 Hannahさんの咳は2015年9月、出張旅行の直前に突然始まった。

 「恐ろしく感じました」と彼女は思い出す。彼女は4才のときから喘息の薬剤を投与されており、長年にわたって時折、何度か肺炎や気管支炎を起こしていた。

 「私には、今回も気管支の問題に思えました」と彼女は言う。緊急ケアセンターでの胸部X線検査では感染の所見は認められなかった。一ヶ月後、プライマリケア診療所の physician assistant(準医師資格者)は短期間ステロイドを処方した。しかし効果がなかったので彼は彼女をアレルギー専門医に紹介、そこで抗生物質が処方された。

 しかし Hannahさんの咳は続いた。2ヶ月後、そのアレルギー専門医は再度、ステロイドを一定期間処方し、喘息治療薬を変更した。

 彼は一連の血液検査もオーダーした。その中の一つには呼吸器感染症を起こすことのある真菌である aspergillus(アスペルギルス)についての検査も含まれていた。しかし、血液検査では何も発見されなかった。胸部の高解像度CTでも同じ結果だった。

 「私は人への感染性があるかどうかについて医師に尋ねてみました」Hannahさんはそう思い起こす。しかし人にうつす可能性がある結核などの感染症の徴候はないと彼らから伝えられ彼女は安心した。

 「ミーティングで私が座って話していると、このとてつもない咳が爆発的に起こっていました」と彼女は言う。時には、真夜中にそれで目が覚めることもあった。

 それからの10ヶ月間、2人で開業しているアレルギー専門医は喘息治療のためにいくつかの薬を組み合わせて処方した。そのうちの一人は、その咳が胃食道逆流の結果かもしれないという考えに基づいて制酸薬を追加した。

 新たな内科医は、Hannah さんが高血圧の治療のために内服している薬が咳を起こしている可能性があると言った。彼女は薬を変更したが影響はなかった。

 5月、Hannah さんの胃腸科専門医は上部消化管内視鏡検査を行った。消化管の異常を観察するために光ファイバーカメラを用いる検査である。検査では何も発見されず、彼女が逆流のために内服してきたプロトンポンプ阻害薬の量を2倍にすることを提案した。しかし数ヶ月後、Hannahさんは依然として咳は続いていた。

 あるアレルギー専門医は、彼女が新たなアレルギーを発症した可能性があると言ったが、検査では何もみつからなかった。Hannah さんには、子供のころに見つかっていたのと同じもの、すなわち、犬、猫、カビ、花粉に対して依然としてアレルギーがあった。

 2017年2月、彼女は最初の呼吸器科専門医を受診した。彼は喘息に対するゴールドスタンダードな検査を行った。肺機能と気道の収縮を検査する methacholine challenge(メサコリン誘発試験)である。この検査では喘息の証拠となる所見は認められなかった。

 

An 'existential crisis' 実存的危機

 

 Hannahさんは不審を感じ懐疑的になった。「49年間、私には喘息がありました」そう彼女は言い、今回の結果は『実存的危機』をもたらしたと冗談を飛ばす。

 もし仮に Hannahさんに喘息があったとすれば彼女がそれから脱却したという可能性がある。その呼吸器科専門医は彼女の咳は喘息に似た eosinophilic bronchitis(好酸球性気管支炎)によるものかもしれないと提言した。しかし彼が最も疑わしいと考えた他の可能性は喉頭の過敏性亢進だった。

 その呼吸器科専門医は gabapentin(ガバペンチン)を処方した。これは元々てんかんの治療薬として承認されたが、現在では慢性咳嗽など未承認の使用法で広く処方されている。Hannah さんはそれを2ヶ月内服した:しかし“ひどくボーッとした”感じになった以外効果はみられなかった。

 次の停車駅はENT(耳鼻咽喉科)だった。CTで鼻中隔弯曲がみつかった。これは再発性の副鼻腔感染症との関連があるとされているが、Hannah さんが経験しているような咳との関連はない。Hannahさんの喉頭を診察した準医師資格者は喘鳴を聴取したため気管支鏡目的で呼吸器科専門医を再度受診するよう勧めた。気管支鏡検査は医師が肺を観察し、組織や液体標本を採取するために光ファイバーカメラを用いる手技である。

 Hannah さんは別の診療所で2人目となる呼吸器科専門医を受診した:彼は気管支鏡をオーダーし、彼のパートナーの一人によって施行された。

 培養検査で、Hannah さんの肺は2種類のありふれた細菌の感染があることがわかった:Haemophilus influenzae(ヘモフィルス・インフルエンザ菌)と Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)である。引退を間近に控えたこの2人目の呼吸器科専門医は3週間分の抗生物質を処方したが、効果がなかったため2剤目の薬を7週間分処方した。

 そしていよいよこの一年間で4人目の呼吸器科専門医となる Wyckoff 氏を受診するまでに、Hannah さんの咳はかなり重症となり吐き気を催すようになっていた。

 

Which bacteria? どの細菌?

