小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

戦前の母島の暮らしを支えた若者たち【レジェンド・ストーリー③】

2020年08月25日 | 小笠原 昔話
■戦前の母島沖村。
 毎朝、集落の若者が集まる場所があった。
「朝集まって、組長がそれぞれにその日の仕事を命ずるんだ。
 組長はそのメンバーの資質をすべて把握しているし、
 みんなから一目置かれた人しかなれないから、みんなそれに従うんだ。
 そして、月に一回まとめて給料が支払われる。
 そうして、母島の沖村は運営されていたんだ。若ノ衆組合によって」

母島の90代のレジェンドが雄弁に語ります。
戦前の母島には若者たちが、
見事にみんなの暮らしを支える「若ノ衆組合(わかいのしゅうくみあい)」という組織があったそうです。

当時、そこの若ノ衆組長は奥山組長といって、
若者の誰もが「この人なら」と認める絶対的な存在だったようです。

組長はその日集まった若者の特性や人間関係をしっかり把握し、
その日の仕事を割り振っていたそうです。
大体30人前後はいたといいます。

・サトウキビ狩り
・野良仕事
・カノー(アウトリガーカヌー)大工手伝い
・家大工手伝い
など多岐に渡ります。

専門性の高い
・シュロ葺き(オガサワラビロウの屋根)
・カツオ節加工
・くさや製造
などは若ノ衆組合ではなく、特に上手な人が集まって行っていたそうです。

集合場所は今の学校の畑がある付近の様です。(旧地名:新々町)

数々の小笠原の歴史をまとめている倉田洋二さんの本には、
若ノ衆組合の記述がなく、「あんなに重要だったのに、どうして書かれてないんだろう?」と残念そうでした。


■とあるレジェンドの当時の1日のスケジュールを教えて頂きました。

くさや作りのシーズンの場合(7月~9月)
3時 起床 カノー(海が悪い場合は歩き)で南崎へ
5時 到着 朝食 くさや 作り開始
   順次 漁船が来るたびに水揚げ
       ※漁船は南崎海岸まで入れないのでカノーで魚を受け取りに行く  

昼 合間をぬってサッと昼食 休憩はなし
  順次 くさや作り

夕方 夕食をもらって沖村へ戻る

19時~20時半 青年学校(週3回)

※南崎にはくさやシーズンは新島から女性が来ていて、加工作業を手伝ってくれていた
※新島からの女性はお世話役のおばちゃんと十代の若い娘5人くらい(めっちゃ可愛い子もいたらしいw)
※南崎の新島の人がみんなの分の食事を用意してくれた
※青年学校がない場合は沖村に帰らず、南崎の小屋で寝泊まり
※青年学校の教員は島の漁師などで、話がカタくなく、面白かった(小学校は内地からの教員)
※生徒も教員も昼間肉体労働なので、みんな眠かった
※青年学校(男子)は主に軍事訓練、銃の訓練が多かった
※くさや工場は前田家の持ち物だった


カツオ漁のシーズンの場合(4~6月)
沖村の前田さん、野口さんがカツオ節工場の主だった人だそうです。
場所は今の前浜の大谷川河口周辺だったそうです。

カツオ節の工程を聞いてみました。
①カツオをさばく
②4つに身を切り分ける
③切り分けた身を大釜で茹でる
④中骨を手作業で取る
⑤焙乾(ばいかん、ばいろ)、いわゆる煙で燻す作業
 燠(おき)状態で何日も燻す。ときどき向きを変える、この作業で身の水分を抜く
⑥天日干し
⑦包丁で桐の箱に入る様に形を整える
⑧カビをつける(土蔵の中)

特に大変だったのは⑤の天地返しなどの作業で、
煙で目から涙がこぼれるくらい辛かったそうです。

しかし、子どもとしても、ご褒美として最高に美味しいカツオの心臓などをもらえるので、
それを食べたい一心で手伝うのだそうです。

⑤の薪はメリケンマツやタマナなど、持ちのいい木が使われるのだそうです。

こんなネットの時代なので、「大手にんべんのカツオ節のできるまで」を覗いてみると、
そのほとんどが同じ作業であることに驚きます。

その従事していた頃から70年以上経過しているのに、
なんの記録も見ないで、ほぼ正確に語れるのは何故かと聞いてみたら
「あまりに煙が辛い作業だから、しっかり印象に残ってるんだよ~!」
と最高の笑顔で教えてくれました(*^_^*)

