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とても気になっていたアナタへ ~ネット時代の負の連鎖を断ち切るために

2020年05月27日 | 社会問題
■5月23日、ひとりの若い若者が自らこの世を去ってしまいました。
人の親としても、本当に悲しい出来事です。

女子プロレス団体「スターダム」に所属している木村花選手(享年22歳)です。
彼女はテラスハウスというTV番組に去年秋から出演していたそうです。

僕は「テラハ」と呼ばれる番組自体、知らなかったのですが、
元々プロレス好きなので、レスラーとしての彼女の事は知っていて、とても注目している選手でした。

今年の正月の新日本プロレスの東京ドーム大会にもスターダムが提携される形となり、
タッグマッチで出場し、そこでも抜群のセンスで輝き、注目を浴びていました。
まさにこれから、という逸材の急逝に言葉を失いました。
心からのご冥福をお祈りします。

母島の崖でひっそりと咲くテッポウユリ。厳しい環境でも美しく凛と佇む様に元気をもらいます。

彼女の急逝はネットやニュースで情報が流れ、
新コロナの自粛の中、とてもセンセーショナルに扱われています。

現段階で様々な憶測や周囲からの情報が飛び交っていますが、
遺された親族の気持ちを考慮して、僕はこの事件の背景についてフォーカスして、
同じ過ちをどうしたら回避できるか?を考えたいと思いました。

これはこれから社会を生きていく若者にとってもとても必要のある問題定義だと思います。

やはりここでも答えは見えてきました。
近年のテーマと思っている部分。
それぞれの人が「精神の自立をする」ことなのだと思ったのです。


■とても悲しいことに死因は自殺と報道されています。
その原因はTV番組を見ている人からによるSNSによる誹謗中傷が原因ではないか?との憶測が飛んでいます。

本人のインスタなども自分自身を攻めて、謝罪し、
周囲に感謝する投稿が続いていたので、
テラハでの事が原因の一つは否めないと思います。

本人が亡くなってしまった以上は、本当の真相は究極には分からないと思います。
しかし、本人が亡くなる直前まで悩んでいたのは事実のようですし、
そこから浮かび上がる社会の問題にフォーカスするのが、
僕にとって彼女を追悼することになると思ったので、この記事を書きました。

母親の響子さんが
「マスコミの皆様へ 
警察やスターダム事務所に詳細を問い合わせるのはおやめください。 
お仕事に詳細がでてしまいます。
死者のプライバシーを どうか尊重してあげてください。
ギリギリのところで、闘っているひとたちの背中をおさないでください。
もう誰ひとりも傷つけないでください」

と泣きながら訴えています。

自分の娘が亡くなったと思うと、とても胸が締め付けられる思います。
本当に辛いと思います。
自分の娘を失ってもなお、周囲に対する気配りを含んだ、とても重いコメントだと思います。

しかし、人のプライバシーよりも話題性と視聴率を求めるマスコミは、
母親の意図を無視して各事務所や関係者に殺到し、詳しい死因や遺書まで報道されています。

ついには
連鎖を生まないために、花のプライバシーを守るために、触れないでほしいと
 泣いて頼んだ結果がこれですか?誰も信用できない。弔う時間をください」

と母親に言わせるほど、報道が過熱しているようです。

僕自身も友人から有難いご指摘も受けて、
Facebookに本人のインスタなどの写真を載せて書いていたのを反省し、
写真は削除しました。

TVを持っていないので、現在のマスコミの報道は分かりませんが、
ネットからの情報を見る限り、親族の気持ちに寄り添うよりは、
相変わらず話題性と視聴率を優先させていることが伺えます。
ここにも一つ、「人の不幸は蜜の味」とされるこの情報化社会での問題が浮かび上がります。

みんながゴシップを求めなければ、
マスコミもこんなことを追いかけないと思うのですが、
未熟な社会ではまだまだ難しいようです。

私たちの行動自体が、この低俗なマスコミを増長している事実をよく見つめましょう。


■昔から人のゴシップに対しては、人々は関心を持ち、
井戸端会議でも飲み屋でも話題はゴシップが多かったと思います。

それがTV社会、情報社会になって加速していってます。
自分たちの暮らしに直接かかわる政治よりも、
直接関係のない芸能人の結婚だ離婚だ不倫だに人々の関心は動き、
スポンサーから広告収入を得るTVは、その人々の関心がある方に報道が過熱していきます。

それに向けて発信しても、映像の編集で面白おかしく切り取られ、
訴えたい本質は報道されない場合も多いのです。

僕がTV嫌いの部分は特にここです。(基本的にTV取材はほとんど断って来ています。)
人の印象を意図的に操作される。
それは被写体の想いよりも、番組撮影側の方が主体的であるという点が問題なのです。

そして、芸能人やアーティストにとってプライバシーが守られなくなり、
パパラッチと呼ばれる追っかけや盗撮が相次ぎ、
それを「有名税」という言葉で乱暴に片付けている風潮があります。