 

 Wyckoff 氏は、Hannah さんに、2度目となる肺のCT検査と、可能性が考えられたリウマチ疾患や免疫疾患を除外するための血液検査を行った。いずれの徴候も陰性だったが、CT検査では軽度の気管支拡張が認められた。これは、粘液を排出できないために肺の瘢痕化と繰り返す感染をもたらす慢性疾患である。

 Wyckoff 氏は気管支鏡の再検を勧め、11月下旬に検査を行った。今回の培養では黄色ブドウ球菌と、一般に免疫不全の患者にみられる Stenotrophomonas maltophilia(ステノトロフォモナス・マルトフィリア菌)と呼ばれる稀な細菌が検出された。

 2018年1月までに Hannah さんの具合はさらに悪化した。「私の毎日は本当に変わっていました。惨めな気持ちになっていました。これが生活のパターンになっていたのです」と彼女は思い起こす。

 Wyckoff 氏は、6ヶ月で3度目となる気管支鏡をもう一度受けるよう勧める一方、感染症の専門医に Hannah さんを紹介した。彼女は Wyckoff 氏と並行してその医師の診察も受けることになった。

 「繰り返し(複数回の)気管支鏡検査をすることはきわめて稀ですが、異なる細菌の検出が続いていたのです」と Wyckoff 氏は思い起こして言う。

 彼は困惑した:Hannah さんは喘息ではなかったし、リウマチ疾患や免疫不全も示唆されなかったが、彼女は未だに咳が続いており、多数の抗生物質に抵抗性の肺炎を起こしていたからである。

 「あの時点では何と向き合っているのかわかりませんでした」と彼は思い出す。しかし「彼女に見切りをつけるつもりはないし、これを解決するつもりだと彼女に告げました」そして「Hannah さんは私の患者です。彼女にはユーモアのセンスがあり、常に状況を深刻に考えないよう努めていました」と付け加える。

 3度目の気管支鏡検査の結果で、彼女の咳嗽の持続と、過去の治療が失敗した理由を説明できる新たな可能性が示唆された。培養で mycobacterial infection(マイコバクテリウム感染)の存在が明らかになったのである。

 しかしどの菌なのか?薬物治療を導くのに求められる感染の種類の特定に必要な培養を進めるのにそれから数週間を要した。

 肺疾患の原因となるマイコバクテリウムは土、水域、埃などに常在するが一般に疾患を引き起こすことはない。しかし、気管支拡張症、嚢胞性線維症、あるいは慢性閉塞性肺疾患など既存の肺疾患があるために感染を起こしやすい患者がいる。また、ステロイドなど免疫抑制薬の使用もマイコバクテリウム感染と関連があるとされている。

 

A new possibility 新たな可能性

 

 Hannah さんのケースでは、結局、培養で Mycobacterium abcessus(マイコバクテリウム・アブセサス)が検出されたが、保健の専門家らはこれを新興疾患として分類している。1992年に初めて確認されたこの細菌は肺あるいは皮膚に感染する。治療が困難となることがあるが、それはこの菌がほとんどの抗生物質に抵抗性で、多くの患者が耐容できない数ヶ月間にわたる厳しい薬物治療を必要とするためである。

 Hannah さんのケースでみられたように、感染源はしばしば不明である。

 Hannah さんは一年間の抗生物質の投与が必要になると告げられた。一つの薬は経口で内服する一方、2つめの薬 Amikacin(アミカシン)は、彼女の上肢に外科的に埋め込まれた PICC line (peripherally inserted central catheter line、末梢挿入中心カテーテル)と呼ばれるカテーテルから投与されることになった。Hannah さんは毎日1時間の点滴を自分で行うよう訓練された。アミカシンは永続的な難聴を起こしうるため、2週間ごとに聴力検査を受ける必要がある。

 3月中旬までに彼女の体調は改善した。一ヶ月後の検査では軽度の聴力低下が認められる程度だった。しかし5月までに彼女の難聴は顕著に増悪した。医師らはアミカシンを中止し、薬剤を変更した。一週間後、新たな深刻な問題が Hannah さんにみられた:皮膚から浸出液がみられたのである。これは PICC line の部位周囲の自壊を示唆していた。このためカテーテルは抜去され、Hannah さんには経口での抗生物質の内服が開始となった。

 しかし内服から一週間以内に、彼女は重篤な皮疹がみられるようになり医師らは薬剤アレルギーを疑った。この時点で抗生物質を3ヶ月間投与されていたが、彼女の症状はきわめて改善しており、検査でも感染の徴候がみられなかったため、医師らは薬剤の内服を中止するよう彼女に言った。継続することは危険性が高すぎるとみられたからである。

 Hannah さんによると、ほぼ3年間彼女を悩ませてきた咳は6月にはついにすっかり止まっていたという。ただ今のところ再び出現はしていないとはいえ再発の可能性はあると Wyckoff 氏は言う。

 「彼女が症状なく過ごす期間が長ければ長いほど良いのです」と彼は付け加える。「そんなわけで我々は患者さんには治療を完遂してほしいのです。しかし多くの人は副作用に耐えることができません」

 Hannah さんによると現在体調は良く、自身の感染症は再発しないだろうと楽観的だ。

 もし再発すれば、彼女の感染症の医師の助言を受け入れてデンバーにある National Jewish Health(国立ユダヤ医療研究センター)に行くかもしれないと彼女は言う。この国際的に著名な研究病院は呼吸器疾患の治療を専門に扱っている。

 Hannah さんは、強い信念で自分を心強く感じさせてくれる Wyckoff 氏に感謝の気持ちを忘れないという。

 今回の経験は彼女に別のことも教えてくれたと冗談を言う。:「自分の症状を理解してくれるラストネームを持つ医師を探すべきです」(MrK註:意味不明だが株式相場における Wyckoff 理論のことを言っている?)

