「宮城自然農園」ブログ  -GIAN'S ORGANIC FARM BLOG- 小笠原諸島・母島で自然農

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指し百姓をしています。
その中で学んだことを紹介したいと思います♪

硫黄島訪島記⑧ ~硫黄島訪島事業について

2017年04月20日 | 硫黄島
■去年初めて訪れた激戦の地、硫黄島。
あまりにも美しく、
あまりに悲しい戦争の爪痕を残す島。

このブログ内でも去年から何度も記事を書かせてもらいました。
今年は長女が中学2年生となり、
学校の授業として硫黄島を訪れる予定です。

しかし今年の小笠原は近年稀にみる渇水で、
硫黄島も例外でなく、滞在の職員を減らしているとか。
このまま行くと上陸の心配、開催時期の変更が検討されているでしょう。

この機会に硫黄島訪島事業について振り返りたいと思います。
まだまだ書ききれないことが沢山あります(笑)!


■この訪島事業の歴史は遡ると平成6年に始まりました。
それまで、硫黄島旧島民の心情に報いる措置として、
年2回(春・秋彼岸)、航空機を利用した日帰りによる墓参を実施していたそうです。

ですが、限られた時間の中で島内を巡るため、
出身集落への里帰りや、
当時、軍族として残され亡くなった島民の所属部隊への墓参もままならない中で、
慌しく故郷の島を後にせざるを得ない状況となっていたとのこと。

そこで、
ゆとりある墓参や里帰りを熱望する旧島民の心情を察し、
おがら丸による硫黄島訪島事業を、開始したそうです。

平成6年~8年までの3回は東京都が実施、
それからは小笠原村が毎年実施してくれています。

訪島にあたっては、
硫黄島旧島民の他にも戦没者遺族、
小笠原村立中学校生徒及び、
一般村民も参加し、
慰霊墓参と共に村内の一島である硫黄島の現状をつぶさに視察する機会となっています。

小笠原村役場の硫黄島のページより

僕もこの事業のお蔭で念願の硫黄島に行けました。
戦後70年を迎える今もなお、
このような戦争の爪痕を色濃く残す硫黄島に上陸して学べたことは本当に大きかったです。
貴重な機会をどうもありがとうございました!


■訪島事業で硫黄島に泊まるのは硫黄島旧島民、戦没者遺族、中学生のみなので、
一般参加だった私たちは日中の活動後はおが丸に戻ります。

そこでスライドショ-があり、硫黄島訪島事業の歴史について学ばせてもらいました。

都実施 1994   2/12天皇皇后両陛下行幸啓 小笠原諸島強制疎開から50年
都実施 1995   8/15平和都市宣言
都実施 1996   6/21行幸啓記念碑除幕式
第1回 1997 6月 上陸できず
第2回 1998 6月 小笠原諸島返還30周年
第3回 1999 6月
第4回 2000 6月 2日目は上陸できず
第5回 2001 6月
第6回 2002 6月 6/21平和祈念館開所式
第7回 2003 6月 1日目上陸できず
第8回 2004 9月 台風の影響で9月に実施 2日目午前中で引き返す
第9回 2005 6月 6/19小泉総理大臣が硫黄島訪島
第10回 2006 6月
第11回 2007 6月
第12回 2008 6月 小笠原諸島返還40周年
第13回 2009 6月
第14回 2010 6月 12/14管総理大臣訪島
第15回 2011 9月 東日本大震災・水不足で洋上慰霊祭のみ、6/29世界遺産登録
第16回 2012 6月
第17回 2013 6月 4/14安倍総理大臣訪島 小笠原諸島返還45周年
第18回 2014 6月
第19回 2015 6月
※参加者は年によって80名~190名と幅あり



■僕が参加した2016年の訪島事業の工程を順を追って記したいと思います。
○出発

まずは母島からの参加の場合は入港日朝にははじま丸が臨時便を出してくれ、
参加者は父島に渡ります。
いってきま~す!