ちなみにうどんなどにおススメのムロ節は、
カツオよりグッと工程がシンプル(②と④の作業がない)なので、楽だったそうです。


■小学生の頃は遊んだ記憶はほとんどなく、
学校以外はひたすらに親の仕事の手伝いをさせられたそうです。

土日は決まって薪拾い。
時間があればランプ拭きや水汲みをしたといいます。

逆に大人は一生懸命に働いてもいたけど、
本気で遊んでもいた様です。

小笠原凧(為朝凧)や太鼓、相撲など盛んだったようですが、
子供にはやらせてくれなかったと言います。

戦前は大神宮(月ヶ岡神社)のお祭りなどでは、神輿はなく、
遠州町のメンバーが見事な芝居を見せて、盛り上げていたそうです。

レジェンドのお話しを聞かせてもらって、
今の時代にのほほんと生きている僕は少し、申し訳ないような気持ちになってしまいました。

日々、仕事も地域活動も盛んにしますが、
間違いなく遊んでいるし、だらけています(笑)。

レジェンドが敗戦後内地に行ってみたら、
どこの誰よりも生活スキルがあって、何でもできて、スーパーマンでモテモテだったと笑顔で語ってくれました(*^_^*)

子供の頃、本当に辛かった仕事ばかりの島暮らしが、
そこですごく報われた、といいます。

僕も先人たち、とまではいかないまでも、
もうちょっと生活スキル習得を頑張ろうと心に誓ったのでした♡

島っ子、アナダコ捕り隊っ!!

2020年08月19日 | 母島部活堂
■生粋の島育ちみっちーは語ります。
「俺らの子どもの頃は、アナダコ捕りが楽しくて、ほんと大好きだった。
 大人になった今も、やってるよ♪
 今の島の子どもはそんな遊び、あまりやってないよね?
 なんなら、一緒に行って教えようか?」

今年の6月のある場面での母島育ちの言葉でした。
もう、それは願ったり叶ったりです!!

という事で、新型コロナの影響で
夏休みに内地に行くことを我慢している母島の子ども達向けに
「島っ子 磯遊び隊 アナダコ編」を開催しました(*^_^*)

目標となるアナダコはこちらです。

小型の磯場に生息しているタコの仲間で、
日本では琉球列島と小笠原諸島に生息しています。
餌は磯場のカニを捕獲して食べていました!

このアナダコの特徴は、なんといっても美味い!!!
そしてタコ捕りが楽しい♪

そんな訳で、本来のシーズン(2月~5月)からは外れていますが、
島の子供達7名、
島出身の大人4名、
サポート&楽しみたい大人3名でタコ捕りに行ってきたのです(*^_^*)

ちなみにこの日はど平日。
僕は長めの昼休みで行きました(*^_^*)


■この日はこれ以上の好条件はない!と言えるほどのベタ凪の最高のコンディション!
本シーズンのアナダコ捕りは、冬なので、海に入ったり、磯に出たりで、
結構寒さとの戦いですが、
今回はまるでその心配がいりません。

子供達とこんな磯場を歩いたり、泳いだりして行きます。

手はカキや珊瑚などで切らない様にグローブ、
足は泳げて、滑らず、切れないスーパーシューズ・ぎょさん、
リュックには飲み物と軽食。

磯場ではほんと「ぎょさん」の万能さを痛感しました(*^_^*)
ほんと滑りません!

参加した4年生以上の子供でタコ捕り経験者は中学男子1名のみ!
島出身でない大人もほぼみんな初めてのチームです。

僕は今回のこの島っ子タコ捕り隊をやろうとなった経緯、
そしていざ実施してみた時の講師役である母島出身のみっちーの一言が忘れられません(*^_^*)


■経緯は6月の母島部活堂@オンラインがガジュ下での事でした。
令和元年に小笠原も始まった東京宝島事業
各東京の島々が、それぞれ自分の島のアクションプランを1年かけて練り上げ、
令和2年度の今年、動いていくという流れでした。

母島のアクションプランは「老若男女みんなが気軽に、自由に話し合いえる場を作りたい!」
ということになり、その活動の名前が【母島部活堂】という名前になりました。

しかし、この春から新型コロナの影響で人が集まって話すというのは難しいという状況になってしまいました。
そんな時、やはりピンチはチャンス!
オンライン会議ツールZOOMを使って、母島の憩いの場であるガジュ下のような場をオンラインでやってみよう!となり、
それで実施した6月の島っ子ばかりが集まった場がありました。

島っ子の過去の母島のエピソード、現在、そしてこれからを話したときに、
現代の島っ子の遊びについての話題が上がりました。

そこで、もっと大人がリードして思いっきり楽しまないと!という結論に至ったのです。

その場面で、島っ子先輩の大人たちは、
携帯ゲームなんかよりよっぽどスリルも楽しさも上、
しかも小笠原ならではの遊びでもあるタコ捕りに
島っ子達を連れて行ってあげたい!
という事になりました♪
それが今回の経緯です。

