MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

それは足だけの問題ではなかった…

2022-06-23 18:12:55 | 健康・病気

20226月のメディカル・ミステリーです。

 

618日付 Washington Post 電子版

 

 

She was ambushed by searing leg pain that struck without warning

Searching for relief, a fashion executive grew desperate about the absence of an explanation

彼女は何の前触れもなく焼けつくような足の痛みに襲われた

安心を求めていたファッション会社の幹部は説明が得られないことに自暴自棄になっていった

 

By Sandra G. Boodman,

 

(Cam Cottrill For The Washington Post)

 

 生活が一変することになるまでの数時間、Megan Freedman(メーガン・フリードマン)さんは、カリフォルニア州サンタモニカにある太平洋を見渡せる人気のレストランで大切な仕事仲間に囲まれての素敵な仕事上の夕食会に参加していた。

 「私たちは最高に楽しんでいました」ニューヨーク市のファッションショールームのオーナーである Freedman さんはそう思い起こす。彼女は 2019年10月、国内の小売業者のために彼女のデザイナーや仕入れ業者と会う目的でロサンゼルスに来ていた。食事の後、レストランの外の囲いに座って、Freedman さんは友人たちと車を待ちながら談笑していた。しかし、彼女が立ち上がった時、左足の力が突然抜けて転倒した。「私は酔ってはいませんでした。私はドスンと倒れ込み、誰かに助け起こしてもらう必要がありました」と彼女は言う。

 翌朝、Freedman さんが目覚めると、足は部分的にしびれており、刺すような痛みを感じた。「私は100%椎間板ヘルニアだと確信していました」と彼女は思い起こす。Freedman さんはそれまでの数日間、会合に向けて「大量の箱を持ち上げたり、衣料サンプルが詰め込まれた重いスーツケースを持ち歩いたり」していたという。数年前、彼女は頸椎の2箇所の椎間板ヘルニアが原因で左腕に同様の痛みを経験していた。

 「私は sciatica(坐骨神経痛)だと思いました」しばしば骨棘や椎間板が坐骨神経を圧迫して生ずる足に放散する痛みのことを持ち出して彼女は言う。

 Freedman さんはそれからの8週間、“ridiculous(とんでもない)”痛みと自身が表現する症状のために、いくつかの診療所と、ロサンゼルスやマンハッタンの緊急室の間を言ったり来たりすることになる。彼女の足はしばしばひどく力が入らなくなり、両手で足を持ち上げなければならないこともあった。

 2019年12月、ニューヨークの病院に9日間入院したが、退院の数時間前になって、実は深刻な疾患がそれまで一見前触れなく進行してきていたことを Freedman さんは知ることになる。

 「私の家系は心疾患や癌だらけです。でもこの病気を考えたことはありませんでした」現在54歳になる Freedman さんは言う。

 

Crying on the plane 機上で泣きながら

 

 Freedman さんと一緒に滞在していた友人は彼女の強い痛みと歩行が困難だったことに危機感を募らせ、彼女をロサンゼルスのティーチングホスピタルの緊急室に車で連れて行った。そこの医師らも坐骨神経痛を疑い、彼女に麻薬性鎮痛薬の Dilaudid(ディラウディッド)を処方した。3日以内に改善がみられなければ再診した方が良いと彼らは助言した。

 Freedman さんは症状が良くなることはなく数回転倒した。彼女はそのERを再受診し、下位脊椎の MRI 検査を受けたが懸念される病変は何も見つからなかった。医師らはさらに強いオピオイドを処方したが、彼女によるとそれらもほとんど痛みに影響を与えなかったという。2日後彼女は飛行機でニューヨークに戻った。「私は機上で泣きながらただ座っていたのです」と Freedman さんは思い起こす。

 彼女はかつて頸のことで診てもらったことのあるマンハッタンの整形外科医を受診した。彼は MRI を見直しレントゲン撮影を行った。しかし原因を特定できなかったため彼は Freedman さんを脊椎専門医に紹介した。その専門医と、さらに2人目の脊椎整形外科医も当惑した。後者は彼女の腰に硬膜外ステロイド注入を2回行った;しかし、いずれも痛みを緩和できなかったため彼女に神経内科を受診するよう助言した。

Freedman さんは、自身の間断ない痛みと、その原因が分からないことで絶望感に打ちひしがれつつあったことを覚えている。

Megan Freedman さんと娘の Phoebe Freedman(フィービ・フリードマン)さん(Neil Freedman[ニール・フリードマン]さん撮影)

 

 その神経内科医は  Freedman さんの足の神経と筋肉の機能を調べるため、筋電図検査と神経伝導検査を依頼した。その結果、痛みが彼女の脊椎ではなく、骨盤の前側から生じていることが示唆された。彼女に血栓があるか、あるいはプラークが形成されることで血管が狭窄し血流が障害される末梢動脈疾患があることが懸念されたため、その医師は、彼女の足の付け根まで下肢全体の超音波検査と、血管に異常がないかを調べる CTA(CT 血管撮影)を行った。

 しかし、それらの検査が予定された数日前の日曜日の朝、Freedman さんはその神経内科医が提携しているマンハッタンのティーチングホスピタルの ER に向かった。

 「私はその痛みにもはや耐えられなかったのです」と彼女は思い起こす。数時間待ったあと、彼女は検査室に連れて行かれ、そこで若い医師から、「ER スタッフには “bigger fish to fry”(他のもっと大事な仕事)がある」と言われ、自宅に戻ることを勧められたという。Freedmanさんには何で彼がそのように言ったのか分からなかったが、彼女は坐骨神経痛なのだから安静が必要だと思い込んでいたようだと言う。

