採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ポピーシード・バー

2007-06-12 | +お菓子(西洋)
ウィーンにはケシの実を使ったお菓子が色々あります。たとえばこんな感じ。


ブリオッシュみたいなのとクッキーみたいなの

左はブリオッシュみたいなパン生地に、すりつぶしたケシの実のペーストを巻き込んだもの。
右は塩味の効いたクッキーっぽい生地でケシの実ペーストを巻いたもの。こちらのペーストにはレーズンが入っていて、ぱくっと食べると断面からころりと転げ落ちてきて、あれ?小豆?と間違えそうになります(味は全然ちがうけれど色と形が粒あんの小豆つぶみたいで)。
中央は右と同じ生地でクルミの粉末のあんです。

ケシの実(ブルーポピーシード)というとケーキやパンに粒のまま焼き込んでプチプチ感を楽しむのもおいしいのですが、こうやってすりつぶしたペーストもなかなかリッチな感じでおいしいです。作ってみようかな?

というのもうちの冷凍庫には(ちょっぴり年代物の)ブルーポピーシードが眠っているのです。ポピーシード入りビスコッティなどに使っていましたが、その都度大さじ1とかでは埒が明きません。これなら一網打尽に消費出来ます。

作り方は定かではなのですが、おぼろげな味の記憶をたよりに・・・。

■■ブルーポピーシードペースト
■材料
ポピーシード
ブランデー漬けドライフルーツミックス
オレンジペースト (aiwhasさんから頂いたこちらです。ありがとうございます!)
はちみつ
ポンカンピール 刻む (これまたaiwhasさんから頂いたこちら
スパイス(シナモン、クローブ、カルダモン、ナツメグ)
クルミ から焼きして粗めに砕く
生クリーム

■作り方(全く自己流です。正しい作り方ご存知の方ご指摘下さい)
1)ポピーシードを炒る。
本当は茹でるかなにかしてあく抜きするらしいのです。茹でて炒ってからすりつぶすのか、炒ってすりつぶしてから茹でるのかよく分からず、結局茹でるというプロセスはなしにしてしまいました。
2)クルミ以外の材料をバー状ミキサーで粉砕する。固いと機械に負担がかかるので水なりでのばす。
3)固形のフルーツもほしいので、ブランデー漬けドライフルーツミックスを混ぜへらで混ぜる。
4)火にかけて練る。冷ます。
5)冷めると固くなるので状況に応じて生クリームで調節。クルミも混ぜる。

さて、側の生地はどうしよう? 
上の写真のものはサクサクではなくてしっとりしていたような。どうやって作るのか分からないので、ハーマンタッシェンというユダヤ式のクッキーを参考にしてみました。バターと同量のクリームチーズが入るというもの。本来はそれを円形にのしてナッツなどの具をのせて8等分し、三角形の生地をクロワッサンのように整形するものです。
そして、もう1種、フィグ・バーの外側生地も作ってみることに。こちらは練りパイ生地に近い配合。
参考にしたのはクッキーばかり載っている本だったのだけれど、レシピの写ししかなくて本の名前は分からなくなってしまいました。

■■クッキー生地2種
■材料

  フィグ・バー

ユダヤ菓子(ウォルナッツ・ホーン)

バター  60g

100g

砂糖  60g

40~50g

水分  卵黄 1個分(約20g) クリームチーズ 100g
(今回水切りヨーグルトを使用)
 160g
(うち70gは全粒粉がもとのレシピ
 でも全部薄力粉にしてしまいました)
160g
その他  重曹小さじ1/6 塩 小さじ1/6

■作り方
1)バターと砂糖を練り混ぜる。卵黄やクリームチーズも。
実は材料を前日に全部計量して、段取りばっちり、と思っていたら卵を冷蔵庫から出し忘れていたのでした。フィグ・バーの方、いやに生地がぱさぱさだと思って(卵黄のことはすっかり忘れて)粉を混ぜた後、水切りヨーグルトをちょびっと混ぜてしまったのでした。間抜けな話です。作り比べのはずがレシピからかけ離れて・・・。
2)粉をふるい入れさっくり混ぜ、適当な大きさに分けてビニール袋に入れビニールの中で薄く伸ばす。
この段階でフィグ・バーの方はパート・ブリゼ生地みたいな感じ。
ユダヤ菓子の方は少々べたつく柔らかい生地。
3)冷蔵庫でしばらく休ませる。
これでクッキー生地は出来上がり。あとはケシの実あんを包んで焼きます。