日々、それぞれの生業を一生懸命している大人達です。
そんな島っ子先輩が集結して、
子供達の為に動くって、なかなかレアなことなんですよ(*^_^*)

本当に夢のような有難いひと時でした♪
どうもありがとうございます☆


■まずは大潮の干潮の時間に合わせて、午前10時に前浜に集合します。

今回の講師役である、島っ子先輩のみっちーから色んな説明、注意事項を聞いて、
みんなの気持ちがワクワクしてきます♡

もう僕にとっても夢のようなひと時です。
僕が一番ウキウキしていたかもしれない(笑)。

これからの子供達の様子を、傍らで見れると思うと(*^_^*)

みんなで歩いて石次郎海岸を目指します。

色んな話をしながらエッチラオッチラ歩きます。
こんな時間もなかなかいいもんです♪

あ~ら綺麗な石次郎海岸にあっという間に到着。


泳いで行きたい人は泳いで、
磯場を歩いて行きたい人は歩いて、
中岬の方を目指していきます。


テトラポットの脇を抜けて、
外洋の磯場に行くと…

「あっタコだ!!」

いきなりのアナダコ発見!!
普段タコ捕りしているみっちーにとってはあまりに経験豊富で、
ここはいない事が多いから、とスルーしようとしていた矢先のタコ発見でした。

さすが、子どもの眼ですね(笑)。
しかも、その子は人生初発見でした!
やったね!!


そこから磯場を進んで、歩けなければ、海に飛び込んで泳ぎ、
また磯に上がりながらタコを探す、の繰り返しです。

活きのいい男子はとっとと先に進んでいきます。
もお全然追いつけましぇん!

丁寧な女子は、男子が見逃したタコを次々と発見して行きます(笑)。
オンナはやっぱり凄いし、したたかです(*^_^*)

今回は冬シーズンではないので、
基本的に小型なアナダコにしても小さな個体が多いです。

これは小さいから逃がしてあげようね、という場面も幾つもありました。

しかし、子ども達はアナダコを穴から出す駆け引きが面白いので、
小さくても一度は手で掴む訓練をしていました(*^_^*)

こんな夏に捕らなくても!と思う方もいるでしょう。
でも今回は子どものアナダコ捕りとの出逢いの機会なのです。
寒い冬よりも、暑い夏の方が断然、色んな意味で楽なのです。

今回は大目に見てあげて下さい(*^_^*)


■アナダコは波打ち際の近くのウニが開けた穴に潜んでいます。
ここに潜んで近くを通るカニなどを捕食します。

アナダコが美味しいのも、この甲殻類の旨味が凝縮しているからかも知れません(*^_^*)

「あっタコいた!!」
「えっどこどこ?」

手で出すのが難しい時はタコカギを使って、引掛けだします。

足に引掛けたりするとちぎれるし、
小さな個体は、その後に逃がすので
そもそも傷つけないように気を配ります。


タコも命がかかっていますので、
逃げるのに必死です。

うまくタコを捕まえる事ができたら、
波で濡れていない所まで移動して、
タコを絞めます。

頭をひっくり返して、
内臓を取り出すのです。

捕まえた子供たちは、みんなこれまでやりました。


そんな調子でどんどん磯を進んでいきました。

前日の下見では3杯くらいしか見つけなかったので、
子供全員分は厳しいかなと心配していましたが、
さすが、島っ子達。
見事にタコを発見して行きます。


■途中で素晴らしい天然の飛び込みの崖を発見し、
みんなでワイワイ飛び込んで遊びます(*^_^*)

この崖は素晴らしく、
子供が自分にとって丁度いい飛び込む高さを選べるのです。

この崖は「度胸試しの崖」と勝手に呼んでいます(*^_^*)
トップから飛ぶと、かなり誇れるものとなります。
おそらく15m以上はあるでしょう。

今回はやりませんでしたが、
子供たちからは次回は飛び込みメインで行こう!と言われています(笑)。

それくらい、島の子どもは飛び込みが大好きです♪

高い所からカッコよく飛び込みます。

島っ子先輩も負けずとダイヴ!!