そして、おが丸の入港を終えて、夜に硫黄島に向けておがさわら丸に乗船します。


夜に船が出ること自体珍しいので、
とても新鮮な光景でした。


私たち母島参加者は同じ班に割り当てられ、特2等船室で過ごします。
廊下では、この旅を有意義なものにしようと、
いたるところで語り合う人たちがいました。



○到着 硫黄島1日目
夜が明けて、朝を迎えるともう280km南下し、硫黄島に着いていました。

息をのむほど、美しい朝焼けでした。

簡単なレクレーションを終え、
通船の順番待ちをします。

これが結構時間がかかります。

硫黄島は現在も隆起が激しく、なかなか桟橋が作れないらしく、
小さな船で何度も往復して150名以上を硫黄島に運んでくれます。

悪天候の年はこの通船が難しくなり、上陸を断念したり、予定を切り上げる場合があるようです。

上陸した釜岩からはおがさわら丸と硫黄島の象徴でもあるすり鉢山が見えます。


上陸後は海上自衛隊のバスでまずは硫黄島旧島民平和記念墓地公園へ向かいます。
戦没者慰霊祭に参加するためです。

その後は平和記念館に移動し昼休憩です。


おが丸のレストランが作ってくれた美味しいお弁当を頂きました♪



硫黄島は日中はとても暑いのでテントの下で海風に当たっているととても気持ちがイイです☆

昼食をおえたら、今度は島内視察に向かいます。
塹壕や砲台などの戦跡、慰霊碑などを周るのです。

移動はすべてバスです。
ギンネムとシマグワばかりが生い茂る乾いた硫黄島のダートを冷房を利かせて走ります。
(※ちなみにうちの班のバスの冷房は故障していて、冷房嫌いの僕にはラッキーでした♡)

運転と案内は海上自衛隊の隊員さんです。
沢山の色んな話を聞かせて頂きました。

強制疎開から50年の節目を迎えた1994年。
天皇皇后両陛下が硫黄島に来た時のこと。
それまで駐屯していた自衛隊員の周りで起きていた沢山の心霊現象が、
天皇陛下の行幸啓によって、一気に落ち着いたと言っていました。

戦争当時、天皇陛下は兵隊たちにとって絶対的な存在でした(諸説ありますが...)。
代が変わってもその陛下が硫黄島で祈りを捧げる。
これほど祖国を想って散って逝った兵士たちにとってどんなに慰めになったことでしょう。

未だに1万の骨が眠る硫黄島。
私たちはそんなところを体感させてもらう貴重な機会を頂いたのです。


島内のいたるところにある慰霊碑や壕に、
水やお米を供えて、祈りを捧げます。

硫黄島の兵隊は飢えと乾きで苦しんで死んでいったといいます。
私たちができる、せめてものの供養です。


年によって気候は色々ですが、僕が行った時の硫黄島は
程よく暑くて、青い空がどこまでも綺麗でした。
バスから降りて、色んなところを歩くのですが、
戦争がなければどんなに楽園だったのだろうと、何度も思わざるを得ませんでした。


アメリカの占領後、大きな岩に描かれた壁画。
「あいつは英雄じゃない」と仲間が撃ったといわれる銃痕がありました。


米軍が初上陸してきた南海岸(二ッ根浜)。
70年前、約3kmに及ぶこの黒い砂浜から洋上を戦艦で埋め尽くした米軍が一斉に上陸してきたのです。


1日目の巡視を終えて、一般参加の私たちは再度おがさわら丸に戻ります。
そこで一斉に夕食を頂きました。
日中の重すぎる戦争の爪痕を見て周り、疲れていたのでより美味しく頂けました♪


硫黄島の船上から月を眺めます。
きっと戦争中も同じ月を見ていたのでしょう。


○硫黄島2日目

2日目もいい天気に恵まれ、
通船で硫黄島に再上陸。
米軍にパイプ山と呼ばれたすり鉢山が相変わらず美しく見えます。


2日目は1日目に周りきれなかった戦跡と
自衛隊の基地などを視察しました。


人が沢山乗っても平気な頑丈な飛行機の残骸。

戦跡に関しては過去にブログにまとめていますので、
そちらをご覧ください。
戦跡パートⅠ
戦跡パートⅡ

昨日はすり鉢山の上から見下ろした米軍上陸の海岸。

その地に自分が立っている。
目の前にはすり鉢山。

映画でしか見たことはありませんが、
ここから沖を見ていた日本兵の気持ちを考えると、
胸が張り裂けるおもいでした。
二度と戦争なんてするもんじゃない。
そう、強く思いました。

昼過ぎには自衛隊の基地で昼食を取り、
売店などでお土産を買い、
その他色々周って
船に戻りました。

そしてその後、おがさわら丸で硫黄島を一周し、
洋上献花を行いました。

慰霊祭をはじめ、この時の献花もそうですが、
こんなに厳かな気持ちになるのは本当に貴重なことでした。

過去の記事にも書きましたが、
最後のおがさわら丸の長い汽笛。
その時の感情は言葉で言い表せないほど、
静粛な気持ちと辛い気持ちが入り混じり、
そして、力強くこれからの未来をつくろうといういう思いで溢れました。

もし小笠原に住んでいるなら、
誰もが応募する権利があります。
もし行ける機会があるなら、
ぜひ自分の足で歩き、
自分の目で硫黄島を見て、感じてほしいです。

言葉や写真ではまったくもって伝えきれないほど、
大事な経験になると思います。

最後に硫黄島訪島事業の実施にあたって、
小笠原村の職員の皆さん、
おがさわら丸のスタッフの皆さん、
通船を安全に行ってくれた小笠原建設の皆さん、
そして、海上自衛隊及び鹿島建設さんに沢山の支援と協力を頂きました。

本当にありがとうございました。

最後に、次回、
硫黄島の美しい写真を載せてこの長かったシリーズが完結します(笑)。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございました!
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