ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

PANTA逝く! 反抗心溢れる初期日本のロックの雄 ふざけるんじゃねえよ / 頭脳警察

2023-07-08 08:21:28 | 日本のロック70年代
ふざけるんじゃねえよ

PANTAが逝去した。73才だ。
ロック・ミュージシャンとしては、長生きだったかもしれない。
いや、今の時代では、まだまだかも。

PANTAとの出会いは中学2年の遠足の時。
ヤンキーで不良であることを自慢していたクラスメイトが
遠足のバスの中で、カセットテープをクラスメイトに聴かせて、
「かっこいいだろ?頭脳警察3だぜ!」
彼にはやっぱり不良の兄がいたはずで、その兄から教わったらしい。
いかにも不良が好みそうな反抗心溢れる歌詞にクラスメイトが圧倒されたのを覚えている。
その時はよくわからず、後で調べて、この「ふざけるんじゃねえよ」がPANTA率いるロック・バンド「頭脳警察」のサードアルバム収録だということを知る。
この直情的な歌詞はやはり、学生運動の雰囲気が若者にまだ残っていた1970年代初期だからのものだろう。若者は大人に反抗するというのが常識だった。当時の若者は政治にも深く関心をもっていたんだ。

高校時代、文化祭で、バンドでこの曲をやった。
この曲を当時の高校生がどれだけ知っていたかわからない。
でも、演奏する方は楽しかった。

PANTAは決して、上手い歌手ではないとは思うが、その声がもつロックのエネルギーがすごかった。言葉に力があった。ロックはテクニックではなく、伝える力だと思わせる人だった。

数年後、ソロになった彼の作品も良く聴いた。
「屋根の上の猫」「つれなのふりや」「マラッカ」は今でも好きな曲である。

屋根の上の猫  
まるで、アニメのテーマソングのようなドラマティックな盛り上がりを示す曲。歌詞は意味不明なのだが、なぜか説得力をもつパワーのある曲。
当時は、シンプルに「すげーかっこいい!」と思った。



つれなのふりや  
レゲエアレンジが新鮮な1曲。「つれなのふりや」はつれないふりして・・・の意味らしい。同じく歌詞にでてくる「すげなの顔や」はそっけない顔をして・・・の意味。昔の短歌にでてくる一節とのこと。気になる人はネットですぐ調べられます。
この曲は繰り返して聴くと、クセになります。いつの間にか歌ってしまう中毒性があります。




マラッカ  
目の前に、赤道直下の海が広がるようなアレンジと歌詞が印象的な曲。
やはり、言葉の選び方が鋭い。
対応するギターソロもえらくかっこいい。
この曲もクセになる。サビのところがバシッと決まる。




PANTA様
あなたは、私の青春時代に力を与えてくれた。
あなたは真の日本のロッカーだった。

ご冥福をお祈り申し上げます。

合掌
コメント (8)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カルメン・マキ&OZ の魅力 「六月の詩」1975年

2022-12-03 06:29:10 | 日本のロック70年代
Carmen Maki & Oz ► 六月の詩 Rokugatsu No Uta [HQ Audio] 1975

カルメン・マキ71才、ギタリスト春日博文68才、いまだに現役。
そして、カルメン・マキ&OZ 未だ続行中。
私の大好きなバンドである。このバンドについて何回かに分けてその魅力を考えてみたい。

日本のロックがいつ始まったか、そして、いつから盛り上がったのか?これは、70年代から、いろいろジャーナリズムで取り上げられた題材である。
いろんな意見があり、ここでは深入りしない。

個人的にはやはり日本のロックの草創期の2大傑作はアルバム「カルメン・マキ&OZ」のファーストアルバム、四人囃子のファーストアルバム「一触即発」である。
当時、日本語でロックをやることに抵抗があった時代において、あえて日本語で取り組み、そして、ロックの持つうねりのようなエネルギーを放ったこの2作は私にとって、全く次元の違う音楽だった。
当時、日本語のロックはほかにもあったが、演奏のダイナミックさではこの2大バンドほど心に響かなかった。スケールが違った。中高生時代、私と私のバンド仲間の何人かは、この二つのバンドにどっぷりはまってしまったのだ。

さて、カルメン・マキである。アラ還である私にとっては、小学生のころからのなじみの歌手である。彼女は1969年に17歳にして「時には母のない子のように」で、ビッグ・ヒットを飛ばし、当時、もの心がついていた日本人なら、誰でも知っている歌手であった。一般大衆には一発屋の歌手みたいなイメージを持たれているかもしれない。ところが、彼女は一般大衆が好む音楽(当時の歌謡曲。テレビの歌番組に出る音楽。)の枠から飛び出していった。

彼女は、あのジャニス・ジョプリンに刺激を受け、紆余曲折の上、日本語のロック・バンド、カルメン・マキ&OZを結成した。
主要メンバーであったギターの春日博文は結成当時は18才だったという。そして、1974年に「午前一時のスケッチ」でシングルデビュー、1975年1月に名作「カルメン・マキ&OZ」でアルバム・デビューする。