 

Humiliating encounter 屈辱的な対面

 

 「あのときが最悪の瞬間でした」と彼女は言い、思い出して涙を流す。「実際、あなたには悪いところは何もないから、家に帰るべきだと言われたのです。私は屈辱を覚えました」

 それからほどなく、Freedman さんは Mount Sinai(マウントサイナイ病院)の ER に行った。そこは彼女が慢性の片頭痛治療で数年間神経内科医を受診していたティーチングホスピタルである。

 そこでの対応は異なっていた。医師らは彼女を入院させ、腫瘍専門医、神経内科医、内分泌専門医、さらにはリウマチ専門医など様々な専門家が Freedman さんの症状の原因を究明するために検査を行った。そこでは彼女にニックネームがつけられた:“the weird leg lady(奇妙な足のご婦人)”である。

 最初、医師らは彼女の卵巣の腫瘍に注目し、それを “concerning(憂慮される)” と表現した;しかしそれは最終的には良性とみられた。“強く疑われた”甲状腺の結節も同様に退けられた。医師らは、Freedman さんの下肢の筋力がステロイドの投与後に改善し歩行可能となることに気付いたが、彼女の痛みは続いており強いものだった。坐骨神経痛は再び除外された;画像検査で軽度の脊椎の変性が見られたに過ぎなかったからである。

 しかし Freedman さんの筋電図と神経伝導検査は異常であり、MRI 検査では彼女の左大腿神経に炎症がみられた。この神経は足の最も太い神経の一つであり、足の運動を制御し痛みを伝達する。

 医師らは彼女の甲状腺機能障害の病歴とステロイドによる症状の改善から、身体が誤って自分自身を攻撃する自己免疫疾患が示唆されるのではないかと考えた;彼らはその可能性を突き止めることに取りかかった。正常な白血球を誤って攻撃するたんぱくである antineutrophil cytoplasmic antibodies(ANCA; 抗好中球細胞質抗体)を検出する、PR3(proteinase 3)をターゲットとする血液検査が陽性であったことで、その可能性がかなり絞り込まれることとなった。

 Freedman さんが退院する日、リウマチ専門医のチームが彼女の部屋にやってきて、彼女が、かつては Wegener’s disease(Wegener〔ウェゲナー〕肉芽腫症)と呼ばれていた granulomatosis with polyangitis(GPA; 多発血管炎性肉芽腫症)であると考えていることを告げた。GPA は血管炎(血管の炎症)の一型であり臓器に障害を及ぼし得る疾患である。本疾患はしばしば腎臓、肺臓、および副鼻腔に病変を来す。

 GPA は感染症に似ているが、突然に発症し、数週間から数ヶ月で進行する。重症度や症状は冒される臓器に依存する。治療として高用量の副腎皮質ステロイドが用いられるが、通常、免疫系を抑制する他の強力な薬剤も用いられる。早期に治療されれば完全回復も可能だが、治療されなければ GPA は致死的となることもある。

 

An ‘atypical presentation’ ‘非定型的な発現形式’

 

 National Institute of Allery and Infectious Disease(米国国立アレルギー・感染症研究所)のベテランの所長である Anthony S. Fauci(アンソニー・S・ファウチ)氏は、彼のキャリアが始まって間もない1970年代の初め、同僚らとともに、当時ほとんどの患者が2年以内に死亡していた本疾患の機序を解明した。Fauci 氏はさらに、95%の有効性がある GPA の薬物治療の考案に寄与した。

 Freedman さんのケースでは、本疾患が彼女の大腿神経を攻撃していたのである。「それはいささか非定型的な発現形式です」そう言うのは、Freedman さんの診断後、ほどなくしてこれまで彼女を治療してきた Mount Sinai のリウマチ専門医である Weiwei(Wendy) Chi(ウェイウェイ〔ウェンディ〕・チー)氏である。Freedman さんには副鼻腔炎や鼻出血の既往歴もあり、それらは GPA の早期の徴候である可能性がある。

 彼女には直ちに高用量のステロイドが開始された。これにより彼女の足の運動機能は改善したものの、疼痛の緩和には効果はなかった;彼女の大腿神経への障害は永続的となっている可能性がある。彼女の疼痛の治療に一般的に用いられる薬剤はどれも無効だったため、Chi 氏は「当面彼女には麻薬が投与されています」と言う。

 「彼女のケースで最も混乱を招いた症状は持続性の痛みです」と Chi 氏は話すその痛みは依然として激しく、軽減しないままである。「長期的に麻薬を投与したくありませんが、試してきたそれ以外の多くの治療はどれも有効ではなかったのです」

 Freedman さんの診断からの2年半は過酷なものだった。彼女は、しばしば胆石から引き起こされる痛みを伴う重篤な膵臓の炎症である急性膵炎で数回入院した。その入院中、同室の人からコロナウイルスに感染した。2021年5月、Freedman さんは胆嚢を摘出する手術を受けた。

 また20年続けてきた彼女のビジネスはパンデミックの結果頓挫した。ショールームの閉鎖と、5人の従業員の解雇を余儀なくされたと Freedman さんは言う;彼女は現在、自宅で仕事をしている。

 彼女の生活は免疫系を抑制する薬剤の処方に依存しているため、コロナウイルス感染は高い危険性を孕んでいる。彼女の身体が抗体を作れないことから、最初の2回分のワクチンでは実質的に感染予防効果がもたらされなかった。

