散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

審査・審議無の「教育委員同意案件」に反対有~川崎市議会の内部改革へ向けて

2016年03月20日 | 地方自治
川崎市議会における若手の無所属・重冨たつや議員(中原区選出)はブログで次の様に報告する。
「2名の教育委員を任命しようとする今回の議案に、60人の市議会議員のうち、私一人だけが同意しませんでした。
理由は簡単で、市長などが新しく教育委員に任命しようとした2名について、公の場で何の議論もなく、また、この2名が最適だと言える根拠があまり見当たらなかったからです。」
 「市長と議会の微妙な関係!?教育委員の選び方はこのままでいいのか」

続けて「人事案件に対する考え方として、“同意する明確な理由がなければ同意しない”が、基本的なあるべき姿」だとしている。市長には選任の責任があるが、議会には同意の責任があるからだ。特に、教育問題は昨今ことのほか注目されており、教育委員の任命は重要な案件と考え、これまでの流れとは異なって、あるべき姿を追求することにした、とのことだ。

重冨議員は昨年4月の統一地方選挙において、議会改革の推進を旗印に掲げ、弱冠26歳の無所属新人として大健闘し、組織の引継、親子の引継がある中、真正の新人ながら初当選(10名枠の第5位)を果たした。今回の同意人事での態度は、その公約を推進する立場に立っての判断と評価できる。
 『自共伸長、民維衰退、25歳の無所属新人が大健闘!~川崎市議会議員選挙150416』

川崎市議会では周知の如く、「反対する明確な理由がなければ同意する」が常態になっている。更にこれは、日本全国のほとんどの地方議会での慣習になっているはずだ。これに一石を投じたことは、地方議会のあり方に対して限りなく大きな問題提起になるはずだ。
更に重要な事は、川崎市議会において漸く議員から議会の審議に関する改革の動きが出てきたことだ。

同意人事は意思決定の一つであることは地方自治法を紐解かなくても判ることだ。では、議会における意思決定はどのように実施されるのか?川崎市議会基本条例を紐解いてみよう。
第3条 議会は、(1)議案等の審議及び審査により、市の意思決定を行うこと。
第4条 議員は、(1) 議案等の審議、審査等を行うこと。

審議、審査が必要なのだが、同意人事について真剣に審議、審査がなされた例を探し出すことは、恐らく、クローバー畑の中で”四つ葉のクローバー”を見つけ出すことに等しい稀少価値を持つことになりそうだ。

重冨議員は、以下の理由で教育委員の任命について慎重に同意をする必要があると考えている。
1)教育委員は過去に選挙で選出されており、他の人事案件とは異なる
2)教育委員会の存在意義が議論になるほど教育への注目度が高い
3)川崎市では、教育(委員会)への信頼が揺らぐ事案が頻発している

更に今後の改善点では、市長側はより丁寧な説明を行い、議会側はそれを十分に吟味するだけの日程を確保すること、と提案する。また、教教育委員会は意思決定機関であり、教育委員は事務局と協力し、時にはぶつかり合う議論が必要なはず、としている。

重冨議員は、福嶋浩彦教授(中央学院大学)の言葉「ある案件について、議会の中で多数派となり変革を起こすのは容易ではない、しかし、その案件だけでも市民の中で多数派になれば、議会は動かざるを得ない」を引用して、広く市民にもチャレンジしている。
それと共に、「皆さんが応援している議員さん方にも問いかけを行って頂きたい」とのメッセージでブログを締め括っている。

      


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