 

 

近年、結核の症状に似た病気で肺に感染して慢性呼吸器感染症を

もたらす肺非結核性抗酸菌症(非定型抗酸菌症)が増加してきている。

学術的には非結核性抗酸菌症の名前で呼ばれることが多い。

非結核性抗酸菌とは、抗酸菌のうち癩菌と結核菌群を除く

抗酸菌群を総称する。

これらは水や土壌などの環境中に広く存在し、

150種類以上発見されているが、そのうち数十種類が

人に症状を引き起こすといわれている。

結核菌に比べると感染力は弱く、人から人への感染はないが、

有効な治療法がなく治療に難渋するケースがある。

菌を含んだ埃や水滴を吸入することにより感染すると

推定されているが、菌を吸い込んでも発症しなかったり、

既存の肺疾患を持たないケースでも罹患することがあるなど、

その発症メカニズムはいまだ十分に解明されていない。

一般に肺非結核性抗酸菌症では、

感染してもほとんど自覚症状のないケースから、

咳、痰、微熱、倦怠感、食欲不振、体重減少、息切れなど

結核(新型コロナ?)に似た症状がみられる場合がある。

症状は数年から10年以上かけてゆっくりと進行する。

難治性感染症(緑膿菌性肺炎や肺アスペルギルス症など)を

併発し重症化するケースもみられる。

本邦における肺非結核性抗酸菌症では

Mycobacterium avium complex(MAC)による感染が 7~8 割を占め、

次いでMycobacterium kansasii 症が多い(約1割)。

肺非結核性抗酸菌症のうち、

Mycobacterium abscessus (M. abscessus) 症は

薬剤が効きにくく最も難治性である。

起炎菌の M. abscessus は迅速発育型の非結核性抗酸菌である。

土壌や水道水などに常在し、皮膚軟部組織や骨感染の

起炎菌としては知られているが肺に感染することは稀である。

本邦における M. abscessus による呼吸器感染症の

推定罹患率は 10万人あたり 14.7 人だが近年増加傾向にある。

M.abscessus 症は 50歳以上の中高年女性に多い。

肺に基礎疾患を有しない一次感染型が多く、

肺上葉に空洞性病変を有する症例や

肺中葉・舌区に小結節や気管支拡張性変化を有する症例が

みられる。

診断には気管支鏡検査を含めた積極的な細菌学的検査を

行うことが重要である。

M.abscessus は抗結核薬に対して耐性であるが、

クラリスロマイシン(CAM)、アミカシン(AMK)、

イミペナム/シラスタチン(IPM/CS)に対しては

感受性を示すとされている。

これらを組み合わせて一年以上投与を続けることが

推奨されている。

しかしこれらの薬剤で効果がない場合には

病巣部の外科的切除が必要となることもある。

抗菌治療の発達した現代においても、じわじわと感染者数や

死亡者数が増加している疾患ということで

新型コロナ同様、不気味な病気であるといえる。

参考:

非結核性抗酸菌症についてはこの論文を参照されたい。

また肺 Mycobacterium abscessus 症についてはこの論文参照されたい。

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2020年4月新ドラマ

2020-03-16 15:11:42 | テレビ番組

新型コロナウイルス感染症の流行で

世の中テレビどころではない雰囲気だが

集会やライブへの参加だけではなく外出も控えるとなると、

家でネットやテレビを視るほかない?

しかしネットやテレビの情報もどこまで正確かは定かでない。

そういう状況下となれば、こういうときこそドラマ、

ではないだろうか。

低調だったドラマ全体の視聴率も心なしか2月頃から

徐々に上がってきているようだ。

 

そんな 1月クールドラマもそろそろ終了。

各1月ドラマについて3月15日放送分までの

平均視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]上位から

コメントする【( )内数字は平均視聴率】。

 

 

尾高「おまえ、最低だな…」……『クソ野郎はどっちだよ』(野中クンの心の声)

(日テレ『知らなくていいコト』より)

 

 

①テレ朝水9 『相棒(18)』(14.83%, 2020年1月以降)

18シーズンも安定した高視聴率をゲットして終了。特命係の二人が難事件を次々に解決してきているにもかかわらず、相変わらず捜査一課の面々や上層部から煙たがられる理由が不明。そういう設定にしないと『面白くないんですかね~(杉下右京風に)』、水谷と反町のコンビも安定しており、この先もまだまだ続きそうである。

 

 

②TBS 日9 『テセウスの船』(12.61%)

死刑囚の父を持つ息子が、30年前にタイムスリップして事件の真相を辿っていくSFミステリー。タイムスリップが一度だけではなく、その都度過去と未来が変わってしまうため、視聴する方も頭が混乱してしまい展開についていけなくなる。主役の竹内涼真は健闘していると感じたが、何度も出てくる主人公の心の声が早口でワンパターンのため、ややうんざり…。竹内の演技力がもう少しあればもっと良いドラマになったのかもしれない。

 

 

③日テレ土10 『トップナイフ~天才脳外科医の条件~』(11.27%)

天才中の天才が集まる『脳外科医』(トップナイフ)たちがそれぞれに抱える秘密と苦悩を描いた群像劇。毎回、脳に損傷を持ち特異な症状を示す患者が登場する。『脳はこの世に残された唯一の未開の地である』とのことだが、未開な臓器は脳だけではないのでは?恋ボケで迷走する広瀬アリス演じる研修医・小机幸子以外はまともな登場人物でシリアスな展開なのだが、エンディングで突如現れる『逃げ恥』をもろパクったような出演者によるダンスはいただけない。制作者のセンスが疑われる。

 

 

④TBS 火10 『恋はつづくよどこまでも』(11.16%)

新米看護師とドSドクターによるラブコメディ。上白石萌音演じる主人公の新米ナース・佐倉七瀬は美人でもなく色気もない。ラブストーリーも全くくだらない展開なのだが、視聴率は大健闘。これもひとえに医師・天堂浬(かいり)を演じた佐藤健のおかげだろう。崩壊しかけていた朝ドラ『半分青い』を救ったのも、『義母と娘のブルース』を下支えしたのも彼だった。今やドラマには貴重な救世主かもしれない。

 

 

⑤フジ月9 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~ (4) 』(9.93%)

過去の犯罪、防犯カメラ映像、メール・電話・SNS の通信履歴など、あらゆるビッグデータからAIが統計学的にこれから起こる重大犯罪を割り出し、それらの未然に阻止する『未然犯罪捜査班』(通称・ミハン)の活躍が描かれた。初回冒頭で水野美紀演じるミハンの統括責任者・香坂朱里が殺害されるシーンが流れ、ドラマ本編はその数ヶ月前からが描かれるのだが、毎話冒頭で、先のシーンが短時間流される。視聴者はたぶんいちいち覚えていない(にちがいない)し、こういうドラマの構成に果たして意味があるのだろうか?もう少しわかりやすく展開していただければ視聴率が2桁に乗っていたのでは?

