沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

がんですか?

2020-10-29 | 健康
保険会社から「入院手術給付金のお支払いの案内」が届き、その内容に驚いた。

入院手術の給付金に加えて、「がん告知」時の給付金が加算されていた。

いきなり、がんの告知。

ガーン!

確かに、日本人の2人に1人が生涯で「がん」にかかり、3人に1人が「がん」で亡くなる時代で、日本人の死因第一位が、38年続いている(政府資料)。

夫婦のどちらかが「がん」にかかり、3人家族の誰かが「がん」で亡くなるという「がん」は身近な存在だ。

人間の細胞は約60兆個で、毎日約1兆個が入れ替わる。細胞を作る際、遺伝子のコピーミスで生まれた細胞が、20~30年かけて、がん化するようだ。

がんの告知が「死の告知」だったのは昔のことで、今や検査や治療の技術開発が格段に進んだ。

医師は、「早期発見、早期治療」の観点から「がん告知」に、ためらいはない。

保険会社も、「告知給付金のお知らせ」に、ためらいはない。

患者としては、いきなりがん告知を受け取ったとしても、うろたえてはいけない。

2分の1の確率でかかる病気ならば、がんになることを前提に、いつなるか、なったらどうするかを考えた方がいい。

(がんの定義)
病名に「がん」が付いていれば明確だが、病名に「がん」が付いていない「がん」が数多くあり、わかりにくい。

病名に「がん」が付いていない病気で、これまで2度手術したが、対応は分かれた。

(5年前)
医者から「がん」を告知されて手術したが、保険会社は「がん」を否定し告知給付金は貰えなかった。

疑問に思い、保険契約の根拠となるWHOのブルーブックを保険会社に送ってもらい、理解した。

がん告知給付金は貰えないけど、「がんじゃなくて良かった」と思うこととした。

(今年)
今回は、別の病気で、結果は逆だった。
術後療養中に、突然、がん告知給付金のお支払い通知が届いた。

予期せぬ大金。しかも非課税。今まで当たった宝くじ最高額の10倍だ。素直に喜ぶべきか。

「本当にがんですか?」と、保険会社に聞けば、やぶ蛇になって返金を求められるかもしれない。

実害はないので、「がんの定義は諸説ある」と思うこととした。

ネットでいろいろ調べると、保険会社の判断は確かな気がする。

(よかった点)
5年前の手術の経過観察で、年2回CT検査を受けていた。その画像に怪しげなものが写っており、別の医師が経過観察をしていた。

自覚症状は全くなかったが、8月のCTで変化が見つかり、血液検査、MRI、PETなどで病状を精査し、手術に踏み切った。

早期発見、早期治療が出来たのは画像診断した医師や的確な治療をした医師のおかげで、とても感謝している。

大学生だった時、開発されたばかりのCT画像を、若い講師が授業で紹介した。
モニタ画面には、猿の体を輪切りするように、内部の臓器が明確にわかる断面画像が写っていた。
コンピュータはこんなことが出来るのかと、学生たちに衝撃が走った。

その後、CT(コンピュータ断層撮影)が改良され、国内に普及し、今では医療現場で広く使われ、私もその恩恵を受けた。

誰でも歳を重ねると、がん細胞が増えてくる。CTやMRIの検査機会があれば、受診をお勧めします。

ナイスな車掌

2020-10-28 | 生活
甲府行きの特急に乗車したときのことです。

全席が指定席となっており、座席の上に小さなランプがある。
緑は指定席発券済み、赤は空席を表示している。

始発の東京駅を発車直前に、杖をついたおじいさんが乗車してきた。

動き出す車内を、危ない足取りでゆっくり移動して横を通過していく。車内はガラ空きだが、中央部に座ったようだ。

次の新宿駅で数人が乗車してきて、各自の席に着いたが、それでも空席だらけだ。この先は郊外で、新たな乗車は見込まれず、ゆったりとした車内だ。

まもなく、後方部から「切符拝見」の検札に車掌が巡回し始めた。
赤ランプの座席のお客にだけ、声をかけていく。
昔は指定券を持っていても検札を受けていたが、今はない。スムーズなシステムになったものだ。

