散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

橋下徹は「父親=石原慎太郎」殺しをできるか~「第三極」存亡の瀬戸際~

2013年05月17日 | 国内政治
橋下徹=日本維新の会が危機に立たされている。米国、自民党、みんなの党など潜在的に敵対する組織から非難されることは問題ではない。あるいは組織の内側からの過服従で足を引っ張られることも問題ではない。

問題は、ある程度理解を得て、助言をツイッター等で送ってくれる池田信男・アゴラ代表からツイッターで「なんか維新も下ネタ専門になってきたな。大阪やったらみんな笑うてすましてくれるから、やっぱりローカル政党に徹したほうがええんやないの?」と言われるような状況になったことだ。

今回の従軍慰安婦問題に関する事実認識についても池田氏の『NYタイムズのための「慰安婦問題」入門』がそのベースにあると思われる。この中に書かれている問題提起は冷泉彰彦氏が述べる様に、丹念な調査によって「軍による強制連行はなかったとの見解を示している。」(Newsweek 2013/1/7)。しかし、氏も合わせての指摘、この主張をするには注意深い議論を必要、がポイントだ。特に著名な政治家にとっては、だ!

先の衆院選挙の前に石原慎太郎共同代表を維新の会へ迎い入れて以降、橋下氏の言動は石原氏への迎合を表すかのように変わっている。何故か?色々言われているが、政界の七不思議と言う以外にない。ここで筆者は一つの仮説を提起する。

それは、橋下氏が石原氏に、フロイドの言う意味での「父親」を見ているとの解釈だ。日本維新の会の綱領における現憲法に対する見解は石原氏の考え方が色濃く出ており「石原を否定できない橋下徹の心性」と既に記事で指摘している。

報道によれば、橋下は在日米軍に風俗業の活用を働きかけた発言について「表現の拙さがあった。国際感覚が乏しかったかもしれない。」と釈明した。しかし、米国務省報道官は、いわゆる従軍慰安婦が「当時は必要だった」との発言に「言語道断で侮辱的だ」と不快感を示している。一言で言えば、価値観も、立場も異なる相手の権限に対して、余計なお世話なのだ!

また、釈明だけでは、今の橋下氏の国民的イメージは、石原に迎合する以前のイメージと重ならず、分裂した存在になることが懸念される。それだけ各党からの攻勢は激しく、また、マスメディアもこぞって報道している。そこで、

今、必要なことは「父親殺し」である。

即ち、石原を切らないまでも、名誉代表のような閑職へ収めることだ。自らの手で石原の影響を断ち切ることができれば、自他の橋下イメージは一致するようになる。

物心ついた頃、橋下氏の両親は離婚しており、母子家庭の長男として妹を含めた三人家族で育った。そして父親は小学2年生の時に自殺した、と雑誌に書かれている。

その後の氏の生の軌跡にどのように影響したのか不明である。しかし、無意識の中で強い父親を求めているというのは、氏の言動からあり得るように思われる。

以前の記事で、みんなの党代表・渡辺喜美について、石原慎太郎と刺し違えできるか、と述べたが、渡辺にそんな器量はなく、今回の件でも、維新の会との選挙協力の前提となる共通公約作りを凍結し、選挙協力のご破算も示唆している。

「第三極」は存亡の瀬戸際に立たされている。



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2 コメント

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第三極 (三國博貴)
2013-05-18 09:36:55
この騒動がなくても、第三極が消えているような気がします。

ことに維新は自民の引力に引き込まれ、またそれを是としているようにも見えました。改憲も当初言っていた首相公選制を優先課題というならば、96条や9条をリンクさせる必要があるのにバラバラに自民案マンセーとやっちまっている。

第三極はヒマラヤを指すが、ヒマラヤが南極や北極に寄っていったらもはやヒマラヤではない。
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コメントに感謝! (Goalhunter)
2013-05-20 22:56:49
ヒマラヤの比喩は良く判らないですが…(笑)、地方自治体からの発信体であって欲しいと思っていたのですが、折角の首長ファイブも消えてしまいましたね。
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