 

 

⑥テレ朝木9 『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』(9.83%)

横浜を舞台に、元体育教師の情熱刑事と東大卒の頭でっかちな超エリート検事がぶつかり合いながら様々な事件の立件に挑む。とにかくタイミングが悪かった。ドラマの開始が 2020/1/16、週刊文春が東出昌大の不倫問題を報じたのがその翌週。ドラマの内容はそれほど悪くはなく、東出も、彼にしては演技を頑張っているようにみえたのだが…。むしろ、ただうるさいだけの桐谷健太や、(自分自身の)ものまねにしか見えない柳葉敏郎の演技に物申したいドラマだった。しかし東出の不倫問題がなければ2桁だったに違いない。

 

 

⑦日テレ水10 『知らなくていいコト』(9.48%)

様々なスクープを挙げてきた週刊誌記者の女性が自身のスキャンダラスな秘密で人生が狂わされていく。著名人の不倫を徹底的に暴き糾弾する一方で、自身の不倫には、自分自身も、また編集部も異様に寛大であるという不調和。そんな吉高由里子演じる真壁ケイトに対し嫉妬に狂う主人公の今カレだった野中春樹(重岡大毅)が『最低な男』にされてしまう(最後のオチには笑ったが…)。しかし本当にワルいのは誰だったのか?主人公に心から賛同できない気持ちはあるのだが、相手の男役を憎めない柄本佑が演じているためつい許してしまったりする(これが例えば松田龍平だったりすると断じて許していなかった?)。

 

 

⑧TBS金10 『病室で念仏を唱えないでください』(8.74%)

僧侶にして救命救急医の主人公が救急の現場で奮闘する医療ヒューマンドラマ。不倫のかたわれ・唐田えりかの降板問題はあったが、幸い大きな影響はなかった。一方、薬物疑惑が依然として囁かれている伊藤英明が主役ということで心配していたが、意外と抑えた演技で、そのマッチョぶりをひけらかすこともなく淡々と進行。救急医が開頭手術も開心手術もしてしまうのはやり過ぎと思うのだが、今回の医療ドラマの中では一番リアリティがあったように思う。ムロツヨシの心臓外科医は奇天烈感満載。一方、若手医師でマスク美人?の松本穂香は良かった。

 

 

⑨日テレ(読売テレビ) 日10:30 『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(8.09%)

驚異的な身体能力を持つ謎の女・ミスパンダと彼女を操る男・飼育員がバディを組み、“Mr. ノーコンプライアンス”からの指令を受け、警察やマスコミが触れない世の中のグレーな事件にシロクロつける。ミスパンダを演じる清野菜名の身体能力には驚いたが、その存在感やルックスを見るに主役の荷は重すぎるように思われた。W主演のかたわれの横浜流星も、確かにイケメンではあるが、もう少し演技力を磨いた方がいいかも。一方、佐藤二朗の大げさな演技は、あれはあれでいいのだろうか?よくわからない。

 

 

⑩フジ木10 『アライブ がん専門医のカルテ』(7.02%)

がん治療に特化した腫瘍内科を舞台に繰り広げられたメディカル・ヒューマン・ストーリー。まず感じたのは主人公の腫瘍内科医師・恩田心を演じた松下奈緒の顔の怖さ。癌と闘う患者たちに優しく寄り添う立場にありながら、あの顔で宣告されたら心が折れそう。あげく夫の手術でミスを犯したと思い込み執刀した消化器外科医の薫(木村佳乃)に対して『消えて!』と罵倒しておきながら、その後、彼女が潔白だったとわかっても一言も謝ることもなく平然としている態度にはあきれた。背が高くただでさえ上から目線なのにあの言動はない。ミスキャストではないだろうか。

 

 

⑪フジ(関西テレビ)火9 『10の秘密』(6.76%)

平穏な生活を送っていた主人公が娘の誘拐をきっかけに明らかになる様々な『秘密』や人間の欲望に翻弄されていくサスペンスドラマ。ドラマの展開からは相当の緊張感に包まれてしかるべきなのだろうが、視聴者がのんびり視られるのは、出演者それぞれに緊迫感がないことや、設定がチャチなためだろうか?これまでの関テレ制作のサスペンスドラマ(『○○の戦争』シリーズや『FINAL CUT』『後妻業』『TWO WEEKS』など)に共通する。このドラマの不出来は主役の向井理の演技力の問題ではなく演出の問題なのだろう。視聴率改善のためには抜本的改革が必要と思われる。

 

 

⑫テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 『女子高生の無駄づかい』(3.74%)

女子校ならではのグダグダな日常を描いたJKコメディ。予想通りとはいえ、あまりにバカバカしい内容に一話を視ることさえ辛かった…。岡田結美演じる主人公が勝手に妄想した意味不明の劇中ドラマ(しかも長い)。さらに変顔を連発するなど、正統派女優としてではなく親父と同じコメディ路線に突っ走った点については評価したい。このくだらないドラマにお付き合いした、町田啓太、大倉孝二ら男優陣には同情する。まさしく俳優の無駄づかい?