見事に頭から行きますが、子どもの頃の様に軽くもないので、勝手が違うようです(笑)。

延々と続きそうな飛び込みのあと、
御幸の浜を目指して、磯を移動します。


■今回の講師役のみっちーが
「みんな凄いね!俺いらないくらい(笑)磯スキルがあるし、
 泳げる!これなら安心だよ!」
と嬉しい一言。

みんなタコ捕りこそ、初めての子も多く、あまり来ていませんでしたが、
磯場や海では毎日のように遊んでいます。

自然と、タコ捕りが始まると、
みんな見て覚え、次には実践し、
色々試しながら、どんどんスキルアップして行きました。

こちらが教えることなんて、ほんの一握り。
子供達は大自然の中で勝手に学んでいきます。

そのスピードの素晴らしい事!

傍らで見ていて、感動するほどです。
上手な子のテクニック、コツを、見よう見真似で習得し、
トライアンドエラーを繰り返して、
どんどんみるみる進化して行きます!

「うおおおおぉぉぉ!いてぇ!!」

アナダコは基本的に、口では噛んでこないとの事。

今回、最大級のアナダコを捕獲した子供の腕に、
もの凄い吸盤の圧力で攻めてきたようです。


お蔭で手には立派な勲章が★

圧倒的に美しい磯場を抜けて、御幸の浜へ。


水中も魚いっぱいで、超綺麗なんです(*^_^*)


到着して、数えてみたら、
捕獲したアナダコは11杯!!
小さくて逃がしたタコは15杯以上!!!

こんなシーズン外れにしては予想以上の収穫でした(*^_^*)

みんなもとても楽しんでくれて、感無量です♪
大人達もそんな子供の様子を見て、嬉しそうでした(*^_^*)

■そして前浜に戻り、
みんなでタコの分配です。

大きいの中くらいの、小さいの、色々。

「あっこれ俺が捕ったでかいやつ!」
と嬉しそうです。

タコの触感が苦手な子も、苦笑いしながらも持ち帰って聞きました♪
ビニール越しでも、とってもビミョーな顔(笑)!!

とにかく、みんなとても楽しく磯を味わっていて、
とても良かったです♪

我が家では捕ってきた次女が下処理をして、
妻が美味しくから揚げにしてくれました(*^_^*)

やあ、これがホントに美味しい。
多分タコの中で世界一美味しいと思う♪

いつもは塩で下処理をしていたのですが、
今回はみっちーに片栗粉でぬめりを取るのを勧められ、
やってみたら、ビックリするほど簡単でした)^o^(

塩で揉むと、どうしても身がカタくなってしまいがち。
片栗粉でやると一瞬だし、身がカタくなりません。

タコを食べるのがちょっと苦手な次女も、
自分で捕って絞めたアナダコを喜んで食べていました♡


※みっちーが動画を作ってくれました♡

■そんなこんなで、島っ子による島っ子の為のタコ捕り講座を無事終える事ができました。
次回は、本シーズンの春休み頃にやりたいなと思っています。

今回、軽快に講師を引き受けてくれて、
この素晴らしい機会を作れたことに深く感謝します!!

みっちーどうもありがとうございました♪

そして参加してくれた島っ子先輩の大人達、
島出身じゃないけど参加してくれた大人達、
本当に有難うございました(*^_^*)

最後に、
子供達にも沢山の感動を頂きました♪
目の前でどんどん成長する様は、
本当にキラキラしていて、見ているこっちが勝手に沢山元気を頂きました!

母島の保護者全員に連絡して、急遽来てくれた7人の島っ子達、どうもありがとう!
残念だけど、都合が合わず来れなかった島っ子達、まだまだ夏は終わらないし、
また本シーズンにもタコ捕り誘っちゃうよ!!

そんな感動のひと時でした!
ありがとうございました☆

最後に講師のみっちーの素晴らしいYoutubeチャンネルを紹介します。
良かったらどうぞ!

タコ捕り方(小笠原諸島 母島)島っ子のタコ獲り How to catch octopus


生タコぬめり取り&保存方法(タコ下ごしらえ、下処理)



長女が日本出発!!~コロナ渦でのカナダ留学継続という選択

2020年08月08日 | カナダ留学 長女
■8月8日、長女が成田空港からカナダに向けて出発しました。
去年の9月から留学していたカナダの高校に戻る為です。

この記事を書いている時は彼女は空の上です。

世界が新型コロナのパンデミックが広がる中、
長女は3月末に日本に緊急帰国しました。

それから4か月、内地、父島、母島と転々として、
今、このタイミングでカナダに戻る事を選択しました。

東京で連日400人以上の新規陽性者が出ている中で、
カナダに戻る選択をすることはとても悩みました。

長女にとっては父島の小笠原高校に入るという選択肢もありました。
しかし、本人も悩みに悩み、カナダの田舎の、日本人が長女しかいない方田舎の高校に戻る決心をしたのです。

親としてはその決断に精一杯フォローするつもりで、関わってきました。

※追記 日本時間の2:30無事にカナダに着き、入国審査もパスしたと連絡が入りました☆

■長女がカナダに戻るに向けて、小5の妹が描いたメッセージです。
このコロナ渦では出国することすらできるか、当日まで分からない状況でした。

今日、成田空港で出国できることが分かったと連絡を受けた時、
「カナダに行けなければ、おねぇちゃんは残念だと思うけど、
 私は少し嬉しい〜」って言っていました。
 しかし、乗れるって言ったら、少し寂しそうでした。

妹にとって超優しい6歳上の大好きな姉。
自宅出産で産まれた瞬間から、へその緒を切るのまでやってきた姉です。
次女が赤ちゃん頃は本当に良く抱っこしてくれました♡

そんな妹の為に6年間、ランドセルをすごく丁寧に扱ってきた姉です。
どんなに高いランドセルよりも価値のある、とびっきりのランドセル。
そりゃ、寂しくないわけはありませんね。

でも、外に羽ばたいて行く姉を応援したい気持ちもあり、
小学生ながらに色々葛藤しているようです。


■長女が母島を離れたのは8/1出港のおがさわら丸でした。
カナダに新型コロナを絶対に運び込むわけにはいかないので、
滞在先の神奈川まで、感染症対策を入念に考えて臨みました。
「公共交通はコロナが心配だから」と車で神奈川まで送ってもらったりしていました。

それには母島診療所が開催してくれているコロナ相談室も大いに役立ちました。

3月末に帰国、
4月にお世話になった東北から、小笠原に帰って来るときも、
今までにない緊張感の中、旅をしてきました。

今回も感染者が日々増加している東京を通過するので、
感染拡大防止に最大限の努力をしたはずです。

移動や滞在にもフォローしてくれる方がいて、
本当に助かりました♪
毎度毎度、多くの人に支えられています。

このお返しは目の前の困った人をフォローして返していければと思います。

よく聞かれることなのですが、
現在、カナダ政府には3/18以降の新規ビザ申請は通らず、
簡単には入国できない状態なのです。

しかし、去年から留学していた長女は、
今回のカナダ渡航に問題のない期限の学生ビザを持っていたので、
渡航することができたのです。
もうこれは、時の運としか言えない状況と思います。

長女はいつも何か強運にいつも恵まれている気がします♪

そして、カナダの高校、学区長にも日本の状況を説明したうえで、
長女のカナダ復学を受け入れてもらえることになりました♪

カナダ側が受け入れOKであり、
長女本人もカナダ留学の継続を望んでいるのなら、
いつまで続くか分からないこのコロナの状況を待つよりも、
渡航することを決めました。

彼女たちの世代にとって、
このコロナ渦は前例のない中を進むという、
困難ですが沢山のギフトともなる中を生き抜いていくのです。

幸いにもカナダ政府は、
日本よりも経済よりも人命を尊重する政策を打ち出しています。

長女が行くブリティッシュ・コロンビア州は1日の感染者が50人を切っています。

オリンピック延期が決まるまで、
緊急事態宣言が出来なかった、
当初は休業補償どころか布マスク2枚の配布、
経済の為に緊急事態宣言の解除を急いで、再度感染拡大が広がり、
更にはGo toトラベルキャンペーンをするような頓珍漢な日本とは違い、
学生やフリーランスまでも休業補償をしている、まさに先進国のカナダ政府です。

色んな意味で長女が日本にいるよりも、
本人が望むならばカナダに行く事を選んでいいと僕は思いました。

カナダの学校は州やコロナの状況で場所場所で違うようですが、
基本的には9月からの学校再開(感染症対策の上)が決まっています。


■今回、カナダに入国した後は2週間の自己隔離生活を義務付けられています。
それを守れない場合は、なんと4000万円に匹敵する罰則を支払わなければいけません。

長女がホームステイしている先の義祖父はなんと60歳以上。
自己隔離生活をするには60歳以下でなければいけません。

これは大きな問題でした。

今回、有難いことに長女と一緒に渡航する予定の同世代の子がいて、
その子の親がなんと同じエリアの方という事で、
2週間の自己隔離生活をしてもらえることになりました♪

本当に有難いご縁です☆

バンクーバー空港に着いたら、
自家用車で迎えてもらい、そのままBCフェリーでバンクーバー島へ、
ナナイモ経由でポートハーディーへ向かいます。


当時15歳の長女が去年たったひとりでカナダに渡航する時も、
色んなご縁で関わった人たちに、沢山のフォローをして頂きました。

今回はこうして素晴らしい出逢いがあり、
本当に感謝の気持ちでいっぱいです♪
どうもありがとうございます!!



