MrKのぼやき

煩悩を解脱した中年男のぼやき

制御不能な私の左足

2018-02-23 22:40:31 | 健康・病気

2月のメディカル・ミステリーです。

 

2月19日付 Washington Post 電子版

 

One day, a serious athlete couldn’t walk straight. Doctors were stumped.

ある日、まじめなスポーツウーマンがまっすぐ歩けなくなった。医師らは困惑した。


By Sandra G. Boodman,

 「何やってんの?」Laura Hsiung(ローラ・シーアン)さんがメリーランドにあるハンドボールのコートをゆっくりと走っていたとき彼女の友人たちはそう尋ねた。彼女は足首を故障したかのように左足の外側で歩いていたのである。

 Hsiung さんは自身も同じ事を疑問に思っていたことを思い出す。正常に歩いていたかと思うと、その後突然歩けなくなることがあったのである。

 「私には見当がつきませんでした」と Hsiung さんは言う。「足首を捻挫したようなことはありませんでした。しかし左足がとにかく正常に機能しなかったのです」

 それからの2年間、Hsiung さんは整形外科医、足治療医、さらには神経内科医と相次いで専門医を受診したが、彼らは誰一人として、彼女の奇妙な歩行を引き起こしている原因を説明することができなかった。

 彼女は手術を受けたが効果はなく、この障害に対して次第に自暴自棄になっていった。しかし彼女の右側の足にはその症状を見ることはなかった。

 「医師からは異口同音に『あなたの病気の原因はわかりません』と言われました」Montgomery 郡に住む Hsiung さんは言う。さらに彼らのほとんどは、推定される原因を解明することに関心がないようだったと彼女は言う。

 

Laura Hsiung さんは、歩行機能を障害する病気を発症後、理学療法準学士を取得した。彼女は現在、負傷兵士の治療に取り組んでいる。

 

 失望と不安を抱えたまま2年近くが経過した後、ある理学療法士への受診が最終的に診断につながり、その後、Hsiung さんのまれな症状の軽減に有効となる治療が行われた。

 2人が会ったのは2度しかなかったが、その理学療法士と出会えた影響は、Hsiung さんの人生の新たな一面を活性化する効果をもたらし、彼女が考えていた中年期の転職を後押しする結果となったのである。

 

Thinking about every step 一歩一歩を考える

 

 生まれてこのかた、Hsiung さんはスポーツウーマンだった。体操選手としての彼女の技量は University of New Hampshire のスポーツ奨学金を彼女にもたらした。彼女は熱心なランナーでもあり、30歳代になってもバレーボール競技に出場した。

 ハンドボールコートでのあの2010年のエピソードの後、彼女が最初に受診したのは Montgomery 郡の足治療医だった。彼は足首のレントゲン写真を撮影したが、異常は何も認められなかった。その医師は“全身性脱力(generalized weakness)”と診断し、当時46歳だった Hsiung さんを理学療法士に紹介した。

 彼女は6ヶ月の間、定期的にその理学療法士を受診した。彼は彼女の歩行を正常化させることを期待して足首のテーピングを試みた。また、ストレッチ運動の治療計画を指示し、彼女の靴に特注の矯正具をオーダーした。しかしこれらの方策はいずれも効果がなかった。

 歩行時 Hsiung さんの左足は外側への回転を繰り返したが、これは回外(supination)と呼ばれる動きである。「足首は痛むし、つま先は丸まるので、一歩一歩考えなければなりませんでした。なぜなら、私は常に修正しようと努めていたからです」そう彼女は思い起こす。

 彼女の祖父がパーキンソン病にかかっており、病初期に下垂足(foot drop)を起こしていた。これは足の前側を持ち上げることが難しくなる状態である。

 Hsiung さんは、他の症状はなかったものの自身の症状がパーキンソン病の初期の徴候ではないかと心配した。

 彼女は、著しい関節の摩耗によって引き起こされる疼痛のために両膝の関節置換術を受ける必要があることを承知していた。

 「手術で良くなる可能性があったことから、私は前に進み、膝の置換術をすべきだと考えました」と彼女は言う。

 2011年3月、Hsiung さんは両膝の人工関節置換術を受けた。その手術により彼女の膝の機能は非常に改善したが、彼女の奇妙な歩行は持続した。「私はこう思いました。『うわっ、やばい、治ってない』」

 次に彼女が向かったのは、疼痛治療を専門にする麻酔専門医だった。「悪い原因はわからないと彼は言いました」と彼女は思い起こす。

 彼女は先の足治療医のところに戻った。彼は彼女の左足首の良性腫瘤であるガングリオン嚢胞を切除する手術を提案した。これが関節を障害している可能性があると彼は考えたのである。

 その手術は 2011 年11月に行われた。しかしやはり効果は見られなかった。

 翌月、歩行障害を専門とする医師である整骨医(osteopath)を受診したがこれも有効ではなかった。

 彼女が次に受診したのは神経内科医だった。彼は神経機能を評価する筋電図検査とともに Hsiung さんの腰部と足首のMRI検査を行った。すべては正常だった。2012年6月、Hsiung さんは7人目の医師となるワシントンの整形外科医を受診した。この医師は足と足首の疾病を専門としていた。

 彼の回答は情けないほど聞き覚えのあるもので失望する内容だった。彼は“左足関節の不安定性”と診断したが、その原因が何かはわからなかった。

 その整形外科医は、Hsiung さんに理学療法士の John Jowers 氏を受診するよう勧めた。彼はその医師と一緒に働いている人物だった。「John なら奇妙な症状に対処してくれる、そう彼は私に言いました」

 

Running backward 後ろ向きに走る

 

 突然の症状について Hsiung さんから説明を聞いた後、Jowers 氏は彼女の歩行をより正確に解析するために彼女がトレッドミル上を歩くのを録画することにした。彼女の足の横と後ろから、その動きがカメラに収められた。

 筋力の低下が原因でないことは明らかだった。「Laura さんにはしっかりした筋力があり協調性も保たれていました」と彼は指摘する。

 しかし Jowers 氏は別の事実を発見した:彼女が後退するときや横に一歩踏み出すときには、彼女の足は正常に機能していたのである。

 「これが整形外科的疾患でないことは実に明らかでした」と Jowers 氏は言う。その一つの理由として、彼女が自身の動作に集中することによって足を制御することができないように見えたからである。彼女の問題は神経学的な疾患である可能性があると彼は考えた。

 Jowers さんによると、およそ数年前に医学生涯教育で学んだことのある、あるまれな疾患を思いついたという。動作特異性局所性ジストニア(task-specific focal dystonia)と呼ばれる運動障害は、特定の筋肉の反復使用、もしくは酷使の後に起こりうる;その原因は不明だが、遺伝的要因や環境的要因の結果と考えられており、運動を統制する脳の局所における機能不全を反映している可能性がある。

 この疾病を持つ患者では、不随意な筋肉の収縮、あるいは制御できない運動が前触れなく起こる。著述家がこれを起こすこと(この場合書痙 writer's crampと呼ばれる)があり、ピアノやギターなどの楽器を演奏する人たちや(音楽家ジストニア musician's dystonia)、ランニングなどのスポーツに関わっている人たちにも見られる(反復運動ジストニア、あるいはランナーズジストニアとして知られる)。

 「皆さんがこれを見ることは恐らくないでしょうが、万が一に備えて、心の片隅に留めておいて下さい」そのときインストラクターが聴講者に向かってそう話したことを Jowers 氏は覚えている。

 この疾病はまれで、100万人当たりおよそ7~69人が発症する。演奏が障害されるほど重症のジストニアに見舞われるのは音楽家の約1%であり、その中には名ピアニストの Leon Fleisdcher や故 Glenn Gould がいる。

 反復運動ジストニアの最近の研究では、同疾患は整形外科的疾患や、さらには精神的疾患としばしば誤診されることがわかっている。

 11月には ランナーズジストニアを持つ28歳の Justine Galloway さんが後ろ向きに走ることにより、ちょうど6時間ほどでニューヨークシティマラソンを完走したが、後ろ向きに走ることが彼女の脳を正常に活動させているようである。

 この疾患は治癒不能である。ボトックスの注射やパーキンソン病の治療に用いられる薬剤であるレボドパ levodopa などの治療が症状を軽減させることがわかっている。

 2度目の受診の際、Jowers 氏は、この疾患が彼女の足の症状を引き起こしている可能性があると考えていると Hsiung さんに説明し、神経内科医への受診を勧めた。

 2、3ヶ月後、Hsiung さんはマンハッタンのジストニアの専門医を受診し、Jowers 氏が疑っていた診断が確定した。

 「ついにこの症状の病名が得られて安堵しました」と Hsiung さんは言う。「でもそれを治すことはできないのです」

 彼女はレボドパの内服を始めたが、それにより歩行は正常化した。Hsiung さんはさらに、ハイキングコースのような起伏のある地形を歩く方がショッピングモールを歩くよりはるかに楽であることを発見した。

 Hsiung さんのこの2年間の苦難、そして彼女の病気の解明にほとんど興味を示さなかった多くの医師に対する強い失望が、人生を変える方向に彼女を駆り立てた

 28年間携わった法関連ソフトウェアを売る仕事を 2014 年に退職、そして Montgomery 大学の2年半のプログラムに登録し理学療法準学士の学位を取得した。

 Hsiung さんによれば、自身が何年にもわたって悩まされてきたスポーツ関連外傷や、Jowers 氏の支援により知り得た経験から、この仕事に惹きつけられたという。彼女は Jowers 氏のことを“症状の原因が何であるかを解明するために進んで時間を割いてくれた唯一の人物”と表現する。

 この2年間、Hsiung さんは Bethesda にある Walter Reed National Military Medical Center のクリニックで負傷した兵士の治療に当たってきた。「あの経験が自分を、より優れた療法士にしてくれたと思っています」と彼女は言う。

 現在 Rockville にある Launch Sport Performance に勤務している Jowers 氏はつい最近まで Hsiung さんと連絡がとれていなかった。自身が施した治療の結果が一因となって二人が同じ領域で働くことになったことを彼は知らなかった。

 「このことを聞いて私は大変嬉しく思いました」と Jowers 氏は言い、彼女の転職に自身の貢献があったことを知ったとき“心を揺さぶられたように”感じたと付け加える。「Laura さんはそれに対する見方を変え、そこから前向きなものを作り上げたのです」

 

 

 ジストニアについては

“ NPO 法人ジストニア友の会”のHP

ご参照いただきたい。

 

ジストニア (dystonia)は、

中枢神経系の障害による不随意で

持続的な筋収縮にかかわる運動障害の総称と定義される。

自分の意思と関係なく、無意識に筋肉が硬直し、

姿勢異常を来したり、全身あるいは身体の一部が捻れたり

硬直、痙攣が引き起こされる。

このうちある特定の動作をするときにジストニアの症状が

出現するものを動作特異性ジストニアといい、

代表的なものに字を書くときだけ手の痙攣が起こる書痙がある。

職業に関連する場合、職業性ジストニアと呼ばれる。

音楽家が楽器を演奏できなくなったり、

スポーツ選手では、ピッチャーが投げられなくなったり

ゴルファーがパットを打てなくなるといったものである。

最近よく耳にする“イップス”と、このジストニアとの

関連性が指摘されている。

病理学的には脳に明確な異常が認められないことから

本症の原因はまだ不明であるが、

プレッシャーなどの心理的影響や遺伝的素因の関与も

示唆されている。

同じ動作や姿勢を反復的、かつ高頻度に繰り返すことで

脳の神経機能に何らかの障害がもたらされると考えられる。

 

ジストニアは未だに症例が少なく治療法は確立されていない。

根治療法はなく対症療法によって症状の緩和を目指す。

薬物治療としては、抗パーキンソン薬、抗不安薬などが

用いられるが、効果が見られない場合も多い。

不随意運動を起こしている筋肉に対して

筋緊張を低下させる注射を行うボツリヌス療法や

神経ブロックが行われることもある。

薬物の効果が見られない難治例では、

大脳基底核の一部(視床)を凝固する定位脳手術や

大脳基底核に電極を埋め込む脳深部刺激術が選択される。

 

これまでは、心因性のものと片付けられてしまっていたり、

整形外科的治療(手術)が行われたケースも多く、

本疾患に対する十分な啓蒙が求められる。

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背中の痛み、そして歩行困難

2018-01-18 21:50:58 | 健康・病気

2018年最初のメディカル・ミステリーです。

 

1月13日付 Washington Post 電子版

 

Doctors told this 20-year-old his back pain wasn’t serious. Then he couldn’t walk.

医師らはこの20才男性の背部痛は深刻ではないと言った。しかし彼は歩けなくなった。

By Sandra G. Boodman, 

 シカゴからイリノイ州スプリングフィールドの自宅までの200マイルのドライブは James Weitzel(ジェイムズ・ワイツェル)さんにはいつもより長く感じられたが、その間、何ヶ月もの間彼を悩ませてきた右の肩甲骨近くの鈍痛を和らげようと努めたがほとんど効果はなかった。

 彼の家庭医はこの20才の男性に対して、働いているピザショップで彼がビールケースを持ち上げた時におそらく肉離れを起こしたか、背部の椎間板を損傷したのではないかと説明していた。市販の鎮痛薬は効果なく、州間高速道路55号線を青いキャデラックを走らせながら、Weitzel さんは手の上に座ることで痛みが少し和らぐことに気付いた。

 何日もの間、繰り返し襲ってくる不安を抑えようとしてきた。「(もっと深刻な)何らかの異常があるという感覚でした」と彼は言う。

 それから一週間も経たない 2016 年8月上旬、Weitzel さんはある朝、目を覚ますと歩けなくなってしまい、自分の考えが正しかったことを知ることになる。

 「友人たちが皆、大学を休んでいる間、私は自宅で死と戦っていたのです」それからの数ヶ月間のことを Weitzel さんはそう思い起こす。彼は再び両足を使えるようになったが、彼の人生は永久に変わってしまった。

 

つらい治療を終えて8ヶ月後の James Weitzel さん。姉の Catherine Nortell さんと。

 

 その痛みは春に始まった。数週間後、Weitzel さんはかかりつけ医に相談した。彼女は、処方する非麻薬性消炎薬と安静により改善するだろうと Weitzel さんに言った。

 「それは痛みを和らげる役には立ちました」と Weitzel さんは言い、6週間その薬を内服したという。確かに弱まりはしたが痛みは持続した。

 6月下旬、彼は脊椎ヘルスケアのカイロプラクターを受診し、徒手的に彼の脊椎の修正が行われた。しかしその治療の効果はなかった。

 7月、Weitzel さんは、友人たちとの毎年恒例の釣り旅行でミネソタ北部まで12時間運転して行った。それから2、3週間後には、シカゴに向かい、祖母の家に立ち寄り、コンサートに参加した。

 「シカゴにいる間中、IcyHot というパッチを貼っていたことを覚えています」と彼は言う。この市販の鎮痛用パッチではほとんど痛みが和らぐことはなく、むしろ鋭い痛みへと変わっていった。

 Weitzel さんによると、7月30日の土曜日、シカゴから自宅まで帰ってきた翌朝、痛みがひどく悪化したという;彼には痛みが胸の方に放散しているように感じられた。

 Weitzel さんの両親は彼を緊急治療センターに連れて行った。しかし彼の背骨のレントゲン検査では異常は何も認められなかった。別の抗炎症薬と強力な筋弛緩薬の処方を受けた。もし痛みが続くようなら MRI 検査を受けるべきだと言われた。

 音楽関係の奨学金を受けて大学を一学期間受講していた Weitzel さんはその夜、隣人によって催された毎年恒例のパーティでドラムをグループで演奏した。

 彼の母親の Lisa Weitzel さんは、息子の演奏がいつになく“はずれたように”聞こえると夫に話したことを覚えている。

 翌朝、Weitzel さんは8時間の勤務シフトのためピザショップに向かった。違和感があったことを彼は覚えている。両膝の感覚が弱く、右足はまるでしびれが切れたような感覚だった。Weitzel さんはなんとかショップ内を足を引きずりながら歩き回ったが、自宅に戻って車を降りたとき彼の奇妙な歩き方を見て父親は驚いた。

 「James、なんてこった、まるで脳性麻痺のようだぞ」父親にそう言われたことを Weitzel さんは覚えている。「筋弛緩薬をどれだけたくさん飲んだんだ?」

 一錠だけ、彼はそう父親に言った。薬を取り違えたのではないかと心配した母親は、その晩は何も飲まないよう彼に言った。

 翌朝午前6時に Weitzel さんが目を覚ましたとき、歩けなくなっていた。壁にしがみつくことで彼は何とかトイレまでゆっくりと移動した。母親が医師の診療所に電話をかけると、緊急室に彼を直接連れて行くように言われた。

  「父が私を運ばなくてはなりませんでした」と Weitzel さんは思い起こす。

 

A shocking cause 衝撃的な原因

 

 ER の医師たちは Weitzel さんの突然の麻痺の原因を特定しようとしたが難渋した。2度ほど彼らは彼のベッドサイドまで足を運び、両親に席を外させて、注射薬物をやっていないかどうか彼に尋ねた。注射針を介した感染で彼の麻痺を説明できる可能性があったからだ。Weitzel さんはきっぱりとやっていないと彼らに言った。

 「3度目に彼らが同じことをしようとしたとき、私は両親にこう言いました。『席を外す必要はないよ』」そう彼は思い起こす。「『僕はヘロインのようなものは何も射っていない』」

 その日は、時間の経過とともに、麻痺も進行した。Weitzel さんの足は内側に回旋し始めた。医学生たちがこの異常な症状を写真に撮るためやって来たことを Lisa Weitzel さんは覚えている。彼は排尿できなくなり次第に動揺が強くなっていった。彼はこの麻痺が呼吸の能力まで影響を及ぼしてくるのではないか不安に感じていると両親に告げた。母親は、自身の高まるパニックを隠しながら、息子をこれ以上怖がらせないよう冷静さを保とうと努めたという。

 午後4時ころ、彼の MRI 検査が行われた。ER に彼が戻って間もなく、一人の医師が現れた。

 MRI 検査で Weitzel さんの痛みと麻痺の原因が明らかになっていた:おおよそ、大人の親指ほどの大きさと形を持った大きな腫瘍が彼の脊髄を圧迫していたのだ。2日前に行われたレントゲン検査ではそれは検出されなかったが、それは、この腫瘍が脊髄内に存在していたからである。Weitzel さんには、麻痺の改善を期待してこの腫瘍を摘出する緊急手術が必要だった。

 しかしまだこの腫瘍のタイプは明らかではなかった;それは病理医によって解析されることになる。

 「とにかく、原因がわかってただ嬉しく思っていました」と Weitzel さんは言う。彼には痛みを和らげるためにモルヒネが投与されていた。

 Lisa Weitzel さんは息子がこう言っていたことを覚えている、「やったぜ、悪いところを取ってもらおう」。裸足の水上スキーが好きだった運動好きの息子が、両足が麻痺して手術から帰って来るかもしれないことを彼女は恐れていた

 脊椎外科医 Venkat Ganapathy(ベンカット・ガナパシー)氏は、ER から Weitzel さんについて電話を受けたとき、Springfield の Memorial Medical Center のオンコール医だった。「私は彼のことをありありと覚えています」現在、Chattanooga(チャタヌーガ)にある University of Tennessee Medical College で脊椎外科の部長をしている Ganapathy 氏は言う。

