忘備録の泉

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満たされない心をかかえて生きる

2020-06-29 14:27:06 | 読書
心が満たされないという感覚は、人生のその時点において取り組むべき課題があることを示している。
人生のある時点に到達し、次に追求すべき課題が潜在的に存在するにもかかわらず、それがまだ明確に自覚されていないか、あるいは自覚されていてもその達成に向けて具体的に動いていない状態であることに起因する。
だから、満たされない心が自分にささやいているものを、しっかりと受けとめることである。
満たされなさの感覚を手がかりにして、いっそうの自己実現の道を開いていけばよい。

マズローは、十分に自己実現していると考えられる人々について研究し、そうした人が比較的共通して持っている特徴を指摘している。
①有効な知覚
現実を適切に認知し、判断している

②受容
自己、他者、自然をあるがままに受け入れている

③自発性
思考や行動が自発的であるので、単純であり、また、自然である

④課題中心的
不安定な人では関心が自己に向けられ、悩みや心配として体験される。
これに対し自己実現した人は、関心がもっぱら課題に対して向けられるために、有効な行動がとれる

⑤超越的
外部の出来事に右往左往することなく、いつでも自分を保っていられる

⑥自律的
欠乏動機よりも成長動機によって動かされるので、不必要な社会的価値観などに縛られることがない

⑦認識の新鮮さ
繰り返し体験したことでも、喜びや驚きが色あせることがない

⑧少数の人との深い結びつき
付き合いの相手も自己実現した人であることが多いので、交友関係は意外に狭い。
しかし、結びつきは深い

⑨民主的性格
自己実現者は権威主義的でない


人は生きていく限り、完全に満たされることなどあり得ない。
その時々を懸命に、自分なりに満たされた人生と生活をめざして努力するしかない。
そして、実はその努力の過程こそ、私たちが希求している心満たされる時なのである。

(「満たされない心」の心理学より 根本橘夫著)



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