後ろで、車掌が、足の悪いおじいさんと話しているようだ。

おじいさんは違う席に座っており、購入した指定席は2つ前の車両らしい。
この列車は最後部が1号車ではなく3号車と変則的なので、席がわかりにくいよね。

やがて、検札していく車掌の後を追うように、おじいさんが、動く列車の中を、ゆっくりと歩き始めた。

揺れる車内で、足の悪い人を2両も移動させるのは、危険を伴うと思う。

車両は混んでおらず、指定席を最初に座った席に変更してあげれば、おじいさんは移動しなくてもいいが、そのような対応は、出来なかったのか?

そう思っていると、後方から別の車掌が現れた。

車内放送をしていた車掌が、放送後、車掌室から出てきたようだ。私の横の通路に立ち止まって、おじいさんが歩く姿をじっと見ている。

おじいさんがデッキを通り過ぎ、隣の車両に入ると、一礼してデッキに移動し、そこで立ち止まっている。デッキからおじいさんの姿を見ているようだ。

やがて、おじいさんが2両先の車内に入ったようで、車掌も急ぎ足でおじいさんを追いかけた。

首を通路に傾けて、遠くの様子を見ると、車掌は次のデッキでも、立ち止まって前方を見ている。

そして、おじいさんが2両先の自分の指定席に座ったのを見届けたのか、車掌が急ぎ足で戻ってきた。

続いて、車内検札を終えた車掌も戻ってきた。

検札し指摘した車掌は、マニュアル通りの行動なのだろう。

おじいさんの様子を見ていた車掌は、マニュアルにはない行動なのだろう。

機械化は進んでも、マニュアルにはない行動をとれる、ナイスな車掌が甲府車掌区にいた。

老神(おいがみ)温泉

2020-10-18 | 国内旅行
傷口を癒すため、老神温泉に行ってきました。


群馬県の赤城山の神様が大蛇に化け、大ムカデに化けた栃木県の男体山の神様と、戦場ヶ原で領地争いをした。

矢傷で負傷した大蛇が、弓で大地を刺したら温泉が出たところが老神温泉。

傷口がみるみる治って、大ムカデを追い払ったので、追神>老神になったらしい。

全長108mと世界一長い大蛇みこしが、老神温泉に保管されています。

Go To トラベルはいいですね。
宿泊代の35%が割引されたうえ、15%が地域振興クーポンで使える。宿で追加で頼んだお酒代に加え、道の駅のお土産や昼食代がクーポンで支払えた。

すなわち、宿泊代の半分が税金で補填され、旅行を豊かなものとし、地域も潤う。

源泉かけ流し温泉で傷口も癒えた気がする。

赤城神社の紅葉も美しい。


紅葉も温泉も久しぶりなのでした。


ハネムーン症候群ですか?

2020-10-15 | 健康
若い頃、出張先の大阪でハネムーン症候群(honeymooner's palsy)と呼ばれる病気になった。

ハネムーンに行ったわけでも、何か悪いことをしたわけでも、ない。
仕事が成功し、二次会のスナックでソファーで小一時間、酔い潰れていただけだ。

気がつくと、右の手首から先の感覚が無く、ダランと垂れ下がっていた。
肘掛けに30 分ほど、もたれかかっていたそうだ。

「おかしいな、直ぐに治るだろう」と思って宿に戻ったが、翌朝、手が動かないことで愕然とした。

家に戻りカミさんに報告すると、医師でもないのに、カミさんは「ハネムーン症候群」という病状を知っていた。
「いったい、大阪で何をしていたのか」と、鋭い追及が来た。

疑問は、もっともである。
「ハネムーン症候群」という病名は、「ハネムーンで腕枕をした時になる、橈骨(とうこつ)神経麻痺だ」とカミさんは言う。

アメリカ映画で主人公が美女を腕枕するシーンが出てくるが、それを大勢の米国人が真似て、名付けられた病気なのだろうか。

近所の整形外科に受診した。全治3ヶ月と言う。それまでの間、型取りしてギブスで右手を固定することになる。

視線を感じ気がつくと、看護師さんたちが私を見て笑顔になっている。「ハネムーン症候群、いるんだ。」という感じだ。看護学校の授業で、この病名は習うらしい。笑いがとれる病気なのだ。