 Weitzel さんの状況は緊迫していた。「脊髄の機能が障害された患者で最も重要な要素は時間です」と Ganapathy 氏は言う。「可能な限り迅速に腫瘍が取り除かれなければ James には永久的に麻痺が残ってしまいます」彼の年齢もまた異例だった:若者における脊髄の障害は自動車事故など外傷によることが多い。しかし Weitzel さんの障害の原因はわかっていなかった。

 Ganapathy 氏によると、3時間の手術で、カリフラワーのてっぺんにある多数の小さな花のような形をしたゼラチン様の腫瘍の層を、脊髄を障害することなく慎重に剥離し摘出したという。

 彼によると、脊髄は「きわめて脆弱な構造をしていて、腫瘍を剥離しようとする操作自体が危険であり」出血、神経損傷、あるいは永久的な麻痺につながるのだという。

 手術はうまくいったと Ganapathy 氏は言う。腫瘍とみられる病変はすべて切除された。腫瘍が何だったのかを教えてくれる病理報告を家族が待ち望む間にも、Weitzel さんは歩行機能を取り戻すべく理学療法を開始した。

 

‘A flip of a coin’ ‘コイン投げ’

 

 『永遠のように長く感じた』とLisa Witzel さんが言う3日が過ぎ、その腫瘍が侵襲性の強い、急速に成長するタイプの癌であったことが病理医から伝えられた:組織は diffuse large B cell lymphoma(DLBCL, びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)だった。この悪性腫瘍は通常50才以上の男性に見られるもので20才では見られることはない。

 「この病院で経験された最年少の患者だと言われました」と Weitzel さんは言う。

 急速に増大するこの腫瘍は彼の脊髄を圧迫していただけでなく、彼の身体の他の部位にある神経の末端部も侵していた。

 白血球の癌であるリンパ腫のうち、最も多いタイプの一つ、B細胞リンパ腫は一般にリンパ節や脾臓に認められる。Weitzel さんの癌は Stage 1E に分類された。これは早期に発見されたもので、リンパ節には認められない節外性と呼ばれるものとなっている。B細胞リンパ腫は年間米国民のおよそ10万人に7人の割合で発症し、治療されなければ致死的である。

 Weitzel さんには、発熱、寝汗、あるいは体重減少などの本疾患に特徴的な症状は見られなかった。

 B細胞リンパ腫の治療は一般に化学療法と放射線治療からなる。手術の後、Weitzel さんは数回の入院化学療法を受けその後24回の放射線治療が行われた。彼は2017年2月以降寛解状態となっている。

 母親にとって、いつくかの理由でこの診断は心を打ち砕かれるものだった。「彼をもっと早く医師のもとへ行かせなかったことや、彼が良くならなかったとき彼の背部痛についての説明を疑問に思わなかったことで、自分自身を非常に腹立たしく思っています」と彼女は言う。「これではまるで何も訴えない子供と同じです」

 息子の健康をめぐる彼女の懸念は、この数ヶ月の Affordable Care Act(ACA, 医療費負担適正化法)の先行きの不透明感によって増長されていると彼女は言う。医療費総額が60万ドルに上る Weitzel さんの癌治療が行われているまさにその時に、ACA の廃止についての議論が激しさを増していたのである。ACAが廃止となれば、この両親のプランの下での保険補填分が下げられ、また保険に加入できなくなるかもしれない。子供に対する26才までの補償と、前からある疾病に対する加入拒否の禁止などが、2010年に可決されたこの法律の主要な項目となっているのである。

 Weitzel さんと彼の母親は、Ganapathy 氏の技術と術後の支援に対して彼に恩義を感じているという。

 「あの人が私の命を救ってくれました」と Weitzel さんは言う。

 現在、彼は州立裁判所の職員としてフルタイムの新しい仕事についており、この一年を大局的に見ようと努力している。

 主治医の一人が彼に言ったことに癒しを見出している:「これはコイン投げのようなものです。それを起こそうとして君がしたことは何もないし、それを防ごうとして君にできたこともないのです」

 

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)については

国立がんセンターがん情報サービスのサイトを参照いただきたい。

 

悪性リンパ腫はがん細胞の形態や性質によって

70種類以上に細かく分類されるが、

大きくはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに

分類される。

 

DLBCL はリンパ球の中のB細胞から発生する

非ホジキンリンパ腫の一型。

月単位で病気が進行する「中悪性度」に分類される。

わが国では非ホジキンリンパ腫の30~40%を占めており、

最も発生頻度の高い病型となっている。

リンパ腫という名前がついているが、

リンパ節だけでなく全身のあらゆる臓器から発生する。

典型的な全身症状は、発熱、寝汗、体重減少だが、

発生部位によって症状は異なる。

脳、脊髄など中枢神経系からの発生も見られる。

俳優の松方弘樹氏の命を奪ったのもこの腫瘍とみられる。

 

基本的な治療は、

がん細胞の中の増殖に関わる分子を標的とした

分子標的薬のリツキシマブと化学療法を併用する

R-CHOP療法と

放射線治療とが組み合わされて行われる

この化学療法は通常6~8コース行われる。

中枢神経系原発ではメトトレキサート大量療法を

基本とした化学療法を行い引き続いて放射線治療を行う。

 

DLBCL は化学療法によく反応するケースもあるが

再発も見られる。

初期治療が奏効すれば治癒に至るケースもある。

きわめて稀な脊髄原発のこの青年にも

再発がないことを祈るばかりである。

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恐ろしい発作の原因は?

2017-12-20 16:40:54 | 健康・病気

12月のメディカル・ミステリーです。

 

12 月16日付 Washington Post 電子版

 

Doctors thought they knew the cause of a teen’s terrible seizures. So why didn’t he get better?

医師らは10代の若者の発作の原因がわかったと思った。それではなぜ彼は良くならなかったのだろうか?

 

By Sandra G. Boodman,

 Amy C.Hughes(アミ―・ヒューズ)さんは久々の贅沢を楽しみにしていた:フィラデルフィア郊外の自宅近くのレストランで友人とゆったりと過ごす平日のランチである。

 メルク社の技師である Hughes さんは、夫の Kevin さんと二人の子供たちと一緒に過ごすために2015年のクリスマスの翌週に休暇を取っていた。この夫婦の息子で当時13歳の Rion(リオン)君はクリスマスの日に風邪をひき、頭痛を訴えた。数日後、かかりつけの小児科医は副鼻腔炎を疑い、3日間内服する抗菌薬を処方した。

 「変わったところはないようでした」と Huehes さんは思い起こす。しかし、彼女がランチに向かった1時間後、夫から自宅に戻るようにとの緊急電話を受けた。警察車と救急車が自宅の前に並んでいた。救急救命士のチームが玄関から急いで出ようとしていたところで、彼らは彼女の息子に対して徒手での蘇生を試みていた。息子は目を閉じ、体は激しい発作に襲われていた。その時救急隊員らが、最善の努力をしても 25分かかる最も近い病院まで Rion 君がたどり着けないのではないかと心配していたことを Hughes さんは後で知った。

 それからの6日間、医師らは、これまで健康だった Rion 君が高用量の抗てんかん薬にも抵抗性であるようにみられた生命を脅かす発作を今回突然起こした原因の解明に努めた。

 その答えは、まれではあるが、拍子抜けするくらい単純なものであったことが判明する。そして、Rion 君は完全に回復したものの、彼の恐ろしい疾患から受けた精神的影響を母親が克服するまでにはさらに長い時間を要した。

 「約1年間は多くの不安がありましたが、今ではそれもなくなりました」と Hughes さんは言う。「他に何かできただろうかとあれこれ考えましたが、何もなかったのは確か、というのが答えです」

 

息子の Rion 君と Amy C. Hughes さん。息子の生命を脅かすようなてんかん発作は数日間原因不明のままで、抗てんかん薬に抵抗性のようだった。

 

‘Seemed like an eternity’ とてつもなく長い時間に思えた

 

 Rion 君を運ぶ救急車が大きな音をたてて発進し、Hughes さんと夫が車で後を追ったが、そのドライブは“とてつもなく長い時間”に感じたという。

 到着した病院では ER のスタッフが、Rion 君が薬を使っていたかどうかについて色々と質問を浴びせかけた。てんかん発作からは薬剤の過量摂取の可能性が示唆されるためだったが、CT検査では頭部外傷の所見や他のてんかん発作の原因は認められなかった。

 「私はこう言ったのを覚えています。『それをしなければならないことはわかりますが、私にこのことを聞いてくるなんて信じられません』と」そのように Hughes さんは言う。彼女の父親はかつて緊急室の医師をしていた。

 Rion 君には軽症型の自閉症と注意欠陥・多動性障害があると彼女はそのスタッフに話した;違法な薬物にどんなものがあるかということすら彼は知らなかっただろうと彼女は考えていた。

 コントロールに難渋した発作の重症度に加え、非常に長いその持続時間について医師らは心配した。彼らは、父親が Rion 君を発見し 911 に電話するまで1時間以上発作があった可能性があると考えていた。

 「彼らは繰り返しこう言いました。『彼が目を覚ましたときどんな状態になっているかはわかりません』と」と Hughes さんは思い起こす。「私は彼に脳の障害が起こることを恐れていました」

 彼は人工呼吸器につながれ、特別な治療が必要だったことから、この地域病院の医師は彼を Children's Hospital of Philadelphia(CHOP)に移送することにした。風でヘリコプターが飛べず Rion 君をヘリ搬送できなかったため、CHOPからの特殊チームが救急車で到着した。Hughes さんは45分間の移送中、息子の隣に乗り込んだ。