話はそれるが、1977年にOZが解散したあと、「カルメン・マキ&LAFF」「5X」というカルメン・マキを主体としたバンドが結成されたが、しっくりこなかった。やはり、曲の出来が全然違った。
日本語の歌詞、劇的なアレンジ、情念のある演奏などにより、すべて「カルメン・マキ&OZ」が上回っているというか、数段高いレベルにあった。カルメン・マキがいれば、すごいものが生まれるというものでもなかったと思う。
あのメンバー、あのプロジェクトだから、達成された奇跡のサウンドだったのだ。ちなみに、OZ結成前にやっていたブルース・クリエイションとのコラボもマジックは感じられなかった。
未だにOZのライブをやると熱狂的な支持を受けるのは理由があると言えよう。

さて、ファースト・アルバムの記念すべき1曲目「六月の詩」をまず取り上げたい。
この曲の最初の部分はピアノの伴奏だけであり静かに始まる。当時、日本の音楽シーンで大きな立ち位置を占めていた「フォーク・ソング」の雰囲気がある。ところが、メロディがサビの部分に入ってくると、ヘヴィなロック・サウンドが押し寄せてくるのだ。そして、「ドス」の効いたカルメン・マキのパワフルの歌唱が圧倒的なパワーを放つ。これは・・・まさにロックだった。まだ曖昧だった「日本語のロック」が見事な存在感、ダイナミックな質感をもってここに降臨した。欧米のロックとは違った湿った日本人の情念を表現する強烈なロック精神の提示がそこにあった。
春日博文のギターはテクニシャンとは言えないけど、実に細やかな表現ができる人で、日本人的なメロディ、リズム感、音色を素晴らしいセンスで、構築した。そしてパワーがあった。彼がいなかったら、OZのサウンドはここまでの完成度にならなかったような気がする。

この曲はアレンジ面ではブレイクするようなリフを多用して、ロックの豪快さを表現しようとしており、その狙いは成功している。
今聴くと、普通のアレンジに聴こえるかもしれないが、当時の日本のバンドで、こんな演奏をしているバンドはなかったと記憶している。
先駆者としての彼らの試行錯誤を感じられる編曲だった。
そして、静と動の対比による印象の強さ。それも曲の魅力を引き上げていて、その魅力にとらわれたものを離さない。

8分を超える曲ではあるが、私は全然長いと思わない。
ドラマティックな構成とマキの歌唱力があまりにも素晴らしいからだ。
ファースト・アルバムの1曲目として、名刺代わりの曲として、見事なパワーを見せつけてくれた名曲だと思うのである。

ドラムにかけたフェイザーや分厚いコーラス、メロトロンの活用など、いろんな要素もこの曲を非凡なものにしている。


コメント (7)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロック魂を感じるこの声! PANTA  マラッカ(1979)

2021-06-15 21:10:51 | 日本のロック70年代

PANTA  マラッカ(1979)

バッキングは当時の最新鋭のサウンドなのだが、やっぱり、パンタのヴォーカルはかっこいい!

はっきり言って、上手いとは言えない(ごめんなさい。)。

でも、心に直接響いてくるこの声。

あの「頭脳警察」の「ふざけるんじゃねえ!」の反体制的な攻撃的な声が、おしゃれなこの曲でも空気を切り裂く!

ロックの声はこうでなくっちゃ。

決して屈しない反骨心というのかな?実に胸がスーッとする。

 

この曲も、売れっ子ミュージシャンのバッキングの上で、パンタ独特の生々しい声が舞う。

ある意味、真逆の組み合わせだが、不思議とマッチしている。他の人が歌ったら、典型的なシティ・ポップスになるところだが、

パンタが歌う事により、荒々しさを感じる曲となる。

ネフードの風

 

 

 

コメント (14)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本のロック史上、最高のインスト!Spinning Toe-Hold / CREATION

2020-06-17 21:57:34 | 日本のロック70年代

Spinning Toe-Hold

やー、久々に聴いたけど、やっぱりこの二人のギターの掛け合いは最高だ。

プロレスの技を曲にしてしまったという裏話があって、けっこう有名になった曲である。

私個人としては、高校時代のバンドで文化祭で演奏したのがいい思い出である。

シンプルだけど、ツボを押さえたギターは気持ちいい。よく、こんな曲を考えたものだ。

実はパート2もあって、こちらはちょっとジャズ・フィーリングがあって、違う雰囲気を楽しめる。

前回に引き続き、繰り返すが、やはり中学・高校時代聴いた音楽は一生ものですね。

Spinning Toe-Hold No.2 - CREATION

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

激熱、70年代の日本のロック特集4 カルメンマキ 私は風 CARMEN MAKI

2020-02-29 18:12:02 | 日本のロック70年代

カルメンマキ 私は風 CARMEN MAKI

個人的には日本のロック史上、最強かつ最高のヴォーカリスト、カルメン・マキ。

一緒にやっていたOZの春日博文(ギター)と川上茂幸(ベース)との復活ライブで、たぶん3年ほど前の映像です。

現在68歳ですから、65歳の時の映像でしょうか?若い時と同じくパワフルな声を聴かせてくれます。

観に行けた人!めちゃくちゃ羨ましい!

私にとっては、「私は風」「午前一時のスケッチ」はバイブルみたいなもんです。

カルメン・マキ&OZが残した3枚のスタジオアルバムは本当に凄い。

聴きたくなってきました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする