まずは2013年1月クールのドラマを総括。
今クールは大当たりと言えるドラマはなし。
しかも15%越えは『相棒』のみという体たらく。
これは視聴者のテレビ離れによるというよりは、
魅せるドラマが実際にないからではないか。
さて、各ドラマ、まだ放映中だが、
例によって、3月8日までのデータに基づいて
視聴率の良かった順に勝手な寸評を加えてみたい
(括弧内は平均視聴率、大河ドラマを除く)。
『相棒(11)』(16.86%)
昨年10月開始のドラマだが、上述のように今クール唯一の15%越え。しかもほぼ全回で15%以上と新相棒が成宮寛貴に代わっても人気は根強い。新鮮味はあまりないと思うのだが…。皆さん安定した刑事ドラマがお好きなようだ。
『とんび』(14.00%)
旭が子役のころは16%越えだったのだが、佐藤健になってから並の視聴率まで下降(苦笑)。ドラマ自体はNHK版(堤真一)の方が良かったとの声も聞かれる。熱演の内野聖陽の健闘は称えたいが、ちょっとくどすぎる感もあった。原作に忠実に広島弁で見たかった。
『最高の離婚』(11.81%)
坂元裕二の脚本はセリフの細かいところまでよく練られていて、時折の長ゼリフも飽きることなく聞けた。4人とも演技がしっかりしていて安心できた。ただ本ドラマの内容からは視聴者層がかなり限定されたのではないかと推察され、思ったほど視聴率が伸びなかった原因はそのあたりにあるのかもしれない。
『ビブリア古書堂の事件手帖』(11.74%)
舞台となっていた鎌倉の雰囲気がよく描かれていて、剛力彩芽も頑張っていたと思うが、いかんせん彼女の滑舌が悪く、セリフ・ナレーションともに聞きづらかった。ドラマの中心となる3人(剛力、AKIRA、高橋克実)の演技力が揃って今いちで、この中に少なくとも一人は安定した俳優を配したかった。また『事件手帖』とあるが、たいした『事件』はなく、多くの視聴者もどっぷりとはまることができなかったのではないか。
『ラストホープ』(11.50%)
おっちょこちょいでおとぼけの医者役ならまだしも、最先端医療を担う医師役はやっぱり相葉雅紀には無理。その他のキャストたちもとても先進医療センターのスタッフに見えず、専門用語を織り交ぜたセリフもたどたどしい。多部未華子は個人的にはファンなのだが、あえなく初回で視聴を断念。
『夜行観覧車』(11.40%)
鈴木京香と石田ゆり子の配役を逆にした方がよかったのではないかと感じた。夏木マリの演技が大げさすぎてリアリティが削がれてしまったように思う。金曜の夜だったのでなんとかこの数字が獲れたのかもしれない。
『おトメさん』(11.12%)
黒木瞳、相武紗季の両人はなかなか頑張っていた。ただ黒木が演じた姑はもう少し庶民的な感じでよかったのではないか。石田純一の大根ぶりはドラマを壊してしまった。
『信長のシェフ』(10.82%)
深夜ドラマでこの視聴率はなかなかのもの。ただし原作の面白さがドラマに生かし切れていない。玉森裕太は表情の変化などもう少し演技を磨く必要がある。一方、志田未来、役柄に今後どのような方向性を見つけていくべきか、先行きが心配である。
『泣くな、はらちゃん』(10.31%)
個人的には今クール一番だったドラマ。これまで嫌いだったが、長瀬智也がいい味を出していた。麻生久美子も癒し系の雰囲気でほほえましかった。つい口ずさんでしまいそうな挿入歌もグッド。土9時のこの枠はSFファンタジー路線がいいようだ。残念ながら視聴率は獲れなかったが…。
『dinner』(9.88%)
予想通り視聴率は獲れなかったが、惨敗でもなかった。個人的には一回も視聴しなかったのでコメントも控える。なお本ドラマをもってドラマチック・サンデーはあえなく終了。
『サキ』(9.88%)
『美しい隣人』もそうだったが、見ていていい気持ちのしないドラマ。たとえ今回も『サキ』が生き延びたとしても、第3弾は絶対見ない。そんな思いを強くした。
『シェアハウスの恋人』(9.29%)
予想通り視聴率は低迷。やはり水川あさみではちと荷が重い。大泉洋は奮闘していたのだが…。結局何が言いたいドラマか理解できず、個人的には第3話でリタイア。
『あぽやん~走る国際空港』(8.32%)
初回から全く観る気が起こらず、1分も視聴していないためコメントなし。視聴率は推して知るべし。TBS木9、死んでます…。
それでは、4月からの新ドラマ、
ざっとチェックしてみましょう。
フジ月9 4/15~ 『ガリレオ2』 福山雅治、吉高由里子、柴咲コウ、北村一輝、渡辺いっけい
2007年10月クールの『ガリレオ』第2弾。本年夏にこのシリーズの映画『真夏の方程式』が公開される予定で、今回の続編放映はその景気づけ連ドラと目される。原作は東野圭吾の『ガリレオ』シリーズで、今回はその中から『ガリレオの苦悩』『聖女の救済』『虚像の道化師ガリレオ7』『禁断の魔術ガリレオ8』のドラマ化となる。今シリーズから主人公の天才物理学者・湯川学の相棒として、柴咲コウ演じる内海薫に代わり、原作にはないキャラクター・岸谷美砂が登場、吉高由里子がこれを演じるらしい。この交代をめぐっては、映画『真夏の方程式』に出演する織田裕二と柴咲との不仲説が取りざたされている。真相は不明だが、吉高は福山と同じアミューズ所属ということもあり、いろいろと裏がありそうである。それはさておき、柴咲が演じた内海薫が所轄の刑事だったのに対し、吉高演じる岸谷美砂は警視庁捜査一課の女性刑事という設定。薫がMキャラだったのに対し、予告では美砂はSキャラとか。不自然さを払拭するためか、一応、第1話には柴咲も登場するとのことである。とにもかくにも今夏の映画を成功させるため制作側には気合いが入っていそうである。
フジ火9 4/9~ 『鴨、京都へ行く~老舗旅館の女将日記~』 松下奈緒、椎名桔平、堀内敬子、若村麻由美、かたせ梨乃、松平健
松下奈緒が老舗旅館の女将となって奮闘する完全京都ロケによる現代版・細腕繁盛記?東大卒のエリートキャリア財務官僚の主人公・上羽鴨(うえばかも)は、故郷・京都にある実家で名旅館『上羽や』の女将だった母親が急逝したため、急遽、女将業を継ぐことになる。ところがその『上羽や』は借金まみれだった。突然の女将就任に鴨は右往左往し、名旅館の評判は急降下、従業員たちの反発に遭う。そこに現れたのが、椎名桔平演じる外資系コンサルタント会社の金融マン・衣川周平(きぬがわしゅうへい)。計算高く頭のキレるこの京男と鴨はいがみ合いながらもコンビを組みこの旅館の再建を目指すことになる。揃って強烈キャラを持つ旅館の従業員である仲居頭、板長、板前、下足番らと対峙し苦労を重ねながらも、鴨は徐々に女将稼業にハマッていき暴走する。亡くなった母親と鴨との確執、母親が目指していたものは一体何だったのか、などの謎も徐々に解き明かされていく。低迷気味の松下奈緒が起死回生のきっかけをつかめるか注目。“細腕”ならぬ“凄腕”繁盛記?
フジ(関西テレビ)火10 4/9~ 『幽(かす)かな彼女』 香取慎吾(SMAP)、杏、前田敦子、北山宏光(Kis-My-Ft2)、岩橋玄樹(ジャニーズJr.)、森本慎太郎(ジャニーズJr.)、神宮寺勇太(ジャニーズJr.)、澤畠流星、松井健太、田口司 、渡辺貴裕、佐奈宏紀、岡田龍之介、未来穂香、近藤玲奈、飯豊まりえ、広瀬すず、関紫優、中村ゆりか、柴田杏花、荒川ちか、森迫永依、山本舞香、浅川梨奈、加藤里保菜、上白石萌歌、濱田マリ、春海四方、真矢みき、高嶋政宏
キャッチフレーズは人間と幽霊の垣根を越えたコンビが繰り広げるハートフル・ラブコメディ、とか。ある男性教師と、“幽霊”となった元女教師がタッグを組んで学校に起こる様々な問題を解決していこうとするバカバカしい(失礼!)SF ラブコメディ。主人公は霊感を感じることのできる神山暁(香取慎吾)。彼はもともと工学系の仕事に就きたかったため教師という職業には情熱を持てない“行き場を失った”中学校教師。そんな彼がある日、杏演じる“生き場を失った”元教師の幽霊(地縛霊)・アカネと出会う。彼女は、ドジで要領の悪い女幽霊で、神山は妙に放っておけない気持ちになる。しかし、これをきっかけにして神山には教師としての情熱が芽生え、学校にはびこる様々な問題に全力でぶつかっていこうとする。 TBS『MONSTERS』で悲惨な演技を見せてしまった香取、名誉挽回なるか?そして低視聴率女・前田敦子もその汚名払拭なるか?見どころはその辺になりそうだ(おいおいっ!)。
テレ朝水9 4/17~ 『遺留操作(3)』 上川隆也、斉藤由貴、八嶋智人、岡田義徳、正名僕蔵、眞島秀和、波岡一喜、甲本雅裕、西村雅彦、三宅裕司
コメントは特になし。事件ものがお好きな方はどーぞ。
日テレ水10 4/17~ 『雲の階段』 長谷川博己、稲盛いずみ、木村文乃、荻原聖人、青柳翔、キムラ緑子、大友康平、内藤剛志
渡辺淳一原作の小説『雲の階段』のドラマ化。離島の診療所で医師資格を持たずに医療行為を行う青年が辿る運命と彼を愛し抜く二人の女性の生き様が描かれる。長谷川博己演じる主人公・相川三郎は医師不足に悩む離島の診療所に務める事務員。あるとき、診療所の村木所長(大友康平)は三郎に虫垂炎の手術をやらせてみる。手先が器用で勘も良い三郎はそつなくこなし、それをきっかけに様々な治療を覚えていく。そして島民からも信頼されるようになった三郎は医師免許のないまま所長の弟子となり医師の仕事をこなしていく。無資格診療を続ける三郎を愛し、支え続けようとする診療所の看護師・鈴木明子を稲盛いずみが演じる。そして、あるとき大病院の令嬢・田坂亜希子(木村文乃)と出逢ったことで、三郎と明子の運命は大きく変わる。亜希子の父親で東京の大病院の院長・田坂を内藤剛志が演じる。原作がしっかりしているだけに、興味深いドラマとなりそうだ。
フジ水 10 4/17~ 『家族ゲーム』 櫻井翔(嵐)、鈴木保奈美、板尾創路、神木隆之介、浦上晟周 、忽那汐里
フジの日9・ドラマチックサンデーが不調続きでわずか2年半で廃止、代わって水10のバラエティー枠にドラマを持ってきた。その記念すべき第一作には既に映画化・ドラマ化された名作を取り上げ、主役に嵐のメンバーを起用するなど手堅い企画で挑む。原作は本間洋平による1981年の第5回すばる文学賞受賞作品『家族ゲーム』。本作品の初めての映像化は1982年のテレビ朝日制作の2時間ドラマでこのときの主演は鹿賀丈史。続いてあの松田優作が主人公を演じた映画が 1983年6月に公開されている。さらに1983年8月から9月にかけて長渕剛主演でTBSで連続ドラマ化された。風変わりで突拍子がなく型破りな青年が、高校受験を控えた中学生の家庭教師となったことから巻き起こる騒動がコミカルに描かれる。
主人公の変人家庭教師・吉本荒野を嵐・櫻井翔が演じる。落ちこぼれの中学2年生と、多くの問題を抱えるその家庭を独自の方法で更正していく。30年前の原作の時代とは学校・教育の現場も大きく変わっており、現代版『家族ゲーム』はこれまでと違ったテイストとなりそうだ。
TBS木9 4/18~ 『潜入探偵トカゲ』 松田翔太、松岡昌宏(TOKIO)、蓮佛美沙子、ミムラ、吹越満、遠藤憲一、伊東四朗
未解決難事件解決のために捜査一課の密命によって潜入捜査を請け負う奇妙な名探偵とその助手の活躍を描く。主人公・トカゲ(松田翔太)は元警視庁捜査一課の刑事。協調性に欠け、他人にも心を許さないため周囲から疎まれていたが、並外れた“映像記憶”能力と超人的身体能力で多くの難事件を解決し一目置かれていた。しかし、ある事件で致命的なミスを犯し相棒を死なせてしまう。自身は責任を取って警察を辞職、その後探偵事務所の調査員として働いていたが、警視庁からの要請により潜入探偵として捜査に協力することになる。トカゲの助手・望月香里を演じるのは蓮仏美沙子。お嬢様育ちの香里だったが、気が強く大雑把な性格。探偵事務所に入りトカゲのもとで修行をしているが持ち前の強さでトカゲを救うこともある。トカゲの驚異的な記憶能力を武器に二人は犯人を突き止めていく。トカゲのライバルで、警視庁捜査一課の刑事・寺島秀司を松岡昌宏が演じる。トカゲとは正反対の人情家でそのスマートな振る舞いには人気がある。過去にトカゲのせいで信頼する上司を失ったという思いからトカゲに対して強いライバル心を燃やしている。トカゲの元上司・岸森幹雄を遠藤憲一が、トカゲの探偵事務所所長・柳田雅彦を伊東四朗がそれぞれ演じる。彼らには別の思惑があるのだが、回が進むとともにそれらが明らかにされていくことになる。自身の父親による“探偵物語”とはまた一味違った探偵を松田が演じるようである。
テレ朝木9 4/18~ 『ダブルス~二人の刑事』 坂口憲二、伊藤英明、水川あさみ、夏菜、加藤雅也、高橋克典
刑事のコンビ・ドラマは相当昔から数々ある。古くは『トミーとマツ』『あぶない刑事』から『相棒』『東京DOGS』まで。今回テレ朝は、イケメンコンビを作り上げ新たなシリーズ化を狙っているように思われる。新宿中央署を舞台に伊藤英明扮する刑事・山下俊介と坂口憲二扮する刑事・田代啓一のコンビが凶悪犯罪に立ち向かう。新宿で頻発する多種多様の犯罪に対応するために新宿中央署に新設された刑事課特殊班には警視庁管内から選び抜かれたメンバーが集められた。『何事もゼロベースから見直す』との同署署長の肝煎りで作られた部署であることから『0係』呼ばれている。この0係に山下・田代両刑事が赴任するところからドラマは始まる。山下は前向きで明るい性格で情に厚く正義感にあふれるが、その実直さゆえルールや建前と対立し自身の考えを貫いてしまうことがある。上司の命令に背いて行動したり、思ったことをズバズバと口にして、相方の田代に制止されたり諌められたりする。一方の田代も義理人情に厚い熱血漢。慎重派だが、一度キレるとひどく感情的になることもある。山下は田代と『どこかで会ったことがある』と不確かな記憶を持つが、田代はそれをはぐらかす。そこには何か“秘密”がありそうだ。対立することも多い二人だが、お互いに徐々に“友情”が芽生えてくる。言い合いをしながらも最後には協力して難事件に挑み、時にはアクションシーンも展開される。このコンビ、好対照な二人というより、どちらかというと似たタイプなのかもしれない。人気シリーズ『相棒』とは違ったイケメンかつアクション・コンビで人気シリーズに定着できるかが見もの(男性視聴者としてはあまり期待をしてないのだが…)。
フジ木10 4/11~ 『ラスト?シンデレラ』 篠原涼子、三浦春馬、藤木直人、菜々緒、大塚寧々、飯島直子
39才の“オス化女子”が奮闘するラブ・コメディー。仕事一筋に生きる現代の女性たちの中には、仕事に没頭するあまり自分が女性であることも忘れ、過労やホルモンバランスの崩れから髪の毛が薄くなったり、濃いヒゲが生えたりするなど“オス化”が見られることがあるという。そんな様々な悩みを抱える30代後半のアラフォー女子の実態を描く。主人公である 39 才の“オス化女子”・遠山桜を篠原涼子が演じる。その桜が、あるパーティーで出会い惹かれてしまうことになる年下のイケメン男性・佐伯広斗を三浦春馬が演じる。また桜とは男女の枠を超えた関係にある立花凜太郎を藤木直人、専業主婦で姑との関係や夫とのセックスレスに悩む桜の友人・武内美樹を大塚寧々、同じく桜の親友で、フェロモンを発散させている肉食系女子・長谷川志麻を飯島直子、凜太郎に恋をしているお嬢様・大神千代子を菜々緒が、それぞれ演じる。ドラマの題材に事欠くご時世とはいえ、まあ色々とネタを見つけてくるものである。
TBS金10 4/19~ 『TAKE FIVE』 唐沢寿明、松雪泰子、松坂桃李、倍賞美津子、稲垣吾郎
“TAKE FIVE”は泥棒団の名前。唐沢寿明演じる主人公・帆村正義の表の顔は大学教授、そして裏の顔は大泥棒。20年前まで父親とともに、『悪い奴らから大金をせしめる』史上最強の窃盗団“TAKE FIVE”のメンバーだったが、ある出来事がきっかけで“TAKE FIVE”を引退し、都内の大学で心理学の教授として真っ当な日々を送っていた。ところがある日、謎のホームレスの女からレオナルド・ダ・ヴィンチの名画『ルクレツィアの肖像』の写真を渡される。そしてその絵画が東都銀行の担保倉庫にあることを告げられる。しかもその女は正義の過去を知っているようだった。絵画の事実を確かめたい衝動に駆られた正義はその担保倉庫に忍びこむが、そこには絵画はなく、偶然同じように潜入していた同業者・新見晴登(松坂桃李)に出くわす。このことをきっかけに正義は再び泥棒の道を進み始めることになる。そして彼は5人の仲間を集め“TAKE FIVE”を再結成する。新美もこのメンバーの一人として参加する。彼は警備会社の社員を務める一方、天性の“忍び込み師”でもある。また稲垣吾郎演じる岩月櫂は警察の人間で潔癖症ながら高い情報収集の力を持っていたが、突然の左遷をきっかけに“TAKE FIVE”に加わることとなる。残る“TAKE FIVE”のメンバーである南真一を六角精児が、火岡均を入江基儀がそれぞれ演じる。そして、この窃盗団に対峙する刑事・笹原瑠衣を松雪泰子が演じる。彼女の警察官だった父は“TAKE FIVE”による窃盗事件をきっかけに自殺していたが、瑠衣は正義が父の敵の息子であることをまだ知らないでいた。謎のホームレスの女性を賠賞美津子が演じるが、正義に近づき彼を再び泥棒稼業に引き戻そうとするその目的は不明だ。その他、瑠衣の部下の若手刑事・矢野昇太郎役に千葉雄大、正義の研究室の大学院生・柿沢なな役に福田彩乃がキャスティングされている。その名前と裏腹な行動に走る正義の口癖は『盗みは人を不幸にする。でも盗むならそこに愛が必要だ!』とか。泥棒と警察官との禁断の恋、20年前の窃盗団解散の真相、瑠衣の父親の死の真実、ダ・ヴィンチの名画に隠された秘密など様々な謎や思いが交錯しながら物語が展開される。昨今、おバカなCMで品格を落としている唐沢くんの復権に期待したい。