■長女の渡航が決まったので、最後にみんなで母島の楽園「蓬莱根」に行く事にしました。

蓬莱根はとても大好きだったのに、
ここ数年は随分とご無沙汰になっていた場所です。

先日、久々に行って、最高!と確信できたので、
今度は長女を誘って、最後のファミリーピクニックを開催しました♪

やはり、蓬莱根の海はとても透明で美しく、
長女が出発するまでの限られた時間のフィナーレに相応しい場所でした。

圧倒的な透明度。
美しすぎるサンゴ礁。
歓迎してくれる魚たち。

次、いつ日本に、母島に帰って来れるか分からない状況なので、
最高の母島の景色を堪能して、出発させてあげたい、そんな気持ちでいっぱいでした。

幸いにも、最後に工面できる日程のギリギリで最高のコンディションでした♪

90代の島のレジェンドが「母島で一番美しい場所」と言うほどの秘境です。

山道を歩いて行かなければ行けない、ビーチなのですが、その道のりですら楽しめる♡

長女が蓬莱根に来るのは恐らく、就学前以来くらいなのではないかと思います。
実際にとても喜んでくれて、親としても大満足でした(*^_^*)

本当に行く機会を作れて、本当に良かった(*^_^*)

■今日は長女が無事に搭乗できると分かってから、
長女が残していった天然酵母の種を使って、妻がパンを焼いてくれました。

妻と長女のコラボのパンを食べながら、大空を飛ぶ長女を想います。

本当にこの渡航が認められるかが当日まで分からず、
そこに賭けて動いていたので、無事にチェックインが済んだ連絡は心底ホッとしました。

いつも26時間の船旅がスタンダードな彼女にとって、
8時間半の直行便のフライトは、あまりにあっという間の印象でしょう(笑)。

これからの時代は、今までの常識はおそらく通用しないでしょう。

次に日本に帰って来れるのはいつになるか分かりません。

長女が持っているセンスは、
これからの時代には必要なセンスと思います(勉学、生活力のセンスではないw)。

カナダの学校は、通っている長女から見ても、
「日本の画一化を目指す教育とは違い、
 個人の素質を延ばす教育方法だし、
 先生がとても熱心でプロフェッショナルだと思う」と言っていました。

長女のこれからの人生にとって、素晴らしい糧となる留学になればいいなと思います。


■まずはこのコロナ渦で「出国する」という第一関門を突破できました。
これからも色んな難題がやって来るでしょう。
それこそに学びが多くあると思うのです♪

これからの入国で何かあるかも知れないし、
ホームであるバンクーバー島のポートハーディに関わるトラブルがあるかも知れません。

でもそれは、すべて彼女にとっての学びなのです。

予定されたレールの上での道ほどつまらないものはありません。
結果よりもそこに向けての過程に意味があると僕は思っています。

そこが旅の醍醐味だと僕は思うのです。

トライ&エラーを繰り返しながら、どんな人生が待っているのか楽しみで仕方ありません♡
死なない程度に、色んな経験をして、沢山の糧を得て欲しいと思います。


長女の写真はとても独特でインスタなどにも固定ファンがいます。

空間の気持ちを切り取るのが上手い気がします。

母島を離れる最後の夕陽をみんなで過ごしました。

姉妹でじゃれ合っている光景がとても嬉しかったです(*^_^*)



■去年の巣立ちとは違う意味の出発の日。

普段、ぶつかってばかりの母親も渾身のお別れを告げたそうです。


次女は思いっきり見送りダイブで気持ちを表現していました♪


飛び込んだ気持ち良さとほのかに離れて行く実感を、彼女は感じていました。

気をつけていってらっしゃい!!

飛び込むことで、その寂しさを吹っ切る効果がある気がします。




心が震えるとき。

2020年08月06日 | 大切にしていること
■ああ今、心が震えている。
そんな経験はありませんか?

感動した時に起こる現象なのですが、
「感動」の一言では片付けられないなと思い、
敢えて「心が震えるとき」と表現してみました。

先日、畑で作業をしていたら、ふと降りてきた感覚なのです。

自分が何かに関わって、心が震えたとき、どんな時があっただろう?
きっと同じ出来事あったとしても、人によって響く、響かないが違うだろう。

でも、
どうして人はこうも心が震える瞬間に惹かれるのだろうか?
どうして心が震えたあとに、じんわりと根底から力がみなぎって来るのか?