 2021年の後半、オミクロン株による流行がニューヨーク市を席巻したとき、Freedman さんは、高校生の息子を含めた家族とそこで一緒に生活するという危険を冒すことはできないと考えた。彼女の兄の家に近いカリフォルニア州の Coachella Valley(コーアチェラ・バレー)にある小さな町に避難し、2ヶ月前にニューヨークに戻った。(しかし結局彼女は1月に covid-19 に感染した)

 カリフォルニアで、彼女は免疫障害を持つ人を対象に認可された開発研究中の薬剤である Evusheld(エブシェルド)(MrK註:新型コロナウイルスに感染した患者により提供された B細胞に由来する2種類の長時間作用型の抗体薬)の注射を受けた。医師らは、彼女がニューヨークに戻ったあと4月に行われた異なるコロナウイルスワクチンを一回受けたことによって抗体ができていることに期待している。

 GPA になる前は彼女の健康状態は良好だった。「この病気は恐ろしいです。私はひどく叩きのめされました」と彼女は言う。「多くの人にこの病気は知られていませんが、この病気を持つ多くの人たちは非常に重度のケースなのです」

 「Freedman さんはこの3年間比較的安定した状態にあります」彼女の疾病の重症度を中等症とみなしている Chi 氏はそう説明する。「彼女には急速に進行する腎不全のような生命を脅かす臓器病変はありません」

 「最も重症型の患者では、全く健康な日があったかと思うと翌日には ICU ということが起こり得ます。これはそれほど予測不能な疾病であるということです」とこのリウマチ専門医は付け加える。

 

 

多発血管炎性肉芽腫症(GPA:granulomatosis with polyangitis)についての

詳細は以下のサイトを参照いただきたい。

慶應義塾大学病院医療・健康情報サイト

日本リウマチ学会HP

厚生労働省科学研究費補助金・難治性疾患政策研究事業 難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究

 

GPA は血管に炎症が起る『血管炎症候群』に属する病気で、

その中でも全身の細い血管に炎症がおこる代表的な病気の一つである。

『気道に起こる炎症性肉芽腫かつ小~中血管に起こる壊死性血管炎』と

定義されている。

2012年の新しい国際分類でかつての Wegener(ウェゲナー)肉芽腫症

という病名から変更されている。

上気道の細菌感染を誘因として発症することや、細菌感染により

再発がみられることから、スーパー抗原の関与も推定されているが、

真の原因は不明であり遺伝性も確認されていない。

抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibodies, ANCA)と

炎症性サイトカインの存在下に好中球が活性化され、血管壁に固着した

好中球より活性酸素やたんぱく分解酵素が放出されて血管炎や

肉芽腫性炎症を起こすと考えられている。

40~60歳の中高年齢に多い。

男女差はみられないが男性でやや若年傾向にある。

前述のように GPA は未だ原因が解明されていない難病であるため、

国の『特定疾患』に指定されている。

平成26年度末での特定疾患医療受給者証所持者数は2,430人と、

稀な疾患である。

 

GPA は以下の3つを特徴とする。

1)鼻から肺にいたる臓器の炎症(上気道・下気道病変)

2)腎臓の炎症(腎炎)

3)全身の血管の炎症

 

症状

気道の炎症により、鼻出血、鼻汁、鼻梁のへこみ(鞍鼻)、眼痛、

中耳炎による難聴、口内炎、嗄声、咳嗽、血痰などがみられる。

腎炎の進行により、浮腫、高血圧、たんぱく尿、血尿、乏尿がみられる。

急速進行性糸球体腎炎を起こすと腎機能低下が週単位から月単位で急速に

進行する。

全身の血管の炎症による症状では、発熱、体重減少、易疲労感、多発関節痛、

紫斑がみられるほか、神経に炎症が生ずるとその領域にしびれが出現する。

臓器への血行障害により心筋梗塞、消化管出血、胸膜炎などが

みられることもある。

 

診断

GPAは症状や血液、尿、画像診断などから総合的に診断する。

血液検査では炎症反応の上昇(CRP 高値、白血球数増加、赤沈亢進)が

みられる。

除外診断が重要となるため、全身の CT 検査、MRI 検査、

ガリウムシンチグラフィーなどのアイソトープを用いた検査などが

行われる。

また病気の起こっている部分から組織を一部採取(生検)して

病理診断を行う場合もある(気管支鏡生検、腎生検など)。

一部の患者では前述の ANCA が検出されることが知られている。

ANCAには、PR3(protease 3)型とMPO(myeloperoxidase)型などの

種類があり、欧米では PR3-ANCA が高率に検出される。

本邦の症例では欧米に比し MPO-ANCA 陽性率が高く約半数を占める。

以上の症状や検査結果を考慮した診断基準が策定されている。

鑑別疾患として、サルコイドーシスなど肉芽腫病変を来す他の疾患、

他の血管炎症候群(顕微鏡的多発血管炎、

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎など)が挙げられる。

 

治療

元来生命予後は極めて不良であったが、発症早期に免疫抑制療法を

開始すると高率に寛解導入できるようになっている。

まず病気の勢いを抑える寛解導入療法と、

病気の勢いの落ち着いた状態を保つ寛解維持療法が行われる。

使用する治療薬剤は全身の炎症の程度や、腎炎の有無・重症度によって

異なる。

炎症を抑える作用のある副腎皮質ステロイド薬のほか、

免疫抑制薬として、シクロフォスファミド、メソトレキサート、

ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、

さらには生物学的製剤として抗CD20モノクローナル抗体である

リツキシマブが用いられる。

ステロイド、免疫抑制薬の副作用に注意し、感染症に対する予防策を

徹底することが重要となる。また疾病の再発にも留意する必要がある。

 