4)生地を冷蔵庫から取り出し、袋を綺麗に切り開き、袋の横幅を半分(袋の大きさに応じてですが)にするように細長く切る。こうやると全ての生地が長さはまちまちだけれどおなじ幅になるので便利でした。
5)あんこよりやや固め程度のケシの実あんを細長く整形し生地の中央におく。
あんこの直径は生地の1/3になるように(円周率は3.14ですからね)。
6)生地の両端を指でちょっとつぶしておく。そしてくるりとのり巻きの要領でまきつける。つなぎ目を下にする。切り開いたビニール袋でくるんでまた冷蔵庫へ。
7)全部の生地を巻き終わったら、それぞれ適当な長さに切る。このとき毎回ナイフを綺麗に拭いた方がよい。
8)天板に配置して焼く。170度で15分程度。

フィグバー生地の方のできあがりはこちら。えーと、本来のフィグバーは座布団みたいにふっくらしつつも平べったいのだけれど、今回は餡の甘さもそれほどではないためあんこたっぷりにしてみました。


2007/6/2作 フィグ・バー生地(パートブリゼ風)で巻いたポピーシードロール

そしてこちらが、ユダヤ風クッキー生地で巻いた方。
一番上の写真のお菓子は卵黄が塗ってありますが、今回作った方はどちらもなしにしてみました(レシピオリジナルのお菓子も塗り卵なしですし)。


2007/6/2作 ユダヤ風クッキー生地(クリームチーズ入り)で巻いた方

クリームチーズ入りの方が滑らかできめ細かい焼き上がり。
味は、上の方は予想どおり練りパイ生地のよう(卵黄を忘れたので本来の姿ではないですが)。お茶が欲しくなる感じです。
クリームチーズ入りは、焼きたては表面がカサッとしているけれど、次第にあんから湿気が出てくるのか、しっとりした食感に変化します。こちらの方がおいしいかな?
でもまあ、粉の半分以上のバターとそれと同量のクリームチーズ(ヨーグルトだけど)を使っているのだから当然といえば当然。
中華月餅にこんなのがあるような、と言ったひともいました。
ポピーシードあんに最初クルミを入れ忘れていて後半慌てて追加したのですが、やっぱりクルミがあった方が私は好き。

一番上の写真と太さが全然違うけれど、あんと生地のバランスとしては丁度でした。
あんがもっと甘いと、もっと細く巻いた方がよいのでしょうね。
ふんわり、しっとりした食感のクッキーを作るのは初めてなので新鮮でした。くる・りん、とあんを巻くのもとても楽しい☆

もっと包んだり、たたんだりしたくなりました(餃子とか)。でも、当分びわで忙しいので延期。

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4 コメント

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Unknown (aiwhas)
2007-06-13 11:02:38
あのお菓子はこんな風に一本の長いお菓子だったのですね!
そしてお土産に頂いたお菓子、どれもおいしくて美しいものばかりで感激でした!
本当にありがとうございました。

ポピーシードロール、2種類も作ってしまわれるなんてすごいです!
(そして私は今回もFujikaさんちの天板の大きさに目が釘付け!いいなあ~)

ポピーシードを使ったお菓子では手持ちの本にオズネイ・ハマンと言うのがあって(ご存知かも)一度作ってみたいな~と思うのですがミルが無いのでいまだ挑戦していません。
http://heshbonit.seesaa.net/article/35077826.html
私もすり鉢でゴリゴリしてやってみようかなぁ。
返信する
オズネイ・ハマン (●aiwhasさま~Fujika)
2007-06-13 17:30:54
初耳のお菓子です!参照の記事読むと、「湿気たクッキー生地」で「おいしくない」とありますね。多分似たような作り方だわ。私のもまさにそんな感じでした。クッキーと思わずおまんじゅうだと思うと抵抗ないと思うのだけど(私の許容量が広すぎかしらん)。
ポピーシードは粒が小さいので、すりばちの目にぎっちり詰まってしまうかも~。でもごりごりしている間にきめ細かくなるはずですよね。
ポピーシードのあくぬきについてもしどこかで説明をみつけたら教えて下さいね~。
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フィグ・バーが… (裕美)
2007-08-21 14:56:09
こんにちは!

旅先のお菓子レポート、嬉しいです。こちらのペースト、モーンと呼ばれるのですね。でもそれもオーストリアなど一部の国の言語での名称なのでしょうか?スロヴァキアなどではまた違った呼び方がありそうですよね?

Fujikaさんのフィグバーを拝見して、「これだ!私が今までフィグバーに求めていた物は!」と気付いてしまいました…平たくて、いかにも健康によさそうだけれど、もっとこうムチッと中身がほしいのですよね。こちらの方が好みです!
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モーン (●裕美さま~Fujika)
2007-08-21 16:30:51
モーンというのはドイツ語でケシの実(およびそれを使ったペースト)のことですよね、確か。モーン××というパンやお菓子、ウィーンではよく見かけました。チェコでも見たはずですが、どんな名前だったかしらん。チェコの言葉はあてずっぽうにでも発音できない順番でアルファベットが並んでいて、記憶に残らない傾向が・・・。
ころりん、としたモーン・フィグ・バー、作っていても形がかわいくて楽しかったです。
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