映画や小説など、
作為的に感動を仕込まれた場合でも、やはりそんな瞬間があります。
圧倒的な美しい景色を見た時、
とても素敵なエピソードを聞いた時、
ふと些細な事に気付いたとき、
色んな場面で人は心が震えると思います。

そして、それを提供できる、縁つなぎができる人って、
なんて素晴らしいのだろうと思いますし、
それを受け止めて感動できるセンスがあるということも、
なんて素晴らしい事なのだろうと思います(*^_^*)


■僕が大好きな本に「リトル・トリー(フォレスト・カーター著)」があります。
これは少年インディアンと老夫婦の日常を描いた物語なのですが、
その中にある、大好きな場面があります。


祖母は麝香虫(じゃこうちゅう)の匂いを嗅ぐと、僕を上回る興奮ぶりをあらわにした。
「こんな素敵な香りは初めてよ!
 今まで麝香虫のことを知らなかったなんてどうしたわけかしら?」

祖父もやはりびっくりした顔になって、
「70年生きてきたが、こんな匂いはついぞ嗅いだ事がない!」とうなった。

祖母が言った
「おまえはとっても正しいことをしたんだよ。
 なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃな らないのはね、
 それをだれでもいいから、出会った人に分けてあげて、いっしょに喜ぶことなの。
 そうすれば、いいものはどこまでも広がっていく。
 それが正しい行いってものなんだ。」

リトル・トリーが麝香虫(じゃこうちゅう)は甘い匂いがするということを発見して、
祖父母に教えてあげた時に祖母が心底感心して言ってくれた言葉です。

なんてピースフルで素晴らしい行いなのだろうと感動したのを覚えています。
僕が日々の暮らしの中で感動したことを、淡々とブログなどに綴っている理由なのだと思います♪


■母島の森の中を歩く子供達。
僕の山仕事に着いてきた子供たちのとある夏休みの一コマです。

何でもない風景なのだけれど、
言葉にならない愛おしさが込み上げてきます。

とてもピースフルで愛おしい♪

こんな時間がずっと続けばいいのにと思ってしまいます。
こういうじんわりとした心が震える瞬間も僕は大好きです(*^_^*)

長女が中学を卒業し、島を巣立って外国留学に行く。
僕の高校の頃をおもうと信じられません。

美しい大自然と優しい人に囲まれての暮らし、本当に有難いです。

そんな中、子ども達はあっという間に成長し、
それぞれの世界へ羽ばたいて行きます。

そんな様を見ていても、なんだか心が震えるのです。

なんだろう、その命の逞しさと儚さに惹かれるのです。


■小5の次女、
ダイバーのいる水深(8m~10mくらいかな?)まで潜れるようになって来ました。

すごいな~!と素直に思います。

もう潜るフォームからして美しいのです。


僕は島に来る19歳まで筋金入りのカナヅチだったので、完全に同年齢で見た場合は敗北しています(笑)。
現在はなんとか水深では勝っていますが、そのうち抜かれるのは時間の問題でしょう♪

現に日々飛び込みに関して、超進化中です。

子供達は日々色んな所に挑戦しています。
しかも楽しみながら♪
今年は新型コロナの事もあり、念願だった内地に行かない夏休み♡
存分に島の夏を満喫しています(*^_^*)

次女のバブルリングもあっという間に上手になって来ました。

上手な先輩に色々アドバイスを頂いていますが、
1日に何十回もトライを重ねるその姿勢が素晴らしいのです。

ちなみに僕もトライするのですが、心が折れるほど下手くそです(ToT)/~~~

そんな子供達(自分の子供じゃない、島の子供も含む)の成長を見ていても、
いちいち心が震えちゃいます(*^_^*)

4年前の母島カノー大会(アウトリガーカヌー大会)で小学1年生の男の子が見事なステアリングをしていたのを見た時、
心が震えました。
今キッズカノーをやっている原動力になっています。

去年のキッズカノー大会でも、
子供達の成長に心底感動しました。

日々、色んな場面で子ども達には感動を頂いています。
学校の先生でもないのに、そんな場面に巡り合えて感謝です♪


2019年の母島フォトコンテストに、見事入賞して賞金をゲットしたので、
その賞金で母島産カカオのチョコレートを購入しました♪

ようやく長女の出発に合わせて、家族みんなで母島チョコレートを食べる事ができました♡

とってもフルーティーでビターな味わい(*^_^*)
とっても美味しかったです☆
かなりの高級品なので、自力で買うことはきっとないと思うので、
この機会にゲットできて幸せです♪