どんな相手だって、親がいて家族がいて生活がある人間です。
当人の気持ちを配慮せずに発信していい道理はないと思います。

そして、匿名性の強いネット社会。

相手は素顔も実名も公表しているのに、攻撃側は素顔も実名も伏せて言いたい放題。
人の命を奪うことになっても、責任すら問われない危険な無法地帯です。

これはあまりにバランスを欠いています。
卑怯です。

文句があるなら実名と顔を公表しいて、自分の言葉に責任を持って言えばいいと思うし、
できるだけ直接会って言えないことは、言うべきでないと思います。
できるなら陰口でなく、直接本人に面と向かって言ってほしいです。


■そして言われる側、受け手側の問題。
これは一概に言えないのですが、人の表に立って活動する限りは、こうした攻撃に備えて、
様々な覚悟と守る心構え、本人を守る体制が必要だと思います。

今回、自ら命を絶ってしまった花さんはまだ若くて未熟な22歳。
自らの命を守るにはあまりに若いと思います。

ネットでの本人の投稿に異変を感じて、すぐに自宅に駆けつけてくれる仲間と親、
直前まで相談に乗ってくれた友人、
そんな人たちを傷付けないように配慮までできる優しい花さんですら、自ら命を絶ってしまう状況。

とてもまじめで繊細な人だったのだと思います。

きっとプロレスラーなのだから、
試合さえ、練習できる環境さえあれば、
日々リフレッシュできたかも知れないですが、
コロナの影響で自宅でSNSをする時間だけが豊富にあった悲しい状況も原因のひとつだったのだと思います。

アメリカの最大のプロレス団体WWEで活躍しているASUKAさんがtwitterで書いていました。


やはり、人前に出ると様々なコメントが届くのは避けられないようです。
もっと人々の意識が変われば、無くなるとは思うのですが、まだまだ時間はかかると思います。

サッカーの本田選手や、キックボクサーの那須川天心選手は「やるなら弱い人を狙わずに俺に来い!」と勇ましく発信しています。



非情に男らしくてカッコいいのですが、根本の解決には至らないと思うのです。


■やはり根本の解決は「精神の自立だと思うのです」。

精神が自立していれば、
人の行動や発言は関係なくなります。

人の行動にいちいち干渉しない、文句を言わない。
人から何を言われても、干渉されても左右されない、傷付かない。

これはただの自由とは違います。
何やってもいいというはき違えた自由ではなく、「責任のある自由」です。

自分の行動はすべて自分自身が責任を持つ。
それは発信も受け手もそこなのです。

いつもヨガを通して、世界を平和にするために教えてくれる飯田不久先生から教わったことなのですが、
この「精神の自立」というのは、
とてもシンプルで分かっているようで、
実は本当に難しい。
不久先生も「完璧にできる人はほとんどいない。でもこれを目指すことにはとても意味がある」といいます。

僕もこれからの時代に本当に必要なものだと思うのです。


■木村花さんが亡くなったと報道され、
ネットでの誹謗中傷はいけない!!という雰囲気になっています。

しかし、同時に花さんを誹謗中傷した人に対して猛烈な誹謗中傷の嵐が巻き起こっています。
書き込んだ側も削除やアカウント削除が相次いでいますが、それを追いかけて責める人たち。
スターダムの代表ロッシー小川さんにも誹謗中傷が沢山発生しています。
番組側にも共演者にもその矛先は向いています。

皆さん、気付いていますか?

花さんの命を奪ったことと同じことをしていることに。

攻撃に対して復習する負の連鎖に気付いてほしいのです。
血を血で洗うアライグマでは意味がないのです。

もちろん、直接命を奪った原因となるであろう誹謗中傷の人には、法的責任を取ってもらう必要はあると思います。
それは法が裁けばいい話です。
そして、自殺の原因はもっと複雑で、他人には分からない背景がもっとあると思うのです。

「正しい」「悪」は人によって、立場、場合によって変わるのです。

しかし、ひとりの命を奪ってしまったということは、とても重い事実です。

しかし、ネット上で自分が犯人と思う人を攻撃するのは、
負の連鎖を生み出すだけで、何の解決にもならないと思います。

思ったことを意見するのはいいことだと思いますし、
批判も必要な時もあると思います。
批判の時はもちろん提案を添えるのが最低限のマナーだと思います。

そこで大事なのは、自分たち一人一人が、
相手の立場と気持ちにフォーカスし、
自分自身の行動の意味を客観的に考え、責任を持って動くことだと思います。

花さんの犠牲を無駄にしてはいけません。

この機会に自分自身の行動と、ネットのマナー、精神の自立について考え、行動して欲しいと思います。


■そして、テラハとTVの問題についてです。

問題とされているテラスハウスという番組は、
僕は知らなかったのですが、長女が良く知っていました。
昔の「あいのり」みたいなもののようですね。

聞くと、台本がなく、とてもリアルな人と人のドラマだというのです。

今回、僕も少しだけネットで番組を見てみました。
問題となっている水着を洗濯してしまった後のシーンも見てみました。

なるほど。
観ていて思ったことは、
これだけのテンポとカメラアングル、行動の導線をみると、
ある程度の筋書きなどの準備、キャラ設定は用意されていると感じました。
あいのりも結局は台本がありました。
「台本」はなくても、録り直しや指示はあったという告発もあります。