記事中にあるように、

米国のコロナ対策の顔としてテレビでよくお目にかかる

バイデン大統領の首席医療顧問を務めるファウチ氏が、

本疾患の診断、治療成績の向上に大いに貢献されたようである。

しかしそのファウチ氏も、最近(2022/6/15)新型コロナに感染したとのこと。

まだまだ油断は禁物である。

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2022年7月新ドラマ

2022-06-15 16:45:12 | テレビ番組

年明けからダラダラと続いていた新型コロナも

5月以降ようやく全国的に感染縮小の傾向がみられており、

ホッと一安心といったところである。

とはいえ、今後再拡大の可能性もあることから、

まだまだ注意は必要と思われる。

 

さて、

2022年4月クールドラマの視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だが

二桁の数字を獲れたのは、日曜劇場『マイファミリー』(12.9%)、

『未来への10カウント』(10.9%)、

『特捜9 season5』(10.6%, 第10話まで)の3本のみ。

以下は、月9が9.3%(第9話まで)、それ以外に至っては

8%未満という惨憺たる状況である。

そんな中、放映前には全く期待していなかった『ナンバMG5』が、

個人的には一番のドラマとなった。(バカバカしさが突き抜けていた!)。

フジテレビ『ナンバMG5』より

 

依然として各局ともドラマの低迷状態が続いているが、

ここからは7月からの夏ドラマの内容をチェックしてみたい。

 

 

フジ月9 7/11 ~ 『競争の番人』 杏・坂口健太郎(W主演)、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎、寺島しのぶ、他

原作は新川帆立の同名小説。公正取引委員会(公取委)・第六審査(通称・ダイロク)の職員である天才で理屈っぽくひねくれ者の男性と、実直で感情のままに行動する元刑事の女性とがバディを組み、談合やカルテルなど不正を働く企業の隠された事実をあぶり出していく。坂口健太郎演じる小勝負勉(こしょうぶつとむ)は20歳で司法試験に合格。東大法学部を首席で卒業後、あえて公取委に就職。小勝負自身は公取委で働くことにこだわりがあるようで、「弱くても、戦わなきゃいけない」と使命感を燃やす様には、彼の過去が関係しているとみられる。他の審査官とは違う独特の視点や洞察力がある一方、人とは違うやり方で調査するため周囲からは変わり者とみられている。そんな小勝負の身勝手な行動にいつも振り回されてしまう彼のバディ・白熊楓(しろくまかえで)を杏が演じる。理屈っぽい小勝負とは性格や考え方などすべてが正反対。男勝りな性格で、警察官の父に憧れ自らも警察官になったが、ある事件で犯人を目前で取り逃がしてしまい公取委へ異動させられる。そこで彼女の教育係を任せられたのが小勝負だった。異動して早々に公取委が他の官庁に比べて、“弱小官庁”だと説明され、その実態に驚きながら、個性豊かな“ダイロク”のメンバーと共に、企業の不正を暴こうと奔走する。企業への立ち入り検査のほかにも、事情聴取や、張り込み・尾行など真実を突き止めるために警察のようなことも行う一方、警察のような強力な権力を持たない公取委の捜査には、さまざまな障壁があり、白熊は公取委の実情に愕然とする。独占禁止法に関わる違反行為を取り締まり、経済活動における自由で公正な競争の場を守るために目を光らせる“競争の番人”として、この凸凹バディが談合やカルテルなど不正を働く企業の隠された事実をあぶり出していく。頭が良すぎるがあまり、時に突拍子もない行動を取る小勝負と、実直で感情のままに行動し、頭で考えるよりも先に、気持ちと身体で体当たりしていく白熊の2人は、なかなか分かり合えず対立するが、白熊は『たとえ弱くても戦う』と大きな敵にも臆することなく向き合う小勝負の考えや姿勢を次第に理解するようになる。 弱者が負けて、強者が勝つ現代社会において、理不尽な競争社会を根底から見つめ直し、フェアな市場を確保しようと奔走する公取委のスタッフの活躍が描かれる。なじみの薄い役所でのお仕事ドラマで勉強になるかも。

 

 

フジ(関西テレビ)月10 7/18 ~ 『魔法のリノベ』 波瑠、間宮祥太郎、遠藤憲一、原田泰造、金子大地、吉野北人(THE RAMPAGE)、他

原作は、星崎真紀による同名漫画。人生こじらせ凸凹営業コンビが住宅リノベで家や依頼人の心に潜む魔物に立ち向かう。男だらけの家族が営む工務店を舞台に繰り広げられる人生再生・リノベーション・お仕事ドラマ。波瑠演じる主人公・真行寺小梅(しんぎょうじこうめ)は、大手リフォーム会社で営業成績抜群のエースだったが、30歳を目前に“大きなしくじり”に見舞われ退職。やむなく男だらけの福山家が営む『まるふく工務店』に転職する。そんな小梅とタッグを組むことになるのが間宮祥太朗演じる長男・福山玄之介(ふくやまげんのすけ)。彼は脱サラして家業の工務店で働き始めるが、人の良さから来る推しの弱さで営業成績0点、女性にも振り回されバツ2で7歳の息子を持つシングルファザー。物語が進むにつれて、玄之介がさらにこじれた人間関係に巻き込まれていることも発覚する。小梅と玄之介の2人が、夫婦関係、風水、事故物件、防犯など・・・様々な問題を抱える依頼人のために五感と機転と根性を駆使した住宅リノベを提案、依頼人や家族すら気づいていない悩みや問題を解決し、彼らの人生を後押ししていく。これまでにもよく見てきた、不動産屋や家政婦などが依頼人の悩みや問題を解決していくドラマとパターンは同じ様な気がする。他の出演者には、福山家の父親・蔵之介に遠藤憲一、同家の三男・竜之介に吉野北人、小梅の元上司で大手リフォーム会社・ブローバルステラDホームの部長・有川拓に原田泰造、同社の営業マンで小梅の元同僚であり元恋人の久保寺彰に金子大地らが決まっている。