 

 

それでは、ここからは次クール4月ドラマに話を移す。

(どうなるかわからないが)7月にはオリンピックも控えており、

早めに終了してしまうドラマも多いかも。

例によって新ドラマをチェックしてみる。

 

 

 

フジ月9 4/13 ~ 『SUITS season2』 織田裕二(主演)、中島裕翔(Hey!Say!JUMP)、鈴木保奈美、新木優子、小手伸也、中村アン、他

2018年10月クールの1st シーズンから1年半ぶりとなる2ndシーズン。米国NBCユニバーサル・ケーブル・プロダクションズ制作のドラマ『SUITS』の日本版リメイクドラマ。1st シーズンは本家ドラマと比較され何かと叩かれたものの最高視聴率14.2%を記録した。今回は1クールの話数を拡大し7月まで放映予定とかで気合いがさらに入っている(オリンピックとの兼ね合い?)。前作に引き続き、主人公・甲斐正午を織田裕二が演じる。甲斐は、日本の四大法律事務所の一つ『幸村・上杉法律事務所』のシニアパートナーの敏腕弁護士。東大入学後に、ハーバード大学に留学した経歴を持つエリート中のエリートで、企業の買収や合併、企業間の戦略的提携など、主に“金になる”仕事を担当する事務所の稼ぎ頭。自他共に認める優秀な男で頭も切れる反面、非常に傲慢な性格で、勝つためなら違法行為ギリギリの際どい手段を用いることもある。甲斐と共に働くのが中島裕翔演じる鈴木大輔。経歴を詐称してアソシエイト弁護士として事務所に採用されるが明晰な頭脳と驚異的な完全記憶能力を持つ。今回、甲斐は誰にも相談せず、ボストンにいた鈴木を突然呼び戻し、タッグを組んで様々な難しい案件に立ち向かっていく。一方、幸村・上杉法律事務所を揺るがす問題も起こる。かつて所長兼代表弁護士の幸村チカ(鈴木保奈美)と甲斐がその弱みを握り、事務所から追い出し休職処分としていた共同代表の上杉一志が、復帰を画策してきたのである。その他の共演者としては、同事務所に勤務するパラリーガル・聖澤真琴に新木優子、十年来甲斐の秘書を務める玉井伽耶子に中村アンが前シーズンに引き続いてキャスティングされている。なお、前作でいい味を出していた甲斐のライバル・蟹江貢の小手伸也も首はつながったようだが、不倫問題で大幅にイメージを落としてしまったのが残念。

 

 

フジ(関西テレビ)火9 未定 『竜の道~二つの顔の復讐者~』 玉木宏(主演)、高橋一生、松本穂香、細田善彦、西郷輝彦(特別出演)、斉藤由貴、遠藤憲一、他

原作は2015年に急逝した白川道の未完の小説『竜の道』。双子の兄弟が養父母の敵討ちのため、兄は裏社会の人間に、弟はエリート官僚となり、犯人を追い詰めていく復讐サスペンスドラマ。復讐のために心を捨て、顔も名前も変え、裏社会に身を投じた主人公・竜一を玉木宏が演じる。竜一の双子の弟で、運送会社を監督する国土交通省のエリート官僚として権力を掌握していく竜二を高橋一生が演じる。竜一・竜二の双子兄弟は生まれてまもなく実の親に捨てられたところを小さな運送会社を営む吉江夫妻に養子として引き取られる。その後夫妻の間に生まれた妹の美佐を加え5人家族として仲良く暮らしていた。しかし、二人が15歳のとき、全国への事業拡大を進める霧島源平(遠藤憲一)率いる運送会社の悪質な乗っ取りに遭い、多額の借金を抱えた両親は自殺してしまう。卑劣で冷酷な手法で両親を追い詰めた霧島に対し、二人は復讐を誓い合った。7年後、竜一は焼死に見せかけて他人の戸籍を奪い、顔を整形し別人に成り代わり裏社会に関わり、のし上がっていく。一方、竜二は名字を出生時の『矢端』に戻し、運送会社を監督する国土交通省に入省する。裏社会の竜一と行政側の竜二による復讐は、それぞれの関係者や宿敵・霧島の華族や会社側の人間、さらには二人の関係を暴こうとする人間を巻き込みながら進んでいく。竜一が生きていることを知らない妹の美佐(松本穂香)が復讐計画にとって重要なキーパーソンとなっていく。血のつながりのない美佐へのそれぞれの思いが交錯し、次第に二人の足並みに乱れが生じてくる。そのほか、裏社会で圧倒的な力を持つヤクザ組織の会長・曽根村始に西郷輝彦、霧島源平の妻・霧島芙有子に斉藤由貴、霧島源平の長男・霧島晃に細田善彦らがキャスティングされている。関テレ得意の“復讐サスペンス”だが、前述したようなしょぼいドラマに終わってしまわないことを祈る。

 

 

TBS 火10 未定 『私の家政夫ナギサさん』 多部未華子(主演)、大森南朋、瀬戸康史、眞栄田郷敦、富田靖子、高橋メアリージュン、若月佑美、水澤紳吾、岡部大(ハナコ)、平山祐介、他

