沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

テンペスト1ー春雷(池上永一)

2010-11-28 | 琉球・首里城

19世紀の琉球王国を舞台にした小説「テンペスト」、2008年のベストセラーの文庫本です。

作者の池上永一さんは石垣市出身の40歳。早大在学中に作家活動を開始した。

なかなか、面白い…。

文庫は4冊セットなので、まだ4分の一しか読んでませんが、この本は期待できます。

 

テンペストは「嵐」の意味だと思いますが、時代背景は琉球王国の「嵐」の時代。

アヘン戦争で英国に敗れた清(中国)が鎖国を解除。

鎖国があったからこそ朝貢貿易で栄えた琉球王国にも、暗雲が。

さらに、中国と日本の両方の属国として、微妙なバランスで生き抜き繁栄していた琉球王国に、フランス、英国、米国(ペリー)の船が次々に訪れ、開港を迫る激動の時代。

その頃の日本は、まだ鎖国中で、江戸末期。

日本より早く、新たな激動の時代の外交政策が展開された琉球。

作者は、そうした困難な時代を生き抜く官僚を描こうとしているのでしょうか。

主人公は、弱冠13歳で、難関試験を突破して首里城の役人に登用された人物。

その試験問題は、「清の国内混乱を踏まえつつ、今後琉球が取るべき対清政策について論ぜよ。」というもの。

独立国としての琉球のあるべき姿を主張したうえで、大国である清に弱みを見せず、かつ対立を起こさないような巧みな外交政策を問うもので、現代にも、十分通じる問題です。

激動の時代には、冷静な状況判断を行える羅針盤と、周囲を惹きつけ嵐の中を的確に進む崇高な思想とリーダーシップを持つ人間が必要。

 

沖縄では、正殿、北殿、南殿だけでなく、物語に出てくる奥書院や淑順門などの復元も少しずつ進められています。

この本をきっかけに、沖縄への関心と理解が深まるとともに、首里城観光の楽しみが増えるといいですね。

作者と、この本を紹介してプレゼントしてくださった方に、厚く御礼申し上げます。 

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読書 (小鳥沢)
2010-11-29 00:08:30
次々と本を読まれて、読書を楽しまれていらっしゃいますね。
「テンペスト」沖縄を知る上でも興味があります。
私は今、司馬遼太郎作品の「坂の上の雲」を読んでいます。
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小鳥沢さんへ  (forever-green)
2010-11-29 23:16:59
こんばんは。
本は通勤電車で読んでいます。

司馬遼太郎を読まれているのですか。幕末や明治期の姿を描いた、優れた作家ですね。

テンペストはフィクションだと思いますが、いろいろな工夫があって、読み物としても十分面白い内容だと思います。
よろしければ本屋で手に取って見てくださいね。
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Unknown (フーミン)
2010-12-04 22:07:54
ご無沙汰しています。
面白そうですね。私と言えば、忙しいことを言い訳にして読書していません、ダメですね。
あっという間に師走になってしまいましたが
少しでも読書の時間がとれればいいのですが。
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フーミンさんへ  (forever-green )
2010-12-04 22:25:14
お久しぶりです。
お元気ですか。お忙しそうですね。
もう師走になってしまいました。このまま暮れていくのでしょうか。
早めに動くようにしないといけないですね。
お大事にしてくださいね。
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