 

 

TBS 火10 7/5 ~ 『ユニコーンに乗って』 永野芽郁、西島秀俊、杉野遥亮、坂東龍汰、前原滉、青山テルマ、他

大北はるか・脚本によるオリジナルドラマ。スタートアップ企業(斬新なアイデアで市場を開拓し短期間で急成長をみせる企業)の若き女性CEOが、中年サラリーマンの入社をきっかけに、突如仕事と恋のトライアングルに巻き込まれていく切ない大人の青春物語。主人公の成川佐奈(永野芽郁)は、23歳の時に起業した教育系アプリを手掛けるスタートアップ企業『ドリームポニー』のCEO。10年以内にユニコーン企業(評価額が10億ドル以上、設立10年以内の非上場ベンチャー企業)となり、世界中の人々が利用できるようなビジネスにすることを目標に日々奮闘している。しかし立ち上げ当初こそ急激に成長したものの、次なるサービスの展開が打ち出せず設立から3年目を迎え、売上・技術ともに行き詰まる毎日に焦っていた。プライベートでも日々仕事を第一優先にしており、恋愛に関しては無頓着。共同創設者の須崎功(杉野遥亮)から密かに想いを寄せられるも、全く気付かない。そんな彼女のもとに、ある日スタートアップ企業の雰囲気とは似ても似つかない中年サラリーマン・小鳥智志(西島秀俊)が転職してくる。一回りも歳が離れた小鳥の影響を受け佐奈の環境は大きく変化する。最初は小鳥を疎ましく思っていた佐奈だが、その経験の豊富さからくるアドバイスや生き方に助けられ、親しみを持つようになる。一方佐奈の絶対的ビジネスパートナーの功も、小鳥の出現により長年胸に秘めていた佐奈への想いが抑えきれなくなり、チームの均整が崩れる危機に…。突如仕事と恋のトライアングルに巻き込まれた佐奈たちの切ない大人の青春模様が描かれる。小鳥と同じタイミングで入社する、大学生ながら高いプログラミング能力を持つ不思議な青年・森本海斗に坂東龍汰、佐奈・須崎と『ドリームポニー』を立ち上げた創業メンバー・栗木次郎に前原滉、歯に衣着せぬキャラの会社のムードメーカー・夏井恵実に青山デルマらがキャスティングされている。

 

 

テレ朝水9 7/13 ~ 『刑事7人 Season 8』 東山紀之、田辺誠一、倉科カナ、白洲迅、塚本高史、吉田鋼太郎、北大路欣也、小瀧望(ジャニーズWEST)、他

2015年から始まった『刑事7人』シリーズも8 年目を迎える。昨年7月クールの前作第7シーズンでは平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と視聴者層は安定してきた。東山紀之演じる天樹悠を中心に、凶悪犯罪や難解な未解決事件に挑む活躍と、犯罪の裏に潜む人間の弱さや複雑な心理が描かれる。レギュラーメンバーとして、天樹をはじめ、海老沢芳樹(田辺誠一)、水田環(倉科カナ)、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)、そして法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)のこれまでの7人に加え、シーズン8では、東大卒のキャリア組の新人で、いわゆる“Z世代”のエリート・坂下路敏(小瀧望)が新専従捜査班に配属される。柔らかい物腰で先輩との立ち回りもそつがない。捜査は効率重視で、会議はシェアボックスからリモートで参加、足を使っての聞き込みより SNS を駆使するなど、天樹ら“ガラ刑(ガラパゴス刑事)”との世代間ギャップが鮮明。匿名性の高いSNSの利用や、『〇〇ハラスメント』が関連する現代の多様化する犯罪に臆することなく、インターネットを駆使して捜査を行う新人刑事の路敏。彼は『捜査の天才と呼ばれる天樹さんを中心にしたエリート集団』に憧れ、新専従捜査班配属を希望したと言うが、そんな路敏の姿にメンバーたちは戸惑う。しかし天樹は『時代が変わり、事件も変わり続けている。捜査も変わらなきゃいけない』と理解を示し、やがて絆が育まれていく。この路敏が加わりレギュラーメンバー8人になるかと思いきや、どうやら早々にこれまでのメンバーの1人が抜けるとのことである。シーズン1以降、天樹らの所属する部署がどのように変遷してきたのか、もはや全く思い出せない状況となっている。

 

 