 発熱を伴い、強く鎮静された状態の Rion 君は小児集中治療室に入院し、髄膜炎などてんかん発作の引き金となり得る感染症を調べるため腰椎穿刺を受けた。彼は抗菌薬と抗真菌薬の注射を受けたが、脳脊髄液には感染は確認されなかった。

 Hughes さんはICUで息子のそばでその晩を過ごそうとした。「電気が消された後もそこに座り、あらゆるディスプレーモニターや絶え間ないアラームを見て思いました。『彼は死んでしまう』と」と彼女は言う。「私は過換気状態になりました。血圧は170/140となり、脈拍数はかなり高くなりました」医療チームは Hughes さんに、通りの向かいにある University of Pennsylvania の ER に行ってほしいと考えたが、彼女はそれには従わず CHOP 内の他の場所に設置された家族待機室に戻り、なんとか落ち着いた。

 その後の検査でも他の原因が特定されなかったため、医師らは Rion 君が human metapneumovirus(メタニューモウイルス)に感染していたと考えていると両親に告げた。これは、典型的にはきわめて幼少の人や高齢者に感染する呼吸器感染症で冬期に最も多く見られる。このウイルスは通常は病原性は低く、多くは治療しなくても数日で治癒するが、一部の患者では重篤な疾病を引き起こすことがある。

 その後数日のうちに、Rion 君には改善傾向が見られ始め、鎮静は中止となり、呼吸器が外され、一般の小児病棟に移された。

 彼に脳障害の徴候が見られなかったことに Hughes さんは大喜びした。彼女によると、軽度の協調運動障害があることを除いて、Rion 君は冗談を言うし“昔のままのように見えた”という。

 確実に彼が一人きりにならないよう、院内では Rion 君の両親、祖母、看護師が交代で彼に付き添った。しかし入院して6日目の朝6時、祖母と母親が目を覚ますと、Rion 君にはまさにてんかん発作の真っ最中だった。

 あの時、「私はパニック状態になりました」と Hughes さんは思い起こす。用量は下げられていたが、Rion 君にはまだ抗てんかん薬が使われていた。ウイルスは彼の身体から消えていたはず、と母親は思っていた。それなのになぜ彼にてんかん発作が起こっているの?と。幸いにも今回の発作は初回とは異なり薬で直ちにコントロールされた。

 数時間後、医療チームが回診に来たとき Hughes さんは医師らに質問した。ウイルスの一部は彼の身体にまだ残っているのかもしれないと考えているが、今後の経過については楽観的に見ていると彼らは彼女に説明した。4~6週のうちに脳のMRI検査を行うよう指示し、次の日に彼を自宅に戻す方針となった。

 「『彼は家に戻れない』と考えました。『真夜中に発作が起こり、呼吸が止まったらどうするのでしょう?』」と Hughes さんは思い起こす。

 

A frightening finding 恐ろしい結論

 

 Rion 君が病院にまだいるうちに MRI が行えないかどうか Hughes さんは尋ねた。彼女は勤務中の小児科医 Stacey R. Rose(ステイシー・ローズ)氏と信頼関係を築いていたため、Rose 氏なら承知してくれるだろうと思った。

 「Rion 君を自宅に戻すことが私たちの意にかなうかどうかについてお母さんと私は何度も話し合いました」と Rose 氏は思い起こす。ただ、あの時点で MRI を行うことにはいくらかリスクがあった。というのも、ICU での検査で Rion 君の腎臓に障害がある可能性が示されていたからである。そのため MRI で用いられる造影剤が腎機能を悪化させる懸念があった;従って待機することがより安全な策であると思われた。

 しかし 有益性がリスクを上回ると Rose 氏は判断し、検査を依頼した。

 その夜、Rion 君がまだ MRI 室にいる間に、待合室にいた Rion 君の父親のもとに一人の神経外科医が話しに来た。

 MRI 検査で、Rion 君の脳の硬膜下腔に広範な感染があり、脳と副鼻腔とを隔てている骨片を破壊していたことがわかった。この感染は empyema と呼ばれる膿瘍を形成しており、これがてんかん発作の引き金となっていたのである。硬膜下膿瘍の他の症状には頭痛や傾眠がある。

 抗菌薬が登場するまでは、まれではあるものの本疾患はおしなべて致死的だった。この病気は10歳から40歳までの男性に偏って多く、冬期に発生することが多い。

 Rion 君の父親によると、彼には頭蓋骨の内側で高まった圧を低下させる治療が必要で、病変部から感染を取り除くために洗浄しなければならないという。翌朝一番に手術を予定するが、もし状態が悪化すればもっと早くに行うと、その神経外科医は言った。

 その晩、Hughes さんは Rion 君の病院ベッドで眠ったが、「まるで次の発作の発生から彼を守ることができるかのように」彼を抱きしめていたという。幸いにも彼には発作はみられず手術は成功した。そして約一週間後 Rion 君は自宅に戻った。

 Hughes さんは、なぜ膿瘍を疑わなかったのかと医師らに尋ねたところ、この疾患が稀であるためと言われたという;後に彼女が知ったところによると、CHOP では冬にはほぼ一週間に1例はあるのだという。Rose 氏は、最初 CTで膿瘍が認められなかったのは造影剤を用いていなかったためと考えている;MRI 検査が本疾患の診断に用いられる最も確実な検査となっている。

 Rion 君がなぜ膿瘍を発症したのかは明らかでない。「一部の子供たちにとってまさに不運というしかなのだと考えています」と Rose 氏は言う。

 Rion 君の痛みに対する我慢強さが臨床像を複雑にしたのではないかと Hughes さんは考えている。「彼に尋ねたとき、頭痛はあると言っていました」と Hughes さんは言う。しかし、その痛みは市販の鎮痛薬でコントロールできたため、特別問題あるようにはみえなかった。Rion 君には、片方の目の上に腫れが認められ、これが膿瘍の症状であった可能性がある。しかし、彼が経口抗菌薬を内服するとほぼ消退していたのである。

 診断される前に Rion 君が退院していたとしたら何が起こっていただろうか?

 Rose 氏は慎重に言葉を選ぶ。「てんかん発作と発熱が続き頭痛が増悪していたでしょう。そして、その時点で治療のために戻ってきていたでしょう」と彼女は言う。「確かに不良な転帰となっていた可能性があります」

 彼女によるとその診断は医療チームを驚かせたという。「診断に疑問を持つことが常に重要であると思います。評価し直すことが大切なのです」と彼女は言う。

 Hughes さんは Rion 君の“最大の味方”でしたと、彼女は付け加える。

 息子が受けた治療をありがたく思うとともに、特に「私の心配を聞いてくれた」 Rose 氏にはこれからもずっと感謝の意を持ち続けるだろうと Hughes さんは言う。「彼女が彼の命を救ってくれたと心から思っています」

 

 

硬膜下膿瘍については、MSD マニュアル・プロフェッショナル版

“硬膜外膿瘍および硬膜下膿瘍”のページを参照されたい。

 

硬膜下膿瘍は、頭蓋骨のすぐ内側にある硬膜と

さらにその内側にあるくも膜との間に膿が蓄積した状態である。

硬膜下膿瘍は、通常は副鼻腔炎(特に前頭洞,篩骨洞,蝶形骨洞)が

頭蓋内に波及して生ずることが多いが、

中耳炎、頭蓋外傷または手術、まれに菌血症からも発生することがある。

病原体は嫌気性細菌であることが多いが、ときに混合性のこともある。

嫌気性レンサ球菌または Bacteroides 属を含む場合が多い。

ブドウ球菌は頭蓋外傷,脳神経外科手術,心内膜炎に合併するケースで

よくみられる。

腸内細菌は慢性の耳感染症からの波及時に多い。

細菌以外では、アスペルギルスなどの真菌や

トキソプラズマなどの原虫(特にHIV感染症患者)なども

膿瘍の原因となりうる。

5歳未満の小児の多くは細菌性髄膜炎が原因となる。

硬膜下膿瘍から、髄膜炎、皮質静脈血栓症、

あるいは、脳膿瘍に進行しうる。

膿瘍は急速に広がり一側大脳半球全体に及ぶこともある。

 

症状には、発熱、頭痛、嗜眠、

あるいは四肢の麻痺や失語などの局所神経脱落症状が

通常数日の間に進行したり、痙攣発作が頻発したりする。

また頭蓋内圧の亢進により嘔吐や眼底に乳頭浮腫が見られることがある。

無治療の場合には急速に昏睡に陥り死に至る。

 

診断は造影MRIまたは造影CTによる。

血液および採取した検体(膿)で好気性および嫌気性培養を行う。

 

腰椎穿刺で有用な情報が得られることはほとんどない。

頭蓋内圧が高い場合、脳ヘルニアを誘発する可能性があるため、

硬膜下膿瘍が疑われる場合は腰椎穿刺は禁忌となっている。

 

治療は、硬膜下膿瘍、および原因となっている副鼻腔炎に対し、

緊急の外科的ドレナージを施行する。

成人では穿孔を行う必要があるが、

乳児の場合は、泉門(まだ骨化が起こっていない頭蓋骨の

隙間の軟らかい部分)から直接膿瘍内に針を刺して、

膿を排出し頭蓋内圧を下げる。

抗菌薬は、培養結果に基づいて選択するが、

結果が出るまでに最初に投与する薬剤として

セフォタキシムやセフトリアキソンが用いられる。

どちらも連鎖球菌、腸内細菌、大半の嫌気性菌に有効だが、

Bacteroides fragilisには無効である。

Bacteroides属の感染が疑われる場合は、

上記にメトロニダゾールが加えられる。

黄色ブドウ球菌が疑われる場合は、

ナフシリンに対する感受性が判明するまでセフォタキシム、

またはセフトリアキソンを併用しながらバンコマイシンを用いる。

抗菌薬の効果の評価はMRIまたはCTで追跡する。

幼児の場合は特殊であり、併発する急性細菌性髄膜炎に対する

抗菌薬投与を考慮する必要がある。

発作に対しては抗てんかん薬の投与を行い、

頭蓋内圧を下げる治療を要することもある。

発熱を伴う激しいてんかん発作を見た場合、

本疾患の可能性を考慮しておかなければならない。

 