母島で生まれたカカオでチョコレートができるなんて、
これも心が震える感動です♪

さらには長女が父島で天然酵母パン作りを学んで来たのですが、
それがとっても素晴らしい仕上がりなのです☆

親から見て、かなり料理をしないタイプの長女でした(笑)が、
一歩外に出て、様々な経験をすると、
なかなか日常の家では学べない事を吸収させてもらって来ます。

そのパンに自分の生産しているローゼルのジャムを塗って食べます。
これは父島の手作りお菓子屋さんTOMATONさんが加工してくれた製品です♪

去年の島に大被害をもたらした台風21号で売れないほどダメージを受けたローゼルをすべて買い取ってくれて、
加工してくれました♪
本当にありがとうございますm(__)m

長女が父島のアルバイト先としてもお世話になったTOMATONさんのジャムと長女のパン。
それだけで心が震えるのに、十分過ぎる程です♪

これからもそんな「心が震える」ことを大切に、
色々紹介して行こうと思います♪


■ちょっと些細な事ですが、思いつく限りの僕の心が震えた瞬間を挙げてみました(笑)。
あくまで個人的なものです☆
今後もちょっとずつ更新していくかもです(*^_^*)

●風景
・母島で山の仕事をしていて、圧倒的なスケールを感じる美しい景色にふれたとき。
・森の木々の隙間から、ボニンブルーの海が覗いたとき。

●生き物
・ふとした風景にイルカが楽しんでいる光景があったとき
・カヌーを漕いでいて、ザトウクジラの大きな存在を感じた時
・8年ぶりに南崎のカツオドリの繁殖が成功したのを確認した時
・イルカが海中で目が合って、遊んでくれた時
・イルカと泳いだおじさんが子供の様にはしゃいでいるのを見た時

■旅
・インドネシアのバリ島ジャティルイで凄いスケールの棚田の風景を見た時
・カナダの恐竜博物館で圧倒的な大きさの全身骨格の恐竜を見た時
・子供のころから憧れていた野生シャチを見た時。特にオスの長い背びれ。
・そのシャチをみて、次女が予想外に心底感動しているのを見た時。
・ハワイでニックさんが見せてくれた太平洋の島々の地図。その地図に日本で小笠原だけが記されていたことを知った時

■子供
・ピンとこなかった読書感想文。先生の一言でビシッとフォーカスされ、ワクワクするほど面白いのを仕上げてきたとき。
・トランプのスピード大会を家で開催し、次女が優勝したら死ぬほど喜んでいた時
・青ヶ島に次女がお邪魔して迎えに行ったとき、みんなにとても大事にされたと感じた時

■家族
・子供が無事に生まれてくれた時
・みんなの笑顔が見れた時
・いい年の奥さんが子供の様にはしゃいでいる時(笑)

■畑、作物
・枝豆と大豆が一緒と知った時
・一粒の種から大きな双葉が出てきたとき
・自分が栽培した作物で喜んでもらえた時

■作品
・車やカメラなど、製作者の色んな工夫に気付いたとき
・浅く考えていた作品の懐の深さに気付いたとき

■楽器
・弾けなかったフレーズが、弾けるようになったとき
・バンドでみんなで合わせて、ビシッと決まって気持ちいい瞬間

■音楽
・中学生の頃、初めてTVでX JAPANを見た時
・ミッシェル・ガン・エレファントのライヴ中に会場が揺れて、ステージの照明が落ちて中止になり、
 振替講演で最後「世界の終り」が始まった場面で、ヴォーカルのチバが「あの時の借りは返したぜ!」と叫んだ時
・椎名林檎の生歌を初めて聴いたとき
・ブランキー・ジェット・シティのPUNKY BAD HIP歌詞で「俺たちの国境は地平線さ」を初めて聴いたとき

■本、マンガ
・ミヒャエル・エンデ著の「モモ」を読んで、その現代に対する問題提議の深さに気付いたとき。
・星野道夫さんの素朴で感触深い、文章に触れた時。お気に入りは「旅をする木」。
・「うしおととら」で獣の槍になろうと炉に飛び込む麻子を潮が救って抱きしめている場面。
・「ヒカルの碁」で佐為がいなくなって探している時、碁の中にいたと再発見した時

■映画
・「パッチアダムス」で大事な事はユーモアである事が伝わった時
・「ダンスウィズウルブス」で圧倒的なスケールの景色を舞台に、インディアンが狩りをしているとき

■人
・島のレジェンドに、昔の暮らしの神髄を聞かされた時
・カッコいいな、素敵だなと思える人に出逢った時
・些細な友人の優しい気配りに触れた時

嗚呼、挙げればキリがないですね(笑)。

ぜひ、皆さんの心が震える出来事もお聞きしたいです!
どうもありがとうございました(*^_^*)