そんな病気と知ると、耳まで赤くなった。

身の潔白を晴らさなければ、ならない。
医学書を求めて、神保町三省堂、新宿紀伊國屋など、専門書のある本屋を回った。しかし、どの本も、「ハネムーン症候群」以外の記載はない。

そして、東京駅近くの八重洲ブックセンターで、とうとう見つけた。
橈骨神経麻痺は、「ハネムーン症候群」または、「サタデーナイト症候群(Saturday night palsy)とも呼ばれる」と書いてあった。

働き詰めのサラリーマンが、土曜日の夜に帰宅し、疲れ果てて悪い姿勢のまま小一時間眠ってしまった時になる神経麻痺だ。

私は、ハネムーン症候群ではなく、サタデーナイト症候群の方なのだ。

身の潔白をこの医学書が証明してくれる。数万円もする図書は購入できないが、カミさんにはキチンと報告した。今ならWebで直ぐに探せて、サタデーナイト症候群も明記されており、便利なものだ。

今日、右手の筋電図検査を受けて、昔のことを思い出した。

ナースコール(3) コールし過ぎの患者

2020-10-06 | 健康
5年前に入院した時のことです。

(カテーテル)
手術後目覚めると、点滴、麻酔、ドレーン、カテーテルなど様々な装置がいつの間にか、カラダの各部所に取り付けられているのに気づく。

点滴で、栄養、水分、抗生物質などの薬剤を投入され、尿はカテーテルで点滴スタンドのタンクに貯められる仕組みだ。

自分でトイレに行けるまで回復すると、尿道カテーテルが外される。

(頻繁なナースコール)
手術後、HCUから一般病棟に戻り、ベッドで静養して回復と退院を待っている時のことです。

4人部屋に新しくおじさんが入院してきました。皮膚科だったか、重篤な様子ではありませんでしたが、「室温が寒い」とか「照明はいつ消えるのか」とか、些細なことでナースコールを使う患者だった。