とにもかくにも、本ケースでは、

最初からMRIを行っておくべきだったと思われる。

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失うものはなにもない

2017-12-14 14:45:00 | 健康・病気

今回のメディカル・ミステリーは

厳密にはミステリーではないのだが、

昨年10月28日にアップしたメディカル・ミステリー

後日談である。

 

 11月25日付 Washington Post 電子版

 

Hoping to find other patients, he revealed a cancer often mistaken for ‘jock itch’

他の患者が見つかることを願い、頑癬(いんきんたむし)としばしば間違われる癌を彼は公表した


By Sandra G. Boodman,

 Stephen Schroeder(スティーブン・シュレーダー)さんは失うものはほとんどないと考えた。それは自分のめずらしい疾病によってもたらされる孤立により絶望感が高まっていたからである。

 2年以上の間、Schroeder さんは、乳腺外パジェット病(extramammary Paget's disease, EMPD)と呼ばれるきわめてまれな浸潤性の癌と戦っていた。その病気は彼の陰嚢に浸潤しており、何度か手術が必要だった。EMPD 症例の約半数は女性である;しばしば湿疹や接触皮膚炎と誤診されるこの癌は陰部や肛門などに存在する発汗組織であるアポクリン腺を侵す。

 この癌は緩徐進行性ながら致死的となることもあるが、男性においては時々、真菌感染症の俗語である“jock itch(頑癬、いんきんたむし)”と誤診される。治療はしばしば辛いものとなるが、Schroeder さんにとって最悪の問題は孤立感だった。彼には診断名を伝え、分かち合えるような人間が誰もいなかったのである。

 しかし、そうこうするうちに Schroeder さんは同じような状況にある他の人たちとつながりを持つことから受ける恩恵によって彼の孤立に対する解決を図ろうとした。彼によると、その体験談の豊富さは彼の想像を超えるものだった。

 2016年、2度目の再発のあと Schroeder さんは、話のできる他の患者を見つけたいと思いウェブページを立ち上げた;EMPD の患者は世界中でわずかに数百人しか報告されていない。それまでも、彼はEMPD の患者と連絡を取りたいと考え、シアトル、フィラデルフィア、およびマンハッタンで彼を治療した医師(彼らはいずれも他の EMPD の患者も治療していた)に対して、患者らに自身の連絡先を知ってもらいたいと話していた。

 しかし残念ながら彼の努力には何も反応がなかった。

 

 

Stephen Schroeder さんは、“ディナーパーティーで持ち出すような話題”ではないと彼が言うような病気について、昨年公表した。

 

 Breaking the silence 沈黙を破る

 

 太平洋岸北西部を拠点とする購買共同組合の顧客開拓部長である Schroeder さんは、その年の後半、妻と3人の子供たちの意向に逆らって公表に踏み切った。彼の事例がメディカル・ミステリーの記事として載ったのである。 

 彼が経過を語ることは、この恐ろしい疾患を制圧し“ディナーパーティーで持ち出すような話題”ではない病気について包み隠さず話す一つの手段だったのである。

 自分の経過が、自身も一年以上患っていたように、一見ささいなことに見えるこの病気を軽視しないよう他の男性に注意を促し、仲間である EMPD の患者とのつながりの火付け役となることを Schroeder さんは望んだ。

 Shcroeder さんによると、その後の経緯はとてつもない期待をさらに凌駕するものとなったという。

 「これまでに経験したことのない最高のことでした」と彼は興奮気味に語った。

 掲載後の数週間で Schroeder さんは数百通の eメールを受け取ったという。これまでに EMPD と診断された72人が彼と連絡を取り自分たちの話を伝え合い、治療、医師、対処方法について情報を交換した。その大部分は米国からであり半数は女性だった。そして、ほとんどの人たちが Schroeder さんが立ち上げた国際的オンライン支援グループに参加した。そのほぼ全員が、彼の事例が掲載されるまで、EMPD の患者が存在していることは知っていたが EMPD に苦しんでいる人を他に知らなかったと彼に語っている。

 現在58才の Schroeder さんは、週に約8時間を費やして“自分の新たな熱中”と呼んでいることに携わっている。それは世界中の患者と情報交換し、新たに診断された人や、手術を目前にした人たちに支援のメールを発信し、73の国々からアクセスが記録されている彼のウェブサイトが順調に確実に運営できるようにすることである。さらに彼は癌の研究者たちからの問い合わせにも答えてきた。

 泌尿器科医のあるチームは最近の研究に、Schroeder さんの支援グループのメンバーからもたらされたデータを利用している。この研究は、この稀な疾患に対する新たな研究をもたらしてくれると科学者らは考えている。

 ワシントン州 Spokane(スポーケン)に住み出張の多い Schroeder さんは、彼と連絡を取っている多くの患者と会ってきたが、その出会いを人生で最も有意義なことの一つに位置づけてきた。

 「見知らぬ人と出会うような感じではありません。数時間あるいは数日間のうちに深いつながりを持つことになるのです」と彼は言う。

 

Pushing for a diagnosis 診断を求めていくこと

 

 San Diego の会社で主任技術官をしている Dave Ross さんは、2016年10月、中国から飛行機で帰国中に、フライトアテンダントから渡された新聞で Schroeder さんの記事を読んだ。「なぜその新聞を受け取ったのかわかりません。新聞を読むことはないからです。だけどあの日は読んだのです」と Ross 氏は言う。

 当時50才のこの技術者は Schroeder さんの記事を熟読し不安になった。それが彼自身の経験に奇妙なほど似ているように思えたからである。6ヶ月前、Ross さんは、難治性の頑癬と言われていた病変で皮膚科医を受診していた。その医師は調剤クリームを処方したが、25セント硬貨サイズの痒みを伴う紅斑は持続した。

 Ross さんは自宅に戻ると、Schroeder さんが行ったように皮膚科医に病変部を生検するよう強く求めることにした。Ross さんは Schroeder さんと連絡を取り、彼が医師に尋ねる質問の元になるものとしてウェブサイト上の情報を用いることにした。

 「オンラインに存在するものより Steve (Stephen) から手に入れた情報の方が豊富でした」と Ross さんは言う。「彼の記事に出会ったのはまさにラッキーでした」

 生検では Ross さんが恐れていたものが明らかになった:ある皮膚科医が当初疑っていた扁平上皮癌ではなく実際は EMPD だった。推奨される治療法は Mohs surgery(モース手術)だった。この治療法は皮膚の薄い層を漸次切除し、それぞれを顕微鏡で調べながら悪性病変が検出されなくなるまで切除を続けるものである。

 幼い時に養子に迎えられた Ross さんは、成人してから探し出した生みの母親に電話をかけこの知らせを伝えた。「彼女は私にこう言いました。『ああ、私があなたの年のころにその病気になったわ』」と Ross さんは思い起こす。この疾患の家族性が関与している可能性を考えている研究者もいる。

 Ross さんによると、2017年2月に行われた手術の数日前、始まったばかりの支援グループのメンバーで数年間 EMPD と戦ってきた人物がこの病気で亡くなったという。「この診断は私をひどく恐れさせました」と Ross さんは思い起こす。しかし、彼は定期的に診察を受けており、今のところ癌の再発は見られていない。

 昨年、Ross さんと Schroeder さんは友達となり、Schroeder さんが南カリフォルニアに仕事で出かけたとき2度ほど会って食事をした。

 アラバマ州 Phenix City に住む保険会社の経理部長で66才の Pattee Carroll さんは Schroeder さんの記事に引きつけられた。Carroll さんは 2015 年に EMPD に対する治療を受けていたが、この病気について誰にも話すことはなかった。しかし、彼の記事を読んですぐに彼女は Schroeder さんに eメールを送った。

 「話ができる他の人たちがいること、そうすることで自分の気持ちが楽になるのではないかと思ったからです」と彼女は言う。しかし、普段はこの支援グループを避けるようにしていると Carroll さんは言う。「不安や心配に陥ってしまうからです」

 

A catalyst for research 研究の足がかり

 

 Seattle にある University of Washington School of Medicine の再建泌尿器科学の准教授 Bryan Voelzke 氏にとって、Schroeder さんは真っ先に経験した患者である。Voelzke 氏は Schroeder さんに数回の手術を行っている。Schroeder さんは2014年に診断されてからフィラデルフィアから出身地のスポーケンに戻っている。

 さらに Schroeder さんが集めた患者の情報は Voelzke 氏らによって行われている研究にきわめて貴重なものとなっている。EMPD がたいへん稀な疾患であることから、本疾患の研究のほとんどは、主としてアジアにおける単一施設で治療された比較的少数の患者を包括しているに過ぎないと Voelzke 氏は言う。

 しかし Schroeder さんと連絡を取っている米国人の患者数は、Affordable Care Act(オバマケア)の一環となっている患者中心の転帰とエビデンスに基づく選択が強く強調されたこともあって、EMPD の診断と治療の状況の研究に格段の好機を与えるものとなった。数ヶ月のうちに Schroeder さんは自力で米国の患者の最大とみられる集団を作り上げた;患者らは多施設で様々な専門医によって治療されていた。

 Schroeder さんは自身の支援グループへのアクセスを許可しており、Voelzke 氏のチームは University of Washington の倫理委員会から研究の承認を得ている。1月、研究者らは55名の患者に調査を eメールし、その75%で調査を終えている。