日テレ水10 7/20 ~ 『家庭教師のトラコ』 橋本愛、中村蒼、鈴木保奈美、美村里江、板谷由夏、他

遊川和彦・脚本によるオリジナルドラマ。謎の女性家庭教師が、年齢も、抱えている問題もバラバラな3人の母親と3人の子供を救う個別指導式ヒューマンドラマ。3人の母親とは、子供の将来が不安でならない30代のワーキングママ、実家の定食屋で働きながら底辺であえぐ40代のバツイチママ、3%の超富裕層の仲間入りをしたのに居場所がない50代の後妻ママ。生活レベルも全く違う3人に共通するのは 『自分の子供を志望校に合格させたい!』という切実な願いだった。一方、3人の子供たちも、親には言えない『深刻な問題』を抱えていた。『どうして勉強をしなければならないの?夢を持ってはいけないの?イジメはなくならないの?』しかしトラコは決して説教もしないし、難しいことも言わない。ただ、世の中にある現実を子供たちに見せるだけ。子供たちは、いつの間にか『正しいお金の使い方』を知ることになり、ほんの少しだけ自分の進む道がわかるようになる。初めはトラコに対して疑心暗鬼だった親たちも、少しずつ成長していく子供たちを前に、自分たちの人生に自信を持ち始め、新しい家族のあり方を模索するようになっていく。3つの家族の生徒に合わせ、風貌を変えて登場する家庭教師トラコ。無駄なお金の使い方を嫌というほど見てきた彼女には大いなる野望があった。その目的のため、トラコは、街の権力者達の子息の家庭教師をし、コネを作り、お金を貯めていく。いつも携えているキャリーバッグには大金が詰まっているという噂もあった。授業の日は生徒の家に一泊し、週一で幼なじみの福田福多(中村蒼)のマンションに戻ると、スウェットに着替えあらゆるジャンルの本を読み漁るトラコ。福多はトラコのために、洗濯や食事といった身の回りの世話から、仕事のサポートをこなすも、家ではあらゆるジャンルの本を読み漁るばかりでちゃんと返事をしないトラコに一方的に話すという毎日だった…。うーん、いかにも遊川らしいあやしいドラマである。

 

 

フジ水10 7/6  ~ 『テッパチ(TEPPACHI)!』 町田啓太、佐野勇斗、白石麻衣、北村一輝、佐藤寛太、時任勇気、一ノ瀬颯、坂口涼太郎、池田永吉、藤岡真威人、工藤阿須加、桐山漣、久保田悠来、結木滉星、水沢林太郎、他

本田隆朗・脚本によるオリジナルドラマ。人生に行き詰まっていた男が、陸上自衛隊という天職に出会ったことがきっかけで、大切な仲間と出会い、時には恋をし、様々な経験を経て少しずつ成長していく青春ドラマ。町田啓太演じる主人公・国生宙(こくしょうひろし)は、高校時代はラグビー部のエースとして全国でも注目される選手だったが、独り善がりな強引なプレーでケガをし、チームメイトからも非難され孤立したまま引退。卒業後は、一人暮らしをするが定職に就かず、フラフラと気楽なその日暮らしの生活を送っていた。ある日、ケンカが原因で警察沙汰になり、工事現場の仕事はクビ、住んでいたアパートも家賃滞納で立ち退きを言い渡され、途方に暮れる。そんな時、ある男から『お前にピッタリな仕事を紹介してやる!』と声を掛けられる。『寮完備で三食飯つき!体力自慢のお前にはもってこい!』と言われて紹介された仕事は “陸上自衛隊”だった。最初は拒絶する宙だったが、他に生活の当てはないことからとりあえず陸上自衛隊の候補生になる。生半可な気持ちで入った先には、過酷な訓練が待ち受けていたが、“陸上自衛隊”という天職に出会ったことがきっかけで、大切な仲間と出会い、友情に芽生え、時には恋をし、さまざまな経験を経て人とのつながりの大切さに気付き、少しずつ成長を見せていく。タイトルの“テッパチ”は自衛官の身を守る鉄帽のこと。“ヤケッパチ”だった人生が、本物の“テッパチ”人生へと変わっていく、という駄洒落らしい。陸上自衛隊版の『愛と青春のたびだち』てな感じ?防衛省の全面協力のもと制作されるとか。自衛隊の宣伝にもなりそうだ。

 

 

テレ朝木9 7/7 ~ 『六本木クラス』 竹内涼真、新木優子、平手友梨奈、早乙女太一、鈴鹿央士、緒形直人、光石研、稲森いずみ、中尾明慶、矢本悠馬、さとうほなみ、近藤公園、田中美知子、香川照之、他

2020年に韓国で放映された韓国ドラマ『梨泰院クラス(イテウォンクラス)』のリメイク(原作は韓国の同題ウェブ漫画)。巨大企業の跡取り息子が引き起こした事件に巻き込まれ絶望の淵に立たされた主人公が、息子に罪を償わせること、さらに事件をもみ消した絶対的権力者である父親を土下座させることを目指す復讐劇。竹内涼真演じる主人公・宮部新は、日本最大の巨大外食産業『長屋ホールディングス』の跡取り息子が引き起こしたある事件により絶望の淵に立たされる。そんな彼が復讐を誓い、金と権力を振りかざす巨大企業に屈することなく、父から教えられた“信念を持って貫く”を胸に、仲間と共に立ち向かっていく。絶対的権力者である『長屋…』の会長・長屋茂に香川照之、父の権力を振りかざして傍若無人に振る舞う茂の長男・長屋龍河に早乙女太一、愛人との間に生まれた茂の次男・長屋龍二に鈴鹿央士が配役されている。“土下座させる”ことが目標というのはどうかと思う(『半沢直樹』ばりに香川が土下座?)のだが、韓流ならではの勧善懲悪の展開が期待される。

 

 

フジ木10 7/14 ~ 『純愛ディソナンス』 中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、吉川愛、比嘉愛未、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、筧美和子、眞島秀和、富田靖子、光石研、佐藤隆太、他