他の2人は苦しみと闘いながら抗がん剤治療を続けている模様で、部屋に重い静けさが漂っていたので、おじさんのナースコールの音が、場違いに感じられた。

翌日の午後、おじさんが手術を終えて部屋に戻ってきた。HCUを使わずに直接一般病棟に戻ったので、大きな手術では無かったようだ。

おじさんもベッドで安静にして、静かに回復を待つんだ、と思った矢先に、おじさんがナースコールを押した。

若いナースが飛んで来た。
何かカーテンの向こうで話しているようだが、ナースは戻っていった。

しばらくして、おじさんが再びナースコールを押した。

さっきと同じナースが飛んできたが、対応はさっきと同じようだった。しばらくして、年配のナースと共に戻って来て、おじさんと会話している。

「カテーテルから、尿が漏れている」

が、おじさんの主張のようだった。
それがどの程度の状態なのか、全くわからないが、ナース達は現状で我慢できない程度かどうか確認しているようだった

そして、主治医であろう女性ドクターが加わった。原因調査する中で、「サイズ」という声が聞こえた。

どうやら、カテーテルのサイズが小さかったため、隙間から尿漏れするらしく、サイズを少し太めのものと交換することで患者も納得したようだった。

カーテンの向こう側の風景は全く想像つかないが、おじさんの局部に挿入されたカテーテルを中心にして、3人の女性が対策を議論していたのは確かである。

その場でカテーテルの交換措置が直ちに行われ、ドクターとナースは去り、部屋には病室らしい静寂が訪れた。

しばらくして、ナースコールが響いた。
押したのは、三度目のおじさんだった。

「さすがに呼びすぎでしょう」とナースはもちろん、同室の誰もが思ったはずだ。

「カテーテルから、血が漏れている」

が、おじさんの主張だった。

太めのサイズに交換した時に、窮屈だったのかな。声もださず静かにしていたけど、痛いのを我慢していたのかな。

おじさん、尿が漏れるのと、血が漏れるのとでは、結果的に血の方を選んだんだ。
おじさん、自分の選択を後悔してないかな。

翌日、私は退院したので、おじさんのその後の様子は、謎のままである。

ナースコール(2) 真夜中の病棟に響くコール

2020-10-04 | 健康
3年前に入院した時のことです。

(下肢静脈瘤と肺血栓)
下肢静脈瘤(ふくらはぎにできたボコボコ)の血栓が、将来の手術時に肺や脳に飛んで重大な事態になる恐れがあるので、レーザーで血管を焼く手術を受けました。
一泊2日の入院で、手術自体も楽なものでした。

3年後の胸の手術では、肺血栓を防ぐために、弾性ストッキングを履いた上でフットポンプをずっと装着していたので、静脈瘤は手術しておいた方がいいと思う。

(真夜中のナースコール)
手術が終わり、一泊するけど明日には退院という夜のことでした。
夜中の2時過ぎだったと思いますが、ナースコールで目覚めました。

どこかでナースコールが鳴るのは、日常的なことですが、音が大きいので、どうやら同じ部屋の患者が看護師を呼んでいるようです。

4人部屋ですが、カーテンで仕切られ、患者はどのような状態なのか、手術後の大変な時なのかどうかもわかりません。数日一緒に過ごせば、少しはわかりますが、一泊では想像もつきません。

ところが看護師はなかなか現れず、ナースセンターとマイクで応答している様子もありません。

「ひょっとしたら、一大事かもしれない」
不安が増大してくると、すぐにベッドから起き上がりました。

暗闇の中、ナースコールの音がするカーテンに向かって「大丈夫ですか?」と声をかけたのですが、返事がありません。

急いで廊下に出ました。
部屋の入口ではナースを呼ぶランプが点灯していますが、深夜の病棟は人の気配が無く、ランプの点滅と音だけが非常事態を知らせていました。

ナースセンターに着きましたが、出払って対応中なのか、誰もいません。
「誰かいませんか?」とナースセンターに声をかけましたが、ナースコールが鳴っているだけです。

長い廊下を小走りし看護師さんを探しましたが、いませんでした。

部屋に戻る途中で、別の病室から看護師さんが機械を押しながら現れました。

良かった。
「同室の方がナースコールを押しています。」と伝えましたが、看護師さんは全てをわかっているようで落ち着いていました。

看護師さんの態度で、重大な事態ではないことだと気づき、安心しました。

急にトイレに行きたくなり、自分の部屋のトイレに入りました。看護師さんも後に続いて部屋に入り、患者に対応してナースコールの音がやっと止まりました。

「やれやれ、まあ何事も無くて良かった。深夜の廊下で走ったり、ナースセンターで叫んだりと夜中の騒ぎを起こしてしまったかな。誰か目覚めてしまったかな。」と考えながらゆっくりと用を足していると、看護師さんの声が聞こえました。