 Urology 誌に掲載された彼らの研究では、平均的な症例では症状が最初に出現してから約21ヶ月後に診断されていることがわかった。患者は、婦人科医、外科医、皮膚科医、泌尿器科医など多様な専門医によって治療されており、Mohs 手術から、陰部疣贅の治療として承認されている調剤クリームの使用まで複数の治療法が行われていた。調査対象の約30%に再発が見られ、その中には、典型的には急速に発生して致死的となりうるような身体の遠隔部への癌の転移が含まれていた。

 Voelzke 氏は、本研究の掲載が EMPD の標準的治療の開発を促進させ、医師や患者への“知識の拡散”の加速につながることに期待しているという。

 Schroeder 氏にとって、昨年は彼自身の健康についても良い知らせがもたらされた年だった。

 困難な手術や皮膚移植が行われながら何度か再発を見たが、Schoroeder さんの癌は一年以上寛解状態となっている。

 彼の活動によって、彼が最も望んでいたことが一つ達成されたのだという:それは同じ疾患を分かち合う他者とのつながりである。

 「その結果、100年生きても会えなかったであろう人たちと出会えたのです。私は、全くの孤立状態で一人で戦っていた状況から、これらの新しい友人たちを見つけるところまで前進したのです」と、彼は言う。

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2018年1月新ドラマ

2017-12-13 16:25:29 | テレビ番組

まずは 2017年10月クールのドラマ総括。



12月10日放送分までの

平均視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]上位から

10月クールドラマについてコメントする。( )内数字は平均視聴率

 

 

① テレ朝木9 『ドクターX~外科医・大門未知子~(5)』(20.25%)

今シリーズは大門美知子と女性院長との対決かと思いきや、あっさり第一話で西田敏行が返り咲き。やはり第4シリーズまでの安定感を壊したくなかったとみられる。そのためストーリーはほぼこれまでと同じパターン。医療版水戸黄門ともいえる内容で、安定してとび抜けた高視聴率を獲るには獲ったが、やや物足りなさも残る。

 

 

② TBS 日9 『陸王』(15.40%)

経営危機に陥った老舗足袋業者が知恵と努力で業界名だたるランニングシューズを生み出す逆転物語。どのような苦境に陥ろうとも、必ず切り抜けられることがわかっているので安心して視聴できる安楽ドラマ。悪い奴はとことん悪く、いい人は気持ち悪いくらいいい、というこれまでの池井戸ドラマと寸分違わぬ展開。さすがにもう飽きた。

 

 

③ テレ朝水9 『相棒(16)』(14.83%)

視聴率は堅調を維持。特にコメントなし。

 

 

④ 日テレ水10 『奥様は、取り扱い注意』(12.65%)

正義感が超強いセレブな専業主婦がトラブルを解決するエンタメ・コメディ。綾瀬はるかのアクションはなかなかだったのだが、中だるみがあり、視聴率も今一つ伸びなかった。タイトルもドラマの面白さを十分表現できていないように思われた。

 

 

⑤ TBS金10 『コウノドリ2』(12.10%) 

産婦人科医と天才ピアニスト BABY の2つの顔を持つ鴻鳥サクラ(こうのとりさくら)が赤ちゃんや妊婦を救うドラマ。毎回、周産期の難しい問題に直面する産婦人科医、新生児科医の苦悩や葛藤が描かれた。産婦人科医もその現実性を絶賛しているとかで医療的にはよくできたドラマといえそうだ。各話でピアノ演奏のシーンが申し訳程度に出てくるのだが、これって単なる味付け的な要素?産科医不足が問題となっているが、産婦人科、新生児科を目指す医師がさらに減りそうで心配。

 

 

⑥ 日テレ土10 『先に生まれただけの僕』(8.69%)

30代にして校長に就任したエリート商社マンが底辺私立高校を立て直すため改革に乗り出す社会派エンターテインメント。櫻井翔演じる主人公・鳴海が教育現場にビジネスで培ったスキルを持ち込もうとするのだが、できるビジネスマンに全く見えないところが致命的。また、最初は反発していた教師たちも少しずつ鳴海に協力するようになるのだが、そうなっていく理由に説得力がない。生徒たちも異様なほどに従順。展開に不自然さが多すぎる残念なドラマ。

 

 

⑦ TBS 火10 『監獄のお姫様』(7.75%)

女子刑務所を舞台にしたおばちゃんたちの復讐劇。時間が前後したり、随所に小ネタをしこませたりと、クドカンワールドは炸裂していたのだが、大衆受けはしなかったようである。個人的には、満島ひかりはよく頑張っていたと思う。ただ、クドカンの笑いのツボは、(臨場の倉石義男風に)『俺のとは、違うな~』が率直な印象。

 

 

⑧ フジ月9 『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(7.20%) 

仕事を失った母親が高額報酬求めて市議会議員に立候補、当選しさらには市長にまで上り詰め、声なき市民と向き合いながら市政にはびこる悪や社会問題を素人目線・女性目線でぶった斬る、というドラマ。残念ながら篠原涼子演じる主人公が、『セシルのもくろみ』の真木よう子を彷彿とさせるガサツで図々しい女にしか見えない。応援したくなるような主人公でなければ、視聴率が獲れないのは当たり前。

 

 

⑨ フジ木10 『刑事ゆがみ』(6.52%)

浅野忠信演じるテキトー中年刑事と神木隆之介演じるマジメ後輩刑事の凸凹コンビがバディを組んで様々な事件を解決する。番組開始当初は浅野のオーバーが演技がわざとらしく鼻についたが、見慣れていくにつれ、神木とのすったもんだのやりとりが軌道に乗ってきた感じ。視聴率は伸びなかったが、個人的には今クール一推しのドラマ。フジにしては健闘したと思う。

 

 

⑩ 日テレ 日10:30 『今からあなたを脅迫します』(6.17%)

ダークヒーローを演じる犯罪ミステリー。表社会では扱えない依頼案件を専門とする“脅迫屋”こと千川完二(ディーン・フジオカ)と、正義感が人一倍強く変人的お人好しな女子大生・金坂澪(武井咲)の活躍が描かれた。オンエア前から予想していた通り、妊娠中の武井咲の身体が心配でドラマに集中できず…。ディーン・フジオカは、『探偵の探偵』の頃に比べると、セリフ回しは多少上手になっていたが、依然として表情に乏しい棒演技で、ただのカッコいいオッサンの域を出ていない。武井とのダブル主演も見応えなし。

 

 

⑪ フジ(関西テレビ)火9 『明日の約束』(5.81%)

スクールカウンセラーが突如発生した生徒の謎の死の原因を究明するヒューマン・ミステリー。全体に暗いドラマなのだが、久々に見た井上真央があまりにもかつての輝きを失っていることにビックリ。モンスター・ペアレントを演じる仲間由紀恵に至っては、まるですっかり中年体型に陥ったサキ(『美しい隣人』『サキ』の主人公)。このキャストと内容では高視聴率はとても期待できない。

 

 

⑫ テレ朝金 11:15 『重要参考人探偵』(4.96%)

なぜか毎回のように殺人現場に居合わせ容疑者と疑われてしまう不幸体質の主人公が仲間2人とともに事件を解決、自らの冤罪を晴らしていく。チャラいドラマと思っていたのだが、意外に内容は面白かった。ただ毎回のゲストの顔ぶれから冒頭で真犯人がわかってしまうのが残念。滝藤賢一の広大なおでこと、ズレそうなズラが気になってドラマに集中できなかった。

 

 

結局、

『奥様は、取り扱い注意』以外、目新しいドラマは敬遠され、

続編作品、過去作に類した作品のみ高視聴率を獲得した。

次回が楽しみでたまらない、といった作品は今クールもなし。

このパターンなんとかならないものか。

 

…というわけで、期待を込めて

2018年1月からの新ドラマをチェックしてみることにする。

 

 

フジ月9 1/15~ 『海月姫』 芳根京子、瀬戸康史、工藤阿須加、他

 

原作は『東京タラレバ娘』の作者でもある東村アキコの漫画『海月姫』。2014年に能年玲奈、菅田将暉、長谷川博己らで実写映画化されている。主人公の“オタク女子”が恋をするシンデレラ・コメディ。テーマは“女の子は誰だってお姫様になれる”とか。クラゲを愛しすぎてしまった筋金入りの“クラゲオタク女子”が、とある兄弟と三角関係になり、自分には一生縁はないと思っていた恋を知り、新しい自分、新しい生き方を見つけていく姿がコメディタッチに描かれる。芳根京子演じる主人公は倉下月海(くらしたつきみ)・20歳。極度に視力が悪くメガネなしではほとんど何も見えない。イラストレータを夢見て鹿児島から上京。しかし、専門学校に通うでもなく、イラストを売り込むでもなく、男子禁制の昭和レトロな外観のアパートで自分たちを“尼~ズ(あまーず)”と呼ぶ“オタク女子”たちと一緒に、外部との接触を避け自分だけの世界にどっぷりと浸るという、おしゃれとは無縁の風変わりでマニアックな青春を謳歌していた。そんなある日、行きつけのペットショップで誤った飼育方法で死にかけていたお気に入りの海月を救出すべく店員に交渉を試みるが、生来の対人下手からうまく説明できずに相手にしてもらえない。そこに偶然通りかかった美女のおかげでクラゲを救ってもらうことができた。美女と思われたその人物は、近所の豪邸に住む政治家一族の次男坊で女装を趣味とするイケメンの超プレイボーイの鯉淵蔵之介(瀬戸康史)だった。月海を気に入った蔵之介は女装していることをいいことに男子禁制のアパートに頻繁に出入りするようになる。蔵之介におしゃれを勧められ美しく変身した月海だったが、やがて蔵之介の異母兄で、国会議員の父親の秘書を務める超堅物な童貞エリートの鯉淵修(工藤阿須加)に初めての恋心を抱くようになる。この後、アパートの取り壊しを画策するデベロッパーとの悶着もあり、女性として全く自信がなく自身を卑下して生きてきた月海をめぐる三角関係からシンデレラストーリーへとつながっていく展開。ラブストーリーとはいえ、芳根京子主演でこの内容では、低迷の続く月9で、とても高視聴率を期待できそうにない。

