自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アカタテハ,産卵行動と産付卵と

2014-09-02 | アカタテハ

8月26日(火)。昼休みのウォーキング中の話題です。たぶん忘れられないことになるだろう大発見をしました。アカタテハの産卵行動と卵の実物に出会ったのです。

アカタテハの生態に迫りながら画像記録を残すのは,今のわたしにとって一つの関心事です。アカタテハについては,産卵,卵,孵化を見届けたいという気持ちが強くて,日頃,歩きながら食草カラムシのある場所に来ると,目を注いでいました。しかし,幼虫は見かけるものの,見届けたい事象については,一向にチャンスに恵まれませんでした。

ところが,この日,一気に氷解するようなかたちで決定的場面と対面したのでした。

カラムシ群落のところに来ると,突然アカタテハが舞い上がりました。産卵に来たのだなと思って,その行方を追っていると,また舞い戻って来ました。そうして茎頂部の葉にとまると,そのまま産卵行動に移ったのです。ビックリ仰天。しばらくいて,また別の葉に移りました。そうしながら,産卵孔を葉に触れて卵を産み付けました。


飛び立ったあとを見ると,卵がはっきり確認できました。草色を帯びた,ツヤのある色合いに,縦筋が見えるきれいな卵です。大きさは,あとで計算すると0.7mm程度。そんなに小さいのですが,目が慣れてくるとどんどん見つかりかけました。一つの葉に3個付いた例もありました。複数のアカタテハが産んだものかもしれません。


すぐ上の写真を部分拡大してみましょう。単なる縦筋が付いているようには見えません。どうも線条突起のように見えます。


さらに別角度から写した写真を見ると,確かに縦方向に突起が10本以上走っています。0.7mmの中に,こんな世界が広がっているのです。“アカタテハならでは”の小宇宙です。


ここは森林の辺縁部にあたり,アカタテハの棲息環境にはピッタリと思われます。しかし,水田と道路の境にあたるため,カラムシは定期的に刈り取られます。最大の外敵はヒトだといえます。

したがって,この場所で成長を見届けることは到底望めません。それで卵を持ち帰ってみようと思いたちました。孵化を確認できれば,これはもうスゴイ話なのですが。

 


最新の画像もっと見る