問題なのはこれを毎回、完全リアルと謳っている番組側、
その背景でSNS炎上をも視聴率を上げる手段として使っている姿勢が浮かび上がってきます。

そこまでシビアな状況に誘導していながらも、
本人たちを誹謗中傷から守る体制にしていなかったのも問題と思います。

木村花選手はFMWなどで活躍していたレスラー木村響子さんとインドネシア人の父を持つハーフのレスラーで、
持ち前の長い手足と美しいヴィジュアル、母親と同じくヒール役で会場を盛り上げる、これからが期待されたプロレスラーでした。
小さなころから母親と様々なプロレス会場に来ていて、ちょっとしたアイドル状態でした。

しかし、母親と同じプロレスラーになることはずっと拒んでいましたが、
人前で表現はしたかったらしく、芸能活動をしていたようですが、
最終的にはプロレスという舞台での自己表現を選んだようです。

2019年秋から出演していたテラハという番組でも、役として憎まれ役のヒールだったようです。

しかし、番組制作側と出演側のギャップがあり、出演側は面白い部分だけを使われるなど、
出演をやめたいなど悩んでいたようですが、
低迷する女子プロレスを盛り上げる一心で、4月の大会までは出演を頑張ろうと決意していたようです。

そのさなかでコロナもあり、テラハも中断、プロレスの大会自体が中止となり、
視聴者も自宅待機が増えて
誹謗中傷だけが増加していく状況が生まれたという背景があると思います。

憶測ですが、この状況が悲劇を生んだのではないでしょうか?


■最後に誹謗中傷する人の背景を見つめ直さなければ、解決しないと思います。
なぜ、人を誹謗中傷してしまうのか?

人を攻める人の背景にその答えがあると思うのです。

色んな背景があると思います。

コロナで引きこもっていてイライラしていたかも知れない。
家庭が雰囲気が悪く、心が安定していなかったかも知れない。
自分は有名になりたかったのに、なれなくて妬んでいたのかもしれない。
思い通りにならない自分自身に怒っていたかもしれない。

ネットやYoutubeのコメントをみていると、
今の日本人の心はとても余裕がなく、荒んでいるように見えます。

本当にカッコ悪いです。
人に対する干渉。
ただ責めて、何に為になるのでしょう?

沢山の抑圧の中で生活し、自分らしさを発揮できない鬱憤が人を攻撃させているだけの気がするのです。

「俺は我慢しているのに、あいつは自由にしている。気に入らない」

冷静に、客観的に見つめれば、
まったく関係ない事柄なのに、
そこに怒り、落ち込み、傷付く。

あまりに精神の自立とは程遠い現実です。

人は関係なく、大事なのは自分自身ですが、そこが見えなくなっているのです。
自分のいら立ちを人のせいにしても、何ら解決には至らないのです。

そこにフォーカスして、変えようとするプロセスが求められています。



■簡単にみんなが精神の自立にたどり着けない世の中です。
もちろん、それに向けて進んでいく必要性は確実に存在しますが、
同時にお互いが、どんな環境の人でも労わり合い、ねぎらう姿勢が必要だと思うのです。

人はひとりでは生きていけないのです。

アイドルだって、役者だって、プロレスラーだって、
天皇陛下だって、総理大臣だって、政治家だって、
行政で働く人だって、先生だって、農家だって、漁師だって、
み~んな一人の人間には違いないのです。

それぞれが他人には分からないドラマがあり、
日々悩み、苦しみ、笑い、泣いて、生きています。

それに対して、勝手に人の人格や人生を否定するような、
無責任な発言をしていい道理は一切ないと思います。

人の事をああだこうだ言う暇があったら、
自分自身の精神の自立に向けて動いてほしいと思います。

イライラするのなら、他人を不快にさせない形での発散を見つけましょう。
僕は大声でギター弾きながら歌ったり、海で泳いだりしています。

ふと立ち止まって、
人のせいにしてないか?
何かのせいで言い訳してないか?
誰かを傷付けていないか?
もっと思いやれないのか?
今するべきことは何なのか?
自分の役割・使命(クレアナ)はなんなのか?

情報があまりに容易に手に入るこの時代、
木村花さんの命を無駄にしない為にも、
今一度、立ち止まって考えてほしいと思います。

心より、ご冥福を祈ります。



東京ドームでダッグを組んだジュリアとの初対決です。
ハーフ同士、感情を爆発させている、いい試合だと思います!


母親である響子さんと義理の父、花さんの最後のタッグマッチ。
こんな引退試合もあったんです。
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