おじさん家政夫とアラサーOLが織りなすハートフルコメディ。圧倒的“お母さん”家政夫ことナギサさんが、仕事一筋のバリキャリOLの人生観に影響を与えていくというドラマ。原作は四ツ原フリコの漫画『家政婦のナギサさん』。多部未華子演じる主人公・相原メイはアラサーの独身女性。製薬会社『天保山製薬』のMR として仕事に一直線のキャリアウーマンだが、家事と恋には不器用。そんなメイの28歳の誕生日の夜、家に帰ると見たことのないエプロン姿のおじさん・鴨野ナギサ(しぎのなぎさ)(大森南朋)が突然現れる。このおじさんの正体は、料理・洗濯・掃除など家事全般をパーフェクトにこなすスーパー家政夫だった。最初は拒絶するメイだったが、ともに時間を過ごすうちに、徐々にナギサさんの存在に安らぎや温かみを感じていく。そんな中、職場のメイの前に強力なライバル・田所優太(たどころゆうた)(瀬戸康史)が現れる。それまで成績優秀で負け知らずだったメイはピンチに陥る。しかし田所は、メイの警戒心をよそにさわやかにメイに急接近、メイは仕事でも恋でも振り回されていくことに。仕事に恋に婚活にいっぱいいっぱいになるメイだったが、ナギサさんの存在が彼女の心の中の潤いとなっていく。その他の登場人物として、メイの上司で『天保山製薬』横浜支店の支店長・古藤深雪に富田靖子、メイの学生時代からの友人で職場の同僚・陶山薫に高橋メアリージュン、同じ営業チームの上司・松平慎也に平山祐介、新入社員の瀬川遙人に眞栄田郷敦らが出演する。2019年10月に結婚を発表した多部未華子が新境地を切り開くことができるか?

 

 

テレ朝水9 4/8 ~ 『特捜9 season3』 井ノ原快彦(主演)、羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正、山田裕貴、中村梅雀、他

2017年3月に渡瀬恒彦が死去したあと、『警視庁捜査一課9係』からバトンタッチした『特捜9』も早3シーズン目となる。シーズン1、シーズン2の平均視聴率はそれぞれ 14.0%、13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調だった。イノッチも本作の顔として定着したようである。前作で寺尾聰が特捜部を去り、さらに制作スタッフ内の確執の存在も噂されたが、無事シーズン3を迎えられそうだ。なお、本シーズンから新たに中村梅雀が加わる。中村が演じるのは、警視庁総務部広報課に所属する秘密を抱えた男・国木田誠二。彼はかつて警視庁捜査一課の係長として数々の難事件を解決に導いていたという。今回、彼が9係の捜査に何らかの形で関わってくるらしい。9係のメンバーは、リーダーの浅輪直樹(井ノ原快彦)、を中心に、新藤亮(山田裕貴)、小宮山志保(羽田美智子)、村瀬健吾(津田寛治)、青柳靖(吹越満)、矢沢英明(田口浩正)らおなじみの面々。今シーズンも二桁の視聴率は堅いとみられる。

 

 

日テレ水10 未定 『ハケンの品格2』 篠原涼子(主演)、小泉孝太郎、杉野遥亮、吉谷彩子、山本舞香、中村海人(Travis Japan)、塚地武雄、伊藤四朗、他

2007年1月クールで放映され最高視聴率26%を記録した人気ドラマの13年ぶりとなる続編。脚本・中園ミホ、主演・篠原涼子の同じコンビで制作される。令和時代ならではの働き方がテーマとなる。篠原演じる主人公は様々な資格・キャリアを持つ一匹狼の最強ハケン社員・大前春子。令和となり、会社に就職し正社員になれば一生安泰という日本の雇用システムは幻想となった。『働き方改革』『高齢化』『副業』『アウトソーシング』『AI導入』『過労死』…などなど日本人の仕事に対する考え方も大きく変化、ハケン社員を取り巻く環境は益々厳しさを増している。そんなカオスと化した令和の職場に呼び戻されたスーパーハケン・大前春子の活躍が描かれる。春子がハケンされる大手食品会社S&F営業事業部営業企画課課長・里中賢介に小泉孝太郎(前作では直属の上司マーケティング課主任だった)、コネ入社した営業事業部の若手社員・井手裕太郎に杉野遥亮、同じく営業事業部の若手社員で、起業家セミナーに通う『意識高い』三田貴士に中村海人、派遣会社ハケンライフの社員の福岡亜紀に吉谷彩子、千葉小夏に山本舞香、営業事業部部長の宇野一平に塚地武雄(春子がスーパーハケンであることを知らない)、『社員ファースト』でハケン嫌いのS&F社長の宮部蓮三に伊東四朗らがキャスティングされている。13年ぶりというのが驚きだが、最近の篠原涼子がパッとしてないだけに、かつての神通力が発揮されるかがみどころ。

 

 

テレ朝木9 未定 『BG~身辺警護人~ (2) 』 木村拓哉(主演)、仲村トオル、勝村政信、菜々緒、斎藤工、間宮祥太朗、市川実日子、他

2018年1月クールに放映されたオリジナルドラマの第2弾。前作では、かつての敏腕ボディーガードが現場に復帰し奮闘する姿が描かれた。平均視聴率15.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録、『テレ朝でもキムタク』を印象づけた。今作ではいきなり、木村拓哉演じる主人公・島崎章が所属する民間警備会社『日ノ出警備保障』がIT企業『KICKS CORP.(キックスコーポレーション)』に買収されて『KICKSガード』となり、会社は利益を優先するようになる。島崎はそんな社の方針に疑問を抱き、「弱き者の盾になる」と独立を決意、フリーのボディーガードとなる。斎藤工演じる『日ノ出警備保障』時代の仲間・高梨雅也は、島崎が組織を抜けた本当の理由を聞き出そうと島崎の元へやってくるが、共に警護をするうちに高梨の心に変化が生まれる。一方、組織に残ることを選んだかつての仲間・菅沼まゆを菜々緒、沢口正太郎を間宮翔太が演じる。新キャストとして、整形外科医で『KICKSガード』の契約担当医・笠松多佳子として市川実日子、『KICKSガード』の身辺警護課長・小俣健三として勝村政信、『KICKSガード』社長の劉光明として仲村トオルらが出演する。前作で身辺警備課長として殉職した上川隆也は当然のごとく出演しない(いい味を出していたのだが…)。SMAP のこともあり、キムタクのイメージから、『仲間で協力して仕事を成し遂げる』というパターンがどうしてもなじめないのはワタクシだけだろうか?