 

 

フジ(関西テレビ)火9 1/9~ 『FINAL CUT』 亀梨和也(KAT-TUN)、藤木直人、栗山千明、橋本環奈、高橋雄也(Hey!Say!JUMP)、林遣都、やついいちろう(エレキコミック)、杉本哲太、水野美紀、升毅、長野里美、佐々木蔵之介、他

 

亀梨和也、撮影中の骨折!ということで心配されたが、左示指の骨折ということならドラマ降板はなさそう。本ドラマは亡き母の復讐に人生を捧げた男の復讐サスペンス。主人公・中村慶介(亀梨和也)は高校生の頃、母親が女児殺害事件でメディアの報道によって犯人扱いされ、自殺に追い込まれてしまうという過去を持つ。それから12年の時を経た現在、慶介は事件の真犯人を探し出し、母を追い詰めた者たちへの復讐を果たすため動き始める。慶介の復讐の矛先は、当時、事件の取材・放送に関わっていたスタッフ、司会者、そして事件の真相の鍵を握る美人姉妹に向けられる。慶介は、自らの素性を隠してターゲットに近づき、公開されればその人の人生が終わってしまうような致命的な映像“ファイナルカット”を突きつけ、『ある目的』を達成するために言いなりに仕立てていく。さらに、慶介は、ターゲットとなる姉妹の一人を慶介は深く愛し始めてしまう。この許されざる恋に、復讐のシナリオに狂いが生じてしまう…。今作の主演にあたり亀梨は、フランス発祥のスポーツで、道具を使わずにアクロバチックに高低差や障害物を越えて移動していく“パルクール”を取り入れたそうだが、これに失敗して左手を骨折したようである。復讐の対照となる番組司会者・百々瀬累役に藤木直人、プロデューサー・井出正弥役に杉本哲太、ディレクター・真崎久美子役に水野美紀、若手ディレクター・小池悠人役に林遣都、そしてカメラマン・皆川義和役にやついいちろうらがキャスティングされている。さらに事件の真相の鍵を握る美人姉妹の姉・小河原雪子役に栗山千明、妹・若葉役に橋本環奈。慶介の唯一の味方で復讐の手助けをする幼なじみの野田大地を Hey!Say!JUMP の髙木雅也が演じる。一方、慶介の動向を鋭く見つめる男、当時事件を担当した警視庁新宿中央署の副署長・高田清一郎を佐々木蔵之介が演じる。事件に関する慶介の知らない情報を握っているとみられるこの男は、慶介の復讐に大きく関わってくるミステリアスな存在。“映像”“SNS”を駆使し、“これがファイナルカットです”の決めゼリフで復讐のターゲットを追い込んでいくらしいのだが、本当に面白いかどうかは見てのお楽しみ。

 

 

TBS 火10 1/16~ 『きみが心に棲みついた』 吉岡里帆、桐谷健太、向井理、ムロツヨシ、石橋杏奈、鈴木紗理奈、瀬戸朝香、他

 

原作はマンガ雑誌『FEEL YOUNG』で連載中の天堂きりんの少女漫画『きみが心に棲みついた』。自己評価のきわめて低い一人のOLが自身のアイデンティティを求めて2人の男性の間で揺れ動く三角関係ラブストーリー。 吉岡里帆演じる主人公・小川今日子はとある会社のOLだが、自己評価が極めて低いがために他人の前で挙動不審になってしまうことから“キョドコ”と呼ばれていた。ある日、今日子は、職場の先輩・堀田麻衣子(瀬戸朝香)らに連れられて、人生初の合コンに参加する。その合コンでも焦って「ありのままの自分を好きになってくれるなら、誰でもいいから付き合いたい」と口走り、周りをドン引きさせてしまう。そんな今日子に、漫画編集者の吉崎幸次郎(桐谷健太)は厳しい言葉を投げかける。しかし、今日子はこの人なら自分を変えてくれるのではないかと、帰ろうとした吉崎に追いすがり、突如「付き合ってください」と迫る。翌日、道で偶然吉崎と出会った今日子には前向きに変わろうという気持ちが芽生えるが、そこに、偶然別の男が現れ今日子を呼び止めた。大学時代に今日子がどうしようもなく強く惹かれたが、その感情を利用し、ひどく彼女を傷つけた男・星名(向井理)だった。厳しい言葉を浴びせるが実は優しさ・誠実さに溢れる男と、爽やかなイケメンの裏に冷酷な一面を持つ男の間で、今日子の心は揺れ動く。その他、今日子と同じ材料課に在籍、社内での評価が今日子より高い同期社員・飯田彩香に石橋杏奈。漫画編集者である吉崎が担当する漫画家で、自身の漫画に活かすため今日子の会社に取材に訪れることもあるスズキ次郎にムロツヨシ、さらにデザイナーとしての能力が高く関西弁で厳しい意見を言う八木泉に鈴木紗理奈など。今年ブレイクした吉岡里帆が2018 年一層の飛躍となるか、重要な作品となりそう。

 

 

テレ朝水9 継続 『相棒 シーズン16』 水谷豊、反町隆史、仲間由紀恵、浅利陽介、鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、石坂浩二、大杉漣、榎木孝明、他

 

もう1クールお楽しみください。

 

 

日テレ水10 1/10~ 『anone(あのね)』 広瀬すず、田中裕子、瑛太、阿部サダヲ、小林聡美、火野正平、他

 

坂元裕二による『生きる意味』を問うオリジナル・ヒューマンドラマ。家族を失い社会からも孤立した19歳の少女が、ある老齢女性と出会い、人生の意味、生きる意味を見つけていく。全てを失ってしまった少女・辻沢ハリカ(広瀬すず)は生きる術を失い、人間嫌いのためネットカフェで暮らしていた。そんなとき、ある事件をきっかけに、法律事務所に勤務する62歳の林田亜乃音(田中裕子)と運命的な出会いをする。欺かれ、裏切られ、人を信じる心を失くしてしまっていた2人は何かを感じ合い、一緒に暮らし始めることに。そして2人は世間を欺く衝撃的な計画を企てる。そしてある事件が発生。“ニセモノ”の人生と記憶を抱えてきた2人が真実の人間愛を見つけていくという展開。具体的なあらすじ、登場人物の相関などはいまだ明らかにされていないが、謎の男・中世古理市役に瑛太、同じく謎の女・青羽るい子役に小林聡美、カレーショップ店長・持本舵役に阿部サダヲ、亜乃音が勤務する法律事務所所長・花房万平役に火野正平、と超豪華な出演者である。

 

 

テレ朝木9 1/18~ 『BG~身辺警護人~』 木村拓哉、江口洋介、石田ゆり子、上川隆也、他

 

木村拓哉がボディーガードに扮するヒューマンドラマ。井上由美子によるオリジナル脚本。SP(警察官)とは異なり“武器を持たず、人を護る民間の警護人”に過ぎないボディーガードたちのタフな世界が描かれる。民間企業の雇われに過ぎないボディーガードは、クライアントの依頼を最優先に、どんな状況でも命を懸けて護らなければならない“究極のサービス業”。民間警備会社のボディーガード・島崎章(木村拓哉)は、過去の出来事をきっかけにボディーガードの世界から身を引いていたが、身辺警護課が新設されるのを機に復帰を決意する。本ドラマでは、SP と対立しながらもボディーガードたちが警護対象者を護り、任務を遂行する緊迫した活躍が描かれる。その昔、宇津井健らが出演した昭和の長寿ドラマ『ザ・ガードマン』みたいな感じか?現状のキムタクで果たしてどのくらい視聴率が獲れるだろうか?

 

 

フジ木10 1/18~ 『隣の家族は青く見える』 深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、他

 

『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』の中谷まゆみ脚本のオリジナルドラマ。“コーポラティブハウス”に住む家族達の葛藤、成長、そして妊活をテーマにしたヒューマンドラマ。不妊に悩む30代の夫婦が主人公。深田恭子演じる五十嵐奈々・35歳は、スキューバダイビングのインストラクターをしている活発な妻。奈々の夫で中堅玩具メーカーに勤める五十嵐大器・32歳(松山ケンイチ)は、心優しいがちょっと頼りない夫。二人は小さなアパートで住宅購入のための資金を貯めながら夫婦二人だけの生活を楽しんでいたが、“コーポラティブハウス”を購入したことをきっかけに、大器の母親が心待ちにしていた子作りをスタートする。ところが、そう簡単には子どもは授からず…。二人は子どもを作ることがどんなに大変なことなのかを痛感しつつも、妊活に立ち向かっていくというストーリー。 “コーポラティブハウス”とは、さまざまな家族が自分たちの意見を出し合いながら作り上げる集合住宅のことで、一戸建てより安く、マンションよりデザインにこだわりを追求できるという理由で近年、注目されているのだという。ただ、住人同士はいやが応でも密接な関係を築くことになり、各家族の秘密が徐々に暴かれてしまう。それぞれ現代的な悩みを抱えた家族たちが“隣の芝生は青く見える”状態の中で、主人公の奈々は夫の大器とともに、個性的な隣人たちや、大器の両親、奈々の実の母親らが起こす大騒動に巻き込まれていく。視聴者層がかなり限られてしまいそうな内容だが、沈没しないことを祈るばかりである。

 

 

TBS金10 1/12~ 『アンナチュラル』 石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊、他

 