「はい、トイレは今、別の方が入っているので、もう少しお待ちくださいね。」

なんてこったい!
ナースコールはトイレに行きたいから看護師さんを呼んでたんかい。
そのトイレは、今看護師さんを呼びに行って走り回った私が使ってるわい。

ナースコールをずっと呼び続けた患者は、私のことをどう思っているだろう。
「早くトイレから出てくれ」としか考えていないはずだ。

私の行動って、お邪魔虫に尽きる。

ナースコール(1) 押すのを我慢した話

2020-10-03 | 健康
入院患者がベッドに一人きりになった時、連絡手段がナースコールだ。

(どんな場合に押すのか)
「何かあったら押して呼んで下さいね」と気軽にナースに言われるが、どんな場合に押して良いのか、判断に迷う。

飛行機の座席でコールボタンを押して、CAにブランケットやお茶を求めるのとは、ちょっと違う。
ナースはめちゃくちゃ忙しい。

「自分では解決できない」「異常を知らせる」事態でナースコールを使うなど、
忙しい人を呼ぶ理由の合理性が、患者に求められると思う。

(ナースコールドラマ)
過去の入院で、同室患者によるナースコールドラマを経験しているので、ギリギリまでナースコールを押したくなかった。

(ナースコールを押した)
しかし、とうとうナースコールを押す時が来た。

手術後は、痛み止めの硬膜外麻酔が背中に刺さっているが、術後1日過ぎると硬膜外麻酔は外され、飲み薬のロキソニンに変わる。

ロキソニンは、食後1日3回と上限がある。
これって、疑問に思う。

夕食の18時に支給され服用してから、翌朝食の8時まで14時間、ロキソニンの効果が持続するとは思えない。
夜中に、術後の傷痕が痛んだら、どうするのだろうか?

不安は的中した。

真夜中に、薬の効果が切れて、傷痕が痛み出した。切開した外傷だけでなく、胸の内部の傷も広範囲で痛い。

胸の中にはドレーンが残っており、カラダの向きを変えようと、少しでも腹筋を使うと連動して胸に激痛が走る。

痛みを避けて少しずつ手を伸ばして、やっとナースコールを掴んだ。握り締めたものの、どのタイミングで押すか、悶々と考えていた。

もう限界、押さなきゃとナースコールを押した時は朝の5時だった。
駆けつけたナースは、予め準備していたのか、点滴で痛み止めを処方してくれた。

(それでどうなった)
そしてわずか30分後の5時30分に、残念なことに、我慢して掴んだ痛み止めの点滴が外された。

「外しても暫くは、痛み止めの効果が持続します。」とナースは言う。朝食のロキソニンと重複させない配慮なのだろうか。

結果論だが、我慢しないで、もっと早くナースコールを押せば良かったと思う。

きっと、過去に経験したナースコールドラマのせいだ。

PCR検査費の明細 唾液検査が妥当

2020-10-02 | 健康

病院の会計で、自分の番号が表示されるのを待っていると、マイクで名前を呼ばれた。

 
こういう呼び出しは、追加料金に違いない。
前回も、入院中に受診した歯科口腔外科の料金を、後から外来扱いで請求された。
医科と歯科は、料金計算が別というルールを初めて知った。
 
今回は、術前に行ったPCR検査費用の請求だった。
「PCR検査の費用を頂いていないので、本日の会計と併せてお支払い頂けますか?」と会計の方が言う。
 
払わないわけにはいかないので「いいですよ」と返事をするが、内心ではいくら請求されるのかと、ちょっと緊張する。
 
「240円です。」という。
想像以上に、安い。
 
請求書と明細書を椅子に座ってじっくり見る。
総点数は、2029点(20,290円)だが、
明細を見ると、
 SARSーCoVー2核酸検出(検査委託)1800点
 微生物学的検査判断料150点
の合計1950点(19500円)が、
公費(新型コロナウイルス)で全額控除されていた。
 
支払い対象は、
 外来診療料74点
 鼻腔・咽頭拭い液採取5点
の合計79点(790円)。
支払金額は、3割負担で240円だった。
 
ここで、1ヵ月前に受けたPCR検査の状況を思い出して、疑問に思う。
 
完全防護姿の看護師とドクター。
細長い綿棒を、左右の鼻の奥にそれぞれ突っ込んで、粘液を採取した措置の保険点数が5点。
費用に直すと、僅か50円。片方の鼻で25 円。
 
患者に恐怖感や痛みを与えず、くしゃみさせてはならず、感染リスクが高く、失敗が許されない検査の対価が、50円。
これでは完全防護の装備費用も賄えない。
 
医療従事者はやってられないのではないか。
 
その後、この病院でもPCR検査は、リスクが少ない唾液検査に変わったそうだ。
唾液検査の採取料は0円だが、検尿と同じように自分で行い、ドクターやナースは関与しない。
患者も怯えたり、涙を流すことはない。
 