テレ朝金11:15(金曜ナイトドラマ)4/12~ 『お天気お姉さん』 武井咲、大倉忠義(関ジャニ∞)、佐々木蔵之介、壇蜜
今や何を材料にしてでもミステリードラマが作られるようだ。今回は“気象”の要素をミステリーの世界に取り入れた謎解きドラマ。脚本は大石静。朝の情報番組でお天気キャスターを務める武井咲演じる気象予報士・安倍晴子が幅広い気象知識を駆使して警察と違った視点で事件を解決に導くという物語。晴子とタッグを組んで事件解決に当たる警視庁捜査一課の刑事・青木豪太を関ジャニ∞の大倉忠義が演じる。クールで無愛想な晴子と対照的に直情型だが純粋で打たれ弱い豪太は、晴子の助けを借りて犯人のアリバイや供述の嘘を科学的に否定していくことによって真相に迫っていく。この二人に加え、人付き合いが苦手だが晴子たちの捜査に積極的に協力する監察医・三雲三平を佐々木蔵之介が演じる。ゴールデン3連敗だった武井咲が、深夜ドラマでいかなる活躍を見せられるかが見どころ。
日テレ土9 4/13~ 『35歳の高校生』 米倉涼子、溝端淳平、片瀬那奈、升毅、相葉裕樹、横山めぐみ、榎木孝明、柄本明、渡哲也
全日制高校を舞台にした学園ドラマだが、35歳の謎の編入生を演じる米倉涼子は正真正銘の女子高生。いじめ、不登校、ひきこもり、モンスターペアレント、自殺など様々な高校生たちを取り巻く問題に一人の大人が同級生の立場で真っ向から立ち向かっていこうとする社会派エンターテインメントドラマ。新学期、高校3年生のクラスに一人の編入生がやってくる。18年ぶりに復学した35歳のその女子高生はクラスの中でも同級生たちと一線を画す孤高の存在。朝は高級外車で登校、昼休みは喫煙所で一服し、放課後は缶ビールをあおる。謎に包まれたこのオバさん女子高生が、その破天荒な強さで校内に蔓延している『闇』をぶち壊す。一匹狼が硬直化した閉鎖社会に殴り込むという内容と予測され、さながら『ドクターX~外科医・大門未知子』の学園版といったところか?局は違うが、今回もそこそこの視聴率を獲りそうである。
フジ土11:10 4/13~ 『間違われちゃった男』 古田新太、中丸雄一(KAT-TUN)ほか
昨年解散した東京セレソンデラックスの舞台『ぴえろ』をもとに今回連続ドラマ用に宅間孝行が書き下ろしたコメディ。下町・蔵前の寿司屋で繰り広げられる人情ドラマが1話ごとに1日のストーリーとして展開される。人情に厚く、涙もろいせいで失敗を繰り返すコソ泥の主人公・沢木裕次郎を古田新太が演じる。また裕次郎の舎弟・ヤスを KAT-TUN の中丸雄一が演じる。沢木裕次郎はコソ泥だが、その盗みには彼なりのポリシーがある。ある夜、蔵前にある寿司屋『すし政』にヤスと忍び込むが、あっさり見つかりボコボコにされ2人は意識を失う。ところが目覚めた2人は『すし政』の面々の大歓迎を受ける。沢木が10年前に店を飛び出した腕の立つ板前・テルとうり二つだったのだ。何とかその場から立ち去ろうとする沢木とヤスだったが、その人情の厚さと人の良さが災いし逃げ出せず、さらには亡くなったばかりの大将の娘・秋子に一目惚れしまった沢木はますます深みにはまっていく…。こんなドラマ、土曜の深夜に視たいと思う人がどれくらいいるだろうか?