『逃げ恥』の野木亜紀子によるオリジナル脚本ドラマで一話完結型の法医学ミステリー。主人公は石原さとみが演じる“法医解剖医”の三澄ミコト。ドラマの舞台は、日本に新設されたという死因究明専門のスペシャリストが集められた『不自然死救命研究所(UDIラボ)』。そこには“不自然な死(アンナチュラル・デス)の怪しい死体が運び込まれてくる。ミコトはクセの強いメンバーたちとともに、次々とUDIラボに運び込まれてくる死体に向き合い、それぞれの死の裏側にある謎や事件を明るくスリリングに解明していく。またUDIラボで働く人たちの人間ドラマも同時に描かれる。主要メンバーとしてUDIラボの法医解剖医・中堂系役に井浦新、記録員・久部六郎役に窪田正孝、臨床検査技師・東海林夕子役に市川実日子、UDIラボの所長・神倉保夫役に松重豊らがキャスティングされている。法医学者が主役というドラマのテイストからは、2011 年にあの江角マキコがまだ好調だったころのドラマ“ブルドクター”(日本テレビ系)を思い出すが、あのドラマで石原さとみは、気が強く主人公とたびたび衝突する女性警部役で出演していた。婚期を逃した?石原さとみが、第二の沢口靖子を目指す?的な作品となるかも。『事件だわっ!』

 

 

テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 1/26~ 『ホリデイラブ』 仲里依紗、壇蜜、塚本高史、中村倫也、平岡祐太、他

 

渡辺千穂脚本。原作はこやまゆかりのマンガボックス連載の web 漫画『ホリデイラブ』。不倫サレ妻を主人公に不倫で亀裂が生じた夫婦の純愛を描く夫婦再生物語。平和な日常を送っていた主人公・高森杏寿(仲里依紗)は、ある日誰よりも信じていた夫の浮気を知り、一転苦悩の日々に突入する。葛藤の末、夫を信じ直して立ち上がろうとするが、やり直そうとするたびに、夫の浮気相手によって“さらなる困難”に陥れられる。それでも何があってもあきらめず『夫を愛する』というピュアな原点に立ち返って戦い続けるヒロインの姿が描かれる。渡辺千穂脚本という不安材料が気になるところである。

 

 

日テレ土10 1/13~ 『もみ消して冬~我が家の問題なかったことに~』 山田涼介(Hey!Say!JUMP)、波瑠、小澤征悦、中村梅雀、小瀧望(ジャニーズWEST)、恒松祐里、小嶋一哉、千葉雄大、浅野和之、他

 

金子茂樹の脚本によるオリジナル作品。医者の兄、弁護士の姉、警視の弟のエリート3兄妹が、一家の安泰を脅かす事件“のみ”を、“家族の幸せ”一筋に権力を行使し全力で解決していくコメディ・ホームドラマ。主人公は次男の北沢秀作(25歳)(山田涼介)。東大卒で警視庁に勤務するエリート警察官。秀作の兄・北沢博文(38歳)(小沢征悦)は心臓外科医、姉・北沢知晶(27歳)(波瑠)は弁護士。一家の安泰を脅かす事件が起こると、秘密の家族会議で作戦が練られるが、そこでは法律や常識よりも“家族の幸せ”が最優先される。馬鹿馬鹿しくも美しすぎる家族愛と、『家族への愛情VS職業倫理観』で葛藤する“エリート感が若干足りない末っ子刑事”の秀作がひねりだす“なんでそうなるの?”的屁理屈を伴う活躍と、人間的成長が描かれる。その他のメインキャストには、北沢家当主・北沢泰蔵に中村梅雀、執事・小岩井凛治に浅野和之、執事見習いの新人・楠木松也に千葉雄大、警視庁SIT隊員・尾関光希に小瀧望、女性警察官・池江里子に恒松祐里らが配役されている。

 

 

NHK日8 1/7~ 大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』 鈴木亮平、瑛太、黒木華、北川景子、錦戸亮、二階堂ふみ、又吉直樹、他

 

原作は林真理子の小説『西郷どん!』、脚本は中園ミホ。明治維新150周年記念として制作。鈴木亮平演じる西郷隆盛(小吉、吉之助)は薩摩の貧しい下級武士の家に育った。両親を早くに亡くし、家計を補うため役人の補佐として働くが、困った人を見ると放っておけず自分の給金も弁当も全部与えてしまう始末。西郷家はますます貧乏になり、家族はあきれかえるが、西郷は空腹を笑い飛ばす。そんな愚直な西郷にカリスマ薩摩藩主・島津斉彬が目を留める。『民の幸せこそが国を富ませ強くする』と強く主張する斉彬に、西郷も心酔する。西郷は、斉彬の密命を担い江戸へ京へと奔走し薩摩のキーパーソンとなっていく。極貧の下級武士にすぎなかった素朴な男は、島流しになった南国奄美で愛に目覚め、勝海舟、坂本龍馬ら盟友と出会い、揺るぎなき「革命家」へと覚醒し、やがて明治維新を成し遂げる。脇が甘く愚直でうかつな素顔を持つが、彼に出会ったものは皆、西郷を好きになり、愛嬌あふれる男の周りには、いつも“笑いと愛と波乱”が満ちていた。人に、故郷に、国に“見返りを求めない愛”を与え続けた男の生涯が描かれる。主な配役は、大久保利通役に瑛太、篤姫役に北川景子、島津斉彬役に渡辺謙、西郷の3人目の妻・岩山イト役に黒木華、西郷の両親役に風間杜夫・松坂慶子、など豪華メンバー。

 

 

TBS 日9 1/14~ 『99.9~刑事専門弁護士~SeasonⅡ』 松本潤(嵐)、香川照之、木村文乃、他

 

2016年4月クールの SeasonⅠ以来、約2年ぶりとなる続編。2018年3月末をもって東芝がスポンサーを降板することに決まり日曜劇場の記念すべき100作品目にして最後の“東芝”日曜劇場作品となる。前作ヒロインの榮倉奈々が育休で?降板、今作には木村文乃が抜擢された。個性的な刑事専門弁護士たちが、ぶつかり合いながらも逆転不可能と思われる刑事事件に挑んでいくリーガル・エンターテインメントドラマ。前作では平均視聴率 17.2%(関東地区ビデオリサーチ調べ)と人気の作品となった。本作では裁判官との激しい攻防戦もあるとか。タイトルの“99.9”は、日本の刑事事件における裁判有罪率(起訴された際に裁判で有罪になる確率)99.9%を示しているのだが、このドラマでは0%になる?最後の0.1%まで諦めず事実を追い求めていく弁護士たちの活躍が描かれる。前シーズンに引き続き主人公の弁護士・深山大翔を松本潤が演じる。深山とチームを組む敏腕弁護士・佐田篤弘役に香川照之。そして、前作、榮倉奈々が演じた深山の同僚弁護士・立花彩乃に代わって、元裁判官の弁護士・尾崎舞子(木村文乃)が登場。舞子は東京大学法学部在学中に司法試験に合格し、司法修習を経て裁判官に任官。刑事裁判の担当としてキャリアを重ねていったが、ある事件がきっかけで裁判官を退官することになる。退官後は司法の世界から距離を置いていたが、ある日、親友の弁護依頼の付き添いでやってきた斑目法律事務所で、状況証拠から有罪は免れない事件でも0.1% の事実を追求する深山と対立する。舞子の優秀な経歴を知った佐田は、新たな戦力として舞子を勧誘。最初は難色を示す舞子だが、深山とぶつかり合う中で、やがて弁護士として法の世界に戻ってくることを決意し、チーム斑目の一員となる。そんな彼女が裁判官を退官するきっかけとなったある事件の裏に、元上司にあたるエリート裁判官の存在があったという伏線が…。そして、チーム斑目は、やがてこの裁判官と対峙することになる。一方、今シーズンでは深山が刑事専門弁護士を志望するきっかけとなった26年前の父親の事件にも焦点が当てられる。縦線・横線が張り巡らされたドラマとなりそうだが果たして前作を超える視聴率が確保できるだろうか?

 

 

日テレ 日10:30 1/7~ 『トドメの接吻』 門脇麦、山崎賢人、新田真剣佑、新木優子、岡田義徳、光石研、奥貫薫、佐野勇斗、高橋ひとみ、山田明郷、小市慢太郎、宮沢氷魚、堀田茜、唐田えりか、山本亜依、他

 

いずみ吉紘によるオリジナル脚本ドラマ。ホストクラブ『ナルキッソス』のナンバーワンホスト・堂島旺太郎(山崎賢人)は、顔は良いが“カネの切れ目が縁の切れ目”で女をもてあそぶ“クズ”男。12年前のある事件をきっかけに、誰も愛さず、成り上がることだけを追いかけていた。そんな彼の前に、日本企業のトップ、個人資産100億ともいわれるホテル王・並樹グループの社長令嬢・並樹美尊が現れる。人生で最高の理想の女として旺太郎はターゲットを彼女に絞り迫ろうとする。しかしそこに青白い顔に真っ赤な唇を持つ“ある女”が現れた。彼女が贈る“死の接吻”により、旺太郎は突然の呼吸困難、全身痙攣、激しい動悸に襲われ死亡する。しかし次の瞬間、彼は見覚えのある7日前の景色の中、意識を取り戻す。そここから同じ出来事、場面、会話が繰り返される。どこまでも彼を追いかけてくる謎の“キス女”によって何度も“死”と“タイムリープ”を繰り返す旺太郎は、“死のループ”の謎を追いかけようとする。旺太郎の人生のライバルとなる“完璧紳士の御曹司”・並樹尊氏を新田真剣佑、旺太郎を“キスで殺す女”を門脇麦が演じる。SFサスペンスなドラマだが、果たして日曜夜のオンエアで良かったのか?

 

 

どうでもいいようなドラマばかりだが、

個人的には『 anone 』に期待したい。

ただ、このクールも残念ながら

驚異的高視聴率が望めそうな作品はなさそうだ。

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