 

 

フジ木10 未定 『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』 石原さとみ(主演)、西野七瀬、清原翔、桜井ユキ、井之脇海、金澤美穂、迫田孝也、池田鉄洋、でんでん、真矢ミキ、他

原作は『月刊コミックゼノン』で連載中の荒井ママレの漫画『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』(医療原案・富野浩充)。病院薬剤師を主人公に、あまり知られていない薬剤師の仕事を通じて描かれる医療ドラマ。病院薬剤師を主人公として描く日本の連続ドラマは初とか。アンサングとは“称賛されていない”という意味で、アンサング・ヒーローは“縁の下の力持ち”。石原さとみ演じる主人公・葵みどりは萬津総合病院に勤務するキャリア8年目の病院薬剤師。お団子ヘアがチャームポイントだ。『薬は患者の今後の生活につながるからこそ、その人自身を知る必要がある。それが薬剤師にとって何より大切だ』という信念を持っている。その思いが強いため、ついつい患者に深入りして時間がかかってしまうため他の薬剤師からはもっと効率的に仕事をすべきだと叱られることも。だが、すべては患者の“当たり前の毎日”を取り戻すため、患者一人一人と真摯に向き合っていく。同僚の薬剤師らを、金澤美穂、桜井ユキ、西野七瀬、井之脇海らが演じる。また夜間営業のある薬局に勤務、疲れから昔の情熱を失っている小野塚に清原翔、萬津総合病院薬剤部部長・販田聡子に真矢ミキがキャスティングされている。医薬品全般における豊富な知識を活かし、医師の処方箋に基づく調剤や、患者への服薬指導、医薬品の管理などを地味ながら重要な仕事をする病院薬剤師を、石原さとみがおちゃらけでなくシリアスに演じることができるのか?これまでの石原さとみの殻を破るような演技を期待する。

 

 

 

TBS金10 未定 『MIU404(ミュウ ヨンマルヨン)』 綾野剛、星野源(W主演)、岡田健史、橋本じゅん、麻生久美子、他

『逃げ恥』『アンナチュラル』の野木亜紀子・脚本のオリジナルドラマ。警察内部で『何でも屋』と言われる初動捜査のプロ『機動捜査隊(機捜)』が24時間というタイムリミットの中で事件解決を目指す。“MIU”とは“Mobile Investigative Unit”の略で機動捜査隊の意味。“404”は主人公の機動捜査隊員の二人を指すコールサイン。警視庁には現在3つの機動捜査隊が存在するが、本作では警視庁の働き方改革の一環で作られたという架空の設定の臨時舞台『警視庁刑事部・第4機動捜査隊(第4機捜)』の活躍を描く。第4機捜は、第1~3機捜のヘルプだけでなく、捜査1課などの他部署の応援も行う。普段は覆面パトカーで地域をパトロールし、110番通報があれば事故現場に急行、迅速に初動捜査を行う。24時間勤務すると次の当番勤務は4日後となる。初動捜査で事件を解決出来ない場合は、専門の課に捜査を引き継ぎ継続捜査は行わない。すなわち、受け持った各事案に対し、24時間でできうる限り対処する必要がある。主人公はこの第4機捜に所属する二人の刑事。機動力と運動神経はピカイチだが機捜経験がなく、刑事の常識にも欠ける伊吹藍(いぶきあい)を綾野剛が演じる。一方、観察眼と社交力には長けているものの、常に先回り思考で道理を見極めようとして自分も他人も信用しない志摩一未(しまかずみ)を星野源が演じる。志摩は、隙あらば暴走してしまう“野生のバカ”伊吹に振り回されてしまう。そんな二人が、バディを組み限られた時間の中で数々の事件に対峙する。この二人の他には、第4機捜に所属するキャリアの新米・九重世人(ここのえよひと)に『中学聖日記』の岡田健史、第4機捜のベテラン班長・陣馬耕平(じんばこうへい)に橋本じゅん、機捜を統括する女性初の機動捜査隊隊長・桔梗ゆづる(ききょうゆづる)に麻生久美子らがキャスティングされている。真反対の性格の二人がバディを組むという、かなりベタな刑事ドラマ。

 

 

テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 4/24 ~ 『家政婦のミタゾノ(4)』 松岡昌宏(TOKIO)(主演)、伊野尾慧(Hey!Say!JUMP)、飯豊まりえ、他

松岡昌宏演じる女装した大柄な家政夫・三田園薫(ミタゾノ)が、派遣された家庭に巣食う“根深い汚れ”までもスッキリと落としていく“覗き見”ヒューマンドラマの第4弾。前シリーズに引き続いてミタゾノとともに行動する若き家政夫・村田光役で伊野尾慧が出演。『アイドルを目指す』と衝撃宣言をしていた光は、休日にダンスレッスンにいそしむ傍ら、ちょっぴり腰掛け気味に家政夫業も続けていた。清水富美加、剛力彩芽、川栄李奈に続くヒロイン役の『むすび家政婦紹介所』の新人家政婦・霧島舞役に飯豊まりえが抜擢。霧島は人間観察が趣味、覗かずして依頼人の人間性を見抜いてしまう能力がある。一方で忖度と嘘が苦手で、笑顔のまま歯に衣着せぬ物言いをし、思いもよらぬトラブルを巻き起こしてしまう。これまでに出会ったことのないタイプのミタゾノに興味を示し、彼(彼女?)の禁断の秘密に迫ろうとする。過去のシリーズと同様にとっておきの家事の秘訣も紹介される?(そろそろネタ切れでは?)。

 

 

日テレ土10 未定 『未満警察ミッドナイトランナー』 中島健人(SexyZone)、平野紫耀(King&Prince)(W主演)、吉瀬美智子、中村ゆり、原田泰造、伊勢谷友介、大幡しえり、葉山奨之、竹内愛紗、傳谷英里香、阿岐之将一、小平大智、他