NHK日8 継続中~ 大河ドラマ 『八重の桜』 綾瀬はるか、西島秀俊、長谷川博己、剛力彩芽、黒木メイサ、松重豊、風吹ジュン、長谷川京子、工藤阿須加、綾野剛、稲森いずみ、玉山鉄二、池内博之、斎藤工、北村有起哉、貫地谷しほり、芦名星、市川実日子、白羽ゆり、秋吉久美子、小泉孝太郎、村上弘明、降谷建志(Dragon Ash)、生瀬勝久、市川染五郎、小堺一機、反町隆史、加藤雅也、吉川晃司、中村獅童、西田敏行、オダギリジョー、勝地涼、水原希子、谷村美月、小栗旬、及川光博、高嶋政宏、奥田瑛二、松方弘樹
ここまで新島八重と綾瀬はるかの間にイメージ上のギャップが大きいこと、さらにドラマの展開も遅いことから視聴率は右肩下がりの状況にある。綾瀬はるかが華奢過ぎる印象。また幕末の緊迫感も今ひとつ伝わってこない。前作に比べ映像はきれいになっているのだが…。とにかく、最近の視聴者は性急さを求めている傾向にあり、我慢して視聴を続けようとする人が減ってきているように思われる。とはいえ、会津の視点から幕末・明治維新が描かれる点は新鮮でもあり、今後に期待したい。
TBS日9 4/14~ 『空飛ぶ広報室』 新垣結衣、綾野剛、水野美紀、要潤、高橋努、ムロツヨシ、桐山漣、渋川清彦、三倉茉奈、前野朋哉、生瀬勝久、柴田恭兵
原作は人気作家・有川浩のベストセラー小説『空飛ぶ広報室』。美人テレビディレクターと航空自衛隊の元戦闘機パイロットが『幼い頃からの夢を絶たれ、ただいま人生の壁にぶち当たっている』という共通の思いからお互いに理解を深め、惹かれ合い、次の目標を見つけ出し成長していく姿が描かれる。さらにこの2人を軸として、航空自衛隊の『チーム広報室』の個性的なメンバーたちが、ときには衝突し、ときには影響し合いながら、仕事に対する目標を見て受け、成長していくという群像劇も映し出される。強気なテレビディレクター・稲葉リカを新垣結衣が、不慮の事故で夢を絶たれた元戦闘機パイロット・空井大祐を綾野剛が演じる。また航空自衛隊の広報室長で、部下の企画を全面的にパックアップし、優れた交渉術を持つ理想の上司・鷺坂正司を柴田恭兵が演じる。物語は2010年、東日本大震災以前から始まる。帝都テレビに勤務する稲葉リカは幼い頃からの夢だった報道記者となり、警察庁付きの記者として活躍、有望な人材として高く評価されていた。しかし、リカの強引すぎる取材は取材対象とトラブルになることが多く、不本意ながら入社5年目で夕方の情報番組のコーナーディレクターへ異動させられる。そこで制服特集企画の担当となったリカは自衛隊の取材を始めることになる。一方、念願の戦闘機パイロットになることができた空井大祐二尉は不慮の事故で足を負傷し、ブルーインパルスに搭乗するという幼い頃からの夢が絶たれてしまう。航空幕僚監部広報室への異動となった空井は感情を表に出すこともなく失意の日々を送っていた。空井が“当たり障りのない穏和な能面”をかぶっているだけだと見抜いた上司の鷺坂正司は周囲の反対を押し切って空井にリカのアテンド役を任せることにする。空幕広報室に通うことになったリカは、スクープを物にして記者に戻りたいとの気負いから空井をはじめとする空幕広報室のメンバーに対して挑発的な言動を繰り返す…。フジ日9のドラマ枠が廃止となりライバルがいなくなった日曜劇場だが、放送業界関係(および自衛隊)のドラマではあまり視聴率は期待できそうにない。
以上、今クール、
最も高視聴率を期待できそうなのは
米倉涼子の二番煎じ風ドラマ?
あるいは渡辺淳一原作ドラマ?
それともやはり実績のある『ガリレオ』?
乞うご期待!ですね~。