玉田真也他の脚本によるオリジナルドラマ。『ディソナンス』とは“不協和音”のこと。5年後に再会を果たした教師と元生徒の間の微妙な関係が周囲に歪みを生み破滅へと向かう禁断の恋物語。中島裕翔演じる新田正樹は信任の音楽教師として、桐谷高校に赴任する。正樹は、両親共に教育関係者という規律正しい家庭環境で育てられ、デキのいい兄と常に比較されたことで強いコンプレックスを持っていた。表向きは生徒に理解のある好青年だが、打算的なところがあり心に闇を抱えていた。そんな正樹が出勤前夜に音楽室でピアノを弾いていたとき、あることから逃げる生徒・和泉冴(吉川愛)と出会う。冴は自身が副担任を務めるクラスの生徒だった。やがて2人は徐々に絆を深め、お互いに特別な感情を抱くようになる。一方、赴任した高校は正樹の前任教師・小坂由希乃の失踪事件で揺れており新田もその騒動に巻き込まれていく。そして正樹と冴は本心で向き合えないままに決別する。しかしひょんなことから5年後に再会を果たす。冴は成人を迎えていたが正樹には妻がいた。決して一線を越えることはなかったが、かつて引かれ合った2人の間には確かに純愛が存在していた。そして再会をきっかけに再び動き出した2人の微妙で繊細な関係性が生み出す“ディソナンス=不協和音”は次第に周囲の人間関係に歪を生み、破滅へと向かい始める。ドラマは青春と恋とサスペンスを描く第1部、恋と仕事における女同士・男同士のバトル、さまざまな思いが交差する大人の人間模様を描く5年後の第2部からなる2部構成。友達以上不倫未満の関係であると言われる“セカンドパートナー”という概念を盛り込んだ純愛&ドロドロ展開の新時代エンターテインメントとの触れ込みだが、果たして今の時代の視聴者に受け入れられるだろうか?

 

 

TBS金10 7/8 ~ 『石子と羽男~そんなコトで訴えます?』 有森架純・中村倫也(W主演)、さだまさし、赤楚衛二、おいでやす小田(おいでやすこが)、他

4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒パラリーガル女子と1回で司法試験に合格した高卒の弁護士男子が誰にでも起こりうる珍トラブルに挑む異色のリーガル・コメディ。西田征史・脚本によるオリジナルドラマ。「カフェで充電していたら訴えられた!」「コンビニでお釣りを多く受け取ったら訴えられた!」など嘘のような珍トラブルがこの世の中にはいくつもある。そういった小さな問題を抱えてマチベン(町の弁護士)の元にやってくる人々の人生や社会にひそむ問題、またそれに関わる人間模様を描く。有森架純が演じるのは4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒のパラリーガル・石田硝子(いしだしょうこ)。“真面目でコツコツ積み上げていく、そして石のように頭が固い”ことから『石子』と呼ばれている。東大法学部を首席で卒業したものの司法試験に4回落ちており、周りには「弁護士になれないんじゃなくて、ならない」と言っているが、本当は次も落ちるのが怖くて試験を受けるのを諦めた。現状の自分にコンプレックスを抱きながらパラリーガルとして父親が営むマチベン『潮法律事務所』に勤めている。石子の父親・綿郎(さだまさし)は、お人好しで困っている人を見ると放っておけず、無料で弁護を請け負ってしまうことも。 そんな父親のようにはなるまいと、石子は少しの無駄も許さない倹約家で法律事務所の経理も担当している。そして中村倫也が演じるのは司法試験予備試験と司法試験に1回で合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(はねおかよしお)。写真のように見たモノを記憶する『フォトグラフィックメモリー』の持ち主で、一見“できる”弁護士。『羽のように軽やかな性格』=『羽男』と自称しているが、実際は対応能力に欠けていて想定外のことが起こると思考回路が停止してしまう。それがコンプレックスになっているが、そんな様子を見せまいと『型破りな天才弁護士』をブランディングしている。そんな羽根岡は、ある日、ひょんなことから綿郎と出会い、『潮法律事務所』にやってくる。正反対のようでどこか似た者同士の2人がコンビを組み様々なトラブルに挑む中で自らのコンプレックスに向き合い成長していく。

 

 

テレ朝 金23:15 7/22 ~ 『NICE FLIGHT!』 玉森裕太(Kis-My-Ft2)、中村アン、尾上右近、阿部亮平(Snow Man)、玉城ティナ、黒川智花、吉瀬美智子、他

衛藤凛・脚本のオリジナルドラマ。空と空港を舞台にある副操縦士と女性管制官の恋物語。玉森裕太が演じる主人公は航空会社の副操縦士・倉田粋(くらたすい)。過酷な訓練生活を経て念願の副操縦士に昇格。何事にもまっすぐに向かっていく純粋な性格で、頼られると断れない、困っている人を見ると助けずにはいられない、という優しい青年。しかし『一緒に飛ぶと必ずトラブルに遭遇する』ことから《ツイてるコーパイ(副操縦士)》の異名をつけられていた。この日も悪天候に見舞われ、機長とともにコックピットで対応に追われる中、無線から聞こえてきた女性管制官・渋谷真夢(中村アン)の冷静な管制によって、機は無事羽田空港に着陸できた。顔も名前もわからないその声の主に粋は《ひと聞き惚れ》してしまう。人の命を預かりながら、搭乗した人々を幸せにするパイロットという職業に誇りを持ち、全力で仕事に打ち込む傍ら、粋は忘れかけていた恋愛への気力も取り戻す。一方、粋に惚れられた真夢は、誰もが一目置くプロフェッショナルな仕事ぶりとは裏腹に、プライベートでは何もかも不器用すぎる女性だった。“声”だけで出会った2人が、“生身の人と人”として再び出会ったとき、《働く大人の仕事と恋》の物語が展開される。ちなみに玉森32歳、中村34歳である(余計なお世話?)コロナ禍をまだ脱していないこの時期に航空業界の恋と言われてもって感じではある。

 

 

日テレ土10 7/16 ~ 『初恋の悪魔』 林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、味方良介、安田顕、田中裕子、他