検査精度が同じなら、鼻腔咽頭拭い採取から唾液採取に変わるのは、当然の結果と言えよう。
 
医療関係者や患者にとって、より良い方向に進んでいると感じた。
 
保険医協会のHPより引用
(問3)PCR検査や抗原検査を実施する場合、検体は鼻咽頭ぬぐい液と唾液の2種類があるが、検体採取料は算定できるのか。
(答3)鼻咽頭ぬぐい液の場合は「鼻腔・咽頭ぬぐい液採取(5点)」が算定できるが、唾液の場合は検体採取料は算定できない。なお、検体採取料は公費対象外である。

病棟と外来 ドクターとナース

2020-10-01 | 健康
病院には、外来と病棟の2つの世界がある。

これまでに4回、手術で入院してわかったが、病棟は、外来とは別世界だと思う。

(賑やかさと静けさ)
病人や怪我人が集まるのが病院だが、それでも外来は賑やかだ。人も多く、服装も色とりどりで、行動も多様だ。

病棟は違う。動き回る人や会話はほとんどなく、指定ベッドで寝巻き姿で居住する。聞こえるのはナースコール。コロナで面会禁止となり、重い静けさが漂う。

病院の休日、検査室に向かう廊下や待合は無人で明かりだけ。病院は別の顔になる。

(ドクターとナース)
外来は、予約制で、受付順に番号で呼ばれる。ドクターに受診し、必要な検査や措置・処方を受け、自分の状態を知り、今後の生活方針を定めていく。ドクターが中心の世界だ。

病棟は、食事や検査を含め患者の行動は、ドクター指示のもと、担当ナースが管理する。患者は名前で呼び、血圧、体温、食事・排便排尿のチェック、薬の処方を日夜定期的に行う。異常が有ればベッドのナースコールが命綱だ。

(手術後のドクター)
手術後のドクターは、多忙だ。
病棟の朝食は8時だが、8時30分にはドクターが毎日回診に来る。術後の状態を診て必要な措置を行い、患者に安心感を与えて、9時から始まる自身の外来に備える。

朝早く病院に来たのに「予約時刻が来ても診察が始まらない、医者は遅刻している」と待合室で不満を言う人がいるが、入院経験がなく、病棟のドクターの仕事が想像できないのだろう。

手術後には、執刀医、麻酔科、歯科口腔外科だけでなく、血液検査や術後状況を診て、消化器内科、整形外科、脳神経内科など様々なドクターが来た。21時近くになってドクターが回診に来た時には、驚き恐縮した。
治療費は出来高制ではなくDPCで病名で定額なのに、総力を上げて対応してくれる。

(手術後のナース)
手術後は、麻酔、酸素チューブ、ドレーン、カテーテル、点滴、酸素量測定、心電図、フットポンプなどがカラダに繋がっており、寝返りさえできない。これが3日も続くと、痛みも引かずに患者は相当滅入って来る。

ナースは献身的だ。術後に患者が入るICUや HCUは緊張感MAXだ。患者が一般病棟に移った後は、日夜二交代制で患者の健康状態を定期的に測定し、何か有れば駆けつける。
深夜眠れずに電動ベッドの角度を変えた際、懐中電灯を持ったナースが駆けつけて様子を見に来たのには驚いた。

患者の状態を観察し記録して、患者が落ち込んでる時には、さりげない会話の中で、退院後の生活の目標を見つけるように励ましてくる。QOLを考えている。

入院資料に記載があるのに「説明を受けていない」とナースに苦情を言った同室の患者が、検査入院中のナースの働きに接して、次第に協力的態度に変化して、御礼を言って退院して行ったのが印象深い。

ドクターもナースも患者も、QOLを目指して、病気や怪我、患者の弱い心と闘っているのだと思う。