警察学校の生徒2人がバディを組み現場を駆ける本格警察ドラマ。警察学校の学生である理論派の本間快(中島健人)と体力派の一ノ瀬次郎(平野紫耀)がなぜか難事件に巻き込まれ、仲間と刑事の力を借りながら解決していく。二人は現場経験ゼロのため、学校の授業で得たわずかな知識と若さと情熱のみで、真逆の個性でお互いの足りない部分を補う最高のバディとなる。警察学校の鬼教官・及川蘭子に吉瀬美智子、同じく教官でプロファイラーの経歴を持つ片野坂譲に伊勢谷友介、二人に協力する刑事・稲西結衣に中村ゆり、同じく刑事・柳田晋平に原田泰造らがキャスティングされている。ジャニーズファンには久々に楽しみなドラマ。

 

 

NHK日8 継続 大河ドラマ『麒麟がくる』 長谷川博己、染谷将太、佐々木蔵之介、風間俊介、尾野真千子、伊藤英明、川口春奈、他

第9話までの平均視聴率は 15.3 %とここ最近の大河ドラマの中ではまずまずの数字が獲れている。ただ、4K放送を活かすためか、野山の緑が鮮やかなのはいいのだが、出演者の衣装の色の派手さが目立ち、たとえば戦乱で荒廃した京の住民たちの衣装まで原色にしてしまうのには違和感がある。戦国時代で荒んだ世の中を描写するなら、もっとくすんだ色、風景も埃っぽくていいのでは?登場人物たちがあまりに清潔そうに見えすぎ。当時漂っていたであろう汚い臭いが伝わるような映像も必要では?ところで、光秀と帰蝶がいとこ同士だったというのは初めて知ったのだが、やはり帰蝶は沢尻エリカで見たかった。本能寺の変まで帰蝶は重要な役どころとなりそうなので、この先が心配である。ま、昨年の『いだてん』よりは次週が楽しみとなっているのは間違いない。このまま15%前後の視聴率は維持できるのではないだろうか?

 

 

TBS 日9 未定 『半沢直樹(2)』 堺雅人(主演)、上戸彩、香川照之、及川光博、片岡愛之助、北大路欣也、他

大ヒットドラマ『半沢直樹』7年ぶりの続編。前作の続編ストーリーとなる池井戸潤の小説『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』の2作を映像化する。前作では、堺雅人演じる東京中央銀行のバンカー・半沢直樹が、大阪西支店融資課長から本部営業第二部次長に転じ、銀行内で行われていた数々の不正を明らかにしたが、最終回でまさかの出向を命じられるという衝撃の展開となった。今作は、その半沢が出向先の東京セントラル証券に営業企画部長として赴任するところから物語が始まる。あるとき東京セントラル証券に大型案件が舞い込む。それは、ある大手IT企業による敵対的買収で、株式取得に掛かる費用は1500億円以上。東京セントラル証券にとって、かつてない規模の案件だった。そして、これが銀行との新たな戦いの始まりとなる。今回も直樹を献身的に支える妻・半沢花を上戸彩が演じる。また前作で半沢の敵役・東京中央銀行常務の大和田暁を演じた香川照之が、今回の原作2作には登場していないもののその後の大和田として出演する。さらに半沢の同期で頼りになる情報通、東京中央銀行融資部の渡真利忍役に及川光博、引き続き半沢をサポートする。そのほか、前作で大阪国税局統括官、金融庁検査局主任検査官として半沢と対峙した黒崎駿一に片岡愛之助、前作で半沢に東京セントラル証券への出向を命じた東京中央銀行頭取・中野渡謙に北大路欣也がキャスティングされている。前作までとはいかないかもしれないが、今作もかなりの高視聴率が期待される。

 

 

日テレ 日10:30 4/12 ~ 『美食探偵 明智五郎』 中村倫也(主演)、小芝風花、小池栄子、北村有起哉、佐藤寛太、富田望生、志田未来、他

超イケメンの美食家探偵が『美食』知識を通じて事件を解決していくグルメ・サスペンス。原作は『東京タラレバ娘』で知られる東村アキコの漫画『美食探偵 明智五郎』。中村倫也演じる美食家の探偵・明智五郎は容姿端麗だが超超変わり者。明智と対決することになる本名不詳の美女、自称“マグダラのマリア”を小池栄子が演じる。いたって地味な普通の主婦だったが、明智と出会ったことにより、自分の心を解放し殺人鬼に変貌する。明智とマリアは“探偵と殺人鬼”という対立関係でもあり、“惹かれ合う二人”にもなる。そんなマリアに対し、明智は華麗な推理で“食”にまつわる殺人事件を“食”を通じて暴いていく。小芝風花演じる小林苺は、明智の探偵事務所の前で“いちご・デリ”という移動販売のワゴン車で弁当を販売。明智がその常連客であることから、様々な事件に巻き込まれてしまい、明智の助手をつとめることに。そのほか、警視庁捜査一課の刑事・上遠野透役に北村有起哉、その部下の新米刑事・高橋達臣役に佐藤寛太、苺の親友・桃子役に富田望生、インターネットで交際相手の殺害方法を相談しマリアと出会う林檎役に志田未来らがキャスティングされている。毎回絶品グルメも登場するとのことで、美食家には楽しみなドラマかも。

 

 

4月クールは、続編やシリーズ作品が6本もある。

各局、新しい作品を作りだそうとする意欲に欠ける印象である。

新作ドラマには集団でワイワイ盛り上げようとするような

作品が多いように見受けられる。

個人的には一人の主人公がグイグイ引っ張るようなドラマを

期待するのだが…。

とりあえず、『アンサング・シンデレラ…』を推してみる。

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