坂元裕二・脚本のオリジナルドラマ。警察署に勤めてはいるが捜査権のない現在停職中の警察職員の男女4人が、刑事とは違う感性と推理で難事件を解明するミステリーコメディ。林遣都演じる、ヘマをして現在停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(しかはますずのすけ)のもとに総務課の馬淵悠日(まぶちはるひ)(仲野太賀)、生活安全課の摘木星砂(つみきせすな)(松岡茉優)、会計課の小鳥琉夏(ことりるか)(柄本佑)の、部署もバラバラでそれぞれ訳ありの4人が集まった。彼らには正義感も出世欲も無い、求めているのは、ただ真実のみだった。ひとりひとり、こじれた事情を抱えながら、刑事とは違った感性と推理で難事件を解明する。いつしか芽生えた4人の友情、そして恋。やがて4人は、より大きな真実と運命に飲み込まれていくことになる。

 

 

NHK日8(大河ドラマ) 継続中 『鎌倉殿の13人』 小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、中川大志、山本耕史、大泉洋、佐藤浩市、松平健、西田敏行、江口のりこ、迫田孝也、青木崇高、市川染五郎、八嶋智人、南沙良、秋元才加、山崎一、岡本信人、市川猿之助、竹財輝之助、坪倉由幸(我が家)、山口馬木也、國村隼、坂東彌十郎、宮沢りえ、片岡愛之助、小池栄子、小林隆、中村獅童、佐藤二朗、堀内敬子、草笛光子、他

主人公・北条義時がコロコロとキャラ変するため、ちょっとついていけない感がある。この北条義時という人物を正義の味方の主人公にすること自体無理があるのではないか。とはいえ、ドラマはいよいよ後半に突入で、この先どうまとめていくのかしっかりと見守っていきたい。

 

 

TBS日9 6/26 ~ 『オールドルーキー』 綾野剛、芳根京子、中川大志、岡崎紗絵、増田貴久、稲垣来泉、泉谷星奈、榮倉奈々、高橋克実、反町隆史、他

福田靖・脚本によるオリジナルドラマ。6月中のスタートとなる。37歳で引退に追い込まれ、スポーツマネージメント会社で働くことになったサッカー元日本代表の主人公が新たな目標に挑戦し、妻や娘からもう一度誇りに思ってもらえる存在になるために奮闘するヒューマンドラマ。主人公・新町亮太郎(しんまちりょうたろう)を演じるのは綾野剛。新町は、底抜けに明るく、サッカーに人生をかけてきたプロサッカー選手。日本代表まで上り詰めて、決定的な場面でゴールも決めたが、その後は怪我の影響で低迷。まさに“記録より記憶に残る男”だった。その後、J3のチームに所属していたが37 歳で突如現役引退に追い込まれてしまう。サッカー以外のスキルが全くない新町がどん底で出会ったのがスポーツマネージメント会社『ビクトリー』。スポーツマネージメントとは、現役アスリートの代理人やマネージメントを行う、いわば裏方だが、新町はそこで働く決意をする。しかし、娘たちには自分が引退したことを言えないでいた。近い将来、娘たちに自信を持って引退したことを、そしてセカンドキャリアに踏み出したことを言えるよう、持ち前のポジティブ力と、サッカーで鍛えた直感力で突き進む決意をする。ただ、心のどこかでは “引退”を未だ受け入れられない自分がいて、現実の間で揺れ動いていく。さらに、37歳での新社会人は簡単なものではなく仕事でも大きな壁に直面する。新町をはじめとしたスポーツマネージメント会社で働く個性豊かなエージェントたちは顧客である現役アスリートたちと対峙することを余儀なくされる。人生の後半戦に待ち受ける挫折や葛藤を越え、挑戦者として生きる元アスリートの奮闘が描かれる。亮太郎の2人の娘役には稲垣来泉と泉谷星奈が抜擢されている。

 

 

日テレ(読売テレビ)日22:30 7/24 ~  『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』 永瀬廉(King & Prince)、山田杏奈、西畑大吾、三浦翔平、満島真之介、濱田岳、小澤征悦、他

原作は甲斐谷忍のコミック『新・信長公記~ノブナガくんと私~』。100年後の未来が舞台。名だたる戦国武将のクローン高校生たちが、同じ学校に集結する。くせ者揃いの英雄たちが、知力と武力で総長を目指して大暴れする、新しい学園天下取りエンターテイメント。2105年、『ある戦国オタクの科学者が“名だたる武将達が一斉にこの世に生まれたら誰が一番強いのか”を知るために禁断の実験に手を染めた』という都市伝説がささやかれる。実際にそう考えた科学者が次々と戦国武将のクローンを作り出し世に放つ。それから15年経った2122年。名前もキャラも戦国武将そのものの“クローン高校生”が34人も銀杏高校に終結していた! 彼らが目指すのは不良の世界の『てっぺん』を獲ること。やる気満々の武田信玄、上杉謙信、伊達政宗に羽柴秀吉……。駆け引き、策略、裏切り、何でもありの新・戦国時代が幕を開け、武将たちが熱いプライドをかけて戦う。だがひとり織田信長だけはマイペース。不良たちも『あいつはただのバカ』と見くびるが…!折しも凶暴で非情な徳川家康が転校してきて格違いの戦力で学校の乗っ取ろうとする。そんな状況についに信長が動き出す…。なんとも意味不明なドラマである。

 

 

今クールは公正取引委員会、リフォーム会社、スタートアップ企業、

警察官、家庭教師、自衛隊、弁護士・パラリーガル、パイロット、

スポーツマネージメント会社などなど、お仕事ドラマが大半を占めている。

前クール多かったミステリーは影を潜め、医療ドラマもなし。

残念ながら高視聴率が獲れそうなドラマは皆無のようである。

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