酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

霞の向こうの旨さに出合う。

2016-12-02 | 酒風景
ふらりーとでは二番目に新しい店、マイペースでじわりじわりと浸透を目指す「おばんざい たりき」さんに、大信州の澱酒が入荷したと聞き、さっそく行ってみた。
大信州は今年、何かと縁のある酒。しかも澱酒は初めてなので興味アリ。

ってなわけで


頂いたのは特別純米。
抜栓したてのシュワシュワ感が半端ない。おかげで酒の旨みもどこへやら(笑)、というのも束の間、少し時間が立って発泡が落ち着くと、次第に語り掛けてくる酒の旨み。
しかしだ、生酒ならではの鮮烈さはさて置き、大信州らしさはどこに居る?

さらに時間が経過したころ、大信州は忍者のごとく白い煙幕のむこうから突然現れた。
お馴染みの米「ひとごこち」のふくよかな香味が広がり、その後も、甘い余韻が長い。
良いモルトを飲みほした後のように、グラスの中に香りが残っていた。

こりゃ面白い。アルコール度数はちょっと高いが、日本酒ビギナーにもイケるはず。
次なる機会には(酒が残ってればの話だけど)純米吟醸を試してみたいのであった。

そしてお試しタイム。


一魂。これは前掲のような澱酒でも濁り酒でもない。正真正銘の「どぶろく」である。しかもコレはもち米だ。
北海道の長沼町は小規模でも酒造りが認可される、いわゆる「どぶろく特区」。いくつかの農場がこうして酒造りをしているそうな。
どぶろくの何たるかに言及すると話が長くなるのでここでは控えるが、まあそういうことだ(笑)
旨いかって? どうぞ、たりきで味見してみて。


たりきの酒担当もお気に入り、男山のひやおろし(純米吟醸生酒)。
旨いかって? 男山好きのあたしにそれを聞くのは野暮ってものよ(笑)

そとは冬の嵐が来そうな空模様。
ちょいと早いが締めの一杯をと選んだのは山和。


なぜだか無難路線を行きたがる自分。

今日になって思えば、例の澱酒をもう一杯呑んでおけばよかった。